京都・男児不明事件で「犯人逮捕」とYahoo!ニュースを装った詐欺投稿 別リンクへの誘導に注意を

京都・男児不明事件で「犯人逮捕」とYahoo!ニュースを装った詐欺投稿 別リンクへの誘導に注意を

2026年3月に京都府南丹市で男児が行方不明になった事件に関連して、Xで「犯人が逮捕された」などと、Yahoo!ニュースの記事を装ったリンクを埋め込み、全く別のウェブサイトへ誘導する投稿が確認されています。クリックすると全く関係ないサイトに誘導されるため、注意が必要です。

Yahoo!ニュースを装った投稿

4月14日、「京都男児行方不明事件の犯人逮捕される!!陳 宇軒 (チェン・ユーシュエン )容疑者を死体遺棄容疑で逮捕」という投稿がXに投稿された。

投稿には、Yahoo!ニュースのリンクを投稿に添付した場合に表示される「Yahoo!ニュース」と書かれたプレビュー画像と共に「momentary.link」と書かれたリンクが添付されている。

容疑者逮捕の情報は4月14日時点でなし

3月下旬、京都府南丹市の市立園部小学校に通う安達結希さん(11)が行方不明になった。4月13日、園部小から約2キロ離れた山中で子どもとみられる遺体があおむけに倒れている状態で見つかった(時事通信.”司法解剖し、身元特定へ 発見の遺体、京都男児不明―府警”)。

拡散している投稿には、容疑者の名前「陳宇軒」とあるが、そもそも14日現在、容疑者が逮捕されたという情報はない。また、「陳宇軒」で検索しても事件に関わる情報は見つからない。

投稿主がポイント報酬を受け取れるリンクに誘導

投稿をクリックすると、Yahoo!ニュースの画面ではなく、埋め込み動画を装った画像と「陳宇軒 容疑者を殺人容疑で逮捕 (記事を読む)」というボタンが表示される。

しかし、「記事を読む」をクリックしても、動画を装った画像をクリックしても実際のニュース記事や動画には繋がらない。「TikTok Lite」の招待リンクへ誘導される。

これは、リンク経由でアクセスすることで、招待した側とアクセスした側にポイント報酬が入る仕組みに誘導するものだ。

Yahoo!ニュースも注意喚起

3月26日、Yahoo!ニュース側もYahoo!ニュースを装った虚偽の広告に関して、「現在、Yahoo!ニュースを装った虚偽の広告がインターネット上に掲載されていることを確認しております」「個人情報を取得され詐欺被害にあうなどの恐れがありますので、絶対にアクセスしないようご注意ください」と注意喚起している(Yahoo!ニュース.”Yahoo!ニュースを装った悪質な記事風広告にご注意ください”)。

あとがき

注目を集める事件が発生すると、Yahoo!ニュースなど実在するサイトを装って、詐欺サイトに誘導する投稿などが頻発しています。

リンクをクリックする前に、発信元を確認しましょう。見知らぬ匿名アカウントからの投稿は要注意です。

出典・参考

時事通信.”司法解剖し、身元特定へ 発見の遺体、京都男児不明―府警”.https://www.jiji.com/jc/article?k=2026041400117&g=soc ,(閲覧日2026年4月14日)

編集:古田大輔


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンから。また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報を質問すると、AIが関連性の高いJFC記事をお届けします。詳しくはこちら

もっと見る

イラン戦争の偽・誤情報まとめ:知っておけば対策できる典型的な6つの手口と確認のポイント

イラン戦争の偽・誤情報まとめ:知っておけば対策できる典型的な6つの手口と確認のポイント

アメリカ・イスラエルによる攻撃で始まったイラン戦争では、これまで以上に大量の偽・誤情報が氾濫しています。中でもショート動画は生成AIの発達と普及で現実と見分けがつかない「ディープフェイク(AI製の偽画像・動画)」が無数に拡散し、検証が追いつかない状況です。 日本ファクトチェックセンター(JFC)は個別の検証をしていますが、それだけでは偽・誤情報の拡散を止められません。一人ひとりが、予備知識を持ち、耐性をつけることが大切です。偽・誤情報の典型的な手口と、簡単に実践できる確認のポイントについて解説します。 情報開示:世界中で拡散する膨大な偽・誤情報の分類と分析には、AI「Claude」を活用しました。記事にする際には、実際の検証事例を集め、その内容は全て人間のファクトチェッカーが確認しています。 手口① 生成AIによるディープフェイク画像・動画 生成AIツールを使い、現実ではない画像や動画=ディープフェイクを作る手口です。かつては「指が6本ある」「背景が歪んでいる」といった画像の不自然さで見分けがつきましたが、今や専門家でも、目視での判別が難しいレベルに達して

