民主党政権下では株価が7000円台だった?日経平均株価が8000円を切ったのは自民党政権【ファクトチェック】(修正あり)

民主党政権下では株価が7000円台だった?日経平均株価が8000円を切ったのは自民党政権【ファクトチェック】(修正あり)

「民主党政権下で株価が7000円台だった」との主張が拡散しましたが、誤りです。日経平均株価の終値が、バブル崩壊以降で最安値となる7054円98銭をつけたのは2009年3月10日で、この時は自民党政権です。民主党が政権を握っていた2009年9月16日〜2012年12月26日で株価が8000円を切ったことはありません。

検証対象

2024年10月15日、「民主党政権は失敗のデカさがレベチなんだよ。株価7000円台とか想像できるか?」などと主張する投稿がX(旧Twitter)で拡散した。

投稿は10月22日時点で1500件以上のリポストと80万件以上のインプレッションを獲得している。投稿には「民主党政権を知る世代の人たちはさすがに立憲民主には入れないよね?」「民主党政権時は就活100社200社って人もザラだったからねぇ」などのコメントが付く一方で、「株価7000円台になったのは2009年の3月。民主党政権になったのは9月から」といった指摘もある。

2024年10月21日には「リトマス」がこの言説を検証し、「誤り」と判定している。

検証過程

日経平均株価とは、東京証券取引所プライム市場(旧・東証一部)に上場する企業のうち市場流動性の高い225銘柄を選定し、その株価を使って算出される株価指数のことだ。日本経済新聞社が算出している(日経平均株価算出要領)。

日本ファクトチェックセンター(JFC)は日経が提供する指数の公式サイト「日経プロフィル」を使って、リーマン・ショックで世界的な金融危機が起きた自民党政権下の2008年9月から、野田首相が退陣して民主党政権が終わった2012年12月下旬までの日経平均株価を検証した。

リーマンショック後の株価の急落

リーマン・ショックの引き金となった米投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻は2008年9月15日。翌16日以降、日経平均株価は急激に下がり、10月27日の終値は7162円90銭となった。

翌日以降は持ち直したが、2009年2月に再び8000円を大きく下回るまでに落ち込んだ。3月10日の終値は7054円98銭を記録し、バブル崩壊後最安値を更新している(日経新聞)。

民主党政権時は8000円を切っていない

その後は上昇に転じ、3月23日の終値が8000円台に。6月12日に1万円台まで回復した。

2009年9月16日、政権交代によって民主党政権が始まった日の終値は1万270円77銭だ。一方で、野田内閣が退陣し第二次安倍内閣が成立した2012年12月26日の終値は1万230円36銭だった。

民主党政権時に最も安値を付けたのは2011年11月25日の8135円79銭(取引時間中)だ(日経新聞)。民主党政権下で日経平均株価が8000円を切ったことはない。

日経平均株価の月次の終値をチャートにすると、以下のようになる。

判定

民主党政権下で株価が7000円だったとの主張は誤り。2008年10月や2009年2月から3月にかけて日経平均株価が8000円を切ったが、このときの政権与党は自民党だ。民主党政権下で日経平均株価が8000円を切ったことはない。

検証:リサーチチーム
編集:宮本聖二、古田大輔、藤森かもめ、野上英文

修正

当初の記事のチャートでは政権交代の日付を「2011/12/26」としていましたが「2012/12/26」の誤りでした。修正しました。


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンから。また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報を質問すると、AIが関連性の高いJFC記事をお届けします。詳しくはこちら

もっと見る

インドで巨大な「雹(ひょう)」が降った? 動画は生成AI【ファクトチェック】

インドで巨大な「雹(ひょう)」が降った? 動画は生成AI【ファクトチェック】

「インドの雹 スケールがデカすぎる」という文言とともに、氷の塊のようなものが街を壊す動画がXで拡散しましたが、現実の映像ではありません。動画はAIで生成の特徴を多く含んでいます。 検証対象 拡散した投稿 2026年5月25日、「インドの雹 スケールがデカすぎる」という文言とともに、両手で抱えきれないほどの大きさの氷の塊が降り、車や建物を壊す動画がXで拡散した。 検証する理由 5月29日現在、この投稿は1200件以上リポストされ、表示回数は397万回を超える。投稿には「とても危険」「実際に研究があったはず」というコメントの一方で、「これホンマ?」という指摘もある。 検証過程 15秒間の動画には、不自然な描写が多く含まれている。 例えば0:02から0:03にかけて、大きな氷の塊が屋根を壊す場面があるが、屋根は氷が落下する前に崩れている。また0:04から0:05では、白い車のボンネットに落ちた氷の塊が、建物と車のわずかな間へ吸い込まれるように消えている。  ツールもAIの可能性が高いと判定 「Hive Moderation(Hive AI D

