自民党総裁選、デマの標的になったのは?/能登地方の大雨/新たなワクチン偽情報/中国からの認知戦【今週のファクトチェック】

自民党総裁選、デマの標的になったのは?/能登地方の大雨/新たなワクチン偽情報/中国からの認知戦【今週のファクトチェック】

自民党総裁選挙に関してさまざまな偽・誤情報が拡散、時間経過とともに誰がどのようにその標的になったのか、解説します。10月から始まる新型コロナワクチンの定期接種を前に偽情報が出てきました。中国の豪雨の映像を使って、能登地方の大雨被害だとする言説が拡散しました。

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今週のファクトチェック解説

ファクトチェックやメディアリテラシー、偽情報対策について、JFCで解説した記事を紹介します。

自民党総裁選で偽・誤情報の標的になっているのは誰か その理由は【解説】

自民党総裁選をめぐって、偽・誤情報が拡散しています。候補者の誰が、なぜ標的になるのか。偽・誤情報の作成者・拡散者の特徴や動機について、日本ファクトチェックセンター(JFC)がこれまで公開した検証記事やSNS、検索データなどをもとに解説します。

自民党総裁選で偽・誤情報の標的になっているのは誰か その理由は【解説】
自民党総裁選をめぐって、偽・誤情報が拡散しています。候補者の誰が、なぜ標的になるのか。偽・誤情報の作成者・拡散者の特徴や動機について、日本ファクトチェックセンター(JFC)がこれまで公開した検証記事やSNS、検索データなどをもとに解説します。 最初に標的となったのは 9月12日告示、27日開票の自民党総裁選への立候補をいち早く表明したのは小林鷹之議員で、8月19日だった。その後、立て続けに小林氏に関する偽・誤情報が拡散し、JFCでも2本の検証記事を出し、いずれも「誤り」と判定した。 小林鷹之議員の会見後、メディア一同が拍手で送り出す? 同席した議員から【ファクトチェック】2024年の自民党総裁選に立候補を表明した小林鷹之議員の会見で「メディア一同が拍手で送り出す」という言説が拡散しましたが、誤りです。拍手したのは同席した国会議員で、取材に来た記者たちではありません。 検証対象 2024年8月19日、自民党総裁選への立候補を表明した小林氏の会見について「政治家の会見終了後の退出をメディア一同が拍手で送り出すシーンは初めて見ました」という動画付き言説が拡散した。

今週のファクトチェック

深圳の日本人学校前に手向けられた献花が撤去された? 学校は屋内で保管、総領事館も発表

中国・深圳で日本人学校の男子児童が刺殺された事件で、「日本人学校に手向けられた献花が撤去された」との言説が拡散しましたが、誤りです。日本人学校は屋内で献花を保管しています。広州の日本総領事館も学校が気候を考慮して献花室に移動させたと発表しています。

深圳の日本人学校前に手向けられた献花が撤去された? 学校は屋内で保管、総領事館も発表【ファクトチェック】
中国・深圳で日本人学校の男子児童が刺殺された事件で、「日本人学校に手向けられた献花が撤去された」との言説が拡散しましたが、誤りです。日本人学校は屋内で献花を保管しています。広州の日本総領事館も学校が気候を考慮して献花室に移動させたと発表しています。 検証対象 2024年9月20日、「中国で日本人学校に通う10歳男児が殺害されたのを受け、深圳日本人学校前に1000束以上の花が献花されたがメディアが撮影した後に直ぐに撤去された」などと主張する投稿がX(旧Twitter)上で拡散した。 投稿には中国のショート動画投稿サービス「微博视频号」の透かしが入った動画が添付されている。動画には門前に手向けられた花束を警備員風の男性が持ち上げようとするのに対し、動画撮影者とみられる人物が中国語で詰め寄る様子が映っている。 投稿は9月25日時点で6000件以上のリポストと1000万回以上のインプレッションを獲得している。 「ただのパフォーマンスでしょ。メディアに放映させるためです」「これが普段の姿、マスコミ用と使い分けてる腐った民族だよ」といったコメントが付く一方で「間違っ

兵庫県斎藤知事の公約実現率が98.8%? 着手のみで未達成のものを含む

兵庫県の斎藤元彦知事に関して「公約実現率が98.8%」という言説が拡散しましたが、不正確です。斎藤氏は「一定達成、着手したのは171項目で選挙時の公約の98.8%」と発言しており、実現率ではありません。

