古田大輔(Daisuke Furuta)

ジャーナリスト/ファクトチェッカー 朝日新聞記者、BuzzFeed Japan創刊編集長を経て独立。2020-2022年Google News Labティーチングフェロー。2022年9月に日本ファクトチェックセンター編集長に就任。その他、デジタル・ジャーナリスト育成機構事務局長など。ニューヨーク市立大院News Innovation and Leadership 2021修了。

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古田大輔(Daisuke Furuta)
ファクトチェックが対象とする「客観的に検証可能な事実」とは何か【解説】

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ファクトチェックが対象とする「客観的に検証可能な事実」とは何か【解説】

ファクトチェックは真偽検証や事実検証と訳されます。その意味は「オピニオンではなくて、客観的に事実を確認できる内容について検証する」ということ。では実際にどのような情報について検証をしているのか。ファクトチェッカーの間で意見が分かれることもある、「対象の捉え方」について解説します。 「岸田首相は最悪」「安倍政権はワースト1位」? 「岸田文雄氏は最悪の首相」という言説があったとする(そういう投稿はたくさんある)。これはファクトチェックの対象にはならない。「最悪だ」というのは主観的な意見で、客観的に検証できないからだ。ある人にとって岸田首相が最悪だったとしても、支持する人もいる。 一方で、安倍政権に対して「自殺者数ワースト1位」「失業率増加ワースト1位」などという言説は検証できる。統計データで他の政権と客観的に比較できるからだ。日本ファクトチェックセンター(JFC)で実際に検証した事例で、判定はともに誤りだった。 安倍政権は歴代総理ワースト1位?【ファクトチェック】「自民党政治と安倍政権の実績」というタイトルで安倍政権を批判する画像が、再び拡散しました。過去何度

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AI活用に関するガイドライン

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AI活用に関するガイドライン

生成AIによる偽・誤情報の作成や拡散の影響が拡大し、日本ファクトチェックセンター(JFC)でも日々、それらの真偽検証に取り組んでいます。 無尽蔵に精巧な偽画像や偽動画などを作り出せるAIに対して、人間によるファクトチェックだけで対抗することはできません。「目には目を、AIにはAIを」です。JFCは、ファクトチェック記事の作成や配信、業務効率化のためにAIを積極的に活用します。 上手に活用すれば非常に役立つ道具ですが、同時に使い方を誤れば、JFC自身が誤情報を拡散させる結果にも繋がりかねません。このガイドラインでは、JFC編集部がAIを使用する上での基本原則を定め、信頼性向上のために公開します。 このガイドラインはAIの進化や活用手法の拡大にともなってアップデートしていきます(2024年8月13日)。 AI活用の原則 ルール1: 確認 生成AIが作成した文字情報をそのままJFCの記事や公開情報として活用しない。必ず、人間が確認し、事実と確認された内容だけを記事などに活用する。 ルール2: 明示 生成AIで作成した画像や動画を使用する際は読者や視聴

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パリ五輪女子ボクシングをめぐる大量の誤情報 判明している事実は何か【ファクトチェックまとめ】

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パリ五輪女子ボクシングをめぐる大量の誤情報 判明している事実は何か【ファクトチェックまとめ】

2024年パリ五輪女子ボクシングの選手に関して「元男性」「染色体が男性」などの誤情報や不確かな情報が大量に拡散しています。選手の出場資格について、議論になった経緯や判明している事実をまとめました。 議論のきっかけは 性別が議論になっているのは、パリ五輪女子ボクシングに出場しているアルジェリア代表のイマネ・ヘリフ選手と台湾代表の林郁婷(リンユーティン)選手。 8月1日、女子66キロ級2回戦でヘリフ選手と戦ったイタリア代表選手が開始46秒で棄権。圧倒的な力の差を見せたヘリフ選手が2023年3月の世界選手権で国際ボクシング協会(IBA)から女子選手としての資格を認められず、失格となっていたことに注目が集まった。 同時に女子57キロ級に出場し、ヘリフ選手と同様に世界選手権では失格だった林選手に関しても資格をめぐる議論が巻き起こった。 誤情報や不確かな情報の拡散 特にヘリフ選手をめぐっては衝撃的な勝利もあって、SNSでの議論が世界中で加熱。誤った情報や根拠のない情報、不確かな情報が大量に拡散した。 日本では8月1日、ひろゆき(西村博之)氏がX(旧Twitte

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理論から実践まで学べるJFCファクチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

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理論から実践まで学べるJFCファクチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

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ファクトチェックと教育 デジタル時代のリテラシー教育と総合的な対策【JFC講座 実践編10】

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ファクトチェックと教育 デジタル時代のリテラシー教育と総合的な対策【JFC講座 実践編10】

