「韓国は日本から間違ったハロウィンの文化を取り入れてしまった」という投稿は不正確【ファクトチェック】

「韓国は日本から間違ったハロウィンの文化を取り入れてしまった」という投稿は不正確【ファクトチェック】

韓国・梨泰院で150人以上が亡くなった雑踏事故を受けて、「韓国は日本から間違ったハロウィンの文化を取り入れてしまった」というツイートが拡散しました。「日本のせい」という言葉が一時、Twitterの日本のトレンドにもなりました。しかし出典元の記事に「日本から間違ったハロウィン文化を取り入れた」とは書かれておらず、このツイートはミスリードです。

検証対象

2022年11月1日、「【悲報】韓国は日本から間違ったハロウィンの文化を取り入れてしまった」という「Tweeter Breaking News ーツイッ速!」のサイトを引用したツイートがいくつか拡散した。

画像

これに関連したツイートの中には「出ました。『日本のせい』」「自分達の警備のミスを日本のせいにするのか?」といったコメントがあった。Twitter上では一時、「日本のせい」という言葉が日本のトレンドにもなった。

検証過程

このツイートにリンクしている「Tweeter Breaking News ーツイッ速!」のページを確認すると、元の投稿は、掲示板サイト「5ちゃんねる」に2022年10月31日に書き込まれた「【悲報】韓国は日本から間違ったハロウィンの文化を取り入れてしまった」だとわかる。

画像

5ちゃんねるの投稿は、韓国の日刊紙・朝鮮日報(日本語版)が10月31日にウェブ公開した「【萬物相】よその文化を間違った形で受け入れた韓国のハロウィーン」という論説委員によるコラム記事を転載していた。

元記事と投稿の見出しを比較すると、元は英米圏を念頭に置いた「よその文化」だったのが、5ちゃんねるでは「日本」になっている。

元記事に「日本」という単語は4回登場し、「韓国と日本は非常に特異だ。宗教的意味合いはなくなり、若者たちの熱気があふれる祭に変わった」と類似性について書かれている。ただ、「韓国が日本からハロウィンの文化を取り入れた」という趣旨では書かれておらず、日本の責任に触れている箇所はない。

韓国でのハロウィーン流行については、「ハロウィーン・パーティーが韓国で幼稚園生や小学生たちの誕生日パーティーと同じくらい重要になってから10年近くたつ。子どもの英語教室で教育にハロウィーン祭を取り入れたことで流行したという」と書かれている。

元記事では、最後の段落で「他人の文化を間違った形で受け入れたのが事故の原因ではないだろうか」と問題提起しているが、この「他人の文化」は文脈から英米圏を指している。また、5チャンネルの投稿では、以下に示した最後の段落がまるまるカットされていた。

画像
2022年10月31日の朝鮮日報日本語版(電子版)の記事より

判定

5ちゃんねるの投稿は、元になった朝鮮日報日本語版の記事と見出しが異なっていたり、見出しにつながる内容の一部が削除されたりしており不正確。よって、Twitter上で拡散していた「韓国は日本から間違ったハロウィンの文化を取り入れてしまった」という文言も不正確。

あとがき

記事へのリンクを貼り、その記事の内容とは違う文言をツイートして誤解を誘う誤情報・偽情報の事例は多数あります。いいねやRTの前にリンク先の本文を確認することを心がけましょう。

検証:杉江隼
編集:古田大輔

検証手法や判定基準などに関する解説は、JFCサイトのファクトチェック指針をご参照ください。

「ファクトチェックが役に立った」という方は、シェアやいいねなどで拡散にご協力ください。誤った情報よりも、検証した情報が広がるには、みなさんの力が必要です。

X(Twitter)FacebookYouTubeInstagramなどのフォローもよろしくお願いします。またこちらのQRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、真偽が気になる情報について質問すると、AIが関連性の高い過去のJFC記事をお届けします。詳しくはこちらの記事を

もっと見る

「(画像)堀江貴文氏:ワクチンの危険性が発覚しました」は誤り 本人の発言ではなく、切り抜き動画から

「(画像)堀江貴文氏:ワクチンの危険性が発覚しました」は誤り 本人の発言ではなく、切り抜き動画から

実業家の堀江貴文氏が「ワクチンの危険性がついに発覚しました」と語っているかのような画像が拡散しましたが誤りです。本人が直接否定している他、画像の出典元はYouTubeの切り抜き動画で、元動画にもそのような発言はありません。 検証対象 2024年2月20日に投稿されたポストで、堀江氏の顔とともに「ワクチンの危険性が遂に発覚しました」という文言があしらわれた画像が拡散した。 この投稿は2024年2月22日現在、978万回以上の表示と、9700件以上のいいねを獲得している。 2月21日には堀江氏本人が「フェイク画像が本物と信じて、私の名誉を毀損しているツイートですが、大丈夫でしょうか?」と引用投稿している。 検証過程 出典元はYoutubeの切り抜き動画 拡散した画像を投稿した内海聡氏は、この画像の引用元として2023年9月30日のポストを挙げている(アーカイブ)。 引用元のポストを見るとYouTubeリンクがある。引用元ポストの投稿者はプロフィール欄に陰謀論を多数投稿するサイト「rapt理論+α」のリンクを掲載していた。 このポストに添付されてい