兵庫県斎藤知事の公約実現率が98.8%? 着手のみで未達成のものを含む【ファクトチェック】
兵庫県の斎藤元彦知事に関して「公約実現率が98.8%」という言説が拡散しましたが、不正確です。斎藤氏は「一定達成、着手したのは171項目で選挙時の公約の98.8%」と発言しており、実現率ではありません。 検証対象 2024年9月21日、Xの「ツイッター速報」で「【悲報】兵庫県斎藤知事の公約実現率、脅威の98.8%」という言説が拡散した。この投稿は、9月25日現在、996万回以上の閲覧回数と6100件以上のリポストを獲得している。 検証過程 斎藤氏「一定達成、着手できた公約は98.8%」 斎藤氏は、2024年7月30日の知事記者会見で知事在任中の課題を問われ、以下のように発言した(動画)。 「選挙時に掲げさせていただいた公約が、全体で173項目ございます。そのうち、一定達成、着手した状況は171項目、98.8%という形になります。多くの公約や掲げたことは達成なり、着手してきて、一つずつ公約は進捗、進んでいると考えています」 他方、着手できなかった公約として「女性副知事の登用」「学校における30人学級」の2つを挙げている。

能登地方の大雨で濁流に飲まれる車? 中国の豪雨災害の映像

「石川県輪島市役所前が大変なことになっている」という文章とともに、複数の自動車が濁流に飲まれている映像が拡散しましたが、誤りです。動画は、中国河南省で起きた過去の豪雨被害の様子です。

能登地方の大雨で濁流に飲まれる車? 中国の豪雨災害の映像【ファクトチェック】
「石川県輪島市役所前が大変なことになっている」という文章とともに、複数の自動車が濁流に飲まれている映像が拡散しましたが、誤りです。動画は、中国河南省で起きた過去の豪雨被害の様子です。 検証対象 2024年9月21日、石川県に大雨特別警報が発令され能登地方を中心に川の氾濫や土砂崩れが相次ぎ、大きな被害をもたらした。26日現在、死者11人が確認されている(NHK)。 大雨の最中の9月21日、街が濁流に飲まれる映像とともに「能登北部に大雨特別警報発表」「輪島市役所前が凄いことになってる」などと書かれた投稿が拡散した。 この投稿は30万を超える閲覧数がある。「能登半島豪雨の映像ではありません」「完全にフェイク画像です。看板に中国語が表示されています。」といった映像の内容を否定するコメントが数多く投稿されている。 検証過程 この動画をGoogle レンズで検索してみると、同じ映像がテレ朝ニュースでみつかる。「中国・河南省の豪雨 死者302人」というタイトルのニュースで、2021年8月2日に配信されている。 映像につけられた日本語の字幕では、7月20日の映像で

新型コロナワクチン「KOSTAIVE」はフィンランド語で「復讐」? フィンランド語には存在せず由来は別

「新型コロナワクチンの名前『KOSTAIVE(コスタイベ)』はフィンランド語で『復讐』という意味」という言説が拡散しましたが、誤りです。フィンランド語に「kostaive」という単語は存在せず、「新型コロナを押さえ込む」という英語が由来です。

新型コロナワクチン「KOSTAIVE」はフィンランド語で「復讐」? フィンランド語には存在せず由来は別【ファクトチェック】
「新型コロナワクチンの名前『KOSTAIVE(コスタイベ)』はフィンランド語で『復讐』という意味」という言説が拡散しましたが、誤りです。フィンランド語に「kostaive」という単語は存在せず、「新型コロナを押さえ込む」という英語が由来です。 検証対象 2024年9月19日、「コスタイベ(KOSTAIVE)→明治製菓ファルマの新型コロナワクチン/KOSTAIVE→フィンランド語で「復讐」という意味だそうで」という文言と、Google翻訳の画面を写したとみられる動画を添付した投稿が拡散した。この投稿は9月27日現在、37万回以上の閲覧回数と2400件以上のリポストを獲得している。 検証過程 新型コロナワクチンの定期接種で、これまでのmRNAワクチンに改良を加えたMeiji Seikaファルマのレプリコンワクチンの接種が2024年10月から新しく始まる。 このワクチンの販売名が「コスタイベ筋注用」でアルファベットでは「KOSTAIVE」と表記される(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)。 AI翻訳ツールはフィンランド語として翻訳 Google翻訳で

「高市早苗じゃないと日本は終わります」と石丸伸二氏が発言? 別人の発言

自民党総裁選に関連して「高市早苗じゃないと日本は終わります」と東京都知事選で次点だった元安芸高田市長の石丸伸二氏が発言したとする言説は誤りです。石丸氏ではなく、石丸氏を応援していたドトールコーヒー創業者の鳥羽博道氏の発言です。

