兵庫県知事選の背景 注目すべき「情報の空白」と「情報の権威の交代」【今週のファクトチェック】

兵庫県知事選の背景 注目すべき「情報の空白」と「情報の権威の交代」【今週のファクトチェック】

県議会の全会一致の不信任決議で失職した斎藤元彦氏が兵庫県知事選で返り咲きました。候補者や兵庫県議会に関する様々な情報が拡散したと注目されましたが、その背景にはマスメディアによる「情報の空白」を埋めるソーシャルメディアの影響力の増大と、それに伴う「情報の権威の交代」があります。

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JFCファクトチェック講師養成講座 11月の申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月1度開催しています。講座はオンラインで90分。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。

次回は11月30日、お申し込みは27日までにこちら。受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了です。

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は11月30日で、お申し込みはこちら。 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような知識と行動が偽・誤情報対策として有効かを分析し、誰でも無料で視聴できる「ファクトチェック講座」を

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は業務拡大により、エディターやソーシャルメディア担当などを募集しております。リモートワークや勤務時間など様々な働き方を想定しています。 待遇はスキルや経験、勤務条件に応じます。年功序列や新卒一括採用などはありません。その人の能力に応じて、裁量がある仕事をお任せします。ファクトチェック、メディアリテラシー教育、ソーシャルメディアの分析、海外の協力団体とのコラボなど、興味がある方は、ぜひご応募ください! エディター/ファクトチェッカー 業務内容 編集部でファクトチェックを中心にコンテンツの編集や企画を担当します。自由な勤務形態を推奨しており、時間や勤務地など応相談です。 応募要件 * 必須 * 記者、編集者などメディア関係や事実検証に関わる職務経験 * JFCファクトチェックガイドラインや指針などの遵守 * チームワーク * 憎しみを原動力にしないこと * 歓迎 * デジタルメディアの経験がある方は、特に重視します * ファクトチェックや調査報道の経験 * データ収集・

今週の解説

斎藤氏再選の裏にSNS・動画 投票の参考情報で新聞テレビ上回る 偽・誤情報だけでは語れない兵庫県知事選・前編

兵庫県知事選でパワハラ問題などで失職した前知事の斎藤元彦氏が再選しました。「SNSの勝利」「マスメディアの敗北」などとも言われる中、何が起きていたのか。都知事選の石丸現象や総選挙の国民民主党の躍進、アメリカ大統領選などと比較し、アルゴリズムやバイアスなどの観点から解説します。

斎藤氏再選の裏にSNS・動画 投票の参考情報で新聞テレビ上回る 偽・誤情報だけでは語れない兵庫県知事選・前編【解説】
兵庫県知事選でパワハラ問題などで失職した前知事の斎藤元彦氏が再選しました。「SNSの勝利」「マスメディアの敗北」などとも言われる中、何が起きていたのか。都知事選の石丸現象や総選挙の国民民主党の躍進、アメリカ大統領選などと比較し、アルゴリズムやバイアスなどの観点から解説します。 「斎藤氏の支持者がデマを熱狂的に信じた」という言説の落とし穴 兵庫県知事選・後編【解説】兵庫県知事選をめぐる偽・誤情報の拡散に関する解説の後半です。背景にはマスメディアの影響力低下とソーシャルメディアにおける選挙情報の拡大という世界で共通する大きな潮流があります。その中で、信頼性の高い情報に基づいた民主主義を成立させるためには、どうすればよいか。 SNS・動画が選挙情報の中心に 偽・誤情報だけでは語れない兵庫県知事選・前編【解説】兵庫県知事選でパワハラ問題などで失職した前知事の斎藤元彦氏が再選しました。「SNSの勝利」「マスメディアの敗北」などとも言われる中、何が起きていたのか。都知事選の石丸現象や総選挙の国民民主党の躍進、アメリカ大統領選などと比較し、アルゴリズムやバイアスなどの観点から解説します

「斎藤氏の支持者がデマを熱狂的に信じた」という言説の落とし穴 兵庫県知事選・後編

兵庫県知事選をめぐる偽・誤情報の拡散に関する解説の後半です。背景にはマスメディアの影響力低下とソーシャルメディアにおける選挙情報の拡大という世界で共通する大きな潮流があります。その中で、信頼性の高い情報に基づいた民主主義を成立させるためには、どうすればよいか。

