誤情報対策はファクトチェックだけじゃない 信頼性の高い役立つサイト集【#参院選ファクトチェック解説】

誤情報対策は、ファクトチェックに限りません。重要なのは、正確で信頼性の高い情報に基づいて判断することです。2025年参院選の投開票日が7月20日に迫る中、誰に投票するかを決めるために役立つ、信頼性の高い情報を提供しているサイトを紹介します。
日本最大の選挙・政治の情報サイト
日本最大の選挙・政治の情報サイトとして知られる選挙ドットコムには、日本のあらゆる選挙や政治家の情報がまとまっています。
候補者一覧の自分の選挙区を選ぶと、候補者のプロフィールや活動記録、動画や政策アンケートの回答などをまとめて確認できます。
選挙ドットコム”第27回 参議院議員通常選挙”
https://sangiin.go2senkyo.com/2025

ノーカット演説動画と文字起こし
NHKは今回、非常に意欲的な選挙報道に取り組んでいます。その一つが、全候補者を候補者一人ひとりの演説をほぼノーカットで公開し、文字起こしも掲載するという試みです。ほとんどの候補を網羅し、各選挙区のページから探せます。
これまでの選挙報道は、番組の尺や紙面の大きさの制約から、候補者の演説の一部を切り出して編集するのが一般的でした。NHKはネットの良さを活かして、ノーカットで報じることで、候補者の話し方や重点政策などをより正確に把握できます。
NHK”参議院選挙2025特設サイト"
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/sangiin/

視覚的にわかりやすい候補者アンケート
主だった新聞社やテレビ局などは、候補者アンケートを実施し、回答をウェブサイトで公開しています。政党や候補者ごとの個別政策に関する考え方を比較できます。
朝日・東大谷口研究室共同調査は長年の取り組みで、回答が視覚的にわかりやすく整理されています。
朝日新聞”朝日・東大谷口研究室共同調査”
https://digital.asahi.com/senkyo/asahitodai/

ファクトチェックをまとめてチェック
2025年の参院選は、多くの新聞社やテレビ局が本格的にファクトチェックを始めた最初の選挙です。
ファクトチェックの普及を推進するNPO「ファクトチェック・イニシアティブ」は、2025年参院選に関係するファクトチェック記事一覧を公開しています。日本ファクトチェックセンター(JFC)などファクトチェックの専門機関や新聞やテレビなどのファクトチェック記事をまとめて見られます。
政党や候補者の発信、ネット上の言説などを対象に、多くの誤りを指摘しています。間違った情報に基づいて投票しないためにも、ここを確認しておくと良いでしょう。
FIJ”参院選2025 ファクトチェック”
https://navi.fij.info/saninsen2025/

JFCのファクトチェック一覧はこちら
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、2025年参院選で27本のファクトチェック記事を公開してきました。政党の発信、候補者の演説、ネットで拡散した真偽不明の言説など対象は様々です。
こちらもぜひ参考にしてください。ファクトチェック記事の一覧はこちらです。
JFC”ファクトチェック記事一覧”
https://www.factcheckcenter.jp/tag/fact-check/

人気の選挙動画を見る際に気をつけるべきこと
動画を参考にして投票する人も増えています。2025年参院選に関する動画は何が人気で、どのような点に気をつける必要があるかを解説しました。こちらも参考にしてください。
JFC"参院選の動画、視聴上位は独立系YouTuberばかりでテレビ系は1割切る 自民に批判・参政は礼賛"
https://www.factcheckcenter.jp/explainer/politics/upper-house-election-2025-video/

「誰に・なぜ投票したか」をメモしておこう
筆者(古田)は2014年から、どの選挙で誰に投票したかをメモしています。どういう理由で投票したかもメモすることで、当選後の議員活動に関心が高まり、次回の投票の参考にもなります。過去の公約や関連リンクをメモしておくと良いでしょう。
記録を取ることによって、自分や社会の変化も改めて感じることができます。投票の基準や重視するテーマは人によって違うし、それぞれのライフステージでも変わっていきます。
選挙は国の行く末を決めるだけでなく、有権者一人ひとりが自分の人生を考える機会にもなります。
最後に、なぜ我々は投票するのか
筆者(古田)は、これまでも投票の参考になるサイトをブログなどで紹介してきました。そこで紹介したエピソードを再掲します。
私は新聞記者時代にミャンマーを取材していました。2010年、20年ぶりに選挙が実施され、軍事政権からの民主化が進んでいたころです(残念ながら2021年2月のクーデターで歴史は逆戻りしました)。
軍事政権が長く続き、自由も選挙も存在しなかった国で、民主化を求める学生デモに参加し、20代と30代の大半を牢獄で暮らした男性にヤンゴンで話を聞いたことがあります。
彼は自分を逮捕し、虐待した軍への恨みではなく、未来への希望を語ってくれました。選挙が始まり、人々が選んだ政権によってミャンマーは変わっていく、と。
私はふと、聞いてみました。日本では投票率が低く、特に若い世代に政治への無関心が広がっている。ミャンマーもいずれそうなるんだろうか、と。
それまでの笑顔が消え、考え込んでから、彼は答えました。
「私達は民主主義のために戦ってきた。そのことを忘れないでいて欲しい」
投票する権利は、昔からあったわけではありません。誰かが戦ってくれて、託されたものです。彼が希望を持って語ってくれたように、私も自分たちの一票で国を変えていくことができる、と信じています。
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンから。また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報を質問すると、AIが関連性の高いJFC記事をお届けします。詳しくはこちら。