中国人観光客が金閣の金箔を剥がした?/止まらないワクチンや米政治がらみの偽・誤情報【今週のファクトチェック】

中国人観光客が金閣の金箔を剥がした?/止まらないワクチンや米政治がらみの偽・誤情報【今週のファクトチェック】

偽・誤情報の手口として多いのがテレビ番組の画像を加工して誤解させるものです。手法以外にも偽・誤情報が広がりがちなトピックもあります。「外国人・移民」「ワクチン・医療健康」、そしてアメリカがらみの話題はその最たるものです。

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毎月開催しているファクトチェック講師養成講座。次回は4月19日です。講座を修了したJFC認定トレーナーは徐々に増えています。学校や社内などのセミナーで使える教材を提供するので、ぜひご参加ください。

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は4月19日(土)午後2時~3時半で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0419.peatix.com/ 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような知識と

今週のファクトチェック

世界大戦を止めるために英国民がトランプ大統領と連帯? 2018年の支持者の集会

世界大戦の危機を止めるために、英国民がトランプ大統領と連帯を表明したという投稿が拡散しましたが、誤りです。添付動画は2018年に撮影されたトランプ支持集会で、現在のものでも世界情勢がらみでもありません。

世界大戦を止めるために英国民がトランプ大統領と連帯? 2018年の支持者の集会【ファクトチェック】
世界大戦の危機を止めるために、英国民がトランプ大統領と連帯を表明したという投稿が拡散しましたが、誤りです。添付動画は2018年に撮影されたトランプ支持集会で、現在のものでも世界情勢がらみでもありません。 検証対象 2025年3月5日、「イギリスがばかげた戦争に突っ込んで世界大戦を引き起こす危機を止めるために、英国民がトランプと連帯する。誰がこんな未来を想像しただろう?」という投稿がXで拡散した。 投稿は2025年3月10日現在、2000回以上リポストされ、表示回数は29.9万回を超える。投稿には「国境を越えて、思いがひとつに」「凄い」などのほか、全く別の映像では、という指摘もある。 検証過程 動画は2018年のトランプ支持集会 検証対象が引用リポストしているのは3月5日付けの英語の投稿だ。「私たちはあなたを愛しています、大統領!」「ウクライナ支持など放っておけ——イギリス国民は、ドナルド・トランプとアメリカを支持する!!」などと書かれている。 添付動画は32秒で、イギリスの国旗などが掲げられた集会で、ステージ上の男性がマイクで次のように訴えている

イタリア・メローニ首相がSNSからゼレンスキー氏との写真を削除? 2人の写真は公開されている

イタリアのメローニ首相がソーシャルメディアから、ウクライナのゼレンスキー大統領と映った写真を全て削除したという投稿が拡散しましたが、誤りです。メローニ氏はゼレンスキー氏と過去に撮った写真を公開しています。また、イタリアの首相府のウェブサイトでもメローニ氏とゼレンスキー氏が共に映った写真を複数公開しています。

イタリア・メローニ首相がSNSからゼレンスキー氏との写真を削除? 2人の写真は公開されている【ファクトチェック】
イタリアのメローニ首相がソーシャルメディアから、ウクライナのゼレンスキー大統領と映った写真を全て削除したという投稿が拡散しましたが、誤りです。メローニ氏はゼレンスキー氏と過去に撮った写真を公開しています。また、イタリアの首相府のウェブサイトでもメローニ氏とゼレンスキー氏が共に映った写真を複数公開しています。 検証対象 2025年3月6日、イタリアのメローニ首相が、ゼレンスキー大統領との写真をソーシャルメディアから全て削除したという投稿が拡散した。 この投稿に対して、270万をこえる閲覧と5800のリポストがあり、「メローニさんもゼレの正体知っているんだろうね」「日本の首相になってください」といったコメントのほか、「やっぱりイタリアはロシア寄りか」などの反応もある。 検証過程 拡散した投稿には「メローニ首相、イタリア軍をウクライナに送り込んで死なせるつもりはないと発言した後、ゼレンスキーとのソーシャルメディアの写真をすべて削除した」とある。 日本ファクトチェックセンター(JFC)が、メローニ氏のXのアカウントを確認したところ、3月10日現在、ゼレンスキ