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「しぶさわくん」や東京都交通局などSNSに偽アカウントが続々 公式が警鐘を鳴らす

「しぶさわくん」や東京都交通局などSNSに偽アカウントが続々 公式が警鐘を鳴らす

SNS上で実在の公式キャラクターや漫画家を装ったなりすましアカウントが次々と出現しています。個人情報を取られたり、詐欺被害にあったりする恐れがあります。公式アカウントも注意を呼びかけています。 東京都北区の広報キャラクター「しぶさわくん」 東京都北区観光協会の広報キャラクター「しぶさわくん」のなりすましアカウントがX(旧Twitter)上で確認された。 しぶさわくんのX公式アカウントは2024年2月19日、SNSを通じて「公式アカウントは、このアカウントだけ」と注意を呼びかけている。 Facebookに複数の「東京都交通局」 Facebookには、「東京都交通局」を名乗るアカウントが多数存在する。 東京都交通局は公式サイトや各SNSを通して、「東京都交通局を装った偽メッセージについて」という注意喚起を掲載。すでに終了しているプレゼントキャンペーンを装って個人情報やクレジットカード情報の入力を促す偽のダイレクトメッセージがFacebookのチャットで送られていると注意喚起している。 BlueSkyに漫画家のなりすましアカウント 招待制から登録制に

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「【緊急】新NISA、規制か 財務大臣『円安の元凶と見ている』」は誤り そのような発言はない【ファクトチェック】

「【緊急】新NISA、規制か 財務大臣『円安の元凶と見ている』」は誤り そのような発言はない【ファクトチェック】

新しい少額投資非課税制度(NISA)に関して「【緊急】新NISA、規制か。財務大臣『円安の元凶と見てる』」という言説が拡散しましたが誤りです。引用元の記事に「新NISA、規制か」という情報はありません。また、円安について、鈴木俊一財務大臣は「変動の概要を一概に申し上げることはできない」と発言しています。 検証対象 2024年2月21日、「【緊急】新NISA、規制か。財務大臣『海外への資本逃避が見られる。円安の元凶と見てる』 」という投稿が拡散した。 2024年2月21日現在、このポストは2700件以上リポストされ、表示回数は61万件を超える。投稿について「やっぱり…」というコメントの一方で「ソースがない」と指摘する声もある。 検証過程 新NISAとは 通常、株式や投資信託などに投資した場合に売却利益や配当に約20%の税金がかかる。NISAは「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で非課税になる制度だ。(金融庁「NISAとは?」) 2024年以降は新NISAとして、「非課税保有期間の無期限化」「口座開設期間の恒久化」

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「日本だけがウクライナに巨額の支援」は誤り 欧米諸国よりも少なくGDP比では支援国下位【ファクトチェック】

「日本だけがウクライナに巨額の支援」は誤り 欧米諸国よりも少なくGDP比では支援国下位【ファクトチェック】

ウクライナへの支援について「日本だけが巨額」という言説が拡散しましたが、誤りです。ドイツのシンクタンク「キール世界経済研究所」の統計によると、日本の累計支援額は世界で7番目で、日本(75億ユーロ)はアメリカ(677億ユーロ)の1割程度です。 検証対象 2024年2月8日、ウクライナへの支援について「日本だけが巨額の支援」というポストが拡散した。このポストは、2024年2月21日現在、140万回以上の表示回数と3400件以上のリポストを獲得している。 検証過程 各国からの支援額は ドイツのシンクタンク「キール世界経済研究所」が、42の国・機関によるウクライナへの財政、人道、軍事分野での支援に関する統計を公開している。 同研究所が公開した資料によると、ウクライナへの侵攻が始まった2022年2月24日から2024年1月15日までの間、EUおよび各国が表明した累計支援額は2524億ユーロだという。日本円にすると、約40兆3840億円(1ユーロ=160円で計算)だ。 機関・国家単位の支援額ではEU(849億ユーロ)とアメリカ(677億ユーロ)が突出し、全体

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)