兵庫県知事選の背景 注目すべき「情報の空白」と「情報の権威の交代」【今週のファクトチェック】

兵庫県知事選の背景 注目すべき「情報の空白」と「情報の権威の交代」【今週のファクトチェック】

県議会の全会一致の不信任決議で失職した斎藤元彦氏が兵庫県知事選で返り咲きました。候補者や兵庫県議会に関する様々な情報が拡散したと注目されましたが、その背景にはマスメディアによる「情報の空白」を埋めるソーシャルメディアの影響力の増大と、それに伴う「情報の権威の交代」があります。

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月1度開催しています。講座はオンラインで90分。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は11月30日で、お申し込みはこちら。 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような知識と行動が偽・誤情報対策として有効かを分析し、誰でも無料で視聴できる「ファクトチェック講座」を

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今週の解説

斎藤氏再選の裏にSNS・動画 投票の参考情報で新聞テレビ上回る 偽・誤情報だけでは語れない兵庫県知事選・前編

兵庫県知事選でパワハラ問題などで失職した前知事の斎藤元彦氏が再選しました。「SNSの勝利」「マスメディアの敗北」などとも言われる中、何が起きていたのか。都知事選の石丸現象や総選挙の国民民主党の躍進、アメリカ大統領選などと比較し、アルゴリズムやバイアスなどの観点から解説します。

斎藤氏再選の裏にSNS・動画 投票の参考情報で新聞テレビ上回る 偽・誤情報だけでは語れない兵庫県知事選・前編【解説】
兵庫県知事選でパワハラ問題などで失職した前知事の斎藤元彦氏が再選しました。「SNSの勝利」「マスメディアの敗北」などとも言われる中、何が起きていたのか。都知事選の石丸現象や総選挙の国民民主党の躍進、アメリカ大統領選などと比較し、アルゴリズムやバイアスなどの観点から解説します。 「斎藤氏の支持者がデマを熱狂的に信じた」という言説の落とし穴 兵庫県知事選・後編【解説】兵庫県知事選をめぐる偽・誤情報の拡散に関する解説の後半です。背景にはマスメディアの影響力低下とソーシャルメディアにおける選挙情報の拡大という世界で共通する大きな潮流があります。その中で、信頼性の高い情報に基づいた民主主義を成立させるためには、どうすればよいか。 SNS・動画が選挙情報の中心に 偽・誤情報だけでは語れない兵庫県知事選・前編【解説】兵庫県知事選でパワハラ問題などで失職した前知事の斎藤元彦氏が再選しました。「SNSの勝利」「マスメディアの敗北」などとも言われる中、何が起きていたのか。都知事選の石丸現象や総選挙の国民民主党の躍進、アメリカ大統領選などと比較し、アルゴリズムやバイアスなどの観点から解説します

「斎藤氏の支持者がデマを熱狂的に信じた」という言説の落とし穴 兵庫県知事選・後編

兵庫県知事選をめぐる偽・誤情報の拡散に関する解説の後半です。背景にはマスメディアの影響力低下とソーシャルメディアにおける選挙情報の拡大という世界で共通する大きな潮流があります。その中で、信頼性の高い情報に基づいた民主主義を成立させるためには、どうすればよいか。

「斎藤氏の支持者がデマを熱狂的に信じた」という言説の落とし穴 兵庫県知事選・後編【解説】
兵庫県知事選をめぐる偽・誤情報の拡散に関する解説の後半です。背景にはマスメディアの影響力低下とソーシャルメディアにおける選挙情報の拡大という世界で共通する大きな潮流があります。その中で、信頼性の高い情報に基づいた民主主義を成立させるためには、どうすればよいか。 SNS・動画が選挙情報の中心に 偽・誤情報だけでは語れない兵庫県知事選・前編【解説】兵庫県知事選でパワハラ問題などで失職した前知事の斎藤元彦氏が再選しました。「SNSの勝利」「マスメディアの敗北」などとも言われる中、何が起きていたのか。都知事選の石丸現象や総選挙の国民民主党の躍進、アメリカ大統領選などと比較し、アルゴリズムやバイアスなどの観点から解説します。 SNS動画を投票の参考に 新聞テレビを上回る SNSでの支持の広がりが斎藤氏の再選を後押ししたと言われる今回の選挙。データがそれを裏打ちしています。NHKが投票所で実施した出口調査を見てみます。 何を投票の参考にしたかという質問への答えで1位が「SNSや動画サイト」で30%、新聞24%、テレビ24%、知人・家族5%を上回りました。また、「SNSや動画サイト」と

