自民党総裁選で偽・誤情報の標的になっているのは誰か その理由は【解説】

自民党総裁選で偽・誤情報の標的になっているのは誰か その理由は【解説】

自民党総裁選をめぐって、偽・誤情報が拡散しています。候補者の誰が、なぜ標的になるのか。偽・誤情報の作成者・拡散者の特徴や動機について、日本ファクトチェックセンター(JFC)がこれまで公開した検証記事やSNS、検索データなどをもとに解説します。

最初に標的となったのは

9月12日告示、27日開票の自民党総裁選への立候補をいち早く表明したのは小林鷹之議員で、8月19日だった。その後、立て続けに小林氏に関する偽・誤情報が拡散し、JFCでも2本の検証記事を出し、いずれも「誤り」と判定した。

小林鷹之議員の会見後、メディア一同が拍手で送り出す? 同席した議員から【ファクトチェック】
2024年の自民党総裁選に立候補を表明した小林鷹之議員の会見で「メディア一同が拍手で送り出す」という言説が拡散しましたが、誤りです。拍手したのは同席した国会議員で、取材に来た記者たちではありません。 検証対象 2024年8月19日、自民党総裁選への立候補を表明した小林氏の会見について「政治家の会見終了後の退出をメディア一同が拍手で送り出すシーンは初めて見ました」という動画付き言説が拡散した。 拡散した動画には、会見終了後、小林氏が拍手を受けるシーンが映されている。 2024年9月22日時点、この投稿は1700件以上リポストされ、表示回数は109万件を超える。投稿について「相当ヤバイ」「迎合してる」というコメントの一方で「勘違いですね」という指摘もある。 検証過程 添付された動画は2024年8月19日に小林氏が自民党総裁選への立候補を表明した記者会見の様子。会見後に会場を去っていく小林氏に対して、会場から拍手がわいている。カメラは会釈する小林氏を映していて、誰が拍手をしているかはわからない。 この動画は、YouTubeチャンネル「TBS NEWS D
小林鷹之衆院議員は「再エネ議連」役員?6年前の画像が拡散、本人は退会済み【ファクトチェック】
2024年自民党総裁選に立候補を表明した小林鷹之議員が「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟(再エネ議連)の役員」という言説が拡散しましたが、誤りです。拡散した表は2018年のもので、本人は3月に退会を公表しています。 検証対象 2024年8月19日、自民党総裁選への立候補を表明した小林氏について「再エネ議連役員が判明」という言説が拡散した。言説にはまとめサイト「トータルニュースワールド」のリンクが添付されている。 2024年8月22日時点で投稿は3200件以上リポストされ、表示回数は33万件を超える。投稿について「グローバリスト側」「ベッタリですね」というコメントの一方で「情報が古い」という指摘もある。 検証過程 再エネ議連とは 自民党の再エネ議連は、太陽光発電や風力発電などの再エネ技術の開発と実用化を促す為に2016年に設立された。2023年に洋上風力発電事業を巡る汚職事件で秋本真利事務局長(当時)が強制捜査を受けて休眠状態に。2024年3月に体制を新たに再始動している(東京新聞)。 拡散した表は2018年のもの 拡散した言説に添付された、

一つは小林氏に批判的な内容で、もう一つは小林氏本人以上にメディアを批判する内容だった。

小泉進次郎氏をめぐる偽・誤情報

その後、出馬表明が相次ぎ、候補者は9人に及んだ。その中で、特に偽・誤情報が拡散したのは、小泉進次郎氏に関するものだった。

日本ファクトチェックセンター(JFC)は9月19日までに、小泉氏に直接関わる偽・誤情報を4つ検証して記事にしている。いずれも小泉氏に批判的で不正確や誤り、根拠不明な内容だった。

