辺野古移設を決めたのは玉城デニー氏? 閣議決定や当時の知事の受け入れ承認時には反対【ファクトチェック】

辺野古移設を決めたのは玉城デニー氏? 閣議決定や当時の知事の受け入れ承認時には反対【ファクトチェック】

沖縄県知事選を前に「辺野古移設を決めた張本人は玉城デニー」という投稿が拡散しましたが、誤りです。辺野古移設が自民政権で閣議決定された1999年には議員ではなく、その後の民主政権の閣議決定、沖縄県知事の受け入れ承認の際には反対してます。

検証対象

拡散した投稿

「辺野古移設を決めた張本人って『玉城デニー』じゃねーか」「移設決めて、移設反対運動を手伝ってるって、自作自演じゃねーか」という投稿がXで拡散した。

検証する理由

この投稿は1.5万件以上リポストされ、表示回数は222万回を超える。「所詮は金が欲しいだけ」「沖縄県知事になって中国に取り込まれた」というコメントが多数ある一方、「デマを言うな」という指摘もある。

沖縄県知事選を前に検証する。

検証過程

辺野古移設の経緯

辺野古移設とは、沖縄県宜野湾市の市街地中心部に位置する米軍普天間飛行場を、名護市の辺野古沿岸部へ移設する計画だ。 

1996年4月、日米が普天間飛行場の全面返還に合意。1999年11月、県が普天間飛行場の移設候補地として「辺野古沿岸域」を公表し、12月に名護市長が条件付きで受け入れを表明。政府は辺野古移設を閣議決定した。(沖縄県."辺野古新基地建設問題の経緯"、内閣府."普天間飛行場の移設に係る政府方針")。

その後、民主党の鳩山由紀政権が県外移設を模索したが断念し、2010年5月に改めて辺野古移設を閣議決定した(国立国会図書館.”平成22年5月28日に日米安全保障協議委員会において承認された事項に関する当面の政府の取組について”)。 

2013年12月27日、仲井眞弘多沖縄県知事(当時)が埋め立てを承認した(沖縄県."辺野古新基地建設問題の経緯")。

民主党の閣議決定や知事の埋め立て承認時の発言は

ラジオパーソナリティなどタレントとしても活動していた玉城氏が沖縄市議選に初当選したのは2002年9月。辺野古移設が自民政権で閣議決定された1999年は議員でもなかった。

玉城氏は2009年に沖縄3区で衆院選に民主党公認で初当選し、2010年の民主政権による閣議決定時は民主党に所属していた(沖縄県."知事プロフィール"、選挙ドットコム.”沖縄3区 - 第45回衆議院議員選挙”)。

当時、玉城氏は次のように発言している。

「地元合意の前提が無いシュワブ辺野古案は実現不可能。全国知事会も否定的な代替施設建設は、歓迎を表明しているテニアン・北マリアナと協議するべきだ。強く継続提案していく」(沖縄タイムス2010年5月29日)

また、2013年の埋め立て承認時、玉城氏は「生活の党」に所属していた。発言は次の通りだ。

「閣議決定でもない口約束に相乗りした承認は、県民との明白な公約違反だ。知事の会見説明にも県民総意で建白書に込めた県外移設への思いはみじんも感じない。辺野古移設断念実現まで徹底して闘う」(沖縄タイムス2013年12月28日)

いずれも辺野古移設に反対している。

沖縄タイムスも同様の投稿を検証し、「誤り」と判定している(沖縄タイムス."玉城デニー氏が「辺野古移設を決めた」「英断と称賛」は誤り 文脈の異なる発言を切り取り拡散【沖縄知事選ファクトチェック】")。 

拡散した画像は

拡散した投稿には3枚の画像が添付されている。

1枚目は朝日新聞2010年5月29日付の紙面だ。「辺野古移設 閣議決定」「拒否の福島氏を罷免 首相謝罪『沖縄傷つけた』」という見出しがある。

これは民主党政権が辺野古移設を閣議決定した際の記事だ。署名を拒否した社民党党首(当時)の福島瑞穂消費者担当相が罷免され、「沖縄を傷つけた」と首相が謝罪したことなどを伝えている。この記事に玉城氏の名前はない。

2枚目の画像はTBSの報道番組「Nスタ」の映像とみられる。拡散した映像には「民主党 沖縄県選出 玉城デニー 議員」というテロップとともに、「沖縄県民にもすばらしい英断だという声もあります」という字幕が表示されている。

しかし、TBS系列の琉球放送(RBC)は玉城氏の画像について「当時の放送を確認すると沖縄の基地問題を全国に広く知らしめたことに対する発言を切り取ったものであることが確認できました」と報じている(琉球放送."【沖縄県知事選挙】SNSに広がるデマや中傷にどう向き合うか 宮城・地元紙の取り組み | 沖縄のニュース|”)

3枚目の画像も含めて、「玉城氏が辺野古移設を決めた」ことを示す内容は含まれていない。

判定

辺野古移設の方針は1999年に自民政権が閣議決定し、2010年に民主政権が改めて閣議決定。2013年に仲井眞知事(当時)が埋め立てを承認している。玉城氏は1999年当時は議員ではなく、2010、2013年には反対している。よって、誤りと判定した。 

出典・参考

沖縄県."辺野古新基地建設問題について".https://www.pref.okinawa.jp/heiwakichi/futenma/1017409/1017415.html  ,(閲覧日2026年8月26日)

内閣府."普天間飛行場の移設に係る政府方針".https://www8.cao.go.jp/okinawa/7/7212.html  ,(閲覧日2026年8月26日)

国立国会図書館.”平成22年5月28日に日米安全保障協議委員会において承認された事項に関する当面の政府の取組について”.https://warp.ndl.go.jp/web/20200205191142/www.mod.go.jp/j/approach/anpo/kyougi/2010/05/25_03.pdf  ,(閲覧日2026年8月26日)

沖縄県."知事プロフィール".https://www.pref.okinawa.jp/kensei/kencho/1001519/1001520.html ,(閲覧日2026年8月26日)

選挙ドットコム.”沖縄3区 - 第45回衆議院議員選挙”. https://go2senkyo.com/syugiin/11559/11993 , (閲覧日2026年8月26日) 

沖縄タイムス."玉城デニー氏が「辺野古移設を決めた」「英断と称賛」は誤り 文脈の異なる発言を切り取り拡散【沖縄知事選ファクトチェック】".https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1905655 ,(閲覧日2026年8月26日)

琉球放送."【沖縄県知事選挙】SNSに広がるデマや中傷にどう向き合うか 宮城・地元紙の取り組み | 沖縄のニュース|”.https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rbc/2876844?page=2 ,(閲覧日2026年8月26日)

検証:木山竣策
編集:古田大輔、藤森かもめ


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