今週のファクトチェック

トランプ大統領、就任が2ヵ月早まった? パーティーでの「提案」

アメリカのトランプ次期大統領が就任を2カ月早めるとする投稿が拡散しましたが、誤りです。自身の別荘でのパーティーでの発言で、実現する見通しはありません。

トランプ大統領、就任が2ヵ月早まった? パーティーでの「提案」【ファクトチェック】
アメリカのトランプ次期大統領が就任を2カ月早めるとする投稿が拡散しましたが、誤りです。自身の別荘でのパーティーでの発言で、実現する見通しはありません。 検証対象 2024年11月16日、アメリカのトランプ次期大統領が就任を2ヵ月早めるという投稿がXで拡散した。「もう就任しちゃうんですって」「トランプ大統領は、先日のマーアーラゴでのパーティーで、大統領就任を2カ月早めるという斬新な計画を発表🎉🎉🎉」と述べている。 投稿には、イギリスのMail Onlineの画像を日本語化したような画像がついており、「トランプ大統領が筋肉隆々のケネディ・ジュニアに5語の警告を発し、マール・ア・ラゴでのパーティーで任期を早めることを提案」という不自然な日本語がついている。 2024年11月18日現在、この投稿は500件以上リポストされ、表示回数は11万件を超える。投稿について「アメリカでの出来事は日本にも影響する…。」「前倒し✨だって、待てないんだもの。」というコメントが付いている。 検証過程 2024年の米大統領選挙で勝利したトランプ氏の大統領就任式は、2025年

潜在的な国民負担率は62.9%? 過去のデータで現在は改善

「財務省『潜在的国民負担率、62.9%に達しちゃった』」という言説が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。2020年にはそのレベルに達していますが、現在は改善傾向で50%台です。

潜在的な国民負担率は62.9%? 過去のデータで現在は改善【ファクトチェック】
「財務省『潜在的国民負担率、62.9%に達しちゃった』」という言説が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。2020年にはそのレベルに達していますが、現在は改善傾向で50%台です。 検証対象 2024年11月12日、「財務省『潜在的国民負担率、62.9%に達しちゃった』」「1日8時間働いて5時間分は国に取られる。五公五民どころじゃねーな」という言説が拡散した。投稿にはまとめサイトのリンクが添付されている。 2024年11月12日現在、この投稿は1.1万件以上リポストされ、表示回数は185万回を超える。投稿について「財務省が全国民の敵」「働くの馬鹿みたい」というコメントが付く一方で「公式の報道機関やニュースサイトではありません」というコミュニティノートも付いている。 検証過程 国民負担率と潜在的国民負担率 国民負担率とは、国民の所得に占める税金や年金、社会保険料などの負担の割合だ。租税負担率と社会保障負担率を合計したものを国民負担率、これに財政赤字を加えたものを潜在的な国民負担率という(財務省)。 2023年投稿のまとめサイト記事を引用 検証対

アメリカでは帰化して三世代おかないと政治家になれない? 大統領や連邦議会議員に親の国籍は関係ない

「アメリカでは帰化して三代、間におかないと政治家になれない」という言説が拡散しましたが、誤りです。大統領や連邦議会上下院議員になるために、年齢や在住期間の規定はありますが、親の国籍は関係ありません。また、添付画像は日本に関する「帰化した国会議員」のリストですが、実際に帰化した人物はわずかで、ほとんどが誤ったものです。

