小泉今日子さん 「不法難民は強制送還ではなく保護を!」と発言? 文言を改変【ファクトチェック】
俳優の小泉今日子さんが「不法難民は強制送還ではなく保護を!」と発言した、という投稿が拡散していますが、不正確です。小泉さんが訴えたのは「難民の送還ではなく保護を」という内容であり、「不法難民」「強制送還」という言葉は使っていません。小泉さんのインタビュー記事を使った同様の誤情報は、2024年5月ごろ、複数のまとめサイトで拡散しました。小泉さんは「本意ではない拡散がこの数年間ずっと続いています」と発信しています。
検証対象
2026年5月24日、「小泉今日子さん 『不法難民は強制送還ではなく保護を!』 素晴らしいと思います ぜひ、ご自身のお宅で積極的に保護なさってください。その勇気ある行動を、日本全国で注目しています」という投稿がXで拡散した。

検証する理由
5月27日現在、この投稿は9400件以上リポストされ、表示回数は214万回を超える。
投稿について「移民賛成の人のお宅に外国人を引き受けさせるようにすればよい」「自分には関係ないと思ってるから好きなこと言えるよね」というコメントの一方で、「小泉今日子氏の発言内容と異なります」というコミュニティノートがついている。
検証過程
実際の発言は
小泉さんはどのような発言をしたのか。
「小泉今日子 『不法難民は強制送還ではなく保護を!』」で検索すると、2023年5月の朝日新聞の記事「入管法『送還ではなく保護を』 小泉今日子さん、つぶやきの真意は?」が見つかる。記事の見出しに「送還ではなく保護を」とあるが、「不法難民」「強制送還」という言葉は使っていない。
記事の内容は、入管法改正案について、自分の意見を投稿した小泉さんに、その心境を聞いたものだ。
小泉さんは2021年3月に名古屋出入国在留管理局に収容中だったスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなったことを受けて、「人の命をすごく軽々しく扱うんだなっていうのが嫌でした」「みんな同じ人間なのにな、って思ってしまう」と感じて、投稿したという。
記事内に「不法難民は強制送還ではなく保護を」とは書かれていない。
「難民」と「不法難民」
1951年に採択された「難民条約」は、人種、宗教、国籍や政治的意見などを理由とした迫害の恐れがあるために国外に逃れている人を難民として定義し、保護することを定めています。日本も1981年に条約に加入しています(外務省"国内における難民の受け入れ")。
一方で、「不法難民」という言葉は一般的に「法律を犯している難民」などと否定的な意味で使われています。
小泉さん「見出しを故意に別の言葉に変えて拡散したメディアがありました」
小泉さんが代表を務める株式会社明後日のXアカウントは2026年5月25日、朝日新聞の記事のリンクと共に「この記事の見出しを故意に別の言葉に変えて拡散したメディアがありました。そのことで本意ではない拡散がこの数年間ずっと続いています。改めて元の記事をシェアします」と投稿している。
「小泉今日子 強制送還」で検索すると、2024年5月にまとめサイト「ハムスター速報」は「小泉今日子さん『不法滞在外国人を強制送還するな!保護しろ!!!』」という見出しの記事が見つかる。記事には朝日新聞の元記事が引用されているが、見出しは書き換えられている。
判定
拡散した投稿の根拠になったと思われる2021年の小泉さん自身の投稿は「#難民の送還ではなく保護を」と書いてあり、「不法難民」「強制送還」という言葉は使っていない。この誤情報は、2024年5月ごろにも拡散している。小泉さん自身が、代表を務める会社のアカウントで「本意ではない拡散がこの数年間ずっと続いています」と発信している。よって、不正確と判定した。
出典・参考
朝日新聞.”入管法「送還ではなく保護を」 小泉今日子さん、つぶやきの真意は?:朝日新聞”.https://www.asahi.com/articles/ASR5173Z6R4VPIHB01L.html ,(閲覧日2026年5月27日)
外務省"国内における難民の受け入れ" https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/nanmin/main3.html(閲覧日2026年5月27日)
検証:木山竣策
編集:藤森かもめ、古田大輔
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