「斎藤氏の支持者がデマを熱狂的に信じた」という言説の落とし穴 兵庫県知事選・後編【解説】
兵庫県知事選をめぐる偽・誤情報の拡散に関する解説の後半です。背景にはマスメディアの影響力低下とソーシャルメディアにおける選挙情報の拡大という世界で共通する大きな潮流があります。その中で、信頼性の高い情報に基づいた民主主義を成立させるためには、どうすればよいか。 SNS・動画が選挙情報の中心に 偽・誤情報だけでは語れない兵庫県知事選・前編【解説】兵庫県知事選でパワハラ問題などで失職した前知事の斎藤元彦氏が再選しました。「SNSの勝利」「マスメディアの敗北」などとも言われる中、何が起きていたのか。都知事選の石丸現象や総選挙の国民民主党の躍進、アメリカ大統領選などと比較し、アルゴリズムやバイアスなどの観点から解説します。 SNS動画を投票の参考に 新聞テレビを上回る SNSでの支持の広がりが斎藤氏の再選を後押ししたと言われる今回の選挙。データがそれを裏打ちしています。NHKが投票所で実施した出口調査を見てみます。 何を投票の参考にしたかという質問への答えで1位が「SNSや動画サイト」で30%、新聞24%、テレビ24%、知人・家族5%を上回りました。また、「SNSや動画サイト」と

今週のファクトチェック

トランプ大統領、就任が2ヵ月早まった? パーティーでの「提案」

アメリカのトランプ次期大統領が就任を2カ月早めるとする投稿が拡散しましたが、誤りです。自身の別荘でのパーティーでの発言で、実現する見通しはありません。

トランプ大統領、就任が2ヵ月早まった? パーティーでの「提案」【ファクトチェック】
アメリカのトランプ次期大統領が就任を2カ月早めるとする投稿が拡散しましたが、誤りです。自身の別荘でのパーティーでの発言で、実現する見通しはありません。 検証対象 2024年11月16日、アメリカのトランプ次期大統領が就任を2ヵ月早めるという投稿がXで拡散した。「もう就任しちゃうんですって」「トランプ大統領は、先日のマーアーラゴでのパーティーで、大統領就任を2カ月早めるという斬新な計画を発表🎉🎉🎉」と述べている。 投稿には、イギリスのMail Onlineの画像を日本語化したような画像がついており、「トランプ大統領が筋肉隆々のケネディ・ジュニアに5語の警告を発し、マール・ア・ラゴでのパーティーで任期を早めることを提案」という不自然な日本語がついている。 2024年11月18日現在、この投稿は500件以上リポストされ、表示回数は11万件を超える。投稿について「アメリカでの出来事は日本にも影響する…。」「前倒し✨だって、待てないんだもの。」というコメントが付いている。 検証過程 2024年の米大統領選挙で勝利したトランプ氏の大統領就任式は、2025年

潜在的な国民負担率は62.9%? 過去のデータで現在は改善

「財務省『潜在的国民負担率、62.9%に達しちゃった』」という言説が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。2020年にはそのレベルに達していますが、現在は改善傾向で50%台です。

潜在的な国民負担率は62.9%? 過去のデータで現在は改善【ファクトチェック】
「財務省『潜在的国民負担率、62.9%に達しちゃった』」という言説が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。2020年にはそのレベルに達していますが、現在は改善傾向で50%台です。 検証対象 2024年11月12日、「財務省『潜在的国民負担率、62.9%に達しちゃった』」「1日8時間働いて5時間分は国に取られる。五公五民どころじゃねーな」という言説が拡散した。投稿にはまとめサイトのリンクが添付されている。 2024年11月12日現在、この投稿は1.1万件以上リポストされ、表示回数は185万回を超える。投稿について「財務省が全国民の敵」「働くの馬鹿みたい」というコメントが付く一方で「公式の報道機関やニュースサイトではありません」というコミュニティノートも付いている。 検証過程 国民負担率と潜在的国民負担率 国民負担率とは、国民の所得に占める税金や年金、社会保険料などの負担の割合だ。租税負担率と社会保障負担率を合計したものを国民負担率、これに財政赤字を加えたものを潜在的な国民負担率という(財務省)。 2023年投稿のまとめサイト記事を引用 検証対

アメリカでは帰化して三世代おかないと政治家になれない? 大統領や連邦議会議員に親の国籍は関係ない

「アメリカでは帰化して三代、間におかないと政治家になれない」という言説が拡散しましたが、誤りです。大統領や連邦議会上下院議員になるために、年齢や在住期間の規定はありますが、親の国籍は関係ありません。また、添付画像は日本に関する「帰化した国会議員」のリストですが、実際に帰化した人物はわずかで、ほとんどが誤ったものです。