アメリカでは帰化して三世代おかないと政治家になれない? 大統領や連邦議会議員に親の国籍は関係ない【ファクトチェック】
「アメリカでは帰化して三代、間におかないと政治家になれない」という言説が拡散しましたが、誤りです。大統領や連邦議会上下院議員になるために、年齢や在住期間の規定はありますが、親の国籍は関係ありません。また、添付画像は日本に関する「帰化した国会議員」のリストですが、実際に帰化した人物はわずかで、ほとんどが誤ったものです。 検証対象 2024年11月3日、X(旧Twitter)で「米国では帰化してから3代間にないと選挙に出られない、つまり政治家になれない」という言説が拡散した。11月19日現在、230万以上の閲覧と1万件を超えるコメントがついている。 コメントには「日本も規制した方がいいですね」「日本も帰化3世までは立候補出ないようにする必要がある」などと同調する意見が続く一方で、「米国で、流石に三世代はないです。」という指摘もある。 検証過程 大統領と連邦議会上下院議員の資格要件を調べると、合衆国憲法に規定がある。 米国大統領の資格要件 合衆国憲法では、大統領は年齢35歳以上であること、生まれながらのアメリカ国民であること、最低14年間アメリカに居住

「(斎藤知事の)パワハラはなかった」と百条委の委員長が発言? 前後の文脈を無視した切り取り動画

兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事をめぐって、百条委員会(調査特別委員会)の奥谷謙一委員長が「パワハラはなかった」と発言したという動画付きの言説が拡散しましたが、不正確です。拡散した動画は発言の一部を切り取ったもの。奥谷委員長は拡散した動画の発言後、「厳しい叱責を受けたという人はいたか?」と問われて「整理できていないが、『厳しい叱責を受けたことがある』と答えた人は結構おられたと思う」と説明。パワハラに当たるかどうか評価したいと答えています。

「(斎藤知事の)パワハラはなかった」と百条委の委員長が発言? 前後の文脈を無視した切り取り動画【ファクトチェック】
兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事をめぐって、百条委員会(調査特別委員会)の奥谷謙一委員長が「パワハラはなかった」と発言したという動画付きの言説が拡散しましたが、不正確です。拡散した動画は発言の一部を切り取ったもの。奥谷委員長は拡散した動画の発言後、「厳しい叱責を受けたという人はいたか?」と問われて「整理できていないが、『厳しい叱責を受けたことがある』と答えた人は結構おられたと思う」と説明。パワハラに当たるかどうか評価したいと答えています。 検証対象 2024年11月19日、「奥谷委員長が発言してます。パワハラはなかったと」という言説が拡散した。 添付された25秒間の動画では、奥谷委員長が記者から、この日の証人尋問に呼ばれた6人について「パワハラを受けたという人は何人いるのか」という質問を受け、「私の認識では明確に知事の方からパワハラを受けたという方はいらっしゃらなかった」と答えている。 2024年11月20日現在、この投稿は180件以上リポストされ、表示回数は32万回を超える。投稿について「これが正解」「まだ言うかね」というコメントがつく一方で、「そんな

斎藤知事は「全国知事会議」の出席率36%? 2つの会議を混同

兵庫県の斎藤元彦知事が、百条委員会の尋問を欠席して政府主催の全国知事会議に出席すると報じられました。この件について「斎藤知事のこれまでの全国知事会議出席率=36%」という主張が拡散しましたが、誤りです。全国の知事が集まる会議には、斎藤知事が今回出席する政府主催の「全国都道府県知事会議」と、全国知事会が主催する「全国知事会議」があり、拡散した表は全国知事会主催の出欠です。斎藤知事1期目の全国都道府県知事会議への出席率は約7割です。

斎藤知事は「全国知事会議」の出席率36%? 2つの会議を混同【ファクトチェック】
兵庫県の斎藤元彦知事が、百条委員会の尋問を欠席して政府主催の全国知事会議に出席すると報じられました。この件について「斎藤知事のこれまでの全国知事会議出席率=36%」という主張が拡散しましたが、誤りです。全国の知事が集まる会議には、斎藤知事が今回出席する政府主催の「全国都道府県知事会議」と、全国知事会が主催する「全国知事会議」があり、拡散した表は全国知事会主催の出欠です。斎藤知事1期目の全国都道府県知事会議への出席率は約7割です。 検証対象 2024年11月19日、「斎藤知事のこれまでの全国知事会議出席率=36%」という投稿が拡散した。投稿には「全国知事会議 知事出席状況」という表が添付され、斎藤知事は1期目の2021年8月30日から2024年8月2日までの11回中4回出席(出席率36%)したことになっている。 投稿は2024年11月22日時点で約6000件のリポストと約230万件のインプレッションを獲得している。 「今まで通り休むべき。百条委員会の方が大切だ」「2期目当選して最初の知事会、最優先に決まってるやろ」と賛否のコメントが付く一方で、「今回は政府主

今週のJFC動画

斎藤元彦氏が勝利した兵庫県知事選で偽・誤情報が蔓延してたって本当?