小泉進次郎氏「無理して大学行くな。例えば田舎の旅館の従業員とかになればいい」と発言? まとめサイトによる歪曲【ファクトチェック】
自民党総裁選に立候補している小泉進次郎氏が「無理して大学行くな。例えば田舎の旅館の従業員とかになればいい」と発言したかのような言説が拡散しましたが、不正確です。2024年9月16日の討論会での小泉氏の「大学に行くのが全てじゃない」という発言を歪曲しています。 検証対象 2024年9月18日、自民党総裁選に立候補している小泉氏が「無理して大学行くな。求められているところはいっぱいある。例えば田舎の旅館の従業員とかになればいい」と発言して炎上したとする言説が拡散した。投稿には、まとめサイト「NewsSharing」のリンクがある。 9月19日現在、この投稿は1.7万件以上リポストされ、表示回数は854万件を超える。投稿について「悪気なく本気で思ってそう」「国民を馬鹿にしすぎ」というコメントの一方で「全文読むとだいぶ印象が違います」という指摘もある。 検証過程 まとめサイトの記事は、2024年9月16日にスポニチがYahoo!ニュースで公開した記事を参照元にしている。 このスポニチの記事は、自民党総裁選の立候補者9人による9月16日の金沢市での討論会を報じ
小泉進次郎氏「年金受給は80歳から」? 開始年齢の選択肢を広げる発言【ファクトチェック】
自民党総裁選に立候補している小泉進次郎氏が「年金受給年齢は80歳からでいい」と発言したかのような言説が拡散しましたが、不正確です。現在の制度では、原則65歳受給開始で、60歳から75歳までの繰り上げ・繰り下げが選択できますが、小泉氏の発言は80歳まで選択肢を増やすものです。 検証対象 2024年9月の自民党総裁選に合わせて小泉進次郎氏が「65歳以上は『高齢者』なんてナンセンス』」「年金の受給開始年齢は『80歳でもいいのでは』」などと発言したという言説が拡散した(例1、例2、例3)。多いものは800万超の閲覧がある。 「いいわけねーだろ 親父は73で死んだわ」「国民の半数は一生年金を払って1円も認められないまま死んでいくんですね」と言った批判も広がっており、その多くは小泉氏が年金受給開始年齢を80歳まで遅らせるような発言をしたと受け止めている。 一方で、「進次郎は『年金80歳から』なんて言っていない」「あくまで個人の選択肢を広げるかどうか、という提案」などと拡散した投稿を否定する投稿や引用リポストもある。 この言説をめぐっては、InFactが検証して「不正
小泉進次郎氏が「これにお金を払ったらただで貰えました」などと発言? 大喜利サイトの書き込みが拡散【ファクトチェック】
自民党総裁選への立候補を予定している小泉進次郎氏が「これにお金を払ったらただで貰えました」「朝食は朝食べるに限ります。昼食は絶対にランチがいいですね」などと発言したとする言説が拡散しましたが、根拠不明です。これらの言説は大喜利サイトで匿名ユーザーが投稿したジョークが元になっていて、小泉氏本人が発言した事実は確認できません。 検証対象 2024年8月25日、「小泉進次郎曰く。『これにお金を払ったらただで貰えました』『朝食は朝食べるに限ります。昼食は絶体にランチがいいですね』こんな日本語の人間を日本のトップに据えていいのか?」という投稿が拡散した。 投稿は2024年9月2日時点で約1900件のリポストと110万回以上のインプレッションを獲得している。 「語彙力の欠損落第だ」「はぁー、どーなるんだニッポンは。。。」などといったコメントが寄せられる一方で、「ソースがboketeの人は初めてみた」「大喜利を本当に言ったと思ってる」との指摘もある。 検証過程 「進次郎構文」がインターネット上で話題に 小泉氏の発言や言い回しはインターネットを中心に「ポエム」「
小泉進次郎氏の祖父は朝鮮人?総裁選を前に誤情報が拡散【ファクトチェック】
「小泉進次郎氏は、朝鮮人『小泉組・小泉純也』氏(写真)の孫」という言説が拡散しましたが、誤りです。小泉氏の祖父は防衛庁長官をつとめた小泉純也氏で、純也氏は朝鮮人ではありません。また添付画像の刺青をした男性は、純也氏とは別人です。 検証対象 2024年8月23日、上半身に刺青をした男性の写真とともに「小泉進次郎氏は、朝鮮人『小泉組・小泉純也』氏(写真)の孫」というX(旧Twitter)の投稿が拡散した。 8月26日現在で290万の閲覧数と3200のリポストがあり、「こんなの、絶対総理にしちゃいけない案件」といったコメントがあるほか、「印象操作」「一枚目の画像は別人です」という投稿への批判もある。 検証過程 小泉純也氏は朝鮮人なのか 衆議院議員の小泉進次郎氏の祖父の小泉純也氏(元総理大臣の小泉純一郎氏の父)は元衆議院議員。1960年代の池田勇人内閣、佐藤栄作内閣で防衛庁長官を務めた。 公職選挙法10条の規定で、国会議員になるには「日本国民」であることが条件なので、純也氏は朝鮮人ではない。 さらに小泉氏が日本国籍に帰化したかどうかを官報情報検索サービ

