岸田首相に関する偽の画像や動画が相次ぎ拡散

岸田首相に関する偽の画像や動画が相次ぎ拡散

岸田文雄首相が映る画像や動画を使った偽情報がSNSなどで数多く広がっています。加工や発言の切り抜きによる悪用で、注意が必要です。

加工された画像


2024年2月12日、岸田首相がアメリカ政府の高官と対談しているかのような画像が投稿され拡散した。13万以上の閲覧数となっている。

この投稿には、「この写真初めて見た ヌーランド(米国務次官)と岸田」とコメントがつき、引用リポストには「この一枚が、すべてを語っています」といった書き込みもある。

加工された画像

この画像は加工されたものだ。元の画像は2022年4月のビクトリア・ヌーランド米国務次官(右から二人目)とブラジルのカルロス・フランサ外務大臣が面会した際の写真で、米国務次官の公式アカウントが投稿している。偽の画像は、右のフランサ氏を岸田首相に加工している。

元の画像。ヴィクトリア・ヌーランド国務次官のXの投稿から

偽の画像は、二人の間に電話らしきものがなく、岸田首相とヌーランド国務次官の間に、奇妙な線のようなものが写っている。岸田首相の指も不自然だ。

この画像は、NHK も検証し、同様のポイントで偽画像と結論づけている。

加工された動画

2023年11月、岸田首相が正面を向き卑猥に感じられる内容を語る映像がニコニコ動画に投稿された。この映像には、右上に日テレNEWS24のロゴがついていた。

口元以外は全く動かないので、すぐにおかしいと感じる上に話している内容が岸田首相の普段の言動からはかけ離れている。ただ、声はよく似ている。本人の声のデータを取り込んで、生成AIを活用して発言を捏造するタイプの偽動画だ。

2023年11月4日、日本テレビはニュース画面に見せかけたフェイク動画が拡散したことを報じ、「放送、番組ロゴをこのようなフェイク動画に悪用されたことは、到底許すことはできない」とコメントしている。

発言の切り取り

映像を切り取ることで発言内容を歪める言説もある。日本ファクトチェックセンター(JFC)が2024年2月13日に配信した記事では、岸田首相が「日本人の割合は10%で残りは移民や不法難民で構わない」と発言したかのような動画について取り上げた。

この動画は、岸田首相が、外国人の割合が9割となっているアラブ首長国連邦とカタールを引き合いに出したときの発言を切り取ったものだ。

岸田首相は「こういった国と日本の状況は比べるべくもなく、日本らしい、日本の現実にあった共生社会を考えていく、これが当然のことだと考えています」と話しているが、その部分は削られていた。投稿者は、岸田首相が「日本の人口の9割が外国人で構わない」と発言したように映像とテキストを組み合わせている。

官邸の発表や首相動静の確認を

岸田首相の発言や公的な活動は、官邸HPや各社の首相動静(NHK時事通信など)で確認することができる。また、岸田首相のX(旧Twitter)アカウントも、様々な情報を発信している。

あとがき

各国首脳の言動については誤情報・偽情報が拡散しがちです。JFCでは他にも岸田首相の言動や政策に関して拡散した情報について検証記事を出しています(例1例2)。

近年は編集ソフトやAIで映像や音声の加工が容易になったことも偽情報が増える要因になっています。

今年は世界的な選挙イヤーのため、日本だけでなく世界各地で首脳や政治家、政党に関する偽情報が増える傾向にあります。注意が必要です。

検証:本橋瑞紀、宮本聖二
編集:野上英文、藤森かもめ、古田大輔


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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