誰でも投稿できるSNSや動画に不確かな情報が多いことは事実です。しかし、斎藤氏の県政を支持した人たちもいるため、ソーシャルメディアや偽・誤情報だけが勝利の理由ではないです。また、「パワハラはなかった」と委員長が言ったという内容の動画が拡散しましたが、これは一部を切り抜いた情報で、まだ結論は出ていません。

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兵庫県知事選挙については、メディア各社が様々な視点から分析した記事を出しました。

テレビ・新聞よりもSNS?兵庫県知事選挙で何が?(NHK)

兵庫県知事選挙で、NHKの出口調査で投票する際に何を最も参考にしたか聞いたところ、「SNSや動画サイト」が「新聞」と「テレビ」を上回りました。今回の選挙で何が起きていたのか、NHKによる分析記事です。

テレビ・新聞よりもSNS?兵庫県知事選挙で何が? | NHK
【NHK】17日に投開票が行われた兵庫県知事選挙。NHKの出口調査で投票する際に何を最も参考にしたか聞いたところ、「SNSや動画サ…

兵庫県知事選挙 有権者の不信、既成政党やメディアに(日経新聞)

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兵庫県知事選挙 有権者の不信、既成政党やメディアに 兵庫県知事選 有識者に聞く - 日本経済新聞
17日投開票の兵庫県知事選で前知事の斎藤元彦氏が返り咲きを決めた。SNSを積極的に使った手法は、若年層の政治参加から偽情報の拡散、既成メディアの役割まで幅広い論点を投げかけた。今回の選挙から得る教訓は何か。有識者に聞いた。【関連記事】河野有理・法政大教授(政治学、日本政治思想史)斎藤氏が終盤にかけて逆転したという解説もみられるが、私は事前の情勢調査の数字自体が斎藤氏に低く出すぎていた可能性が

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兵庫県知事選 “うそ通報でSNS凍結”稲村和美氏の後援会が告訴 | NHK
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Russia’s Blueprint for a Fact-Checkers Association: What’s the Real Agenda?
The Kremlin has long used fact-checking as a weapon. Since the beginning of Russia’s full-scale war in Ukraine, Russians have launched many channels on Telegram and other social media that are supposedly engaged in “exposing Western propaganda” and “protecting the truth,” but in fact are promoting t

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理論から実践まで学べるJFCファクチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験
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黄砂は中国の農業が引き起こしている? 無関係な動画【ファクトチェック】

黄砂は中国の農業が引き起こしている? 無関係な動画【ファクトチェック】

多数のトラクターが砂塵を巻き上げながら走っている動画と共に「黄砂は中国の人工的なテロ」と主張する投稿が拡散しましたが、誤りです。拡散した動画はブラジルの農業風景を映したもので、中国は関係ありません。動画はこれまでにも世界中で違う文脈で拡散しています。 検証対象 2025年3月13日、「黄砂🇨🇳って人工的なテロだったんだね…」と書かれた投稿が拡散した。多数のトラクターが砂塵や土埃のようなものを巻き上げながら走っている様子が映った動画が添付されている。 投稿は約1500件のリポストと約17万件のインプレッションを獲得している。「日本に飛来するようにわざとやってます⁉」「もしかしてワタシの持病の粉塵アレルギーや気管支喘息ももしかしてコレの所為?」などのコメントが付く一方で、フェイクを指摘する声もある。 検証過程 過去に中国とは別の文脈で拡散した動画 日本ファクトチェックセンター(JFC)が投稿に添付された動画の一部をGoogle画像検索で調べたところ、同じ動画を使ったYouTube動画やXの投稿がヒットした(投稿1、投稿2、投稿3)。 これらの投稿