アメリカでは帰化して三世代おかないと政治家になれない? 大統領や連邦議会議員に親の国籍は関係ない【ファクトチェック】
「アメリカでは帰化して三代、間におかないと政治家になれない」という言説が拡散しましたが、誤りです。大統領や連邦議会上下院議員になるために、年齢や在住期間の規定はありますが、親の国籍は関係ありません。また、添付画像は日本に関する「帰化した国会議員」のリストですが、実際に帰化した人物はわずかで、ほとんどが誤ったものです。 検証対象 2024年11月3日、X(旧Twitter)で「米国では帰化してから3代間にないと選挙に出られない、つまり政治家になれない」という言説が拡散した。11月19日現在、230万以上の閲覧と1万件を超えるコメントがついている。 コメントには「日本も規制した方がいいですね」「日本も帰化3世までは立候補出ないようにする必要がある」などと同調する意見が続く一方で、「米国で、流石に三世代はないです。」という指摘もある。 検証過程 大統領と連邦議会上下院議員の資格要件を調べると、合衆国憲法に規定がある。 米国大統領の資格要件 合衆国憲法では、大統領は年齢35歳以上であること、生まれながらのアメリカ国民であること、最低14年間アメリカに居住

「(斎藤知事の)パワハラはなかった」と百条委の委員長が発言? 前後の文脈を無視した切り取り動画

兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事をめぐって、百条委員会(調査特別委員会)の奥谷謙一委員長が「パワハラはなかった」と発言したという動画付きの言説が拡散しましたが、不正確です。拡散した動画は発言の一部を切り取ったもの。奥谷委員長は拡散した動画の発言後、「厳しい叱責を受けたという人はいたか?」と問われて「整理できていないが、『厳しい叱責を受けたことがある』と答えた人は結構おられたと思う」と説明。パワハラに当たるかどうか評価したいと答えています。

「(斎藤知事の)パワハラはなかった」と百条委の委員長が発言? 前後の文脈を無視した切り取り動画【ファクトチェック】
兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事をめぐって、百条委員会(調査特別委員会)の奥谷謙一委員長が「パワハラはなかった」と発言したという動画付きの言説が拡散しましたが、不正確です。拡散した動画は発言の一部を切り取ったもの。奥谷委員長は拡散した動画の発言後、「厳しい叱責を受けたという人はいたか?」と問われて「整理できていないが、『厳しい叱責を受けたことがある』と答えた人は結構おられたと思う」と説明。パワハラに当たるかどうか評価したいと答えています。 検証対象 2024年11月19日、「奥谷委員長が発言してます。パワハラはなかったと」という言説が拡散した。 添付された25秒間の動画では、奥谷委員長が記者から、この日の証人尋問に呼ばれた6人について「パワハラを受けたという人は何人いるのか」という質問を受け、「私の認識では明確に知事の方からパワハラを受けたという方はいらっしゃらなかった」と答えている。 2024年11月20日現在、この投稿は180件以上リポストされ、表示回数は32万回を超える。投稿について「これが正解」「まだ言うかね」というコメントがつく一方で、「そんな

斎藤知事は「全国知事会議」の出席率36%? 2つの会議を混同

兵庫県の斎藤元彦知事が、百条委員会の尋問を欠席して政府主催の全国知事会議に出席すると報じられました。この件について「斎藤知事のこれまでの全国知事会議出席率=36%」という主張が拡散しましたが、誤りです。全国の知事が集まる会議には、斎藤知事が今回出席する政府主催の「全国都道府県知事会議」と、全国知事会が主催する「全国知事会議」があり、拡散した表は全国知事会主催の出欠です。斎藤知事1期目の全国都道府県知事会議への出席率は約7割です。

斎藤知事は「全国知事会議」の出席率36%? 2つの会議を混同【ファクトチェック】
兵庫県の斎藤元彦知事が、百条委員会の尋問を欠席して政府主催の全国知事会議に出席すると報じられました。この件について「斎藤知事のこれまでの全国知事会議出席率=36%」という主張が拡散しましたが、誤りです。全国の知事が集まる会議には、斎藤知事が今回出席する政府主催の「全国都道府県知事会議」と、全国知事会が主催する「全国知事会議」があり、拡散した表は全国知事会主催の出欠です。斎藤知事1期目の全国都道府県知事会議への出席率は約7割です。 検証対象 2024年11月19日、「斎藤知事のこれまでの全国知事会議出席率=36%」という投稿が拡散した。投稿には「全国知事会議 知事出席状況」という表が添付され、斎藤知事は1期目の2021年8月30日から2024年8月2日までの11回中4回出席(出席率36%)したことになっている。 投稿は2024年11月22日時点で約6000件のリポストと約230万件のインプレッションを獲得している。 「今まで通り休むべき。百条委員会の方が大切だ」「2期目当選して最初の知事会、最優先に決まってるやろ」と賛否のコメントが付く一方で、「今回は政府主

今週のJFC動画

斎藤元彦氏が勝利した兵庫県知事選で偽・誤情報が蔓延してたって本当?

