エコーチェンバー【JFC用語解説】

エコーチェンバー【JFC用語解説】

エコーチェンバーとは、自分と似た意見ばかりに囲まれ、自分の考えが世の中の正解であると思いこんで特定の思想に偏ってしまう現象です。日本語では「反響室」。閉ざされた部屋で同じような声が反響している様子に例えています。

XやFacebookやYouTubeやTikTokなど、ソーシャルメディアには「フォロー」や「チャンネル登録」などの機能があります。ユーザーは自分に価値観が近い人、好ましい人をフォローする傾向があります。

結果として、そこから発信される記事や動画だけでなく、そのコメント欄も含めて同質性の高い情報を見る確率が高まります。

これに似た概念がフィルターバブルで、フィルターバブルはアルゴリズムによるコンテンツの選別という技術的で受動的な構造を、エコーチェンバーは主にユーザーの能動的な選択や心理を表しています。

フィルターバブルとは【JFC用語解説】
フィルターバブルとは、フィルター(膜)がバブル(泡)のように周りをつつみ、そのフィルターを通ってきたコンテンツ(記事や動画など)ばかりを目にする状態を意味します。 例えば、あなたが料理動画、それも日本の食べ歩きが好きで、YouTubeでそういった動画をよく見ているとします。 そうすると、YouTubeは、あなたがそういった動画チャンネルを登録し、何度も長い時間見ているデータを分析し、同じような食べ歩き動画をどんどん届けるようになります。結果、あなたはそれ以外の動画を見る時間が減る。これがフィルターバブルです。 ここでフィルターとなっているのが、YouTubeやXなどインターネットの情報プラットフォームのアルゴリズムです。アルゴリズムとはコンピューターが効率よく仕事を処理するための手順書のようなもので、別途、「アルゴリズム」の用語解説を御覧ください。 アルゴリズムとは【JFC用語解説】アルゴリズムとは、広義には「問題を解決するための手順」のことですが、。料理のレシピや楽譜も一種のアルゴリズムと言えますが、デジタル社会では主に「コンピューターが特定の目的を達成するための処理のルール
アルゴリズムとは【JFC用語解説】
アルゴリズムとは、広義には「問題を解決するための手順」のことですが、。料理のレシピや楽譜も一種のアルゴリズムと言えますが、デジタル社会では主に「コンピューターが特定の目的を達成するための処理のルール」を意味します。 例えば、YouTubeやXなどの情報プラットフォームのタイムラインやオススメは、膨大な投稿から、ユーザーの行動履歴などに基づいて「最も関心がありそう」と思われる情報を並べます。大量の情報の中から効率的にユーザーに情報を届けるために必要不可欠です。 私たちは日々、アルゴリズムによって「見たいもの」を優先的に見せられています。非常に便利ですが、同時に気づかないうちに「自分が選んだもの」ではなく、「アルゴリズムが選んだもの」ばかりを見てしまう情報の偏りが発生します。これが「フィルターバブル」です。 フィルターバブルとは【JFC用語解説】フィルターバブルとは、フィルター(膜)がバブル(泡)のように周りをつつみ、そのフィルターを通ってきたコンテンツ(記事や動画など)ばかりを目にする状態を意味します。 ここでフィルターとなっているのが、YouTubeやXなどインターネットの情報プ

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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中国が「中道改革連合支持」を発表? そのような情報はない【ファクトチェック】

中国が「中道改革連合支持」を発表? そのような情報はない【ファクトチェック】

中国が中道改革連合を支持すると表明したかのような投稿が拡散しましたが、誤りです。中国政府からのそのような発表も、報道もありません。 検証対象 拡散した言説 2026年2月6日、「中国が『中道改革連合を支持する』って発表した」という投稿がXで拡散した。 検証する理由 2月9日現在、投稿は削除されているが、2月7日時点で13000回以上リポストされ表示は69万件を超えていた。 同様の投稿は他にも広がっている(例1,2)。 検証過程 中国外務省「日本の内政問題なのでコメントしない」 中国外務省のウェブサイトには、定例会見の記録が掲載されている。1月15日の会見で、日本の記者と報道官の間のやり取りの記録がある。 テレビ東京記者:日本の公明党が他党と共同で新党結成を検討しているとの報道があります。中国はこれまで公明党と緊密な関係を維持してきました。この動きについて、報道官はどのようなコメントをされていますか?新党が『公明党』という名称を使わなくなった場合、中国はこれまで通り公明党との関係を維持するのでしょうか? 毛寧報道官:これは日本の内政問題

