日本は世界一の重税国?OECD諸国の中でも比較的低い【ファクトチェック】

日本は世界一の重税国だという主張が拡散しましたが、誤りです。国民所得で割った租税負担率や社会保障も加えた国民負担率は、OECD加盟国の中でも比較的低い水準にとどまります。
検証対象
2025年3月4日、日本は世界一の重税国だという主張がXで拡散した。
2025年3月7日現在、リポストは1万件を超え、223万回以上表示されている。この投稿に対し「まったくです」「奴隷やな」といったコメントのほか、「嘘だから騙されないで」という指摘もある。
検証過程
日本の税負担は諸外国と比較して重いのか。国税や地方税を合計した租税収入金額を国民所得で割った「租税負担率」だけでなく、租税負担に年金や国民健康保険などの社会保障負担を加えた「国民負担率」の両方を確認する。
財務省がOECDのデータ等をもとに作った「国民負担率の国際比較(OECD加盟36カ国)(各国のデータは主に2021年のもの)」を見る。グラフの青い部分が租税負担率、黄色い部分が社会保障負担率で、あわせて国民負担率を示している。
日本の租税負担率は28.9%で36か国中29位、国民負担率は48.1%で36か国中22位だ。ともに中程度の水準に留まる(OECD加盟国は38か国だが、コロンビアとアイスランドは、国民所得の計数が取得できないため除外)。
判定
日本の租税負担率は、OECD加盟国の36か国中29位で、税負担が重い国とは言えない。社会保障を含んだ国民負担率で見ても同水準だ。よって、「日本は世界一の重税国だ」という主張は誤り。
検証:リサーチチーム
編集:古田大輔、宮本聖二、藤森かもめ
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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