自民党は有権者の大半の支持を得た?/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

自民党は有権者の大半の支持を得た?/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

衆院選は自民党が小選挙区249、比例代表67の合計316議席を獲得する大勝利で終わりました。一つの政党が衆院の3分の2の議席を占めるのは戦後初めてです。

これだけを見ると、日本の有権者の大半が高市政権を支持したように見えますが、本当でしょうか?

各政党の得票数を有権者数で割る「絶対得票率」で見てみましょう。自民党は小選挙区で27%、比例代表で20%ほどでした。「自民党が有権者の大多数に支持された」というような表現はおかしいことがわかります。

今回の自民党の勝利を小さく見せようとしているわけではありません。今回の絶対得票率は2017年衆院選の安倍政権での地すべり的な勝利をも上回っており、大勝利であることは間違いありません。

ただ、小選挙区という制度はこのように数%の得票率の差で議席数が大きく動くということは知っておいた方がよいでしょう。

そして、その数%の違いに偽・誤情報や大量の根拠も論理もないショート動画やディープフェイクの拡散が影響した可能性があります。

どの政党が勝とうと、規制を含めた対策の議論が必要です。特定の政党ではなく、民主主義を守るために。

今週の解説ではどのような偽・誤情報がファクトチェックされたか、ディープフェイクの実態などについての記事を紹介しています。そちらも参考にしてください。(古田大輔)

✉️
日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら

今週のお知らせ

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。

次回の開講は2月28日(土)午前10時~11時30分で、お申し込みはこちら。

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は2月28日(土)午前10時~11時30分で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0228.peatix.com/view 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的に

CREST FakeMedia 終了ワークショップ:フェイクメディア対策の最前線と未来

CREST FakeMediaは、AIにより生成されたフェイクメディアがもたらす潜在的な脅威への対策を目的として、2020年12月に発足した先駆的な研究プロジェクトです。2月26日に成果を発表するワークショップを実施し、JFCから編集長の古田も登壇します。申込みはこちら。

2026/2/26 | CREST FakeMedia 終了ワークショップ:フェイクメディア対策の最前線と未来
CREST FakeMediaでは,AIにより生成されたフェイクメディアがもたらす潜在的な脅威に適切に対処すると同時に,多様なコミュニケーションと意思決定を支援するソーシャル情報基盤技術を確立します.

Enhancing Arabic healthcare fake news detection with data augmentation and multi-metric analysis using large language models:Nature

今週の解説

自民党が圧勝した衆院選、最も検証された政党も自民党 参院選から何が変わったのか

AIによる捏造動画など偽・誤情報がますます拡散する中で、衆院選をめぐり、対策としてのファクトチェックはどれだけ実践されたのか。日本ファクトチェックセンター(JFC)では、ファクトチェック組織や新聞やテレビなどの報道機関が発信した検証記事を収集し、分析しました。

自民党が圧勝した衆院選、最も検証された政党も自民党 参院選から何が変わったのか【#衆院選ファクトチェック 解説】
AIによる捏造動画など偽・誤情報がますます拡散する中で、衆院選をめぐり、対策としてのファクトチェックはどれだけ実践されたのか。日本ファクトチェックセンター(JFC)では、ファクトチェック組織や新聞やテレビなどの報道機関が発信した検証記事を収集し、分析しました。 ファクトチェック96本、短期決戦で対応に苦心 ファクトチェックとは、政治家など著名人や影響力の大きな組織の発信、ネット上で拡散する不確かな情報の真偽を検証する活動です。何を検証するか、検証過程や根拠、判定を明示するのが一般的なルールですが、今回収集したのは、情報を検証しているものの判定の明示がないものなど「広い意味での検証記事」も含みます。一方で、偽・誤情報に関する解説記事や紹介記事は除外しました。 JFCが収集したのは96件。複数の情報をまとめて検証している記事は1件とカウントしています。また、その場合、検証対象やトピックは複数ある中で主なものを抽出しています。 複数検証の事例: JFC”各党党首の発言の真偽は 討論会をまとめて検証” JFC”「期日前投票はすり替えられる」「鉛筆で書かせるのは消す

高市首相を熱狂的に応援する高齢者、踊りだす中道... 急増したAIによる偽画像/動画

2026年の衆院選で、明らかに増えたものがあります。生成AIによる画像や動画の捏造や改変です。「ディープフェイク」と呼ばれる手法が、いよいよ日本でも普及してきました。実際にどのようなAI製フェイクが拡散していたのでしょうか。