誰でも投稿できるSNSや動画に不確かな情報が多いことは事実です。しかし、斎藤氏の県政を支持した人たちもいるため、ソーシャルメディアや偽・誤情報だけが勝利の理由ではないです。また、「パワハラはなかった」と委員長が言ったという内容の動画が拡散しましたが、これは一部を切り抜いた情報で、まだ結論は出ていません。

そのほかの関連記事

兵庫県知事選挙については、メディア各社が様々な視点から分析した記事を出しました。

テレビ・新聞よりもSNS?兵庫県知事選挙で何が?(NHK)

兵庫県知事選挙で、NHKの出口調査で投票する際に何を最も参考にしたか聞いたところ、「SNSや動画サイト」が「新聞」と「テレビ」を上回りました。今回の選挙で何が起きていたのか、NHKによる分析記事です。

テレビ・新聞よりもSNS?兵庫県知事選挙で何が? | NHK
【NHK】17日に投開票が行われた兵庫県知事選挙。NHKの出口調査で投票する際に何を最も参考にしたか聞いたところ、「SNSや動画サ…

兵庫県知事選挙 有権者の不信、既成政党やメディアに(日経新聞)

兵庫県知事選で前知事の斎藤元彦氏が返り咲きを決めました。斎藤氏側のSNSを積極的に使った手法が、若年層の政治参加から偽情報の拡散、既成メディアの役割まで幅広い論点を投げかけたとして今回の選挙からどのような教訓を得るのか、日経新聞の解説記事です。

兵庫県知事選挙 有権者の不信、既成政党やメディアに 兵庫県知事選 有識者に聞く - 日本経済新聞
17日投開票の兵庫県知事選で前知事の斎藤元彦氏が返り咲きを決めた。SNSを積極的に使った手法は、若年層の政治参加から偽情報の拡散、既成メディアの役割まで幅広い論点を投げかけた。今回の選挙から得る教訓は何か。有識者に聞いた。【関連記事】河野有理・法政大教授(政治学、日本政治思想史)斎藤氏が終盤にかけて逆転したという解説もみられるが、私は事前の情勢調査の数字自体が斎藤氏に低く出すぎていた可能性が

兵庫県知事選SNSが決め手に?テレビ・新聞ではなくSNSを情報ツールとする有権者の背景とは(日テレNEWS)

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兵庫県知事選 稲村氏後援会がSNS凍結めぐり告訴状提出(NHK)

兵庫県知事選挙で斎藤氏に敗れた稲村和美氏の後援会が、選挙期間中にSNSのアカウントが凍結されたことについて、不特定多数の人物がSNSの管理者に対してうその通報を一斉に行った疑いがあるとして22日、偽計業務妨害の疑いで兵庫県警に告訴状を提出しました。

兵庫県知事選 “うそ通報でSNS凍結”稲村和美氏の後援会が告訴 | NHK
【NHK】兵庫県知事選挙に立候補した稲村和美氏の後援会が、選挙期間中にSNSのアカウントが凍結されたことについて、不特定多数の人物…

ロシアのファクトチェッカー協会の青写真:本当の目的は何か?(Stop Fake)

ロシアが国際的な「ファクトチェック協会」を設立し、自国の視点や価値観を共有する人々を結集しようとしているとウクライナのファクトチェック団体「StopFake.org」が報じています。その真の目的は。

Russia’s Blueprint for a Fact-Checkers Association: What’s the Real Agenda?
The Kremlin has long used fact-checking as a weapon. Since the beginning of Russia’s full-scale war in Ukraine, Russians have launched many channels on Telegram and other social media that are supposedly engaged in “exposing Western propaganda” and “protecting the truth,” but in fact are promoting t


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イラン政府が米英仏に対して宣戦布告? まとめサイトによるもの