中国人観光客が金閣寺の金箔を剥がした? 金閣寺も警察も否定

「中国人観光客が金閣寺の金箔を剥がし、警察官に連行された」との主張が拡散しましたが、誤りです。金閣寺と京都府警は日本ファクトチェックセンターの取材に対し、いずれも否定しています。

中国人観光客が金閣寺の金箔を剥がした? 金閣寺も警察も否定【ファクトチェック】
「中国人観光客が金閣寺の金箔を剥がし、警察官に連行された」との主張が拡散しましたが、誤りです。金閣寺と京都府警は日本ファクトチェックセンターの取材に対し、いずれも否定しています。 検証対象 2025年3月5日、「中国人観光客が金閣寺の金箔を剥がした結果!!!」という字幕から始まる動画が拡散した。 投稿は3月11日時点で1600件以上のリポストと74万件以上のインプレッションを獲得している。「昔アメリカにあった中国人排斥法を日本も制定すべき」「全く常識無い外国人観光客は 入国禁止で良い」などのコメントが付く一方で、フェイクと疑う声もある。 この「中国人観光客が金閣寺の金箔を剥がした」という内容の動画は、XだけでなくYouTubeやTikTokなど複数のプラットフォームで様々なバージョンのショート動画が繰り返し拡散している(例1、例2)。 検証過程 投稿に添付された動画 検証対象の投稿につけられた動画は、1月6日にTikTokに投稿された57秒の動画と全く同じだ。 この動画は、人物や金閣寺の画像などを組み合わせて編集されている。字幕とナレーションで

トランプ大統領とアルゼンチン、イタリア、ハンガリー首脳が同盟で記念写真? 報道なし、画像はAIか

「アルゼンチンのミレイ大統領は、トランプ大統領、イタリアのメローニ首相、ハンガリーのオルバン首相などと同盟を結ぶ予定」という情報が4首脳の記念写真風の画像と共に拡散しましたが、誤りです。そのような報道はなく、添付された画像は首脳と不一致でAI画像の可能性が高いです。

トランプ大統領とアルゼンチン、イタリア、ハンガリー首脳が同盟で記念写真? 報道なし、画像はAIか【ファクトチェック】
「アルゼンチンのミレイ大統領は、トランプ大統領、イタリアのメローニ首相、ハンガリーのオルバン首相などと同盟を結ぶ予定」という情報が4首脳の記念写真風の画像と共に拡散しましたが、誤りです。そのような報道はなく、添付された画像は首脳と不一致でAI画像の可能性が高いです。 検証対象 2025年3月4日、「アルゼンチンのミレイ大統領は、トランプ大統領、イタリアのメローニ首相、ハンガリーのオルバン首相などと同盟を結ぶ予定」などと主張する投稿が拡散した。 投稿に添付された画像には、 米国のドナルド・トランプ大統領(右から2人目)、イタリアのジョルジャ・メローニ首相(左から2人目)、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領(左と右)に見える人物が写っているが、それぞれ実物とやや異なる。ハンガリーのオルバン・ヴィクトル首相は写っていない。 2025年3月6日現在、この投稿は3200件以上リポストされ、表示回数は77万回を超える。投稿について「いいなぁ」「この輪に入れなさそうだね」というコメントの一方で「ミレイ2人いない!?」という指摘もある。 検証過程 オルバン首相は

トランプ大統領、Facebookプロフにウクライナ国旗掲げる人全員を徴兵? 元ネタは風刺サイト

米国のトランプ大統領が、Facebookのプロフィールにウクライナ国旗を掲げる人全員を徴兵するという情報が拡散しましたが、誤りです。元ネタは、事実ではない情報をニュースのように配信する風刺サイトです。