高市首相を熱狂的に応援する高齢者、踊りだす中道... 急増したAIによる偽画像/動画【#衆院選ファクトチェック 解説】
2026年の衆院選で、明らかに増えたものがあります。生成AIによる画像や動画の捏造や改変です。「ディープフェイク」と呼ばれる手法が、いよいよ日本でも普及してきました。実際にどのようなAI製フェイクが拡散していたのでしょうか。 衆院選ディープフェイク検証記事は16本で急増 日本ファクトチェックセンター(JFC)が収集した衆院選に関するファクトチェック記事96本中、ディープフェイクもしくはそう疑われる画像や動画に関する検証記事は16本ありました。1本の記事で複数のディープフェイクについて解説した記事もあります。 2025年参院選ではディープフェイクを検証する記事は、ほとんどありませんでした。FIJが収集した236件の記事の中で見出しにAIがあるのは1本だけです(FIJ”参院選2025ファクトチェック”)。 2025年参院選でのディープフェイク検証の例: JFC”トランプ大統領が岸田文雄氏について「グローバリストの操り人形」と発言? 繰り返し拡散するAI動画” 急増の背景に生成AIの進化 世界的に見ると大型選挙が集中した2024年がディープフェイク大拡散の

今週のファクトチェック

「高市政権発足4ヶ月でレアアースが一気に採掘にたどり着いた」?十年以上前からのプロジェクト

経済安全保障で重要なレアアースの確保について「高市政権発足4ヶ月で一気に採掘までたどり着いた」という投稿が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。レアアース採掘に向けた研究・開発は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一環として、2014年度以降、進められてきました。

「高市政権発足4ヶ月でレアアースが一気に採掘にたどり着いた」?十年以上前からのプロジェクト【ファクトチェック】
経済安全保障で重要なレアアースの確保について「高市政権発足4ヶ月で一気に採掘までたどり着いた」という投稿が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。レアアース採掘に向けた研究・開発は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一環として、2014年度以降、進められてきました。 検証対象 拡散した言説 2026年2月4日、「高市政権発足4ヶ月で、それまで進んでいなかったレアアースが一気に採掘まで辿り着けた」という趣旨の投稿が拡散した。 検証する理由 2月9日現在、投稿は1.5万回以上リポストされ、表示は173万件を超える。 投稿には「今回のレアアース調査が実現できたのは内閣府主導で実施されたから」「岸田内閣時代(2022年)に水深2,470mで1日あたり約70トンまでいき今回はそれが水深6000mで1日あたり350トンまで成功したというだけの話」などの指摘もあるが、「高市早苗はわずかの期間で成し遂げた。行動力、実行力がハンパない!」「ホントこれ14年前に始めていたらと思うと悔しくてしかたない」などのコメントも多いため、検証する。 検証過

河野太郎氏が不正に当選? 開票作業にトラブルなし 出口調査とも一致

2026年2月8日投開票の衆院選で、神奈川15区から立候補していた自民党・河野太郎氏が不正に当選したという投稿が拡散しましたが、誤りです。河野氏は報道各社の事前調査などで大差の1位でした。神奈川県選挙管理委員会もJFCの取材に対し「管内の開票所でミスやトラブルの報告はない」と回答しています。

河野太郎氏が不正に当選? 開票作業にトラブルなし 出口調査とも一致【♯衆院選ファクトチェック】
2026年2月8日投開票の衆院選で、神奈川15区から立候補していた自民党・河野太郎氏が不正に当選したという投稿が拡散しましたが、誤りです。河野氏は報道各社の事前調査などで大差の1位でした。神奈川県選挙管理委員会もJFCの取材に対し「管内の開票所でミスやトラブルの報告はない」と回答しています。 検証対象 拡散した言説 2026年2月8日、「支援者もいない 河野太郎がダントツ一位当選 おかしくないか」という投稿がXで拡散した。 このほか、同様の投稿は多数拡散している(例1,2)。 検証する理由 2月10日現在、投稿は2万回以上リポストされ、表示は294万件を超える。 「おかしくはない。支援者・支持者がいたから当選した。それだけの話だ」などの指摘もあるが、「なんか変だよね。この選挙。異様に自民党が当選してる」「票を操作できることがわかっているから自信満々で早苗は解散したんでしょう」など真に受けたコメントが多いため検証する。 検証過程 支持者がいないのに当選した? 拡散した投稿には、聴衆が河野氏の街頭演説に耳を傾けず素通りしている様子を映した動

