歴史

「(動画)1919年に撮影されたアイヌの踊り」はほぼ正確【ファクトチェック】

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「(動画)1919年に撮影されたアイヌの踊り」はほぼ正確【ファクトチェック】

「1919年に撮影された本物のアイヌの踊り」というカラーの動画が拡散し、本物の映像かどうかを疑う声がありましたが、ほぼ正確です。「オーストラリア国立フィルム&サウンド・アーカイブ」に保管されている映像の一部で、オリジナル版は白黒です。 検証対象 「1919年に撮影された 本物のアイヌの踊り」という文章と共に、人々が踊る動画が拡散した。投稿は2023年10月26日時点で160万回以上表示され、3300リポストを超えている。 コメント欄には「アイヌ館で演じられる踊りはこんな感じ。」や「さすが本物👍」という意見の一方で、「カラー!?」などの反応もある。 リプライや引用ポストなどをたどると、「この踊りすらやらせと聞いた事がある🤔」「本物なのかな?」など、動画の真偽を疑う声もある(例1、例2)。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、この動画が「1919年に撮影されたアイヌの踊り」かどうかを検証した。 動画の一部のスクリーンショットでGoogle画像検索をすると、「1919年に撮影された楽しそうにノリノリで踊るアイヌの人々」として検証対象と

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「関東大震災、朝鮮人が毒を入れようとしたのはデマではなく事実」は誤り【ファクトチェック】

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「関東大震災、朝鮮人が毒を入れようとしたのはデマではなく事実」は誤り【ファクトチェック】

1923年9月1日に発生した関東大震災について「朝鮮人が毒を入れようとしたのはデマではなく事実」という言説が拡散しましたが、誤りです。警視庁が発行した『大正大震火災誌』などの震災後の複数の資料で、朝鮮人による暴動や略奪、投毒などの噂は誤りだったと確認されています。 ※引用した資料には差別的な表現や誤字・脱字と思われる記述がありますが、原文のまま掲載しています。 検証対象 「『関東大震災時に乗じて朝鮮人が井戸に毒を入れようとした』のは『流言』ではなく『事実』であったことを日本人は知らねばなりません」という文言とともに、朝鮮人の犯罪を報じたとする当時の新聞記事のリンクを付けたツイートが拡散した。このツイートは2023年9月8日現在、210万回以上の表示回数と3900件以上のリツイートを獲得している。 拡散したツイートには当初(8月31日時点)、コミュニティノートが付いていた。しかし、9月8日現在、コミュニティノートは見ることができない。 検証過程 関東大震災時に、朝鮮人による暴動や投毒などの犯罪があったのかについては、2023年8月22日、日本ファクトチ

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
松野官房長官「(関東大震災での朝鮮人虐殺)事実関係を把握する記録は政府内に見当たらない」は不正確【ファクトチェック】

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松野官房長官「(関東大震災での朝鮮人虐殺)事実関係を把握する記録は政府内に見当たらない」は不正確【ファクトチェック】

松野博一官房長官が記者会見で、関東大震災をめぐる朝鮮人虐殺について「政府内において事実関係を把握する記録は見当たらない」と述べましたが、ミスリードで不正確です。 政府は2009年に内閣総理大臣を会長とする内閣府の中央防災会議で報告書を出しており、事実関係をまとめた様々な資料とともに「朝鮮人を中心に犠牲者の1%から数%が殺害された」と明記しています。報告書が引用した一次資料には、朝鮮人らが犠牲となった殺傷事件が記録されており、国立公文書館が運営するアジア歴史資料センターなどで保管・公開されています。 検証対象 2023年8月30日、松野官房長官は記者会見で、関東大震災当時の朝鮮人虐殺について「政府内において事実関係を把握することのできる記録は見当たらない」と2回発言した。「令和5年8月30日(水)午前-内閣官房長官記者会見」で確認できる。 問題の発言は動画の6:35ごろから。記者は関東大震災での朝鮮人の殺害について、以下のように質問をした。 「当時、被災地ではデマが広がり、多くの朝鮮人が軍・警察・自警団によって虐殺されたと伝えられています。政府として朝鮮人