特定候補に関する検証が多くなると「JFCは特定候補を応援しているのではないか」という批判が広がりがちだが、そうではない。

小泉氏に関する検証が多くなるのは、単純に小泉氏に関する偽・誤情報がSNSを中心に多く拡散しているからだ。JFCはこの4つの検証以外に、小泉氏自身の選択的夫婦別姓に関わる発言を、同じく候補者である高市早苗氏の発言とともに検証し、ともに不正確だと判定している。

旧姓で不動産登記はできる? 自民党総裁選で小泉氏と高市氏が正反対の発言【ファクトチェック】
自民党総裁選に立候補した小泉進次郎議員が「旧姓では不動産登記ができない」、高市早苗議員が「今年の4月から旧氏(旧姓)でできる」と発言しました。これはともに不正確です。4月から旧姓併記が可能になりましたが、旧姓だけでの登記は現在もできません。 検証対象 2024年9月6日、総裁選立候補を表明した小泉氏は総裁選立候補会見で「旧姓では不動産登記ができません」と発言した(48:33〜48:36)。 一方、同じく立候補を表明した高市氏は9月9日の立候補会見で「候補予定者の方に不動産登記ができないじゃないかと答えた方がいましたが、不動産登記できます。今年の4月から旧氏でできるようになっております」と発言している(1:20:32〜1:21:00)。 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、旧姓で登記できるか確認した。 検証過程 不動産登記における併記 不動産登記は、土地や建物の所在・面積のほか、所有者の住所・氏名などを登記簿に記載し、権利関係などを明確にするもの(法務省)。旧氏(旧姓)併記については、法務省ウェブサイトで確認することができる(所有権の登記名義

関心の高い話題が標的になる

JFCはX(旧Twitter)だけでなく、YouTubeやTikTokなど、様々なプラットフォームをチェックして怪しい情報が拡散していないかを探している。様々なツールを用いて、候補者の名前や総裁選を検索ワードにしたり、偽・誤情報をシェアしがちなグループやアカウントをフォローしたりしている。

自民党総裁選にまつわる偽・誤情報として拡散したものの多くは、2週間余りの総裁選序盤から中盤にかけては小泉氏に関してだった。これはJFCと同様に、検証対象となりうる疑義のある言説を探しているファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)が運用しているクレイムモニターというツールでも同じ傾向が見られる。

なぜ、小泉氏を対象に、小泉氏が不利になるような言説ばかりが拡散するのか。背景にあるのは小泉氏の注目度の高さだろう。

各社の世論調査で上位にくるのは、小泉氏、高市氏、石破茂氏の3人だ。この3人の名前が自民党総裁選の最初の1週間ほど(9月19日まで)にどれだけウェブ検索されていたかをGoogleトレンドで調べると、ほぼ一貫して1位小泉氏、2位高市氏、3位石破氏だった。これはYouTube検索でも同様だ。

Googleトレンド:ウェブ検索

Googleトレンド:YouTube検索

ソーシャルメディア上でも同様だ。日経新聞の9月21日の記事によると、X(旧Twitter)上で候補者名(フルネームまたは性+総裁選)を含んだ投稿(8月14日〜9月19日)を集計したところ、小泉氏がトップ、高市氏が2番手でともに300万投稿を超え、3番手の河野太郎氏との間には差があった。