中国が「中道改革連合支持」を発表? そのような情報はない

中国が中道改革連合を支持すると表明したかのような投稿が拡散しましたが、誤りです。中国政府からのそのような発表も、報道もありません。

中国が「中道改革連合支持」を発表? そのような情報はない【ファクトチェック】
中国が中道改革連合を支持すると表明したかのような投稿が拡散しましたが、誤りです。中国政府からのそのような発表も、報道もありません。 検証対象 拡散した言説 2026年2月6日、「中国が『中道改革連合を支持する』って発表した」という投稿がXで拡散した。 検証する理由 2月9日現在、投稿は削除されているが、2月7日時点で13000回以上リポストされ表示は69万件を超えていた。 同様の投稿は他にも広がっている(例1,2)。 検証過程 中国外務省「日本の内政問題なのでコメントしない」 中国外務省のウェブサイトには、定例会見の記録が掲載されている。1月15日の会見で、日本の記者と報道官の間のやり取りの記録がある。 テレビ東京記者:日本の公明党が他党と共同で新党結成を検討しているとの報道があります。中国はこれまで公明党と緊密な関係を維持してきました。この動きについて、報道官はどのようなコメントをされていますか?新党が『公明党』という名称を使わなくなった場合、中国はこれまで通り公明党との関係を維持するのでしょうか? 毛寧報道官:これは日本の内政問題

高市首相の動画で、視聴回数より高評価の数が多いのは不正? データの反映に時間差

2026年2月8日投開票の衆院選の選挙期間中に、高市早苗首相が発信したYouTube動画について、「高評価の方が視聴回数より多い」と不正を示唆する投稿が、画像と共に拡散しましたが、ミスリードで不正確です。YouTubeの高評価や視聴回数のデータは、画面上に反映されるまでにタイムラグがあり、しばしば見られる現象です。2月12日現在、視聴回数は40万回を超え、高評価は3.6万回です。

高市首相の動画で、視聴回数より高評価の数が多いのは不正? データの反映に時間差【#衆院選ファクトチェック】
2026年2月8日投開票の衆院選の選挙期間中に、高市早苗首相が発信したYouTube動画について、「高評価の方が視聴回数より多い」と不正を示唆する投稿が、画像と共に拡散しましたが、ミスリードで不正確です。YouTubeの高評価や視聴回数のデータは、画面上に反映されるまでにタイムラグがあり、しばしば見られる現象です。2月12日現在、視聴回数は40万回を超え、高評価は3.6万回です。 検証対象 拡散した言説 2026年2月7日、「何で高評価の方が視聴回数より多いんだよおかしいだろwwwww」という文言付きの画像がXで拡散した。 検証する理由 2月12日現在、投稿は1.4万回以上リポストされ、表示は485万件を超える。 投稿に対して、高評価と視聴回数のデータは反映に時間がかかるので、動画公開の直後に高評価が逆転する現象がありうるという指摘も複数ある(例1,2,3)。 一方で、「高市は色々おかしい」「どんな手をつかっても勝てばいいとおもってる」など、真に受けるコメントも多く、注目を集めたため、検証する。 検証過程 拡散したスクショは動画公開の1時

今週の動画/ポッドキャスト

「スウェーデンは刑務所の囚人の98%が移民」?

中国が「中道改革連合支持」を発表? 高市政権発足4ヶ月でレアアースが一気に採掘にたどり着いた? ~JFC週刊ポッドキャスト2026年2月13日号~

日本ファクトチェックセンターがお届けする「JFC Weekly Podcast」です。AIパーソナリティがわかりやすく解説していきます。

今回のトピックは、以下の通りです!

高市首相の動画で、視聴回数より高評価の数が多いのは不正? データの反映に時間差【#衆院選ファクトチェック】
https://www.factcheckcenter.jp/fact-check/politics/is-the-takaichis-videos-engagement-altered/

中国が「中道改革連合支持」を発表? そのような情報はない【ファクトチェック】
https://www.factcheckcenter.jp/fact-check/politics/did-the-chinese-government-announce-its-support-for-the-centrist-reform-coalition/

河野太郎氏が不正に当選? 開票作業にトラブルなし 出口調査とも一致【♯衆院選ファクトチェック】
https://www.factcheckcenter.jp/fact-check/politics/did-taro-kono-win-the-election-fraudulently/

「高市政権発足4ヶ月でレアアースが一気に採掘にたどり着いた」?十年以上前からのプロジェクト【ファクトチェック】
https://www.factcheckcenter.jp/fact-check/economics/did-it-take-only-four-months-for-the-takaichi-administration-to-reach-the-mining-stage/