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
河野太郎氏が不正に当選? 開票作業にトラブルなし 出口調査とも一致【♯衆院選ファクトチェック】

河野太郎氏が不正に当選? 開票作業にトラブルなし 出口調査とも一致【♯衆院選ファクトチェック】

2026年2月8日投開票の衆院選で、神奈川15区から立候補していた自民党・河野太郎氏が不正に当選したという投稿が拡散しましたが、誤りです。河野氏は報道各社の事前調査などで大差の1位でした。神奈川県選挙管理委員会もJFCの取材に対し「管内の開票所でミスやトラブルの報告はない」と回答しています。 検証対象 拡散した言説 2026年2月8日、「支援者もいない 河野太郎がダントツ一位当選 おかしくないか」という投稿がXで拡散した。 このほか、同様の投稿は多数拡散している(例1,2)。 検証する理由 2月10日現在、投稿は2万回以上リポストされ、表示は294万件を超える。 「おかしくはない。支援者・支持者がいたから当選した。それだけの話だ」などの指摘もあるが、「なんか変だよね。この選挙。異様に自民党が当選してる」「票を操作できることがわかっているから自信満々で早苗は解散したんでしょう」など真に受けたコメントが多いため検証する。 検証過程 支持者がいないのに当選した? 拡散した投稿には、聴衆が河野氏の街頭演説に耳を傾けず素通りしている様子を映した動

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
自民党が圧勝した衆院選、最も検証された政党も自民党 参院選から何が変わったのか【#衆院選ファクトチェック 解説】

自民党が圧勝した衆院選、最も検証された政党も自民党 参院選から何が変わったのか【#衆院選ファクトチェック 解説】

AIによる捏造動画など偽・誤情報がますます拡散する中で、衆院選をめぐり、対策としてのファクトチェックはどれだけ実践されたのか。日本ファクトチェックセンター(JFC)では、ファクトチェック組織や新聞やテレビなどの報道機関が発信した検証記事を収集し、分析しました。 ファクトチェック96本、短期決戦で対応に苦心 ファクトチェックとは、政治家など著名人や影響力の大きな組織の発信、ネット上で拡散する不確かな情報の真偽を検証する活動です。何を検証するか、検証過程や根拠、判定を明示するのが一般的なルールですが、今回収集したのは、情報を検証しているものの判定の明示がないものなど「広い意味での検証記事」も含みます。一方で、偽・誤情報に関する解説記事や紹介記事は除外しました。 JFCが収集したのは96件。複数の情報をまとめて検証している記事は1件とカウントしています。また、その場合、検証対象やトピックは複数ある中で主なものを抽出しています。 複数検証の事例: JFC”各党党首の発言の真偽は 討論会をまとめて検証” JFC”「期日前投票はすり替えられる」「鉛筆で書かせるのは消す

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
「高市政権発足4ヶ月でレアアースが一気に採掘にたどり着いた」?十年以上前からのプロジェクト【ファクトチェック】

「高市政権発足4ヶ月でレアアースが一気に採掘にたどり着いた」?十年以上前からのプロジェクト【ファクトチェック】

経済安全保障で重要なレアアースの確保について「高市政権発足4ヶ月で一気に採掘までたどり着いた」という投稿が拡散しましたが、ミスリードで不正確です。レアアース採掘に向けた研究・開発は、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の一環として、2014年度以降、進められてきました。 検証対象 拡散した言説 2026年2月4日、「高市政権発足4ヶ月で、それまで進んでいなかったレアアースが一気に採掘まで辿り着けた」という趣旨の投稿が拡散した。 検証する理由 2月9日現在、投稿は1.5万回以上リポストされ、表示は173万件を超える。 投稿には「今回のレアアース調査が実現できたのは内閣府主導で実施されたから」「岸田内閣時代(2022年)に水深2,470mで1日あたり約70トンまでいき今回はそれが水深6000mで1日あたり350トンまで成功したというだけの話」などの指摘もあるが、「高市早苗はわずかの期間で成し遂げた。行動力、実行力がハンパない!」「ホントこれ14年前に始めていたらと思うと悔しくてしかたない」などのコメントも多いため、検証する。 検証過

By 根津 綾子(Ayako Nezu)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は2月28日(土)午前10時~11時30分で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0228.peatix.com/view 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的に

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験

JFCファクトチェッカー認定試験

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)