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ユースファクトチェック選手権2025開催へ 申し込みはこちら

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ユースファクトチェック選手権2025開催へ 申し込みはこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は11~12月、中学生〜大学生を対象に情報を検証するスキルを競うイベント「ユースファクトチェック選手権2025」をオンライン開催します。2〜3人でチームを組み、国内大会を勝ち抜くと世界大会でアジア各国のチームと決勝を争います。 ユースファクトチェック選手権の開催は2024年に続き、2回目。国内では慶應大生らで作るEdtech企業「株式会社Classroom Adventure」、国際大会は台湾、タイ、モンゴル、インドのファクトチェック団体との共催です。 情報の検証力競う「ユースファクトチェック選手権」、日本で初開催 大学生ら5チームが世界大会へ中高生から大学生を対象に、情報検証スキルを競うオンラインイベント「ユースファクトチェック選手権(英語名:Youth Verification Challenge)」が、日本で初開催されました。日本ファクトチェックセンター(JFC)と学生スタートアップClassroom Adventureが共催し、全国から60チーム約150人が参加しました。 ファクトチェックとリテラシーを実践的に学ぶ

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
宮城県知事選でも大量の真偽不明な情報/JFC検証など8本【今週のファクトチェック】

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宮城県知事選でも大量の真偽不明な情報/JFC検証など8本【今週のファクトチェック】

10月26日が投開票の宮城県知事選でも、真偽不明の情報がX、Instagram、YouTube、TikTokなどソーシャルメディアで大量に拡散しています。その情報がたとえ自分の考えに近いとしても、事実に基づいているとは限りません。信頼性を見極めるには、発信源・根拠・関連情報の確認が不可欠です。 偽・誤情報を作る動機には「故意犯」「確信犯」「愉快犯」があります。選挙に関して具体的に言えば、以下のようなものです。 故意犯:選挙に受かりたい/あいつを落としたいなどの意図に基づいて、誤った情報を拡散させる。 確信犯:あの候補者はおかしい/ 正しいなどの確信に基づいて、自分では正しいと思っているが間違った情報を拡散させる。 愉快犯:状況を楽しみ、注目を集めたいという意図で誤った情報を拡散させる。 自分で積極的に偽・誤情報を作るわけではないですが、情報を他の人と共有してしまう人もいます。偽・誤情報の発信者を信じてしまっていたり、「あの候補者が悪人だったとは。他の人にも知ってもらわないと」と誤解して広げたりします。 偽・誤情報が作られるのは悪意からかもしれませんが、広がってい

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
これまでの方法論が通用しない動画の偽・誤情報の急増にどう対応するか/JFC検証など6本【今週のファクトチェック】

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これまでの方法論が通用しない動画の偽・誤情報の急増にどう対応するか/JFC検証など6本【今週のファクトチェック】

数年前までは偽・誤情報が拡散するソーシャルメディアと言えば、日本ではTwitter(現在のX)が中心でした。しかし、現在はそうではありません。YouTube、TikTokで大量の真偽不明情報が拡散するようになっています。 動画の検証は厄介です。100字程度の文字情報と違い、ショート動画でも1分程度、長いものなら1時間を超える動画は、全体を見るだけでも苦労します。その中でどこが間違っているかを特定し、検証しないといけない。 もう一つ、難点があります。文字情報であれば、そこには間違っているとしても論拠や論理がある程度は存在します。そうしないと文章として読みにくいものになるからです。 一方で動画は、抽象的な話が続いて、論拠をはっきり示さず、論理もあやふやという事例が数多くあります。「意見」なのか「事実の提示」かもはっきりしない。同じような分析は海外のファクトチェッカーからも聞かれます。 これまでのファクトチェックの方法論が通用しない動画の急増にどう対応するか。喫緊の課題です(古田大輔)。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
高市氏を「褒める」偽・誤情報、今後どう変わるか/JFC検証など7本【今週のファクトチェック】

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高市氏を「褒める」偽・誤情報、今後どう変わるか/JFC検証など7本【今週のファクトチェック】