紹介した海外の記事はこちらの3本です↓

https://www.nature.com/articles/s41598-025-21733-9

https://gwtoday.gwu.edu/gw-researcher-asks-how-people-assess-credibility-social-media-clips

https://www.reuters.com/world/us-fund-free-speech-initiatives-europe-trump-official-says-2026-02-09/

その他の関連記事

「チームみらい 候補者の名前覚えてない」は誤り 開票速報で議席数のみ判明の段階:リトマス

「チームみらい 候補者の名前覚えてない」は誤り 開票速報で議席数のみ判明の段階 | リトマス みんなとつくる ファクトチェック専門メディア
検証対象【衝撃】 チームみらい、候補者の名前すら覚えてない⁉️どういう事⁉️(※別のユーザーの動画付き投稿を引用)一般ユーザーのX投稿(2026年2月9日、約2600リポスト)判定[rating-image]判定の基準についてこの時は開票速報で獲得議席数のみが報じられ、具体的にどの候補が当選確実なの…

選挙の偽・誤情報にどう立ち向かうか ~河北新報「かほQチェック」の挑戦~ #628:NHK放送文化研究所

選挙の偽・誤情報にどう立ち向かうか ~河北新報「かほQチェック」の挑戦~ #628
メディア研究部(メディア情勢)山本 智 2025年10月26日に投票が行われた…

選挙プロセス歪める偽・誤情報、SNSプラットフォームの責任は?◆ファクトチェックは「サプリ」・水谷慶大准教授に聞く【2026衆院選】:時事ドットコム

選挙プロセス歪める偽・誤情報、SNSプラットフォームの責任は?◆ファクトチェックは「サプリ」・水谷慶大准教授に聞く【2026衆院選】:時事ドットコム
近年の選挙では、SNS上で偽・誤情報や陰謀論が拡散され、民主主義の正統性と選挙の公正性を根底から崩しかねない事態となっています。X(旧ツイッター)やフェイスブックなどSNSプラットフォームはどのような責任を果たすべきか、プラットフォーム規制のあり方や伝統的なメディアの役割は-。憲法や情報法、メディア法が専門の水谷瑛嗣郎慶應大メディア・コミュニケーション研究所准教授に聞きました。(聞き手:時事通信iJAMP編成部編集委員・織田晋太郎、同・梅垣宜央)

“高市旋風”の衆院選 SNSや動画投稿サイトで何が?【検証】:NHKニュース

チームみらいの躍進は不正選挙の結果だと主張しているの誰か?:鳥海不二夫 - エキスパート - Yahoo!ニュース

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/9cea0cb50142547e313b0dd03a09d21e592c7f29

Anti-Vaxxers Claim Deadly Measles Is Good for You: NewsGuard RealityCheck

https://www.newsguardrealitycheck.com/p/anti-vaxxers-claim-deadly-measles

Tracking the AI takeover of Community Notes: Indicator

Briefing: Tracking the AI takeover of Community Notes
Plus: Tools for counting crowd size and generating Google Dorks.

"飲み代のために選挙動画"も?広告は倍に?SNS選挙で何が:NHK


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンから。また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報を質問すると、AIが関連性の高いJFC記事をお届けします。詳しくはこちら

もっと見る

高市首相を熱狂的に応援する高齢者、踊りだす中道... 急増したAIによる偽画像/動画【#衆院選ファクトチェック 解説】

高市首相を熱狂的に応援する高齢者、踊りだす中道... 急増したAIによる偽画像/動画【#衆院選ファクトチェック 解説】

2026年の衆院選で、明らかに増えたものがあります。生成AIによる画像や動画の捏造や改変です。「ディープフェイク」と呼ばれる手法が、いよいよ日本でも普及してきました。実際にどのようなAI製フェイクが拡散していたのでしょうか。 衆院選ディープフェイク検証記事は16本で急増 日本ファクトチェックセンター(JFC)が収集した衆院選に関するファクトチェック記事96本中、ディープフェイクもしくはそう疑われる画像や動画に関する検証記事は16本ありました。1本の記事で複数のディープフェイクについて解説した記事もあります。 2025年参院選ではディープフェイクを検証する記事は、ほとんどありませんでした。FIJが収集した236件の記事の中で見出しにAIがあるのは1本だけです(FIJ”参院選2025ファクトチェック”)。 2025年参院選でのディープフェイク検証の例: JFC”トランプ大統領が岸田文雄氏について「グローバリストの操り人形」と発言? 繰り返し拡散するAI動画” 急増の背景に生成AIの進化 世界的に見ると大型選挙が集中した2024年がディープフェイク大拡散の