By 宮本聖二
関東大震災をめぐる「朝鮮人が暴動を起こした」「虐殺はなかった」などの言説を検証 【ファクトチェックまとめ】

歴史

関東大震災をめぐる「朝鮮人が暴動を起こした」「虐殺はなかった」などの言説を検証 【ファクトチェックまとめ】

1923年の関東大震災では「朝鮮人が暴動を起こした」「井戸に毒を入れた」などの噂が拡散し、軍隊や警察や自警団などが多数の朝鮮人らを殺害しました。現在も「虐殺はなかった」などの言説が繰り返し拡散します。関東大震災をめぐる主な誤情報を改めて検証しました。 ※過去資料に差別的な表現が出てきますが、そのままにしています。 ※新たな誤情報の検証を更新していきます(最終更新2023年9月11日)。 震災をめぐり、繰り返し拡散する誤情報 現在も、地震が起きるたびに誤情報 / 偽情報が拡散する。「#井戸に毒」などは、関東大震災での朝鮮人殺傷を想起させる悪質なデマだ。また、毎年9月1日に東京都墨田区の都立公園で開かれる朝鮮人犠牲者追悼式典では「6000人虐殺はなかった」などのプラカードを掲げる行為もある。 関東大震災をめぐっては、内閣府が2009年3月に詳細な報告書を公表した。総理大臣を会長に閣僚や学識経験者などで構成する中央防災会議による「災害教訓の継承に関する専門調査会 報告書」(以下、専門調査会報告書)」だ。過去の大災害の経験を継承する目的でまとめられた。 日本フ

By 宮本聖二
「南京事件はプロパガンダ映画で嘘」は誤り【ファクトチェック】

歴史

「南京事件はプロパガンダ映画で嘘」は誤り【ファクトチェック】

日中戦争において、1937年に旧日本軍が南京を占領した際に起きた南京事件について「アメリカのプロパガンダ映画でフェイクだ」と主張するツイートが拡散していますが、誤りです。日本政府は外務省ホームページで南京での非戦闘員殺害や略奪を認めており、2015年の安倍晋三首相(当時)の談話など歴代内閣が繰り返しお詫びを表明しています。また、多くの研究者も南京事件を検証しています。 検証対象 「南京事件は米国のプロパガンダ映画だった」というツイートが動画と共に拡散した。添付された動画には「南京大虐殺はアメリカがつくりあげた嘘」という文章とともに、戦争映画のような映像に字幕解説がつけられている。引用を含めたリツイート数は1500回、表示数は18万回を超えている。 リプライ欄には「中国のでっち上げかと思ってたけど、アメリカ発なんですね」「米国が作ったのであれば色々と辻褄があいますね」といった同調するコメントが寄せられている。 検証過程 ツイートに添付された動画は、1944年に公開された映画「The Battle of China(ザ・バトル・オブ・チャイナ)」の一部。独

By リサーチ チーム
「"乾杯"は戦後に作られた言葉。意味は完全に負けること」は誤り。戦前から使用例あり【ファクトチェック】

文化・エンタメ

「"乾杯"は戦後に作られた言葉。意味は完全に負けること」は誤り。戦前から使用例あり【ファクトチェック】

「"乾杯"は戦後に作られた言葉。意味は完全に負けること」という言説が拡散されましたが誤りです。国立国会図書館では戦前からの使用例が確認でき、宮沢賢治の著作にも使われています。 検証対象 2023年2月25日に投稿されたツイートでは「乾杯」という言葉の由来について「戦後に作られた言葉・意味は完全に負けること。(中略)戦前までは"弥栄(いやさか)"と言っていた。」との言説が拡散された。このツイートは3月3日現在150万回以上の表示、1万件以上のいいねを獲得している。 このアカウントにはTwitter Blueへの課金で認証マークが付いている。引用リツイートでは多くの指摘が飛び交う一方で、返信欄では「陰陽師、退魔師などの方々が同様のことを仰っていました。」「これから、弥栄って言って祝杯あげます〜^ - ^」などの返信があった。 なお、BuzzFeed Japanは3月3日にこの件でファクトチェックを実施しており、辞書への掲載例をもとに「誤り」と判定したが、このアカウントは3月5日にも同様の発信を繰り返している。 検証過程 このような「戦後に広まった言葉」だ

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「ワールドカップでも旭日旗」という画像は誤り【ファクトチェック】

文化・エンタメ

「ワールドカップでも旭日旗」という画像は誤り【ファクトチェック】

カタールでサッカーW杯が開催される中、「ワールドカップでも旭日旗」という文言とともに、旭日旗のようなデザインの旗を掲げた外国人サポーターの画像4枚が拡散しました。これらはスペインのプロサッカーリーグに所属する「アスレティック・ビルバオ」と「アトレティコ・マドリード」のサポーターの画像であり、W杯ではありません。 2022年11月23日、「ワールドカップでも旭日旗」という文言とともに旭日旗を掲げた外国人サポーターの画像4枚が拡散した。リプライには「旭日旗は美しい」「どんどん使おう」といったコメントがある一方、「日本も大好きだし旭日旗も大歓迎だけどこの画像はワールドカップじゃないですよ」「これはアトレティコだな」といった指摘もある。 検証過程 1枚目に映るサポーターたちのユニフォームには「Petronor」と書かれている。「Petronor uniform」でGoogle検索すると、Petronorはスペインのバスク州に本社を構える石油・ガス企業であり、スペインのプロサッカーリーグのラ・リーガに所属するアスレティック・ビルバオの、過去のユニフォームだと分かる。

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)