政治に関する偽・誤情報には、対象となっている政党や政治家にとってプラスになるものもあれば、マイナスになるものもあります。単純に言えば、「褒める」か「貶す」のどちらかです。 自民党の高市早苗新総裁は、ネット上でも人気が高かった安倍晋三元首相の路線の継承者を自認し、高市氏自身もネットで人気の高い保守系政治家です。総裁に選ばれて注目度がさらに上がったことで、当然、偽・誤情報が流れています。 現在のところ、「褒める」傾向の拡散が多いのが特徴です。日本ファクトチェックセンター(JFC)が検証したまとめサイトからの偽・誤情報の見出しの冒頭に「朗報」とついているところが象徴的です。「貶す」方向性であれば、これが「悲報」になりがちです。 公明党が連立離脱を発表し、高市氏はいきなり厳しい立場に立たされています。少数与党で政権運営に苦労すれば、支持率が伸び悩み、批判も増えてくるでしょう。そうすると、偽・誤情報は「貶す」方向に転じていきます。その方が拡散するからです。 褒める内容であれ、貶す内容であれ、間違っているものは間違っています。まずは、事実関係の確認が不可欠です。(古田大輔)

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
高市氏が自民総裁に、誤情報の標的となるのか?/JFC検証など9本【今週のファクトチェック】

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高市氏が自民総裁に、誤情報の標的となるのか?/JFC検証など9本【今週のファクトチェック】

自民党総裁選は高市早苗氏の勝利に終わりました。候補者をめぐる誤情報はありましたが、日々ソーシャルメディアをチェックして感じるのは、2024年の総裁選や2025年の参院選ほどではなかった、ということです。 総裁選に関して大きな話題になっていたのは、個々の候補者に関する誤情報というよりは、小泉進次郎陣営の「やらせコメント」や高市氏の「シカ」「外国人不起訴」発言でした。 候補者討論会のAI分析も含めた解説記事「自民党総裁選とファクトチェック 討論会発言はほぼ「正確」、話題のシカと外国人不起訴は」を出しているので、ぜひ読んでみてください。 誤情報は注目を集める人やトピックが対象になりがちです。今後は総裁に選ばれた高市さんに関するものが増えるでしょう。ただ一点、これまでと異なるのは、高市氏はネット上でも人気が高かった安倍元首相の系譜に連なる保守政治家ということです。 政治に関する誤情報はかつてはリベラル系の政治家を揶揄するものが多く、安倍元首相の2度目の退陣後に、徐々に自民党を標的とするものが増えてきました。 そのため、日本ファクトチェックセンター(JFC)が検証する政治関

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
自民党総裁選とファクトチェック 討論会発言はほぼ「正確」、話題のシカと外国人不起訴は【解説】

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自民党総裁選とファクトチェック 討論会発言はほぼ「正確」、話題のシカと外国人不起訴は【解説】

自民党総裁選(9月22日告示・10月4日開票)をめぐって、候補者の発言やネット上の誤情報を検証した記事がいくつか出ています。しかし、ファクトチェック団体だけでなく、全国の新聞社も積極的に検証記事を出した参院選と比べると少なめです。候補者討論会のAIによる分析も加えて、自民党総裁選をめぐる誤情報やファクトチェックの状況を解説します。 AIで分析すると候補者発言の多くは「正確」 日本ファクトチェックセンター(JFC)では自民党総裁選の中で、9月22日の「立会演説会」、9月23日の「自民党青年局・女性局主催公開討論会」、9月24日の「日本記者クラブ主催公開討論会」をGoogleのAIツール「NotebookLM」で分析しました。討論のデータは、NHKの全文文字起こしやYouTube上のノーカット動画などを活用しました。 NotebookLMに「各候補者の発言のうち、客観的・科学的に発言内容の真偽や信頼性を検証できそうな箇所を抜き出し、判定結果の予想も出して」と指示をしました。その結果、検証候補として示されたのは、各候補者が言及した数字や引用の真偽に関する箇所がほと

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
選挙と海外からの影響工作/JFC検証など6本【今週のファクトチェック】

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選挙と海外からの影響工作/JFC検証など6本【今週のファクトチェック】