日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 実践編第9回は、世界のファクトチェックの事例や新たな手法についてでした。JFCファクトチェック講座実践編の最終回となる第10回はファクトチェックから広がる総合的な偽情報対策について解説します。 (本編は動画でご覧ください。この記事は概要をまとめています) ファクトチェックの限界 ファクトチェックには限界があります。検証には時間がかかるけれど、嘘は一瞬でつけるし、地味な事実よりも派手なデマの方が拡散力があり、広がります。理論編6でも説明した通りです。 表現の自由や言論の自由に関わる情報はファクトチェックの対象外ですし、検証をしても個々人のバイアスによって偽・誤情報を信じ続ける人もいます。 さらに、生成AIの進化により、このままでは人の目では検証できないレベルのコンテンツが大量に広がっていくでしょう。地道なファクトチェックだけで、この大きな問題に対応することは不可能です。 ファクトチェック団体によるリテラシー教育 ファクトチェックだけでは偽・誤情報に対抗できないため、世界中の多くのフ

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ファクトチェックと「プリバンキング」 “情報の空白”を埋める注目の手法【JFC講座 実践編9】

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ファクトチェックと「プリバンキング」 “情報の空白”を埋める注目の手法【JFC講座 実践編9】

日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 実践編第8回は、よく質問されるファクトチェックと調査報道や裏取りとの違いについてでした。第9回は世界のファクトチェック事例や新手法を解説します。 (本編は動画でご覧ください。この記事は概要をまとめています) ファクトチェックの多様な事例 ファクトチェックには原則がありますが、同時に、検証対象の選び方や組織のあり方などは多様です。国内外の事例を紹介します。 Factchek.org ファクトチェック団体としては老舗のFactchek.orgはアメリカ政治に関する偽情報に対応するために、「有権者のための消費者保護センター」を目指して2003年に設立されました。 そのため、主なトピックに並ぶのは「バイデン大統領」「トランプ前大統領」、そして「その他の大統領候補」などアメリカ政治中心です(2024年7月27日現在)。 例えば、「バイデンが不法移民に家賃を支払っているという根拠のない主張」という記事には、見出しに検証対象と検証結果=根拠なしが記され、記事内では検証過程が詳細に記述されていま

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ファクトチェックと調査報道 共通する手法と異なる方法論【JFC講座 実践編8】

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ファクトチェックと調査報道 共通する手法と異なる方法論【JFC講座 実践編8】

日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 実践編第7回は、ファクトチェックに役立つサイトやツールについてでした。第8回はよく質問されるファクトチェックと調査報道や裏取りとの違いを解説します。 (本編は動画でご覧ください。この記事は概要をまとめています) ファクトチェックと調査報道の違い 「ファクトチェックは事実を確かめることだから、報道機関は当然どこでもやっているのではないか」とよく聞かれます。 半分正解で半分間違いと言えます。何が共通していて、何が異なるのかを解説していきます。 ファクトチェックとオンライン調査 検証の根拠を公開し、可能な限りユーザーにもアクセス可能にすることが原則のファクトチェックでは、オンライン調査の手法を活用します。 誰でもアクセスできるオープンソースを使うOSINTの重要性は実践編6でも説明した通りです。 OSINTでファクトチェック 公開データを使い真偽を判別する【JFC講座 実践編6】日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 実践編第5回は、生成AIで作られる画像

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ファクトチェックに使えるサイトやツール 公開情報を使いこなす【JFC講座 実践編7】

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ファクトチェックに使えるサイトやツール 公開情報を使いこなす【JFC講座 実践編7】

日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 実践編第6回は、公開されている情報に基づいた調査=OSINTについてでした。第7回はファクトチェックに役立つサイトやツールを紹介します。 (本編は動画でご覧ください。この記事は概要をまとめています) ファクトチェックに役立つサイトやツール 理論編から繰り返し説明してきたようにファクトチェックは、検証する際の根拠を開示することが大前提です。 インターネット上には、公開情報を手に入れるのに役立つサイトやツールがたくさんあります。これまでに紹介したGoogle画像検索やInVID、Googleマップなどもそうですが、今回は主に資料探しに役立つサイトやツールを紹介したいと思います。 政府の公式データの活用 中央行政のオープンデータポータル「e-Gov」や政府統計の総合窓口「e-Stat」は、各省庁のデータを横断的に検索できる非常に便利なサイトです。 キーワードやカテゴリ、テーマごとに検索が可能で、信頼性の高い公的データを素早く見つけることができます。 これらのサイトは、海外でも同様のも

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OSINTでファクトチェック 公開データを使い真偽を判別する【JFC講座 実践編6】

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OSINTでファクトチェック 公開データを使い真偽を判別する【JFC講座 実践編6】