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
兵庫県百条委、告発7つを全否定? テレビ画像を加工【ファクトチェック】

兵庫県百条委、告発7つを全否定? テレビ画像を加工【ファクトチェック】

兵庫県・斎藤元彦知事に関する県議会の百条委員会が、告発された7項目全てを否定したという情報が拡散しましたが、誤りです。根拠とされたテレビ画像は加工されています。 検証対象 2025年3月9日、「7つの告発」という見出しに、「職員へのパワハラ」「不当な解任で理事長急死」など、斉藤知事に対する告発の7項目が書かれ、いずれもバツ印と「否」の文字がついているテレビ番組と思われる画像の投稿が拡散した。「百条委員会ってやる意味あったの?」という文言がついている。 3月14日現在、46万以上の閲覧と280あまりのリポストがついて、「結論ありきでホント酷かった」「ないですよね…微塵も」「時間と税金の無駄遣い委員会」などのコメントがついている。一方、コミュニティノートが付き「加工された画像」だと指摘している。 検証過程 画像はサンデージャポンの一場面 拡散した画像の右上には爆笑問題の太田光さんらが映っており、TBS「サンデージャポン」のように見える。拡散した投稿のリプ欄にはサンデージャポンの該当箇所と思われる動画をつけた投稿もある。 この動画を見ると、拡散した画像

By 宮本聖二
新型コロナワクチンで寿命が短くなる? 根拠不明のデータ【ファクトチェック】

新型コロナワクチンで寿命が短くなる? 根拠不明のデータ【ファクトチェック】

新型コロナワクチンで寿命が短くなることを示したデータがあるという情報が拡散しましたが、根拠不明です。同じような情報が過去に世界でたびたび拡散していますが、いずれも「根拠不明」と判定されています。 検証対象 2025年2月12日ごろから、30歳の人が3回新型コロナワクチンを打ったら55歳までしか生きられないデータが出たという主張や、新型コロナワクチンは人口削減ワクチンだなどと言う投稿がXで複数拡散した(例1、例2)。 投稿は、多いものは3000回以上リポストされ、表示は269.3万回を超える。投稿には「そもそも政府がグレートリセットって発言されてます」「3回打たされた小中学生はどうなるんだろう…」などのコメントのほか「統計出せるほど年数経ってませんがね」「どうやってデータ取ったんだよ笑」という批判もある。 検証過程 新型コロナワクチンの接種から約4年しか経っていない 検証対象は、「30歳の人が3回コロナワクチンを打ったら55歳までしか生きられないデータが出た」「統計が出ている」などと主張する。同ワクチンの一般人への接種が始まったのは英国が初めてで、2

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
菅元首相がワクチン注射を誤魔化した? 映像の角度によるもの【ファクトチェック】

菅元首相がワクチン注射を誤魔化した? 映像の角度によるもの【ファクトチェック】

菅義偉元首相が「刺すと引っ込む針」を使ってワクチン接種を誤魔化したという情報が拡散しましたが、誤りです。拡散した動画では注射針が消えたように見える場面がありますが、別の映像では針がはっきりと映っています。 検証対象 2025年3月3日、菅元首相(当時)が2021年3月16日に新型コロナのワクチン接種をする動画とともに「日本国民のみなさん、まだ騙されたままですか? 首相を含め政府関係者が、インチキなAIR接種をしてることに気づきましょう」という投稿が拡散した。 この動画を見ると注射の針が消えているように見える場面がある。そこを指摘して「刺すと引っ込む針ですね」「生物兵器であることを知ってて、わざわざ自分から打つわけないでしょ」などのコメントがついている。この投稿は910万の閲覧と2500を超えるリポストがある。 検証過程 拡散した動画の内容は 投稿につけられた動画は15秒。マスク姿の菅氏が注射を受けている。医者が注射を取り出すと針が飛び出たように見える。これが「刺すと引っ込む針」「AIR注射」などと批判が出る根拠となっている。 動画の左上にはテレビ

By 宮本聖二