ちなみに告示前を含む初期に標的となった小林氏は出馬表明した8月19日のみ、小泉氏を上回る注目を集めていた。

主要なデマの現象を実験に基づいて分析・考察したG.W. オルポートとL. ポストマンの『デマの心理学』では、根拠のない「流言」が拡散する量について、「問題の重要性」と「証拠の曖昧さ」の積に比例する、と定式化した。

日本の次の首相を決める自民党総裁選という重要なイベントにおいて、最も注目を集める小泉氏(問題の重要性)。さらに、政治への関心がそれほど高くない日本において、人々は普段から小泉氏の言動を追いかけているわけではなく、拡散する言説の証拠は曖昧なことが多い(証拠の曖昧さ)。総裁選での小泉氏の偽・誤情報拡散は、まさにこの定式に当てはまる。

さらに、2番手につける高市氏よりも小泉氏の方が偽・誤情報が拡散しやすかった理由がもう一つある。

「批判」の拡散力

X上の投稿を分析するYahoo!JAPANリアルタイム検索で過去30日間(8月24日〜9月23日)の小泉氏に関する投稿を調べてみると、17万件超の投稿でポジティブ(肯定的)11%、ネガティブ(否定的)89%となっている。

最も投稿数が多かった9月6-7日にかけては出馬会見で、フリーランス記者からの「知的レベルが低い」という質問への冷静な対応が話題になったときだ。

次に多い9月11-12日にかけては、JFCでも検証した「年金受給は80歳から」と発言したという情報が拡散したときで、ネガティブが92%にまで増えている。拡散した言説は不正確で、実際には年金の支給開始を60〜75歳で選べる現状について、60〜80歳に選択肢を広げても良い、という発言だった。

高市氏に関しても否定的な投稿の方が多いが、ネガティブ75%、ポジティブ25%で小泉氏よりもポジティブ寄りだ。最も投稿が多かった9月18日は「高市候補に投票しよう」という呼びかけも目立ち、ポジティブが27%に増えていた。

Xでの政治に関する投稿は、応援よりも批判の方が拡散する傾向がある。総裁選の有力候補である小泉氏に対してもネガティブな投稿が多くなるのは、それも理由の一つだろう。

批判の方が拡散しやすいということ自体が、批判的な投稿をするモチベーションの一つとなる。

偽・誤情報の作成者と拡散者

偽・誤情報を作成したり、拡散させたりする人の動機をもとに3つに分類すれば、以下のようになる。

故意犯:間違った情報を意図的に流して政治的・経済的な利益を得ようとする人
確信犯:正しいと信じ込み、間違った情報を拡散する人
愉快犯:嘘をついて注目を集めたり、騙された人を見て面白がったりする人

偽・誤情報を「作成する動機」と「拡散する動機」の違いに着目した、より細かい分類もある。Office of the U.S Surgeon Generalの資料を元に作成した。

明確な意図がある作成者に比べて、共有者=拡散させる人の中には、中身を精査する前に気軽に・過剰にシェアをする人たちもいる。

拡散の動機は「善意」

日本国内での偽・誤情報対策の影響と対策について精査するために、JFCが国際大グロコムと実施した2万人調査で、偽・誤情報を見聞きした後に拡散した人は全体の17.3%だった(n=3700)。

拡散した理由も聞いたところ、1位は「情報が興味深いと思った」30%、2位は「情報が重要だと感じた」29.2%で、他の人にも知ってもらいたいという善意から拡散していることがわかる。

自民党総裁選に話を戻せば、有力候補の小泉氏がこんなおかしな発言をしているとしたら、より多くの人に知られるべき「興味深くて」「重要な」情報だと考えることが、偽・誤情報拡散の強力な動機となる。