日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 実践編第5回は、生成AIで作られる画像や動画の検証についてでした。第6回は公開されている情報に基づいた調査=OSINTについて解説します。 (本編は動画でご覧ください。この記事は概要をまとめています) OSINTとは オープンソースインテリジェンス(Open Source Inteligence=OSINT)とは、一般に公開されている情報を収集し分析する手法のことです。 近年、調査報道やファクトチェックに活用されており、オンライン調査とも呼ばれます。日本ファクトチェックセンター(JFC)でもこの手法を活用しています。 現実の画像かどうかOSINTで確認する 実例で見ていきます。 実践編第5回でも紹介したように、2022年9月の静岡県の水害では、生成AIによる偽画像が拡散しました。 ドローンで撮影された静岡県の災害画像? AIディープフェイクの見分け方【ファクトチェック】台風15号による記録的な大雨に見舞われた静岡県をドローンで撮影したとする画像がTwitter上で拡散しています

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生成AIをファクトチェック 進化する技術に対抗する方法【JFC講座 実践編5】

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生成AIをファクトチェック 進化する技術に対抗する方法【JFC講座 実践編5】

日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 実践編第4回は、増加傾向にある偽動画の検証についてでした。第5回は公開されている生成AIで作られる画像や動画の検証について解説します。 (本編は動画でご覧ください。この記事は概要をまとめています) 生成AIによる「ディープフェイク」 生成AIで作られた偽情報は「ディープフェイク」と呼ばれます。 例えば、アメリカのトランプ前大統領が「岸田首相はグローバリストの操り人形」と話している動画が拡散しました。これは発言内容を自由に捏造できるツールで作られたディープフェイクです。 一方で、AIを使わずに作られた偽の画像や動画などをディープ(深い)に対応して「シャロー(浅い)フェイク」や「チープ(安い)フェイク」と呼びます。 例として、台湾の地震時に東日本大震災の映像が使われた事例があります。現状では、チープフェイクの方が圧倒的に多いですが、ディープフェイクも増えつつあります。 日本のディープフェイク事例 日本で最初に有名になったディープフェイク事例は、2022年9月の静岡県での事例です。「

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偽動画をファクトチェック InVIDやYouTube検索のコツ【JFC講座 実践編4】

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偽動画をファクトチェック InVIDやYouTube検索のコツ【JFC講座 実践編4】

日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 実践編第3回は、偽・誤情報でよく見かける画像の検証についてでした。第4回は増加傾向にある偽動画の検証について解説します。 (本編は動画でご覧ください。この記事は概要をまとめています) 動画の検証もオリジナル探しが鍵 動画は画像と並んで画像と並んで偽・誤情報に用いられやすい形式です。過去の災害動画を現在のものとして使ったり、オリジナルを改変したり、生成AIで捏造したりと、手法も偽画像と共通しています。 検証の手法も動画と画像と同様にオリジナルを探すことが鍵となりますが、Google画像検索のようなシンプルな検索ツールが動画にはありません。 ここでのポイントは動画も、タイトルなどのテキストや、サムネイルなどの画像で管理されているということです。これを利用してオリジナルを探します。 動画の検証 Googleレンズ 実際の事例を元に解説します。 (能登半島地震)過去の津波映像や人工地震説など【ファクトチェック】2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする最大震度7の

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偽画像をファクトチェック GoogleレンズやTinEyeの使い方【JFC講座 実践編3】

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偽画像をファクトチェック GoogleレンズやTinEyeの使い方【JFC講座 実践編3】

日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 実践編第2回は、検証の最大の武器である「検索」についてでした。第3回は偽・誤情報でよく見かける画像の検証についてです。 (本編は動画でご覧ください。この記事は概要をまとめています) 画像検証で重要なのはオリジナル探し 画像を使った偽・誤情報で多いのは、例えば、過去の画像を現在のものとして使ったり、オリジナルを改変したりする事例です。 そこで重要になるのが、検証したい画像と似ている画像を探す「画像検索」です。簡単なツールを知っているだけで、オリジナル画像を効率的に探すことができます。 JFCとGLOCOMが実施した2万人調査では、画像検索をする人は偽情報に気づきやすく、拡散しにくいことがわかりましたが、実践している人はわずか6.7%。画像検索を知らない人が多いのが現状です。 Google画像検索の使い方 まずは最も手軽に使えて強力なGoogle画像検索を説明します。実際の検証記事をもとに説明します。 反原発デモの空撮、報道されなかった?別のデモの写真【ファクトチェック】「反原発デ

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ファクトチェック最大の武器「高度な検索」は何にでも使える【JFC講座 実践編2】

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ファクトチェック最大の武器「高度な検索」は何にでも使える【JFC講座 実践編2】