「高市早苗じゃないと日本は終わります」と石丸伸二氏が発言? 別人の発言【ファクトチェック】
自民党総裁選に関連して「高市早苗じゃないと日本は終わります」と東京都知事選で次点だった元安芸高田市長の石丸伸二氏が発言したとする言説は誤りです。石丸氏ではなく、石丸氏を応援していたドトールコーヒー創業者の鳥羽博道氏の発言です。 検証対象 2024年9月24日、「『高市早苗じゃないと日本は終わります』と石丸伸二。そんな日本は終わった方がいいに決まっている」という言説が拡散した。 2024年9月27日現在、この投稿は2800回以上リポストされ、表示回数は37万件を超える。投稿について「その通り」「自民党終わりにしましょう」というコメントの一方で、「石丸さんはそんな事一言も言ってません」という指摘もある。 検証過程 投稿には「『高市早苗じゃないと日本は終わります』石丸伸二応援団長・ドトールコーヒー鳥羽会長が、自民党総裁選で「保守のプリンセス」を応援する理由」(2024年9月24日)という現代ビジネスがYahoo! ニュースに掲載した記事が添付されている。 記事は、2024年7月の東京都知事選で石丸氏の後援会長を務めた鳥羽氏のインタビューだ。鳥羽氏は自民党総

今週のJFC動画

偽造マイナンバーカードによって4カ月の間に334億円が盗まれたとする言説が拡散しましたが、誤りです。この被害額はマイナンバーとは関係ありません。334億円の被害額は、全国の警察が2024年1-4月に認知したSNS型投資詐欺によるものです。

その他の関連記事

連載:偽情報を追う ネットに漂うフェイクニュース(朝日新聞)

実在する日本の学者の名前を使って沖縄の独立を煽るような偽記事が静かに広がり、その背後には中国の存在があった。朝日新聞による認知戦をめぐる調査報道です。

中国発?沖縄めぐる不可解な記事、ネットに 教授「取材受けてない」:朝日新聞デジタル
「反日ナショナリズムなんて言葉、一度も使ったことがない。全く見覚えのない記事です」 龍谷大学の松島泰勝教授は、記者が渡した記事のコピーを見て、開口一番に言い切った。 松島教授のもとを、記者が訪ねたの…

“ロシアやイランなど生成AI偽情報で情報工作活発化”米政府(NHK)

アメリカ大統領選挙の投票日が近づく中、アメリカ政府は、ロシアやイランなどが、生成AIでつくった偽情報を拡散し、選挙に影響を与えようという情報工作を活発化させているとする分析結果を公表しました。

“ロシアやイランなど生成AI偽情報で情報工作活発化”米政府 | NHK
【NHK】アメリカ大統領選挙の投票日が近づく中、アメリカ政府は、ロシアやイランなどが、生成AIでつくった偽情報を拡散し、選挙に影響…

Facebook上に1万件以上の証券会社の偽広告(日本経済新聞)

大手証券会社を騙る多数の偽アカウントが2023年8月以降この1年間に、累計で1万件以上の広告をFacebook上で配信していたことがわかったと日本経済新聞が報じました。

「証券会社」かたる偽広告、フェイスブック上に1万件 - 日本経済新聞
米メタが運営するSNS「フェイスブック」上で大手証券会社をかたる多数の偽アカウントが2023年8月以降に累計約1万件の広告を配信していたことが分かった。証券各社は23年秋にメタに対策を求めたものの削

ニュース業界が直面する不確かな未来(AFP)

ニュースメディアは、これまでのビジネスモデルが成り立たなくなっていることなどから厳しい状況に置かれていますが、その要因の一つに偽情報の蔓延があるとフランスのAFP通信が伝えています。

‘Broken’ news industry faces uncertain future
From disinformation campaigns to soaring scepticism, plummeting trust and economic slumps, the global media landscape has been hit with blow after blow.

ハリス副大統領、トランプ政権時について誇張した発言(POLITIFACT)

米大統領選の民主党候補、カマラ・ハリス氏がニュース専門局MSNBCのインタビューで、トランプ政権時に製造業で2万人の雇用が失われたと話しました。POLITIFACTはこの発言はほとんど誤り(Mostly False)だとファクトチェックしました。

Harris exaggerates scale of prepandemic manufacturing losses
During Vice President Kamala Harris’ first solo television network interview since becoming the Democratic presidential

偽のニュースサイトがウクライナの西側企業について偽情報を広めている(The Guardian)

イギリスを拠点とする偽のニュースサイトが、ウクライナにある西側企業に関する偽情報を広めており、EU並みに規制を強化するよう求める声が英国議会で上がっているとイギリスの新聞社 The Guardainが報じました。

Fake UK news sites ‘spreading false stories’ about western firms in Ukraine
Suspected Russian propaganda operation prompts calls to force UK-registered news sites to reveal ownership

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全国民に2万円給付のために税金を増やす? 税収上振れ分を充てる方針【ファクトチェック】