これは選挙で注目を集める議員が偽・誤情報の標的になりやすいことを端的に示す事例と言えるだろう。

もう一つ、データを示すとすれば、自民党総裁選と同時期に開かれた立憲民主党の代表選だ。4人が立候補し、9月23日に野田佳彦議員が選出された。

自民党総裁選と比較すると、立憲民主党の代表選に関する偽・誤情報は、それほど拡散していない。理由の一つとして、注目度が挙げられるだろう。新聞やテレビなどの主要メディアでの報道が少なく、ネット上での言及も少ない。Googleトレンドで主要候補者の検索量を比較しても、野田氏の当選のその日まで大きな差がついていた。

当選し、注目を集めたことで、今後、野田氏が標的となることは十分に考えられる。

同じことは、自民党総裁選でも言える。最新の各社の世論調査では、小泉氏が失速し、石破氏と高市氏が上位に並んだ。Googleトレンドのデータでも9月22日以降は高市氏が小泉氏を上回る。

高市氏を標的とした偽・誤情報が拡散しやすくなる土壌ができてきたということになる。高市氏に関する情報に関してもJFCではすでに一つ検証をしているが、今後はさらなる注意が必要だ。

高市大臣は親韓派? 韓国式の飲み方をする画像【ファクトチェック】=訂正あり
経済安全保障担当大臣の高市早苗氏が、口元を手で隠して水を飲む画像とともに「親韓派」だという言説が拡散しましたが、根拠不明です。口元を隠すような飲み方は韓国式で親韓派だという主張はネット上で繰り返し拡散しています。 検証対象 2024年8月16日、国会で高市大臣が口元を手で隠して水を飲む画像付きで「分かる人には分かるやつ」という投稿が拡散した。 この投稿には「朝鮮飲み」「日本人でこんな飲み方見たことない」「高市氏が保守ではなく反日なのは明らか」などのコメントが付き、8月19日現在150万超の閲覧と1200件のリポストがある。 検証過程 この画像をGoogleのFactCheck ExplorerのImage contexts機能で調べたところ、2023年4月4日のX(旧Twitter)投稿まで遡ることができた。ネット上で確認できるのはいずれもXかブログだ。 2023年3月3日の参議院予算委員会の映像で確認したところ、この画像と同じ服装で同じように右手を添えながら高市大臣が水を飲んでいる姿が確認できる。画質が荒く右手の描写が不自然に見えるが、この画像自体

次回:選挙で気をつけるべき偽・誤情報

選挙では繰り返し拡散する偽・誤情報があり、そのパターンは世界的に共通しています。事前に特徴を知っておけば「この情報はよくある偽・誤情報ではないか」と気づきやすくなります。

日本では立憲民主党の代表選、自民党総裁選に続いて、早期の総選挙が実施される可能性があります。次回は、どのような種類の偽・誤情報が、どのタイミングで拡散しやすいのか。また、なぜ、アメリカと比較して、候補者の発言そのものに対するファクトチェックが少ないのかなどを解説します。

(※サムネイルの画像はAIで生成しました)


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンから。また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報を質問すると、AIが関連性の高いJFC記事をお届けします。詳しくはこちら

もっと見る

4月20日の三陸沖地震を予測していた? 日時や場所を特定する予知は不可能【ファクトチェック】

4月20日の三陸沖地震を予測していた? 日時や場所を特定する予知は不可能【ファクトチェック】

2026年4月20日に発生した三陸沖を震源とする最大震度5強の地震をうけて、「予測的中」などと投稿し、有料のnoteに誘導するアカウントが存在しますが、科学的に信頼性のある地震予報ではありません。専門家によると、日付や場所を正確に特定する地震予知は、現代の科学では不可能です。日本ファクトチェックセンター(JFC)は、このアカウントに根拠を問い合わせましたが、期限までに回答はありませんでした。 検証対象 拡散した投稿 4月20日、三陸沖を震源とする最大震度5強の地震発生をうけて、「M7.4 予測的中」という投稿がXで拡散した。有料noteのURLも添付されている。 拡散した投稿には、20日の地震を予知したと示すためか、地震発生の前日に同じアカウントが投稿した「次の地震はマグニチュード7前後となる可能性がありますので、通常1〜3週間以内(4/20-5/10)に発生します,ご注意ください」という投稿を引用している。 検証する理由 投稿した「南海地震予測所」のアカウントは20日の地震発生時には約10万フォロワーだった。しかし、30日時点で11.3万フォロワ

