ENEOS、出光興産、コスモ石油がロシアからの石油輸入を再開? 2社が否定【ファクトチェック】
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃の影響で、ホルムズ海峡が封鎖状態となるなかで、「ENEOS、出光興産、コスモ石油などの日本の主要な石油会社が、ロシアからの石油輸入を再開した」という投稿が拡散しましたが、誤りです。日本ファクトチェックセンターの取材に対し回答があった出光興産とコスモ石油は3月10日現在で、そのような事実はないと否定しました。
検証対象
拡散した投稿
2026年3月9日、「ENEOS、出光興産、コスモ石油などの主要な日本の石油会社は、イランによるホルムズ海峡封鎖への対応として、ロシア🇷🇺からの石油輸入を再開しました。ロシアのプーチン大統領、ロシアの皆さんありがとうございます」という投稿が拡散した。
拡散した投稿は、英語で同様の内容を書いた投稿を引用している。

検証する理由
3月10日時点でこの投稿は2900件以上リポストされ、表示回数は86万回を超える。投稿について「プーチンありがとう」「ホント、ロシアさん有り難う」というコメントの一方で「これソース見つからんのだけんど」という指摘もある。
検証過程
2月28日、アメリカはイスラエルと共にイランへ大規模な戦闘作戦を実施。イランも中東全域で反撃している。
この影響で、中東からのエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡が事実上の封鎖状態となった。
CNNは3月11日、「イランがホルムズ海峡に機雷を敷設し始めた」と報道した(CNN.”イラン、ホルムズ海峡で機雷の敷設を開始 情報筋”)。
イランの新たな最高指導者に選出されたモジタバ・ハメネイ師は12日、ホルムズ海峡の封鎖について「敵に圧力をかける手段として継続すべき」と表明した(ロイター.”イラン新指導者のホルムズ海峡封鎖発言、「深く懸念」=官房長官”)。
ロシアからの石油輸入の停止とは
2026年3月13日現在、日本では一定の上限価格を超えるロシアの原油、石油製品の輸入について、国際的な禁輸措置を受けて「経済産業大臣の確認書がないと輸入できない」と定めている。ロシアによるウクライナ侵攻を受けたもので、原油は2022年12月5日から、石油製品は2023年2月6日から適用されている(経済産業省.”ロシアを原産地とする原油及び石油製品の輸入について”)。
一方で、アメリカの財務省は12日、ロシア産原油の購入を一時的に認めると発表した。供給量を増やし、価格を抑制するのが狙いだ。ウクライナ侵攻の戦費として利用されるため制裁を強めていたが、供給混乱を受け、方針を転換した(時事通信.”米、ロシア原油の購入許可 価格高騰、制裁一時緩和”)。
出光興産、コスモ石油は否定
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、拡散した投稿で名指しされたENEOS、出光興産、コスモ石油の3社に3月10日に問い合わせた。
出光興産は3月10日、石油輸入について「当社にて発信した情報ではなく、またそのような事実はございません」と回答。コスモ石油も3月10日、「当社として発信した情報ではなく、社内で確認したがそうした事実は確認できない」と答えた。
2社とも、2026年3月10日時点で、ロシアからの石油の輸入を再開していないという回答だ。ENEOSにも問い合わせているが、3月13日正午時点で回答はない。回答があり次第、追記する。
判定
ENEOS、出光興産、コスモ石油がロシアからの石油輸入を再開したという情報が拡散したが、3月10日時点で回答があった出光興産とコスモ石油は「そのような事実はない」と否定している。よって、誤りと判定した。
あとがき
中東情勢は激しく動いており、状況に変化があれば追記します。
出典・参考
CNN.”イラン、ホルムズ海峡で機雷の敷設を開始 情報筋”.https://www.cnn.co.jp/world/35244845.html ,(閲覧日2026年3月13日)
ロイター.”イラン新指導者のホルムズ海峡封鎖発言、「深く懸念」=官房長官”.https://jp.reuters.com/markets/japan/LSATUUNSCZJHXF5WRQ7XQFIVI4-2026-03-13/ ,(閲覧日2026年3月13日)
経済産業省.”ロシアを原産地とする原油及び石油製品の輸入について”.https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/03_import/21_russia/import_russia.html ,(閲覧日2026年3月13日)
時事通信.”米、ロシア原油の購入許可 価格高騰、制裁一時緩和”.https://www.jiji.com/jc/article?k=2026031300341&g=int ,(閲覧日2026年3月13日)
検証:木山竣策
編集:藤森かもめ、古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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