チームみらいの票が極めて不自然? 事前の報道でも予測されていた【ファクトチェック】

チームみらいの票が極めて不自然? 事前の報道でも予測されていた【ファクトチェック】

横浜市でチームみらいが不正に得票したと示唆する投稿が拡散しましたが、根拠不明です。開票結果や獲得議席数は、報道各社による事前の調査と矛盾はなく、選挙管理委員会は、開票立会人からの異議申し立てや不正を疑わせるような事案はなかったと説明しています。

検証対象

拡散した投稿

2026年2月8日に投開票があった衆議院選挙をめぐり、翌9日、「横浜市某区の開票立会い人をやってきた チームみらいの票が極めて不自然」「開票立会い人も来てない参政党みたいな活動も何もしてない党が参政党の1.5倍の比例票を取った」「票を目視確認したが、折り目のない票が8割ほど」などと、選挙不正を示唆する投稿が拡散した。

検証する理由

2月10日現在、この投稿は7700件以上リポストされ、表示回数は141万回を超える。投稿について「神奈川県不正選挙行為有りだったか」「明らかにおかしい」というコメントの一方で「折らないと不正投票と判断されるの心外」という指摘もある。

今回の衆院選では、躍進したチームみらいについて「不正があったのではないか」という情報が大量に拡散したので検証する。

検証過程

2党の獲得議席数は情勢調査とおおむね同じ

衆院選では、自民党が316議席を獲得して大勝。一方で野党は、改選前の233議席から133議席へと大幅に後退した。参政党は15議席、チームみらいは11議席を獲得している(NHK.”衆議院選挙速報2026 開票速報・選挙結果・出口調査 -衆院選-”)。

選挙前の2月5日時点で、読売新聞は情勢調査から「チームみらいは序盤から伸ばしており、比例選で10議席近くを獲得できる見通し」「参政党は比例選で大幅増が見込まれるものの、序盤ほどの勢いはみられない」との分析をしている(読売新聞.”自民党が単独過半数の勢い、中道改革連合は大幅減…衆議院選挙終盤情勢”)。

朝日新聞も1月31日~2月1日時点の調査で、参政党は比例区で10議席前後をうかがい、チームみらいは比例区で6議席を固め、10議席近くまで上積みをはかり躍進する勢いだと分析していた(朝日新聞.”自維300議席超うかがう 中道半減も 参政・みらい勢い 朝日調査”)。

報道各社は大規模なアンケート調査や全国各地での取材に基づいて獲得議席を予想する。参政党15議席とチームみらい11議席という結果は、これら各社の事前報道と矛盾はない。

投票用紙に折り目はつきづらい

拡散した投稿は「折り目のない票が8割ほど。他の党の比例票は、そこまでなかった」と、投票用紙の折り目の有無を不正を疑わせるものとして指摘している。

しかし、投票用紙は特殊な用紙でできているため、折りたたんで投票しても投票箱の中で自然と開かれ、折り目はつきにくい。大量の投票用紙の折り目の有無を正確に確認すること自体が難しい(JFC.”「期日前投票は不正し放題」「鉛筆だと書き換えられる」? 選挙のたびに拡散【#参院選ファクトチェック】”)。

開票立会人とは

拡散した投稿にある「開票立会人」とは、開票事務に立ち会い、公正かどうか監視する人だ。誰に投票されたかわかりにくい疑問票の判定に立ち会って意見を述べ、最終結果の確認もする。人数は3人以上10人以下だ(総務省.”選挙管理機関”)。

10人を超える届出があった場合は選挙管理委員会がくじで決める。また、同じ政党や候補者の届出にかかる者が3人以上立候補した場合は、その中から選挙管理委員会がくじで定めた者2人しか開票立会人になることはできない。

選挙前までに開票立会人が3人に満たなかった時は選挙管理委員会が、開票所を開く時刻に3人に満たなかった場合は開票管理者が選任する(さいたま市.”開票・選挙会.e-gov.”公職選挙法第62条”)。

横浜市選管「そのような報告はない」

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、横浜市選挙管理委員会事務局に取材した。

事務局は、開票事務に関するミスやトラブル、あるいは不正を疑わせるような事案の報告はあるかという質問に「そのような報告はございません」と回答した。

また、開票区の立会人については「公職選挙法第62条に基づき、各開票区において3人以上10人以下の立会人が選任され、当日出席しております」と回答。得票数を疑うような申告や正式な異議申し立てについても「そのような報告はございません」と述べた。

判定

拡散した投稿は「チームみらいの票が極めて不自然」としているが、チームみらいの獲得議席数は、選挙前に予測された結果とおおむね同じだ。また、横浜市選管もミスやトラブルなどについて「そのような報告はない」と回答している。よって、チームみらいが横浜で不正に票を獲得したのではないかという指摘について、根拠不明と判定した。

あとがき

2026年衆院選では、これまで以上に「不正選挙だ」と主張する投稿が大量に拡散しています。日本の選挙に関しては、各地の選挙管理委員会で不正の防止策が実施されており、多くの不正選挙に関する投稿は根拠のない偽・誤情報です。また、投票所や開票所には各陣営からの立会人もおり、大規模な不正は極めて困難です。

JFC"「期日前投票はすり替えられる」「鉛筆で書かせるのは消すため」「開票システムに仕掛けがある」 繰り返される不正選挙疑惑を検証【#衆院選ファクトチェック】"

出典・参考

NHK.”衆議院選挙速報2026 開票速報・選挙結果・出口調査 -衆院選-”.https://news.web.nhk/senkyo/database/shugiin/ ,(閲覧日2026年2月10日)

読売新聞.”自民党が単独過半数の勢い、中道改革連合は大幅減…衆議院選挙終盤情勢”.https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20260205-GYT1T00723/ ,(閲覧日2026年2月20日)

朝日新聞.”自維300議席超うかがう 中道半減も 参政・みらい勢い 朝日調査”.https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20260205-GYT1T00723/ ,(閲覧日2026年2月20日)

両丹日日新聞.”投票用紙「折る」はNG? 投票所の候補者名、並び順が違うのは? 選挙に関する疑問”.https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20260205-GYT1T00723/ ,(閲覧日2026年2月20日)

JFC.”「期日前投票は不正し放題」「鉛筆だと書き換えられる」? 選挙のたびに拡散【#参院選ファクトチェック】”.https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20260205-GYT1T00723/ ,(閲覧日2026年2月20日)

総務省.”選挙管理機関”.https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo06.html ,(閲覧日2026年2月20日)

さいたま市.”開票・選挙会”.https://www.city.saitama.lg.jp/006/009/001/p019085.html ,(閲覧日2026年2月20日)

e-gov.”公職選挙法第62条”.https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000100 ,(閲覧日2026年2月20日)

検証:木山竣策
編集:古田大輔


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