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
イランの攻撃でサウジは原油生産能力の90%超を喪失? 国営通信社の記事を誤訳【ファクトチェック】

イランの攻撃でサウジは原油生産能力の90%超を喪失? 国営通信社の記事を誤訳【ファクトチェック】

イランからの攻撃で「サウジアラビアの原油生産能力の90%以上が失われた」と主張する投稿が拡散しましたが、誤りです。根拠として示されたサウジアラビア国営通信社の英文記事には、同国の生産能力は、合計で1日あたり約「60万バレル減った」と書いてあります。国全体の生産能力が1日当たり「60万バレルに減った」という意味ではなく、90%超が失われたわけではありません。 検証対象 拡散した言説 2026年4月10日、「サウジアラビア当局者によると、イランからの攻撃により、同国の原油生産能力は日量わずか60万バレルにまで激減した。これは、通常の生産能力である日量1,000万〜1,200万バレルから壊滅的な落ち込みだ。90%以上が失われたことになる」という投稿がXで拡散した。 検証する理由 4月13日現在、投稿は698回リポストされ、表示は19.9万件を超える。 投稿には「60万バレル減っただけだよ」「そんなんなってたら、世界市場パニック」などの指摘もあるが、「オールドメディアは報道しませんね」「イスラエルを甘やかした結果、サウジが、悲鳴。。。米ってアホ?」など真に

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
ファクトチェックの限界とAI汚染の加速 「確かめる気はない」が最多の現状での対策は【情報インテグリティ】

ファクトチェックの限界とAI汚染の加速 「確かめる気はない」が最多の現状での対策は【情報インテグリティ】

ファクトチェックの記事数は2025年に激増したが、伸びしろは限定的。一方で情報環境はAIの影響もあり悪化が加速している。4月2日に開かれた情報インテグリティシンポジウムで、日本ファクトチェックセンター(JFC)編集長の古田大輔が報告した日本の偽・誤情報の現状と今後について、文字起こしをしました。 読みやすさのために一部編集しています。動画は最後に埋め込んでいます。 日本ファクトチェックセンターの検証記事は2年で倍増 日本ファクトチェックセンター(JFC)編集長の古田大輔です。今日は「広がり始めたファクトチェックと悪化する情報環境」というテーマでお話しします。 まず、JFCのファクトチェックの数です。2022年の10月にローンチして、2023年から見ていくと、昨年は2倍以上に増えています。1年目が173本、2年目が330本、3年目が365本。これは、偽情報が増えたという意味ではありません。 ファクトチェック記事が増えたのは、我々の能力が増したということです。 ただ、2024年から2025年は10.6%しか伸びていません。我々の組織の規模感で言うと、月に3

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
イラン戦争をめぐってナフサは「確保」できているのか 専門家の「6月に詰む」という言葉の背景【ファクトチェック解説】

イラン戦争をめぐってナフサは「確保」できているのか 専門家の「6月に詰む」という言葉の背景【ファクトチェック解説】

イラン戦争でナフサや関連する石油化学製品が不足するなか、TBS報道特集が専門家の「6月には詰む」という見通しを報じました。これに対し、高市早苗首相はXで「事実誤認」と反論し、中間段階の製品も加えれば「国内需要の4ヶ月分が確保できる」と主張しました。しかし、その後もナフサ不足のニュースは国内外で続いています。問題の経緯をまとめ、専門家に発言の背景を取材しました。 身の回りの様々な製品の元となるナフサ ナフサは石油から精製される液体で、ナフサからエチレンなどの「石油化学基礎製品」が作られます。それがプラスチック、合成繊維、合成ゴム、合成洗剤、塗料などの原料となる「石油化学誘導品」(中間製品)のもととなります。 最終的には、パソコン、携帯電話、テレビ、その他家電製品、自動車のバンパーやシートや内装、ワイシャツやスポーツ用品などの衣料品、塗料、橋脚の補強材など、身の回りの多くの製品で使われています(以上、石油連盟.”ナフサとは”)。 つまり、ナフサ不足は身の回りの多くの製品の不足に繋がります。 ナフサ供給の大半は中東から 2026年2月から続くアメリカとイス

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は4月25日(土)午前10時~11時30分で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0425.peatix.com 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験

JFCファクトチェッカー認定試験

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)