全国民に2万円給付のために税金を増やす? 税収上振れ分を充てる方針【ファクトチェック】

政府が物価高対策として国民1人当たり2万円給付を検討していることについて、「給付金のために税金を増やそうとしている」と主張する投稿が拡散しましたが、誤りです。財源に検討されているのは税収の上振れ分で、その情報が誤解とともに拡散しました。 検証対象 2025年6月15日、「やっている事も考えている事も めっちゃくちゃだ。給付金のために税金を増やすそうです。」という投稿が拡散した。 この投稿は、2025年6月14日の共同通信による投稿を引用リポストしたものだ。 2025年6月17日現在、拡散した投稿は14万回以上の閲覧回数と2400件以上のリポストを獲得している。投稿について「自民党じゃなくて増税党だな」「これ以上税金増やすの?」というコメントの一方で、「増税するとは書かれていません」という指摘もある。 検証過程 拡散した投稿に添付された共同通信のX公式アカウントの投稿には、同社が2025年6月14日に配信した「子ども加算、18歳以下対象 自民、参院選公約を調整」という記事が添付されている。 記事は「自民の森山裕幹事長は14日、鹿児島市での党会合で、首

By リサーチ チーム
イラン政府が米英仏に対して宣戦布告? まとめサイトによるもの

イラン政府が米英仏に対して宣戦布告? まとめサイトによるもの

イラン政府が米英仏に対して宣戦布告したという投稿が拡散しましたが、不正確です。イランは米英仏に対して、イスラエルへの報復攻撃を妨害したら、中東地域に展開する各国の軍事基地や艦船を標的にすると警告しましたが、2025年6月16日現在、宣戦布告はしていません。 検証対象 2025年6月14日、「【速報】イラン政府、アメリカイギリスフランスへ宣戦布告」という投稿が拡散した。 この投稿は2025年6月16日までに156万回以上の閲覧数と2100件以上のリポストを獲得している。投稿には「第三次世界対戦をどうしてもやりたい人がいるんですよね」や「宣戦布告はヤバいよ〜」などのコメントのほか、「宣戦布告ではなく警告ね」という指摘もある。 検証過程 検証対象のリンクは、まとめサイト「ツイッター速報〜BreakingNews」の記事だ。タイトルは掲示板サイト5ちゃんねるのスレッド「【速報】イラン政府、アメリカイギリスフランスへ宣戦布告」で、英語のX投稿を引用元にしている。 英語の投稿内容は次の通りだ。 「速報:イランは、イスラエルへの大規模攻撃を開始する意向を正式にフ

By 根津 綾子
中国人が「コノ先日本國憲法通用セズ」という看板を勝手に作っている? フィクションが元ネタのいたずら看板

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中国人が「コノ先日本國憲法通用セズ」という看板を勝手に作っているなどと主張する画像付きの投稿が拡散しましたが、根拠不明です。拡散した画像の看板は、都市伝説や映画をモチーフにしたいたずらと推測され、中国人が作ったと示す証拠はありません。 検証対象 2025年6月10日、「中国人が勝手にこんな物を作っている」などの文言とともに、「日本國憲法通用セズ」などと書かれた看板の写真がXで拡散した。 2025年6月11日時点で表示回数は100万回を超えていた。6月13日現在、投稿は削除されているが、拡散した投稿には「日本全国で日本の法律に縛られないやつが溢れてこない事を切に祈る」や「イタイバラバラにしてバイバイしてないだろうね」のコメントのほか、心霊スポットの写真ではという指摘もある。 検証過程 画像は有名な「心霊スポット」の看板 拡散した画像をグーグルレンズで検索すると、よく似た画像が添付されたX投稿(例1、例2)や「コジツケ君がゆく」というアメーバブログの「コノ先日本國憲法通用セズ」という記事が表示される。 ブログの2024年10月17日付の記事に

By 根津 綾子
東京都議選、偽誤情報の影響は/検証5本・関連18本【今週のファクトチェック】

東京都議選、偽誤情報の影響は/検証5本・関連18本【今週のファクトチェック】

東京都議選が始まりました。2024年の兵庫県知事選をきっかけにネット上の真偽が不確かな情報が投票に大きな影響を与えることが日本でもようやく認識されるようになり、新聞社やテレビ局などもファクトチェックを始める動きが出ています。ただ、一人を選ぶ大統領選型の知事選と異なり、都議選のように候補者も当選者も多い選挙では、対決型の構図が作りにくく、偽・誤情報も何か1つの大きなナラティブ(物語の語り口)を形成するというよりは、様々なテーマが同時多発的に広がり、検証対象を選びにくくなりがちです。選挙結果だけではなく、そのような選挙の信頼性・正当性を貶めるような情報にどのように対応していくかも注目されます。(古田大輔) ※今週から冒頭にミニコラムをつけるようにしました。ご意見・ご感想などはこちら。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 JFCからのお知らせ JFCファクトチェック講師養成講座はこちら

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は6月21日(土)午後2時~3時半で、お申し込みはこちら。 https://jfckousiyousei0621.peatix.com 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのよう

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

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日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

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