中国

習近平国家主席が脳卒中で倒れた? 椅子から転げ落ちたという画像が拡散【ファクトチェック】

国際

習近平国家主席が脳卒中で倒れた? 椅子から転げ落ちたという画像が拡散【ファクトチェック】

中国の習近平国家主席が「中国共産党の会議で椅子から転げ落ちた。脳卒中だ」などという言説が画像とともに拡散しましたが、根拠不明です。拡散した画像は2024年3月の全国人民代表大会のもので、その後も公務の様子がたびたび報じられています。2024年7月25日時点で習主席が重篤な状態だという信頼性のある情報はありません。 検証対象 2024年7月18日、「中国共産党の全体会議の写真に、習近平が突然、痛みに震えて椅子から転げ落ちる様子が写っている。 おそらく脳卒中だったのだろう」「衰弱の発作だったのかもしれない」という投稿が拡散した。 添付された画像にはドイツ語で、「習近平は脳卒中を患ったのか?」という題名の後に、「中国共産党本会議の写真には、習近平氏が突然痛みでけいれんし、椅子から転げ落ちる様子が映っている。おそらく脳卒中を起こしたのだろう」などと書かれている。3枚の画像には顔をしかめる習主席や、習主席の机を確認する女性が写っている。 2024年7月25日時点で1800件以上リポストされ、表示回数は117万回を超える。投稿について「どくさつ」「おそらく脳卒中」など

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
上海総領事が「日系企業が中国撤退」と文書を出した?蘇州日本人学校バス襲撃事件をめぐって【ファクトチェック】

国際

上海総領事が「日系企業が中国撤退」と文書を出した?蘇州日本人学校バス襲撃事件をめぐって【ファクトチェック】

2024年6月24日に中国・蘇州で日本人学校の送迎バスが襲われた事件について、上海の日本総領事館の赤松秀一総領事が日本企業に「日系企業は中国からの撤退を決めた」という文書を通達したとする言説がX(旧Twitter)で拡散しましたが、誤りです。外務省や赤松総領事はそのような文書を出しておらず、総領事館も否定しています。 検証対象 2024年6月30日、「【拡散希望】朗報 日本国駐上海領事館 赤松秀一大使より 日本人を守った中国人女性にご冥福をお祈りします。このような事件が二度と起こさないように 蘇州の日本人学校母子襲撃事件を受け、蘇州日本商業協会が中国撤退を決め、段階的に実施します という公文書を全ての日本企業に通達したようです」という言説が拡散した。 ポストには画像が添付され、「日本国驻上海总领事  赤松秀一」という署名や、中国語の投稿が写っている。 このポストは漫画家の東雲くによし氏によるものだ。東雲氏は「孫向文」名義で文筆家としても活動しており、7月19日時点で3500件以上のリポストと42万回以上のインプレッションを獲得している。 「中国撤退で安心

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
自国民の奨学金の予算70億円、外国人留学生の予算180億円?【ファクトチェック】

政治

自国民の奨学金の予算70億円、外国人留学生の予算180億円?【ファクトチェック】

2022年以降「自国民の奨学金の予算70億円、外国人留学生の予算180億円」という言説が何度も拡散していますが誤りです。70億円は給付型奨学金制度創設時の予算であり、現在は大幅に増額されています。 検証対象 2024年5月21日、「自国民の奨学金の予算→70億、外国人留学生の予算→180億」という言説が拡散した。投稿には2022年6月の参議院決算委員会で小野田紀美氏が留学生、学生支援について語る動画が添付されている。 2024年5月31日現在、このポストは3500件以上リポストされ、表示回数は65万件を超える。投稿について「日本人に無関心な日本政府」というコメントの一方で「デマ情報に注意」と指摘する声もある。 検証過程 動画は2022年6月の参議院決算委員会の様子 拡散した動画は2022年6月13日に開かれた参議院決算委員会で、自民党の小野田紀美参議院議員の質問と文科省の増子宏高等教育局長(当時)や岸田文雄首相が答弁している様子だ。 この動画や、動画の一部を切り取ったスクリーンショットは繰り返し拡散している。2022年7月には、早稲田大学政治経済