日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 実践編第1回は、検証の基礎となる「対象の特定」と「過程の公開」についてでした。第2回は検証の最大の武器である「検索」です。 (本編は動画でご覧ください。この記事は概要をまとめています) プロのように検索せよ 世界中で公開されているファクトチェック講座で、必ず取り上げられるのが「高度な検索の方法」です。 誰でも検索はしたことがあるでしょう。しかし、信頼性の高い情報を効率的に見つけるための手法をきちんと学んだことがある人は少ないのでは。 検索はファクトチェックだけでなく、仕事や生活や学業のあらゆる場面で役にたちます。プロの検索方法を解説します。 ファクトチェックの5つの要素 検索の仕方を学ぶ前に、何を検索すればいいのか理解するために「ファクトチェックの5つの要素」を紹介します。アメリカのRumor Guardが紹介している方法論です。 1. 真偽 - 検証対象が本物かどうか確認します。AI技術の発達で、画像や動画の捏造が簡単になっているため、真偽の確認が重要です。 2. 発信源

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ファクトチェックの基礎 検証対象・過程・結果を明示する 【JFC講座 実践編1】

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ファクトチェックの基礎 検証対象・過程・結果を明示する 【JFC講座 実践編1】

日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 理論編では、ファクトチェックの意義や重要性などの他、偽・誤情報が拡散する背景にある認知心理学やデジタル時代の情報生態系の実態などについて幅広く解説しました。実践編は検証の具体的な手法やツールなどを紹介します。 第1回は検証の基礎となる、「対象の特定」と「過程の公開」から始めます。 (本編は動画でご覧ください。この記事は概要をまとめています) ファクトチェックの基本構造 理論編でも説明したように、ファクトチェックは「客観的に検証可能な事実」のみを対象にして検証します。憶測や意見は対象外で、まずは何を検証しようとしているかを明確にする必要があります。 JFCの場合は全てのファクトチェック記事を同じ構成にしています。まず最初に検証対象を明確にし、検証過程を詳細に記し、検証結果を明らかにする。検証対象・検証過程・検証結果(判定)です。 世界の多くのファクトチェック団体の記事も、同じような構成のものが多いです。 検証対象を明確にする JFCのファクトチェック記事で解説します。 X(旧T

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フェイクニュースと生成AI 識別不可能な脅威と海外からの影響工作【JFCファクトチェック講座 理論編10】

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フェイクニュースと生成AI 識別不可能な脅威と海外からの影響工作【JFCファクトチェック講座 理論編10】

日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 理論編第9回はオンライン詐欺とその対策についてでした。第10回は影響力を増す生成AIと海外からの情報工作について説明します。 (本編は動画でご覧ください。この記事は概要をまとめています) 現実に見える動画が生成AIで作られる OpenAIの新技術「Sora」で作成した、夜の東京を歩く女性の映像。一見して、現実の映像と区別がつかないほどの精度です。 ただ、背景をよく見ると看板に書かれている文字が意味不明です。生成AIにはこのように細部の描写が苦手という弱点がありますが、技術の進化が加速していることから、いずれは人間の目では判別不可能になるでしょう。 これらの技術は政治家の発言の捏造や詐欺に悪用されています。誰でも一瞬で精巧な嘘を大量に作れるようになったことで、検証はますます困難になりました。 日本でもすでに広がる生成AIによる偽情報 日本で最初に有名になった事例は2022年9月26日、X(旧Twitter)に投稿された写真でした。「ドローンで撮影された静岡県の水害」と書かれていまし

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フェイクニュースと詐欺 堀江貴文氏や前澤友作氏など「なりすまし」への対策【JFCファクトチェック講座 理論編9】

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フェイクニュースと詐欺 堀江貴文氏や前澤友作氏など「なりすまし」への対策【JFCファクトチェック講座 理論編9】

日本ファクトチェックセンター(JFC)のファクトチェック講座です。 理論編第8回はニュースの読み方などニュースリテラシーについてでした。第9回は急増しているオンライン詐欺とその対策について説明します。 (本編は動画でご覧ください。この記事は概要をまとめています) 急増するオンライン詐欺の実態 SNSやメッセージアプリを利用したオンライン詐欺は、近年増加しています。 著名人の写真や映像を勝手に利用した詐欺広告が多く見られ、警察庁によると2023年の投資詐欺の認知件数は2271件、被害総額は約278億円に上ります。 被害者は主にFacebookやインスタグラムで詐欺に遭い、最終的にはLINEで連絡を取って振り込ませる手口が使われています。 クリティカルシンキングによる自衛 泥棒を取り締まる法律があっても自分で家に鍵をかけるように、オンライン詐欺から身を守るためには、ネット上での自衛策が必要です。 クリティカルシンキングで吟味し、立ち止まって考えましょう。突然、有名人が投資情報をあなたに売り込んでくることに疑問を持つ。そのアカウントのIDが公式のもの

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