トランプ大統領、Facebookプロフにウクライナ国旗掲げる人全員を徴兵? 元ネタは風刺サイト【ファクトチェック】
米国のトランプ大統領が、Facebookのプロフィールにウクライナ国旗を掲げる人全員を徴兵するという情報が拡散しましたが、誤りです。元ネタは、事実ではない情報をニュースのように配信する風刺サイトです。 検証対象 2025年3月4日、「トランプ大統領、フェイスブックのプロフィールにウクライナ国旗を掲げる人全員に徴兵を導入」という情報が拡散した。 2025年3月11日現在、この投稿は2000件以上リポストされ、表示回数は63万回を超える。投稿について「トランプ🃏🇺🇸やっぱり最高や」「すごい。わかりやすい」というコメントの一方で「フェイクやん」という指摘もある。 検証過程 ソースは風刺サイト 拡散した投稿はThe Babylon Beeというサイトの記事を引用している。このサイトは風刺サイトを名乗り、映画「ロード・オブ・ザ・リング」に登場するキャラクターの対談やIKEAで迷子になったハイカーを救助隊が救出といった冗談をニュースのように配信している。 ニュースレターの説明文には「信頼できるフェイクニュースをあなたの受信箱に直接お届けします!」とあり

菅元首相がワクチン注射を誤魔化した? 映像の角度によるもの

菅義偉元首相が「刺すと引っ込む針」を使ってワクチン接種を誤魔化したという情報が拡散しましたが、誤りです。拡散した動画では注射針が消えたように見える場面がありますが、別の映像では針がはっきりと映っています。

菅元首相がワクチン注射を誤魔化した? 映像の角度によるもの【ファクトチェック】
菅義偉元首相が「刺すと引っ込む針」を使ってワクチン接種を誤魔化したという情報が拡散しましたが、誤りです。拡散した動画では注射針が消えたように見える場面がありますが、別の映像では針がはっきりと映っています。 検証対象 2025年3月3日、菅元首相(当時)が2021年3月16日に新型コロナのワクチン接種をする動画とともに「日本国民のみなさん、まだ騙されたままですか? 首相を含め政府関係者が、インチキなAIR接種をしてることに気づきましょう」という投稿が拡散した。 この動画を見ると注射の針が消えているように見える場面がある。そこを指摘して「刺すと引っ込む針ですね」「生物兵器であることを知ってて、わざわざ自分から打つわけないでしょ」などのコメントがついている。この投稿は910万の閲覧と2500を超えるリポストがある。 検証過程 拡散した動画の内容は 投稿につけられた動画は15秒。マスク姿の菅氏が注射を受けている。医者が注射を取り出すと針が飛び出たように見える。これが「刺すと引っ込む針」「AIR注射」などと批判が出る根拠となっている。 動画の左上にはテレビ

新型コロナワクチンで寿命が短くなる? 根拠不明のデータ

新型コロナワクチンで寿命が短くなることを示したデータがあるという情報が拡散しましたが、根拠不明です。同じような情報が過去に世界でたびたび拡散していますが、いずれも「根拠不明」と判定されています。

新型コロナワクチンで寿命が短くなる? 根拠不明のデータ【ファクトチェック】
新型コロナワクチンで寿命が短くなることを示したデータがあるという情報が拡散しましたが、根拠不明です。同じような情報が過去に世界でたびたび拡散していますが、いずれも「根拠不明」と判定されています。 検証対象 2025年2月12日ごろから、30歳の人が3回新型コロナワクチンを打ったら55歳までしか生きられないデータが出たという主張や、新型コロナワクチンは人口削減ワクチンだなどと言う投稿がXで複数拡散した(例1、例2)。 投稿は、多いものは3000回以上リポストされ、表示は269.3万回を超える。投稿には「そもそも政府がグレートリセットって発言されてます」「3回打たされた小中学生はどうなるんだろう…」などのコメントのほか「統計出せるほど年数経ってませんがね」「どうやってデータ取ったんだよ笑」という批判もある。 検証過程 新型コロナワクチンの接種から約4年しか経っていない 検証対象は、「30歳の人が3回コロナワクチンを打ったら55歳までしか生きられないデータが出た」「統計が出ている」などと主張する。同ワクチンの一般人への接種が始まったのは英国が初めてで、2