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)
岩手県大槌町の山林火災はレーザーによるもの? 大規模火災のたびに拡散する陰謀論【ファクトチェック】

岩手県大槌町の山林火災はレーザーによるもの? 大規模火災のたびに拡散する陰謀論【ファクトチェック】

2026年4月に岩手県大槌町で発生した山林火災について、レーザーのせいだと主張する投稿が拡散しましたが、誤りです。4月28日現在、出火原因は調査中で、まだ特定されていません。大規模な火災のたびに、国内外で広がる陰謀論です。 検証対象 拡散した言説 2026年4月26日、大槌町の山火事だという山林火災の画像を引用し、「不自然。なぜ一直線?変な燃え方。レーザーでしょ」という文言をつけた投稿が拡散した。 検証する理由 4月28日現在、投稿は2400回以上リポストされ、表示は20.8万件を超える。 投稿には、「風の影響」「山火事ってこういう風に燃え広がるんですよ。少しは調べたら?」などの指摘もあるが、「違和感しかない」や「It could be DEW. Direct Energy Weapon.(指向性兵器DEWの可能性)」など、真に受けた反応も多いため検証する。 検証過程 公式発表では「出火原因は調査中」 総務省消防庁の公式Xアカウントは、大槌町の火災についてこまめに情報発信している。 「岩手県大槌町の林野火災による被害及び 消防機関等の対

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
企業やゲームのキャンペーンを装って偽サイトやLINE登録を促すXアカウントに注意

企業やゲームのキャンペーンを装って偽サイトやLINE登録を促すXアカウントに注意

X上で、実在する企業や人気ゲームのアカウントを装い「特別なご案内」「PayPayマネーがもらえる」などと個人宛てにメンションを送る不審な投稿が複数確認されています。誘導先は公式とは無関係の偽サイトで、LINEアカウントの登録などを求めるため注意が必要です。 個人をメンションした「特別なご案内」 2026年4月から、「平素よりありがとうございます\✨特別なご案内を✨ 4名様にお届けしております プロフィールの固定ポストにまとめています 本日23時まで」という文言で個人のアカウントにメンションを付けた投稿が複数確認されている(例1、例2)。28日時点で、これらのアカウントは「凍結」されている。 投稿したアカウントは、Softbankや人気ゲーム「ツムツム」の「広報課」や「発信課」を名乗っている。固定ポストには「SoftBank」と「PayPay」のロゴとともに、「最短1分で受け取り完了」「1,000円~10万円分Pay Payマネーその場でもらえる!」などと書かれたリンクが添付されている。 リンク先はSoftbankの偽サイト リンクにアクセスすると、So

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)
オバマ米元大統領が暴力を肯定する投稿? Xの自動翻訳の誤り【ファクトチェック】

オバマ米元大統領が暴力を肯定する投稿? Xの自動翻訳の誤り【ファクトチェック】

米国のトランプ大統領が出席していた夕食会での銃撃事件をめぐり、オバマ元大統領がXに投稿した文章が、自動翻訳によって「暴力が我々の民主主義に何の居場所もないという考えを、私たち全員が拒絶する責任があります」と日本語表示されました。これは誤訳です。原文を見ると英語で「我々の民主主義に暴力の居場所があるという考えを私たち全員が拒絶する責任がある」と反対の内容を書いています。 検証対象 拡散した言説 2026年4月27日、オバマ氏が自身のXアカウントで「Although we don’t yet have the details about the motives behind last night's shooting at the White House Correspondents Dinner, it’s incumbent upon all us to reject the idea that violence has

By 根津 綾子(Ayako Nezu)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は5月16日(土)午前10時~11時30分で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0516.peatix.com 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験

JFCファクトチェッカー認定試験

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)