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
中国からの偽情報対策、TikTokの不自然なデータ 台湾大臣「選挙に影響」

政治

中国からの偽情報対策、TikTokの不自然なデータ 台湾大臣「選挙に影響」

中国からの情報工作に神経を尖らせる台湾では、ファクトチェック、メディアリテラシー、法的なルール設定など包括的な誤情報/偽情報対策に取り組む。日本ファクトチェックセンター(JFC)は、政府で偽情報対策を包括的に担当する羅秉成(ロウ・ピンチェン)無任所大臣に話を聞いた。 選挙への偽情報の影響「多くは中国から」 ──台湾総統選は世界的な関心を集めました。特に偽情報の拡散と中国からの影響への注目が高かったですが、実際にはどのような影響があったのでしょうか。 「明確な指標を示すのは難しいが、私たちは偽情報が選挙にある程度影響したと分析しています。その多くは中国からです」 ──具体的なデータはありますか。 「様々なデータがありますが、例えば、(民間研究機関の)台湾AIラボがTikTokについて分析したところ、中国に関連して拡散した主なコンテンツの62%が中国に対して好意的で中国による台湾統一を肯定する内容でした。逆に台湾に言及するコンテンツの95%が否定的で、民進党が台湾を破滅させるなどのものでした。次期総統に選ばれた民進党の賴清徳(ライチントー)氏に対しては67%

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
(画像)中国の水道水は茶色?【ファクトチェック】

国際

(画像)中国の水道水は茶色?【ファクトチェック】

「中国の水道水は茶色」であるかのように示す画像が拡散しましたが、誤りです。添付された画像は断水後に水を流すときに水道管の汚れが混ざった茶色の水が一時的に流れたものです。日本でも見られる現象で、中国の水道水が日常的に茶色なわけではありません。 検証対象 2023年9月2日、「中国では、これを『汚染水』ではなく『水道水』といいます。」という投稿がX(Twitter) で拡散した。水道の蛇口から茶色の水のようなものが流れ出る画像に「中国の水道」というキャプションがついている。9月12日時点で94万件超の表示と2700件超のリポストがある。 返信欄では「まじかよ」などと驚きの声がある。一方で、「さすがにへんだなと思って調べたら断水直後の写真ですね」と指摘する声もある。 検証過程 この画像をGoogle画像検索すると「中国で水道水は飲めますか?」というブログ記事が見つかる。 同サイトでは、検証対象の画像を左右反転させた画像が見つかる。ただし、検証対象画像の右上にある「中国の水道」というキャプションはない。 ブログ記事によると、この写真は、断水の解除直後に水を

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
3カ月居住で中国人に投票権を付与する条例を武蔵野市が推進?【ファクトチェック】

政治

3カ月居住で中国人に投票権を付与する条例を武蔵野市が推進?【ファクトチェック】

「3カ月居住で中国人に投票権を付与する条例を武蔵野市が推進している」という言説が拡散しましたが、不正確です。武蔵野市は外国人の住民投票資格について議論していますが、中国人に限定しておらず、付与を前提として議論しているわけでもありません。 検証対象 「3ヶ月居住で中国人に投票権を付与する条例を武蔵野市が推進している」という言説が拡散した。2023年9月7日現在でリポスト9000件以上、表示回数が290万回を超えたツイートもある。 拡散したツイートにはツイッターまとめサイト「News U.S.」の記事へのリンクが貼られている。該当する記事の見出しは「【緊急速報】東京都武蔵野市が『3カ月居住で中国人に投票権付与』の条例推進」。 返信欄では「いつか気づかないうちに侵略が終わってることも、、、」や「静かなる侵略は足元まで迫ってる(>_<。)💦」と恐れる声や「マジで言ってるのか。」と驚きのコメントもある。 検証過程 まとめ記事にはツイートが貼られており、「東京都武蔵野市の外国籍住民のうち34.7%が中国人。そんな状況の中、現市長は“3カ月の居住”で住民投票権を

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)