先週も伝えたように、自民党総裁選では候補者に関する誤情報が多数拡散しています。今週の日本ファクトチェックセンター(JFC)の検証記事でも林芳正氏、高市早苗氏に関する誤情報について書いています。 7月の参院選では、ロシアからの影響工作が指摘されました。自民党総裁選に関しても、2021年、候補だった高市氏と河野太郎氏の対立を煽るような投稿がネットで拡散し、その背景に中国の存在があると報じられました(日本経済新聞"狙われる自民党総裁選 世論分断に中国・ロシアの影")。 今週の関連ニュースで紹介しているアメリカのNewsGuardの記事「New Kremlin Campaign Targeting Moldovan Elections Draws 17 Million Views on X and Infects AI Models(モルドバの選挙を狙ったクレムリンの新キャンペーンがXで1700万回視聴され、AIモデルにも影響)」は、人口240万人のモルドバで、ロシア系のプロパガンダ機関「ストーム-1516」の主張がX上で1770万回閲覧され、AIチャットボットの回答にも影響を

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「正確」判定の記事が少ないのはなぜ?【ファクトチェックの舞台裏】

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「正確」判定の記事が少ないのはなぜ?【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)への批判の中に「『正確』と判定する記事がほとんどない」「誤りを指摘するばかり」というものがあります。実際に、JFCが配信しているファクトチェック記事の判定の多くは「不正確」や「誤り」で、「正確」や「ほぼ正確」という記事は、ごくわずかです。 今回のコラムでは、「正確」「ほぼ正確」という判定が少ない理由を、過去の記事を紹介しながら説明します。 JFCの判定基準 JFCはファクトチェックの透明性を高めるために、判定基準を公開しています。「正確」「ほぼ正確」「根拠不明」「不正確」「誤り」の5段階。それぞれの基準は以下のとおりです。 正確:誤りがなく、重要な要素が欠けていない ほぼ正確:一部に誤りを含むが重要な部分を含む大部分は正しく、概ね正確 根拠不明:根拠がないか不十分であり、事実の検証ができない 不正確:一部は正しいが、重要な部分に誤りや欠落があるかミスリード 誤り:誤りである、または重要な要素が大きく欠けている 静岡の水害の画像? →正確

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)
自民党総裁選、偽・誤情報の標的になる候補は/JFC検証など4本【今週のファクトチェック】

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自民党総裁選、偽・誤情報の標的になる候補は/JFC検証など4本【今週のファクトチェック】

9月22日に自民党総裁選が告示され、10月4日に投開票されます。2024年の総裁選と同様、候補者に関する偽・誤情報が早速広がり始めています。標的になるのは誰か。その理由は。昨年の解説記事が参考になります。 端的に言えば、1.注目を集め、2.ネットで批判の対象になりやすい候補が狙われます。注目度が低かったり、ネットで好感度が高かったりすると、拡散力が弱くなって人の目につきづらく、偽情報を作る側から見て効果が低いからです。 自民党総裁選で偽・誤情報の標的になっているのは誰か その理由は【解説】自民党総裁選をめぐって、偽・誤情報が拡散しています。候補者の誰が、なぜ標的になるのか。偽・誤情報の作成者・拡散者の特徴や動機について、日本ファクトチェックセンター(JFC)がこれまで公開した検証記事やSNS、検索データなどをもとに解説します。 最初に標的となったのは 9月12日告示、27日開票の自民党総裁選への立候補をいち早く表明したのは小林鷹之議員で、8月19日だった。その後、立て続けに小林氏に関する偽・誤情報が拡散し、JFCでも2本の検証記事を出し、いずれも「誤り」と判定した。 小

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
世界のファクトチェックの苦境と増す重要性 「言論の自由の武器化」に対し、資金源・AI・規制の議論は

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世界のファクトチェックの苦境と増す重要性 「言論の自由の武器化」に対し、資金源・AI・規制の議論は