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イラン政府が米英仏に対して宣戦布告したという投稿が拡散しましたが、不正確です。イランは米英仏に対して、イスラエルへの報復攻撃を妨害したら、中東地域に展開する各国の軍事基地や艦船を標的にすると警告しましたが、2025年6月16日現在、宣戦布告はしていません。 検証対象 2025年6月14日、「【速報】イラン政府、アメリカイギリスフランスへ宣戦布告」という投稿が拡散した。 この投稿は2025年6月16日までに156万回以上の閲覧数と2100件以上のリポストを獲得している。投稿には「第三次世界対戦をどうしてもやりたい人がいるんですよね」や「宣戦布告はヤバいよ〜」などのコメントのほか、「宣戦布告ではなく警告ね」という指摘もある。 検証過程 検証対象のリンクは、まとめサイト「ツイッター速報〜BreakingNews」の記事だ。タイトルは掲示板サイト5ちゃんねるのスレッド「【速報】イラン政府、アメリカイギリスフランスへ宣戦布告」で、英語のX投稿を引用元にしている。 英語の投稿内容は次の通りだ。 「速報:イランは、イスラエルへの大規模攻撃を開始する意向を正式にフ

By 根津 綾子
中国人が「コノ先日本國憲法通用セズ」という看板を勝手に作っている? フィクションが元ネタのいたずら看板

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中国人が「コノ先日本國憲法通用セズ」という看板を勝手に作っているなどと主張する画像付きの投稿が拡散しましたが、根拠不明です。拡散した画像の看板は、都市伝説や映画をモチーフにしたいたずらと推測され、中国人が作ったと示す証拠はありません。 検証対象 2025年6月10日、「中国人が勝手にこんな物を作っている」などの文言とともに、「日本國憲法通用セズ」などと書かれた看板の写真がXで拡散した。 2025年6月11日時点で表示回数は100万回を超えていた。6月13日現在、投稿は削除されているが、拡散した投稿には「日本全国で日本の法律に縛られないやつが溢れてこない事を切に祈る」や「イタイバラバラにしてバイバイしてないだろうね」のコメントのほか、心霊スポットの写真ではという指摘もある。 検証過程 画像は有名な「心霊スポット」の看板 拡散した画像をグーグルレンズで検索すると、よく似た画像が添付されたX投稿(例1、例2)や「コジツケ君がゆく」というアメーバブログの「コノ先日本國憲法通用セズ」という記事が表示される。 ブログの2024年10月17日付の記事に

By 根津 綾子
東京都議選、偽誤情報の影響は/検証5本・関連18本【今週のファクトチェック】

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東京都議選が始まりました。2024年の兵庫県知事選をきっかけにネット上の真偽が不確かな情報が投票に大きな影響を与えることが日本でもようやく認識されるようになり、新聞社やテレビ局などもファクトチェックを始める動きが出ています。ただ、一人を選ぶ大統領選型の知事選と異なり、都議選のように候補者も当選者も多い選挙では、対決型の構図が作りにくく、偽・誤情報も何か1つの大きなナラティブ(物語の語り口)を形成するというよりは、様々なテーマが同時多発的に広がり、検証対象を選びにくくなりがちです。選挙結果だけではなく、そのような選挙の信頼性・正当性を貶めるような情報にどのように対応していくかも注目されます。(古田大輔) ※今週から冒頭にミニコラムをつけるようにしました。ご意見・ご感想などはこちら。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 JFCからのお知らせ JFCファクトチェック講師養成講座はこちら

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
アメリカ産のミニマムアクセス米は除草剤などで健康に影響? 輸入時に安全検査

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「アメリカ産のミニマムアクセス米には、除草剤・殺虫剤等が頻繁に使われていて健康に影響がある」という趣旨の投稿がXで拡散しましたが、誤りです。アメリカ産に限らず、政府が輸入するコメは、農林水産省と厚生労働省が安全検査をしており、基準に満たないコメは輸出国に送り返したり、廃棄したりしています。 検証対象 2025年6月6日、「アメリカ産のミニマムアクセス米には、除草剤・殺虫剤等が頻繁に使われている」という趣旨の投稿がXで拡散した。 投稿には、ニュース番組のような動画が添付され、小泉進次郎農水相が「備蓄米を使い終わったら、ミニマムアクセス米も含め、あらゆる選択肢を考えてコメ価格の高騰を落ち着かせる」などと話している。 また、動画には「ミニマムアクセス米という、除草剤、殺虫剤等の農薬が頻繁に使われていて、発がん性、内分泌かく乱作用、生殖能力への影響などの懸念があり、生態系への影響も指摘されているアメリカ産米」という文言も添えられている。 コメントには、「日本人の身体どうなってしまうんだろう?」や「米国の生産者は残留農薬のことなんてアタマにありませんから」などの意

By 根津 綾子

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は6月21日(土)午後2時~3時半で、お申し込みはこちら。 https://jfckousiyousei0621.peatix.com 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのよう

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理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

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JFCファクトチェッカー認定試験  教材と申し込みはこちら

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日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

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