兵庫県百条委、告発7つを全否定? テレビ画像を加工

兵庫県・斎藤元彦知事に関する県議会の百条委員会が、告発された7項目全てを否定したという情報が拡散しましたが、誤りです。根拠とされたテレビ画像は加工されています。

兵庫県百条委、告発7つを全否定? テレビ画像を加工【ファクトチェック】
兵庫県・斎藤元彦知事に関する県議会の百条委員会が、告発された7項目全てを否定したという情報が拡散しましたが、誤りです。根拠とされたテレビ画像は加工されています。 検証対象 2025年3月9日、「7つの告発」という見出しに、「職員へのパワハラ」「不当な解任で理事長急死」など、斉藤知事に対する告発の7項目が書かれ、いずれもバツ印と「否」の文字がついているテレビ番組と思われる画像の投稿が拡散した。「百条委員会ってやる意味あったの?」という文言がついている。 3月14日現在、46万以上の閲覧と280あまりのリポストがついて、「結論ありきでホント酷かった」「ないですよね…微塵も」「時間と税金の無駄遣い委員会」などのコメントがついている。一方、コミュニティノートが付き「加工された画像」だと指摘している。 検証過程 画像はサンデージャポンの一場面 拡散した画像の右上には爆笑問題の太田光さんらが映っており、TBS「サンデージャポン」のように見える。拡散した投稿のリプ欄にはサンデージャポンの該当箇所と思われる動画をつけた投稿もある。 この動画を見ると、拡散した画像

黄砂は中国の農業が引き起こしている? 無関係な動画

多数のトラクターが砂塵を巻き上げながら走っている動画と共に「黄砂は中国の人工的なテロ」と主張する投稿が拡散しましたが、誤りです。拡散した動画はブラジルの農業風景を映したもので、中国は関係ありません。動画はこれまでにも世界中で違う文脈で拡散しています。

黄砂は中国の農業が引き起こしている? 無関係な動画【ファクトチェック】
多数のトラクターが砂塵を巻き上げながら走っている動画と共に「黄砂は中国の人工的なテロ」と主張する投稿が拡散しましたが、誤りです。拡散した動画はブラジルの農業風景を映したもので、中国は関係ありません。動画はこれまでにも世界中で違う文脈で拡散しています。 検証対象 2025年3月13日、「黄砂🇨🇳って人工的なテロだったんだね…」と書かれた投稿が拡散した。多数のトラクターが砂塵や土埃のようなものを巻き上げながら走っている様子が映った動画が添付されている。 投稿は約1500件のリポストと約17万件のインプレッションを獲得している。「日本に飛来するようにわざとやってます⁉」「もしかしてワタシの持病の粉塵アレルギーや気管支喘息ももしかしてコレの所為?」などのコメントが付く一方で、フェイクを指摘する声もある。 検証過程 過去に中国とは別の文脈で拡散した動画 日本ファクトチェックセンター(JFC)が投稿に添付された動画の一部をGoogle画像検索で調べたところ、同じ動画を使ったYouTube動画やXの投稿がヒットした(投稿1、投稿2、投稿3)。 これらの投稿

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「いいね!多ければ信頼」 ファクトチェックなきSNS(日経新聞)

国内外の民主主義の危機について報じる日経新聞の「デモクライシス」。インフルエンサーの4割は「いいね!」の数で信頼性を判断しているなど、衝撃的なデータを紹介しています。

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猛暑が続いた今年の夏は、太陽光発電に関わる誤情報が大量に拡散しました。「メガソーラーが温暖化の原因だ」というような投稿です。日本ファクトチェックセンター(JFC)は専門家らに取材して、すでにこれらの投稿が誤りであると検証しています。 一方で難しいのが「水害の原因だ」というような投稿です。被害の発生地と明らかに異なっている場合は「誤り」と言えますが、災害発生直後で、原因がはっきりしないことも多く、そのような場合は「根拠不明」、または、さらなる調査を待つ必要があります。 こういった情報は、太陽光発電など再生可能エネルギーに否定的な人たちの間で拡散する傾向がありますが、生態系の破壊を懸念する人たちの間でも広がります。メガソーラーが環境に与える影響については、慎重な検討が必要でしょう。 今週の解説記事は、ファクトチェックにとどまらず、メガソーラーが抱えるそういった課題も紹介しています。(古田大輔) ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターで

