山本太郎氏がつばさの党を応援し、「相手の選挙区に乗り込め」とアドバイスした?【ファクトチェック】

山本太郎氏がつばさの党を応援し、「相手の選挙区に乗り込め」とアドバイスした?【ファクトチェック】

れいわ新選組の山本太郎氏が「つばさの党を応援し、相手の選挙区に乗り込めとアドバイス 逃げる奴は政治家失格」という投稿が拡散しましたが誤りです。投稿は引用元の記事から山本氏の発言以外の部分も切り取って作ったものです。

検証対象

2024年5月19日、れいわ新選組の山本太郎氏が「つばさの党を応援し、相手の選挙区に乗り込めとアドバイスした。逃げる奴は政治家失格」と発言したとする投稿が拡散した。

2024年5月21日現在、このポストは1100件以上リポストされ、表示回数は23万件を超える。投稿について「仲間だから」というコメントの一方で「印象操作」と指摘する声もある。

検証過程 

つばさの党の代表ら3人は、2024年4月の衆院東京15区補選でほかの陣営の演説を妨害したとして逮捕されている(NHK)。

投稿はまとめサイト「ツイッター速報」による投稿だ。リンク先を確認すると、東スポWEBがlivedoorニュースに掲載した「山本太郎氏が「つばさの党」に言及 黒川敦彦氏から逃げた陣営を批判」という記事を引用している。

「逃げる奴は政治家失格」は?

記事は、山本氏の街頭演説での発言を取り上げている。つばさの党に突撃された場合の対処について「さっさと質問してもらいます(中略)それに答えられるくらいの度量がなければ政治家なんて向いていない」と発言したことを取り上げている。

記事には「逃げ隠れた陣営に〝政治家失格〟の烙印を押した」と書かれているが、記事の筆者による表現であり、山本氏の発言ではない。

「相手の選挙区に乗り込めとアドバイス」は?

記事は2017年につばさの党代表の黒川敦彦氏が衆院選山口4区から無所属で立候補した際、山本氏が応援に駆けつけたエピソードを紹介している。

山本氏が黒川氏に「あなたが一番おかしいと思う人の選挙区に乗り込んでいくのが筋」とアドバイスをしたとある。2017年当時の無所属の黒川氏への言葉で、つばさの党が成立する前のことだ。

「つばさの党を応援」は?

同補選にて、山本太郎氏は無所属の須藤元気氏の応援に駆けつけ、須藤氏は「山本太郎参議院議員が雨の中、応援に駆けつけてくれました」とXに投稿している。

判定

拡散した言説は引用元の記事から一部を切り取り繋げている。よって「山本太郎氏『つばさの党を応援し、相手の選挙区に乗り込めとアドバイスした 逃げる奴は政治家失格』」は誤りと判定した。

検証:木山竣策
編集:古田大輔、野上英文


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンから。また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報を質問すると、AIが関連性の高いJFC記事をお届けします。詳しくはこちら

もっと見る

詐欺対策ボットからディープフェイク判定まで、偽・誤情報対策におけるAI活用【GlobalFact2026報告②】

詐欺対策ボットからディープフェイク判定まで、偽・誤情報対策におけるAI活用【GlobalFact2026報告②】

国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)の「グローバル・ファクト2026」で、注目を集めたテーマの一つがAIです。偽情報を大量に生み出す「脅威」であると同時に、ファクトチェックを支える「味方」にもなる。そうしたAIの二面性を象徴するような報告や議論が、随所で交わされました。 詐欺対策からヘイトスピーチ監視まで、現場で進むAI活用 3日間にわたる会議の中で、初日から、AIを活用した成功例が次々と報告されました。特に印象的だった3つの事例を紹介します。  オンライン詐欺対策にAIチャットボット インドのファクトチェック団体The Quintからは、オンライン詐欺対策用に開発したAIチャットボット「Scamguard」の紹介がありました。 The Quintは、インドで発生しているオンライン詐欺の手口をまとめたデータベースをつくり、そのデータベースとWhatsAppなどのメッセージアプリをつないだチャットボットを作成。不審なメッセージを受け取ったユーザーが、アプリのチャットボットに転送すると、ボットが詐欺の見分け方や政府の窓口の情報などを案内する仕組みを