世界中のファクトチェッカーが集まり、偽・誤情報対策やファクトチェックの課題について議論する「GlobalFact」が今年も6月に開催され、日本ファクトチェックセンター(JFC)から編集長の私(古田)が参加しました。情報環境がより深刻になる中で、世界は今、この問題をどのように捉えているのか、解説します。 GF参加者の減少が示すファクトチェックの苦境 今年で12回目となるGlobalFact 12(GF12)は6月25-27日の3日間、ブラジルで開かれました。コロナ禍を経て2022年以降に開催されたGFがいずれも500人を超えたのに対し、今年は会場の参加者が300人ほどにとどまりました。 その理由は明白です。Metaがファクトチェック団体との協力プログラムを中止し、また、東欧やアフリカや南アメリカのファクトチェック団体を支援していたアメリカ国際開発庁(USAID)が活動停止したことに代表されるように、ファクトチェック業界への経済的な支援が急激に減る傾向にあり、各団体ともに人を派遣する体力がなくなっているからです。 GF12を主催する国際ファクトチェックネットワ

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
メガソーラーにまつわる情報、すべて「誤り」とは言えない理由/JFC検証など11本【今週のファクトチェック】

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メガソーラーにまつわる情報、すべて「誤り」とは言えない理由/JFC検証など11本【今週のファクトチェック】

猛暑が続いた今年の夏は、太陽光発電に関わる誤情報が大量に拡散しました。「メガソーラーが温暖化の原因だ」というような投稿です。日本ファクトチェックセンター(JFC)は専門家らに取材して、すでにこれらの投稿が誤りであると検証しています。 一方で難しいのが「水害の原因だ」というような投稿です。被害の発生地と明らかに異なっている場合は「誤り」と言えますが、災害発生直後で、原因がはっきりしないことも多く、そのような場合は「根拠不明」、または、さらなる調査を待つ必要があります。 こういった情報は、太陽光発電など再生可能エネルギーに否定的な人たちの間で拡散する傾向がありますが、生態系の破壊を懸念する人たちの間でも広がります。メガソーラーが環境に与える影響については、慎重な検討が必要でしょう。 今週の解説記事は、ファクトチェックにとどまらず、メガソーラーが抱えるそういった課題も紹介しています。(古田大輔) ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターで

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「誤り」と言える理由は 何を根拠に判定しているのか  【ファクトチェックの舞台裏】

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「誤り」と言える理由は 何を根拠に判定しているのか 【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)が検証作業の舞台裏を語るコラム。今回は、判定を「根拠不明」「不正確」「誤り」で迷って、「誤り」にした事例を紹介します。「事実なんて見方によって変わるでしょ」という批判も受けますが、なぜ、明確に「誤り」と言えるのか。 JFCの判定基準 JFCはファクトチェックの透明性を高めるために、判定基準を公開しています。「正確」「ほぼ正確」「根拠不明」「不正確」「誤り」の5段階。それぞれの基準は以下のとおりです。 正確:誤りがなく、重要な要素が欠けていない ほぼ正確:一部に誤りを含むが、重要な部分を含む大部分は正しく、概ね正確 根拠不明:根拠がないか不十分であり、事実の検証ができない 不正確:一部は正しいが、重要な部分に誤りや欠落がある、またはミスリード 誤り:誤りである、または重要な要素が大きく欠けている (JFCのサイトより) 過去の映像の使い回し →「誤り」 2025年7月、ロシアのカムチャツカ半島沖で地震が発生した際に、「日本の津波だ」

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)
全部ウソじゃない。でも正しくもない──「不正確」と判定した事例【ファクトチェックの舞台裏】

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全部ウソじゃない。でも正しくもない──「不正確」と判定した事例【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)が検証作業の舞台裏を語るコラム。今回は、判定を「根拠不明」「不正確」「誤り」で迷って、「不正確」にした事例を紹介します。「誤り」と「不正確」の境は何か。 JFCの判定基準 JFCはファクトチェックの透明性を高めるために、判定基準を公開しています。「正確」「ほぼ正確」「根拠不明」「不正確」「誤り」の5段階。それぞれの基準は以下のとおりです。 正確:誤りがなく、重要な要素が欠けていない ほぼ正確:一部に誤りを含むが重要な部分を含む大部分は正しく、概ね正確 根拠不明:根拠がないか不十分であり、事実の検証ができない 不正確:一部は正しいが、重要な部分に誤りや欠落がある、またはミスリード 誤り:誤りである、または重要な要素が大きく欠けている (以上、JFC”JFCファクトチェック指針") 外国人優遇制度ではないが、大半は外国人が利用→「不正確」 拡散する情報の中には、前提は正しいけれど、