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党員や構成員が「日本国籍を有する者のみ」と明記している日本の政党は参政党だけという投稿が拡散しましたが、誤りです。他政党にも同様の規定があり、公式サイトに掲載されています。 検証対象 2025年9月9日、「日本の政党で党員や構成メンバーが『日本国籍を有する者のみ』と明記している政党は『参政党のみ』」という投稿がXで拡散した。 9月12日現在、投稿は3800回以上リポストされ、表示は17.3万件を超える。 投稿には「それが1番大事です」「他の党は候補者が帰化一世でも平気で国会議員にしてしまう」や「帰化人も日本国籍を有します」という指摘もある。 検証過程 参政党公式サイトの「入党資格」の欄には、「日本国籍を有する方」という記載がある。これは拡散した投稿が指摘している通りだ(参政党”党員規約および利用規約”)。 他の政党はどうか。日本ファクトチェックセンター(JFC)は、他の政党の党員資格を調べた。 自民党公式サイトの「入党」ページには入党資格として「満18歳以上で日本国籍を有する方」と書いてある(自民党”入党”)。 立憲民主党公式サイトの党員申し込

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自民党総裁選に立候補を表明している茂木敏充衆院議員が「日本を韓国のような多様性のある多民族社会に変える事が必要!外国人に地方参政権を与える」と発言したという情報が拡散しましたが、不正確です。2000年に「定住外国人に地方参政権を与える意見には賛成」と発信していますが「韓国のような多様性のある多民族社会」という発言はありません。 検証対象 2025年9月9日、「自民党総裁選へ出馬表明した茂木敏充『日本を韓国のような多様性のある多民族社会に変える事が必要!外国人に地方参政権を与える!』←なんで自民党ってこんなカスしかいないの?」という投稿が拡散した。 9月12日現在、この投稿は9980件以上リポストされ、表示回数は171万回を超える。投稿について「茂木終了」「国会議員の帰化人6割ってのもデマじゃないかも」というコメントの一方で「ハム速の付け足し」という指摘もある。 検証過程 引用されている発言は 検証対象のアカウントは、まとめサイト「ハムスター速報」の記事だ。記事は2000年7月13日に茂木氏の公式サイトに掲載された「e-デモクラシー ~若手政治家の気

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米NYタイムズ「自民・高市氏が首相になった」と報じた? 4年前の記事を誤訳【ファクトチェック】

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米メディア「ニューヨークタイムズ」が、自民党・高市早苗氏が首相になったとすでに報じているという投稿が拡散しましたが、誤りです。拡散した投稿が引用したのは4年前の総裁選に関する記事で「高市氏が首相になった」ではなく「初の女性首相になることを望んでいる」という見出しです。 検証対象 2025年9月10日、「ニューヨークタイムズは既に高市早苗さんが総理大臣になったと報じています‼️」という投稿がXで拡散した。 9月12日現在、投稿は2200回以上リポストされ、表示は17.3万件を超える。 投稿には「頑張ってその通りになる様にしましょう」「NYTは良く分かってる😆もう総裁選は始まってます」や「えー…あのパヨクゴリゴリのNYTが?フェイクだな…」という指摘もある。 検証過程 拡散した投稿にはピースサインの高市氏と、記事の見出しらしい英文の画像が添付してある。 英文は見出しが「強硬な保守派 初の女性首相を狙う」で、記事の冒頭に「高市早苗氏が勝てば、日本にとって画期的な出来事となる。しかし、一部のフェミニストはそれを望んでいない」と書いている。 見出しの「A

By 根津 綾子(Ayako Nezu)

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理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

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JFCファクトチェッカー認定試験  教材と申し込みはこちら

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日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)