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
GlobalFact報告記事1/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

GlobalFact報告記事1/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

6月に開催された国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)の年次総会GlobalFact2026について、報告記事の第一弾を公開しました。 ファクトチェックや情報環境を取り巻く問題の全体的な状況について、登壇者らの声を引用しています。今後、AIや認知戦など個別のトピックについても報告記事を書いていきます。ご期待ください。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 今週のお知らせ JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は7月25日(土)午後4時~5時30分で、お申し込みはこちら。 日本ファクトチェックセンター(JFC) ファクトチェック講師

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
ファクトチェックという「公共財」をどう支えるか ビジネスへの活用策は【GlobalFact2026報告①】

ファクトチェックという「公共財」をどう支えるか ビジネスへの活用策は【GlobalFact2026報告①】

世界のファクトチェッカーが集まる「GlobalFact 2026」が6月17〜19日、リトアニアのヴィリニュスで開かれ、約80カ国から300人超が参加しました。テーマは、AIをはじめとするテクノロジー、海外からの影響工作、オンライン詐欺、そしてファクトチェックの持続可能性など、多岐にわたりました。 日本ファクトチェックセンター(JFC)から5年連続で参加している筆者(古田)らが、登壇者たちの言葉を交えて報告します。初回は、ファクトチェック業界が直面する資金不足とその対策についてです。 IFCN代表が語る「検閲批判」や「ビジネスモデルの切り崩し」 主催した国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)のAngie Drobnic Holan代表は、開会挨拶で業界への逆風を次のように述べました。 「私たちは公平で非党派的であろうと最大限努めても、偏向していると非難されてきた」「私たちのビジネスモデルは切り崩されている。AIが生成する要約や、正確性に投資せず注目(アテンション)だけで利益を得る独占的プラットフォームによって」(PolitiFact”At Globa

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
訂正の再発防止とさらなる効果的なコンテンツに向けて/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

訂正の再発防止とさらなる効果的なコンテンツに向けて/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

大きな訂正を出してしまいました。2月の衆院選の際に公開した記事「各党党首の発言の真偽は 討論会をまとめて検証」の中で「れいわ新選組の大石晃子氏の発言」として記載した内容が、実際には存在しない発言でした。 詳細は上記の記事の訂正文で説明していますが、6回の党首討論を分析する中で生成AIを使っており、一部で確認漏れがありました。 生成AIにはハルシネーション(幻覚)と呼ばれる誤りや学習データに基づくバイアスなどが存在します。日本ファクトチェックセンター(JFC)はAI活用に関するガイドラインを設け、AIによる回答を人間が確認するルールを設けていますが、そのガイドラインにも違反をした形となります。 現在、再発防止のため、ガイドラインやワークフローの見直しを進めています。公開するファクトチェック記事の数を減らしてでも確認を徹底するなど、すでに実施している対策もあります。ここしばらく、記事数が減っているのはその影響もあります。 同時に、6月にリトアニアで開催されたファクトチェッカーの年次総会「Global Fact 2026」で学んだ新しい手法などを取り入れ、より一層効果的で

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は7月25日(土)午後4時~5時30分で、お申し込みはこちら。 日本ファクトチェックセンター(JFC) ファクトチェック講師養成講座 7月25日(土)開催分日本ファクトチェックセンター(JFC)による講師養成講座です。 講師養成講座(オンラインで90分)を受講いただいた後、修了課題を提出された方には、教室や職場などで利用可能な教材の提... powered by Peatix : More than a ticket.Peatix 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験

JFCファクトチェッカー認定試験

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や騙されない人の行動

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)