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)
ドイツでアジアの偽情報対策の関係者が集まる会合/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

ドイツでアジアの偽情報対策の関係者が集まる会合/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

ドイツ外務省がアジアのファクトチェッカーや偽情報対策の関係者を招くプログラムでケルンに来ています。1週間、ボンやベルリンなどドイツ各地を周り、偽情報対策について議論します。 偽・誤情報は簡単に国境を超えます。特に自動翻訳が一般化したことで、言語の壁はさらに低くなりました。国家レベルで他国に世論を操作する「影響工作」もあれば、オンライン詐欺などの国際的な犯罪もあります。 検閲や情報統制のような手法ではなく、言論の自由や人権を尊重しながら、健全な情報空間を守るにはどうしたらいいか。知見を共有する狙いです。 参加者は韓国、台湾、タイ、フィリピン、インドネシア、モンゴル、日本からは私(古田)が参加しています。ドイツでの訪問先は外務省、メディア規制当局、公共放送、ファクトチェック団体、研究機関など様々です。 議論のテーマもファクトチェックの手法にとどまらず、メディアリテラシー教育、海外からの影響工作を調査するナラティブ分析、法的な規制など多岐に及ぶでしょう。 アジアの関係者が集まる場としては、これまで、台湾、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、韓国での会合に参加した

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
湖に浮く黄色い粉は「ウランの放射性物質」? 元動画の投稿者は「花粉」【ファクトチェック】

湖に浮く黄色い粉は「ウランの放射性物質」? 元動画の投稿者は「花粉」【ファクトチェック】

湖に浮いた黄色い粉を撮影した動画について「ウランの放射線物質」と主張する投稿が拡散しましたが誤りです。黄色い粉はシラカバ花粉で、放射性物質ではありません。元の動画を投稿したユーザーも「この黄色はシラカバ花粉」と説明しており、放射性物質を疑って撮影したものではありませんでした。 検証対象 拡散した投稿 2026年5月25日、黄色い粉のようなものが岸に流れ着いている動画に「普通に化学総研に持って行き、成分を調べれば1発ですね。ウランの放射線物質なら直ぐに分かります」と書いた投稿が拡散した。 検証する理由 5月29日現在、この投稿は700件以上リポストされ、表示回数は31万回を超える。投稿について「放射能汚染に対する備えも必要になるかもしれません」というコメントの一方で「ウランの比重は水より重いから違うと思う」という指摘もある。 黄色い粉を巡る投稿はほかにも「黄色い粉の正体は放射性物質のようです☢️⚠️謎の風邪とも関連があるかもしれません🏥🏴‍☠️」「福岡に降り注いだ『謎の黄色い粉』花粉でもなく黄砂でもない。そしてその後の『謎の風邪』」という投稿が拡

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)
中国がモスクを破壊する動画? インドネシアの遊園地の解体【ファクトチェック】

中国がモスクを破壊する動画? インドネシアの遊園地の解体【ファクトチェック】

「中国ではイスラム教は精神病として扱われ、モスクが取り壊されている」というテロップ入りの動画が拡散しましたが、誤りです。動画は、土地利用許可に違反したインドネシアの遊園地を解体する様子を映したもので、中国でモスクを取り壊している動画ではありません。 検証対象 拡散した言説 2026年5月16日、「中国ではイスラム教は精神疾患として、モスクが取り壊されている この件に関しては日本も見習うべきだと思います」という文言付きの動画がXで拡散した。 検証する理由 5月27日現在、投稿は1300回以上リポストされ、表示は13.8万件を超える。 投稿には「これ本当に中国ですか?」「アテンションのための嘘はよくないかと思います」などの指摘もあるが、「この件に関しては中国が正しい」「精神疾患とは言わないまでも、カルトであることは明らかです」など真に受けた反応も多いため、検証する。 検証過程 映っているのはインドネシアの遊園地 拡散した動画をGoogleレンズで検索すると、多数の動画が表示される。 そのうちの一つに、@AbangbakmalというYouTu

By 根津 綾子(Ayako Nezu)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は6月27日(土)午後4時~5時30分で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0627.peatix.com 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような知識

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験

JFCファクトチェッカー認定試験

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)