4月20日の三陸沖地震を予測していた? 日時や場所を特定する予知は不可能【ファクトチェック】

4月20日の三陸沖地震を予測していた? 日時や場所を特定する予知は不可能【ファクトチェック】

2026年4月20日に発生した三陸沖を震源とする最大震度5強の地震をうけて、「予測的中」などと投稿し、有料のnoteに誘導するアカウントが存在しますが、科学的に信頼性のある地震予報ではありません。専門家によると、日付や場所を正確に特定する地震予知は、現代の科学では不可能です。日本ファクトチェックセンター(JFC)は、このアカウントに根拠を問い合わせましたが、期限までに回答はありませんでした。

検証対象

拡散した投稿

4月20日、三陸沖を震源とする最大震度5強の地震発生をうけて、「M7.4 予測的中」という投稿がXで拡散した。有料noteのURLも添付されている。

拡散した投稿には、20日の地震を予知したと示すためか、地震発生の前日に同じアカウントが投稿した「次の地震はマグニチュード7前後となる可能性がありますので、通常1〜3週間以内(4/20-5/10)に発生します,ご注意ください」という投稿を引用している。

検証する理由

投稿した「南海地震予測所」のアカウントは20日の地震発生時には約10万フォロワーだった。しかし、30日時点で11.3万フォロワーに増えている。

検証過程

4月20日午後4時53分、青森県で最大震度5強の地震が発生した。震源は三陸沖でマグニチュードは7.5だった(ロイター.”三陸沖でM7.5の地震、最大震度5強 岩手県久慈港で80センチの津波=気象庁”)。

ピンポイントの地震予知は「できません」

JFCは過去に何度も日時や場所を特定する地震予知について検証し、誤りと判定している。2025年12月には、東京大学地震研究所/情報学環・学際情報学府の酒井慎一教授による解説記事も公開している。

JFC.”地震のたびに拡散する「人工地震説」や「地震予知」は何が間違っているのか 専門家が解説

酒井教授は、ピンポイントの地震予知について、「科学的な根拠は無い」と否定し、地震のメカニズムについて、以下のように答えている。

(以下、引用)

Q「30年以内に地震が発生する確率は何十%」といった長期的な予測は政府も公表します。一方で、大きな地震が起きると「巨大地震は予知されていた」とか「次の地震は〇月〇日」など、日付や場所を特定した「予言」が拡散します。このようなピンポイントの地震予知は現代の科学で可能なのでしょうか。

できません。地震のメカニズムは、今でも多くのことが分かっていません。多くの人はプレート(岩盤)同士が押し合い、跳ね返ったり壊れたりして地震が起こると考えていますが、実際はもっと複雑です。地震は地下にある断層面にそって、岩盤同士が急激にズレることで起こります。断層面はでこぼこしており、触れ合っている岩盤と岩盤が摩擦力で固着しているから、普段は動きません。でも岩盤に力が働いてひずみエネルギーが溜まると、岩盤同士の摩擦力がそのひずみエネルギーに耐えられなくなって、断層面が急激に滑り出す。それが地震です。

断層面の固着状態は、ひずみエネルギー以外の影響も受けます。たとえば、断層面に水のような流体が入ると断層面が浮いて摩擦力が小さくなり、同じ力でも動きやすくなります。地震の発生は、ひずみエネルギーの増大だけでなく、断層面の固着状態も大いに影響することになります。そのため、地震を予知しようと思ったら、断層面の状態を詳しく確認する必要があります。でも断層面は、地下何十キロという深いところにあるため、今の技術では認知できません。

地下の状況を把握するのは、宇宙より難しいと言われています。火星なら表面を見られるし、物質を採取もできます。けれども、地下は、人類がこれまでに一番深く掘ったロシアのコラ半島超深度掘削坑でも、約13km。温度や圧力などの問題で、それ以上掘るのは難しいのです。

(引用ここまで)

JFCの問い合わせに回答なし

JFCは、地震予測が的中したと発信する「南海地震予測所」のXアカウントに「具体的な根拠は何か?」「独自の解析手法がある場合、それは第三者が検証可能なデータとして公開されているか?」と問い合わせた。しかし、回答期限の28日までに返答はなかった。もし返答があれば追記する。

「南海地震予測所」のアカウントは過去にも同様の発信を繰り返しており、JFCは2026年1月にも検証して、「北海道〜東北でM5.2〜6.0の地震に注意? 日時や場所を特定した予知は不可能【ファクトチェック】」という記事を出した。その際にもJFCは根拠を問い合わせたが返答は無かった。

このアカウントは、JFCが問い合わせた以降も発信を続けており、4月27日に発生した北海道十勝地方南部を震源とする最大震度5強の地震についても「M6.2 予測的中」と投稿している。

判定

現代の科学では地震予知はできない。また、JFCは発信者に予測方法などを問い合わせたが、回答はないまま発信を続けている。よって「4月20日の地震予測が的中」という投稿は、科学に基づいた投稿とは言えず、誤りと判定した。 

出典・参考

ロイター.”三陸沖でM7.5の地震、最大震度5強 岩手県久慈港で80センチの津波=気象庁”.https://jp.reuters.com/world/japan/KWIES63BBNMNVKIMQF4S3RFQ4M-2026-04-20/  ,(閲覧日2026年4月30日)

検証:木山竣策
編集:古田大輔、藤森かもめ


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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