新紙幣の発行後は旧紙幣が使えなくなる?【ファクトチェック】(修正あり)

新紙幣の発行後は旧紙幣が使えなくなる?【ファクトチェック】(修正あり)

2024年7月3日から、新しい日本銀行券(1万円札、5千円札、千円札)が発行され、旧紙幣が使えなくなるという言説が拡散していますが、誤りです。同様の言説は過去にも拡散していますが、一円札以上の旧紙幣は今後も使うことができます。(2024年6月25日修正)

検証対象

2024年2月12日、新しい紙幣の発行後は旧紙幣が使えなくなり、タンス預金があぶり出されるなどと主張する言説が投稿された。同様の言説はたびたび拡散している。

中には「コンビニのローソン」など、特定の店を名指しする投稿もあった。100万を超える閲覧のある投稿や動画がある。

検証過程

政府は、2024年7月3日に1万円札、5千円札、千円札の新しい紙幣を発行する。20年ぶりだ。

国立印刷局のウェブサイト

新しい紙幣の発行にともなって、旧紙幣が使えなくなるという言説が繰り返し拡散している。しかし、国立印刷局の特設ウェブサイトは、古い紙幣も引き続き使えると説明している。

国立印刷局「新しい日本銀行券特設サイト」より

サイトによると、1885年に発行された一円札も使うことができるといい、全部で18種類ある。

日本銀行も6月10日、Xの公式アカウントで「従来のお札は、新しいお札が発行された後も、引き続き、使うことができます」と説明し、誤情報や詐欺に注意するよう呼びかけている。

日本ファクトチェックセンターが、日本銀行に今回の新紙幣発行の狙いについて取材したところ、日銀発券局から以下の回答を得た。

「今、皆さんにお使い頂いている銀行券の発行を開始した2004年11月から約20年が経過しています。この間、コピー機などの印刷技術は大幅な進歩を遂げており、足もと偽造が増えている訳ではないですが、中長期的にも偽造抵抗力を確保していく必要があります。また、海外に目を向けると、誰もがより利用しやすい『ユニバーサルデザイン』に力を入れた銀行券の発行が進められています」

「今回の改刷は、こうした状況を踏まえ、独自性と先進性を備えた最新の偽造防止技術を搭載するとともに、どなたにも、より分かりやすいものとすることを目指しています」

また、旧紙幣が店舗で使えなくなるという言説が拡散したローソンの広報に取材したところ、ローソンは5月16日までに全店でプログラム変更を終えており、新紙幣も旧紙幣も全ての店舗で使えるという。

判定

「新紙幣発行後は旧紙幣が使えなくなる」は誤り。引き続き、従来の紙幣も使うことができる。

あとがき

一部の券売機や自動販売機は、機械の交換や調整が7月3日に間に合わず、新紙幣が使えない可能性があるといいます(NHK関西テレビ)。

同様の言説は何度も拡散しており、JFCは2024年2月15日にも「1~2年後には今の諭吉の銀行券を使えなくさせる?」という記事を配信しています。

1~2年後には今の諭吉の銀行券を使えなくさせる?【ファクトチェック】
2024年7月3日に出る新しい紙幣について、「1〜2年後には今の諭吉の銀行券を使えなくさせる」という言説が拡散しましたが誤りです。今までの紙幣も引き続き使うことができます。 検証対象 2024年2月13日、「今年の7月に、新しい日本銀行券が発行されるのをご存じですか? この目的は、国民の保有する現金や資産、タンス預金のあぶり出しのため」「1〜2年後には、今の諭吉の銀行券を使えなくさせる」という言説がX(旧twitter)で拡散した。 2024年2月15日現在、2700回以上リポストされ、表示回数は211万回を超える。投稿について「そうなんだ」というコメントの一方で「法律上はまだ1円札も使えます」と指摘する声もある。 検証過程 日本銀行券(紙幣)の3券種(一万円、五千円、千円)は、2024年7月3日に新しい紙幣が登場する(新しい日本銀行券特設サイト)。 2023年6月、財務省は新しい日本銀行券の発行時期について発表した。現在の紙幣については「現行の日本銀行券は、新しい日本銀行券が発行されたあとも、引き続き通用します」と書いている。 また「『現行の日本

検証:宮本聖二
編集:藤森かもめ、野上英文

修正

検証対象の言説の投稿日について、5月6日と記していましたが2月12日の誤りでした。(2024年6月25日)


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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