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
高市首相の動画で、視聴回数より高評価の数が多いのは不正? データの反映に時間差【#衆院選ファクトチェック】

高市首相の動画で、視聴回数より高評価の数が多いのは不正? データの反映に時間差【#衆院選ファクトチェック】

2026年2月8日投開票の衆院選の選挙期間中に、高市早苗首相が発信したYouTube動画について、「高評価の方が視聴回数より多い」と不正を示唆する投稿が、画像と共に拡散しましたが、ミスリードで不正確です。YouTubeの高評価や視聴回数のデータは、画面上に反映されるまでにタイムラグがあり、しばしば見られる現象です。2月12日現在、視聴回数は40万回を超え、高評価は3.6万回です。 検証対象 拡散した言説 2026年2月7日、「何で高評価の方が視聴回数より多いんだよおかしいだろwwwww」という文言付きの画像がXで拡散した。 検証する理由 2月12日現在、投稿は1.4万回以上リポストされ、表示は485万件を超える。 投稿に対して、高評価と視聴回数のデータは反映に時間がかかるので、動画公開の直後に高評価が逆転する現象がありうるという指摘も複数ある(例1,2,3)。 一方で、「高市は色々おかしい」「どんな手をつかっても勝てばいいとおもってる」など、真に受けるコメントも多く、注目を集めたため、検証する。 検証過程 拡散したスクショは動画公開の1時

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
中国が「中道改革連合支持」を発表? そのような情報はない【ファクトチェック】

中国が「中道改革連合支持」を発表? そのような情報はない【ファクトチェック】

中国が中道改革連合を支持すると表明したかのような投稿が拡散しましたが、誤りです。中国政府からのそのような発表も、報道もありません。 検証対象 拡散した言説 2026年2月6日、「中国が『中道改革連合を支持する』って発表した」という投稿がXで拡散した。 検証する理由 2月9日現在、投稿は削除されているが、2月7日時点で13000回以上リポストされ表示は69万件を超えていた。 同様の投稿は他にも広がっている(例1,2)。 検証過程 中国外務省「日本の内政問題なのでコメントしない」 中国外務省のウェブサイトには、定例会見の記録が掲載されている。1月15日の会見で、日本の記者と報道官の間のやり取りの記録がある。 テレビ東京記者:日本の公明党が他党と共同で新党結成を検討しているとの報道があります。中国はこれまで公明党と緊密な関係を維持してきました。この動きについて、報道官はどのようなコメントをされていますか?新党が『公明党』という名称を使わなくなった場合、中国はこれまで通り公明党との関係を維持するのでしょうか? 毛寧報道官:これは日本の内政問題

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
河野太郎氏が不正に当選? 開票作業にトラブルなし 出口調査とも一致【♯衆院選ファクトチェック】

河野太郎氏が不正に当選? 開票作業にトラブルなし 出口調査とも一致【♯衆院選ファクトチェック】

2026年2月8日投開票の衆院選で、神奈川15区から立候補していた自民党・河野太郎氏が不正に当選したという投稿が拡散しましたが、誤りです。河野氏は報道各社の事前調査などで大差の1位でした。神奈川県選挙管理委員会もJFCの取材に対し「管内の開票所でミスやトラブルの報告はない」と回答しています。 検証対象 拡散した言説 2026年2月8日、「支援者もいない 河野太郎がダントツ一位当選 おかしくないか」という投稿がXで拡散した。 このほか、同様の投稿は多数拡散している(例1,2)。 検証する理由 2月10日現在、投稿は2万回以上リポストされ、表示は294万件を超える。 「おかしくはない。支援者・支持者がいたから当選した。それだけの話だ」などの指摘もあるが、「なんか変だよね。この選挙。異様に自民党が当選してる」「票を操作できることがわかっているから自信満々で早苗は解散したんでしょう」など真に受けたコメントが多いため検証する。 検証過程 支持者がいないのに当選した? 拡散した投稿には、聴衆が河野氏の街頭演説に耳を傾けず素通りしている様子を映した動

By 根津 綾子(Ayako Nezu)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は2月28日(土)午前10時~11時30分で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0228.peatix.com/view 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的に

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験

JFCファクトチェッカー認定試験

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)