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)
「根拠不明」だと検証になっていない?/JFC検証7本、動画など【今週のファクトチェック】

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「根拠不明」だと検証になっていない?/JFC検証7本、動画など【今週のファクトチェック】

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、検証結果の判定基準を「正確」「ほぼ正確」「根拠不明」「不正確」「誤り」の5段階に分類しています(JFC"JFCファクトチェック指針")。 ソーシャルメディア上で時折見かけるのが「『根拠不明』というのは正確なのか誤りなのか、判定になっていないじゃないか」という批判です。 最近、JFCが「根拠不明」と判定したファクトチェックの一つに、日航123便墜落事故に関するものがあります。40年前の事故について航空事故調査委員会が公開している修理ミスによるものという調査を否定し、「実は撃墜された」という投稿がYouTube動画などで拡散しました。 日航123便墜落事故で機長が「被弾したぞ」と発言? 記録も音声も根拠もなし【ファクトチェック】1985年に起きた日本航空123便墜落事故について、「完全版ボイスレコーダー」と称する動画がXやYouTubeで拡散しています。機長が「2機の戦闘機が追い抜いていったぞ!」「被弾したぞ」「本当に撃ちやがった」などと発言したと主張していますが、根拠不明です。国の航空事故調査委員会がまとめ、全文を公開している事

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
「正確」か「誤り」かだけじゃない 「根拠不明」という“グレー判定”の難しさ【ファクトチェックの舞台裏】

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「正確」か「誤り」かだけじゃない 「根拠不明」という“グレー判定”の難しさ【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)が検証作業の舞台裏を語るコラム。今回は、編集部でいつも悩む「判定のつけ方」。正確な情報ではないということははっきりしていても、「誤り」か「不正確」か「根拠不明」か...。最後まで悩んだ実例を紹介します。 JFCの判定は5段階 大手メディアの記事では、賛否が分かれるテーマで肯定派と否定派の意見を並べる「両論併記」がよく見られますが、ファクトチェックは客観的・科学的な根拠に基づき、その内容が事実として正しいのか誤りなのかを検証します。賛否の意見を書くものではありません。 JFCの判定は「正確」「ほぼ正確」「根拠不明」「不正確」「誤り」の5段階です。国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)に加盟している世界中のファクトチェック団体の判定基準を参考にしつつ、よりわかりやすくするため、評価を5段階に絞りました。 (JFCのサイトより) ファクトチェックでは「正確」か「誤り」かで意見が割れることはほぼありませんが、「誤り」「不正確」「根拠不明」の線引きは日常的に議論になります。 もちろん、JFCが独自の基準で判定しているた

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)
誤報を生む確証バイアス/JFC検証8本、動画など【今週のファクトチェック】

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誤報を生む確証バイアス/JFC検証8本、動画など【今週のファクトチェック】

読売新聞が大誤報を出しました。日本維新の会の池下卓衆院議員による公設秘書給与の不正受給疑惑を東京地検特捜部が捜査しているというスクープ記事でしたが、捜査対象者を取り違えていました。 読売新聞の検証記事によると、担当記者の思い込みが原因で、取材相手が明確に認めたわけではないのに「肯定的な回答をした」と受け止め、また、別の関係者からは「誤報になるかもしれない」という助言があったにも関わらず、そういったマイナス情報は無視されました(読売新聞"マイナス情報を軽視、チェック機能働かず…東京地検捜査巡る誤報検証")。 人には「確証バイアス」があります。自分の考えに近い情報を「重要だ」と考え、そうではない情報を軽視・無視する傾向です。そして、意識的に自分の考えに近い情報ばかりを集めることを「チェリーピッキング」といいます。担当記者はまさにこれに囚われていたのでしょう。 偽情報や誤情報を「事実だ」と受け止めてしまう背景にも、バイアスがあります。日本ファクトチェックセンター(JFC)では、こういった内容を「ファクトチェック講座」で解説しています。無料ですので、ぜひ御覧ください。 フェ

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)