イランが新兵器でアメリカのF-35戦闘機を撃墜する動画? 生成AIによるもの【ファクトチェック】

イランが新兵器でアメリカのF-35戦闘機を撃墜する動画? 生成AIによるもの【ファクトチェック】

イランが新兵器を使ってアメリカのF-35戦闘機を撃墜したという動画が拡散しましたが、AIで生成されたものです。動画は何度も引用され拡散していますが、もともとのオリジナルには「AIで生成」と書かれています。

検証対象

2026年3月28日、アラビア語で「緊急 🚨🚨イランが熱誘導兵器(衝撃波)を使用して、アメリカのF-35戦闘機数機を撃墜」と書かれた動画付き投稿が拡散した。

動画には、飛んでいた複数の戦闘機が、円形に広がる衝撃波を受けて墜落したり、破壊されたりする様子が映っている。

検証する理由

3月30日時点、この投稿は1200件以上リポストされ、表示回数は71万回を超える。

拡散した動画は「もうアメリカは負けているイランの軍事技術のほうが遥か上を行ってるよ!」という文言とともに日本語でも引用され拡散し、投稿には「CGにしか見えない」「面白いが、まだ今の科学じゃあり得ない」というコメントが付いている。

F35戦闘機の撃墜の投稿について、日本ファクトチェックセンター(JFC)がソーシャル分析ツールMeltwaterで調べたところ、3月20日頃に日本語での投稿が増え始め、28日から29日にかけて急増している。

検証過程

2月から続くイランへの攻撃で、アメリカとイスラエルはF35ステルス戦闘機を運用しており、同機の価格は1億ドル(約158億円)を超えると報じられている。

拡散した映像では、F35らしい戦闘機が撃墜される様子が映っている。しかし、F35については3月30日時点で、攻撃を受けて緊急着陸したという報道はあるものの、撃墜されたという報道はない(CNN.”米軍のF35ステルス戦闘機、イランによるとみられる攻撃受け緊急着陸”)。

引用の過程で「生成AI」の注釈がなくなる

拡散しているアラビア語の投稿動画の左下には、Xのアカウント名が記載されている。Xでは、他アカウントの動画を引用することができ、その場合は元動画の投稿者名が「投稿者:」という注釈とともに左下に表示される。

引用元の動画は、3月28日に英語で「速報🇮🇷❌🇮🇱🔥 イランが熱追尾(衝撃波)兵器を使用して、複数の米F-35戦闘機を撃墜。- アニメーション動画」という文言とともに投稿されている。動画の左下には「AIで生成」のラベルがある。

引用元の投稿は、動画がAI生成であると明記していた。しかし、拡散するうちに動画上の「AIで生成」と書かれたラベルが消え、元のテキストにあった「アニメーション動画」という説明も抜け落ち、本物の映像だと勘違いする投稿が増えている。

Xはこの問題への対応として、3月4日に新たな対策を発表した。紛争に関してのAI生成動画でラベルによる明示を怠った場合、ユーザーの収益化を90日間停止し、さらなる違反で永久停止するという。

インスタの動画は確認できず

拡散した動画には、Instagramのロゴと「@SKULLOFEARTH」というアカウント名もある。これは、Instagramから動画を引用した場合に明記される。

このアカウント名を調べたところ、AI生成とみられる自然災害や戦闘の動画を多数投稿していた。しかし、今回拡散した動画と同じ映像は3月30日時点で確認できなかった。投稿は非公開か、削除された可能性が高い。

判定

拡散した投稿の元動画には、「AIで生成」というラベルや、アニメーション動画という注釈が付いている。よって生成AIと判定した。

注記

記事中の翻訳にはAIを活用しています。

出典・参考

CNN.”米軍のF35ステルス戦闘機、イランによるとみられる攻撃受け緊急着陸”.https://www.cnn.co.jp/usa/35245283.html ,(閲覧日2026年3月30日)

検証:木山竣策
編集:藤森かもめ、古田大輔


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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