運営・監査両委員会の報告書と2024年度会計を公開

運営・監査両委員会の報告書と2024年度会計を公開

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、運営委員会と監査委員会による最新の報告書と2024年度会計を公開しました。

JFCは独立性を保ってファクトチェックに取り組むため、設置規定に則り、有識者で構成する運営委員会で編集部がファクトチェックガイドラインに則って公正な検証をしているか、また、監査委員会(監査委員会運営規程はこちら)が編集部と運営委員会の全体のガバナンスが適正かを確認し、報告書にまとめています。

運営委員会と監査委員会

運営委員会報告書2025年4月30日

(報告書全文はこちら
第1 2025年度の運営委員の任命及び委員長、副委員長の互選について
第2 編集部メンバーの採用と構成等
第3 外部機関連携等
第4 プラットフォーマー連携
第5 ファクトチェック記事の公開状況
第6 教育活動
第7 財務報告
第8 監査委員会の開催について

監査委員会報告書2025年7月25日

(報告書全文はこちら) 
第1 監査委員会の構成
第2 監査委員会の監査の方法の概要
第3 監査の結果

両委員会の報告書は過去分も含めて「JFCとは」の「運営委員会/監査委員会」の項目でも公開しています。

2024年度会計

JFCの2024年度(2024年4月-2025年3月)の収支報告はこちら

Google.org、LINEヤフー株式会社、Metaからの助成金などで4518万2768円、その他に教材制作、講演、ニュース配信などで合計収入は5018万3735円です。支出はJFCファクトチェック講座の動画制作や教材制作などの研究開発費に1465万6510円を計上するなど、合計6196万4374円です。

不足額は昨年度からの繰り越しで補っています。

また、JFCを運営する一般社団法人「セーファーインターネット協会(SIA)」の2024年度収入の内訳はこちらです。

JFCとSIAの会計は過去分も含めて「JFCとは」の「JFCへの支援と会計」の項目でも公開しています。

追記(2025年8月8日):「※6 最終報告書等の作成費⽤を計上」として「JFC活動報告書」と「情報のウソ・ホントを見抜く力 ファクトチェックの3つの基本と4つの技術」を300部作製するとともに、下記にて公開しています。

JFC活動報告書
情報のウソ・ホントを見抜く力 ファクトチェックの3つの基本と4つの技術


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンから。また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報を質問すると、AIが関連性の高いJFC記事をお届けします。詳しくはこちら

もっと見る

高市発言後に急増した国境を超える偽情報とアジア全体での取り組みの重要性/JFC検証9本など【今週のファクトチェック】

高市発言後に急増した国境を超える偽情報とアジア全体での取り組みの重要性/JFC検証9本など【今週のファクトチェック】

高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言後、日中に関わる偽・誤情報が激増しています。日本語でだけではありません。日本発の動画に「琉球は日本の一部ではない」などの偽の字幕を載せた動画などが中国語圏のSNSで大量拡散しています。 情報を武器に人の考えや行動を操る戦いを「認知戦」と言います。ロシアからの影響を受けてきた欧州では「「Foreign Information Manipulation and Interference(FIMI、外国による情報操作と干渉)」と呼んで、官民を挙げた対策を進めています。 国境を超えるFIMIには、国境を超えた対策が必要です。 日本ファクトチェックセンター(JFC)は国内では学生スタートアップのClassroom Adventure、海外では台湾、タイ、インド、モンゴルのファクトチェック団体と協力し、若者世代の情報検証スキルを競う「ユースファクトチェック選手権(英語名:GenAsia Challenge)2025」の国内大会を開催しました。 上位に入ったチームは他国のチームと戦う世界大会に進みます。実践的に情報検証能力を高めるこのような取り組

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
アルゴリズムとは【JFC用語解説】

アルゴリズムとは【JFC用語解説】

アルゴリズムとは、広義には「問題を解決するための手順」のことですが、。料理のレシピや楽譜も一種のアルゴリズムと言えますが、デジタル社会では主に「コンピューターが特定の目的を達成するための処理のルール」を意味します。 例えば、YouTubeやXなどの情報プラットフォームのタイムラインやオススメは、膨大な投稿から、ユーザーの行動履歴などに基づいて「最も関心がありそう」と思われる情報を並べます。大量の情報の中から効率的にユーザーに情報を届けるために必要不可欠です。 私たちは日々、アルゴリズムによって「見たいもの」を優先的に見せられています。非常に便利ですが、同時に気づかないうちに「自分が選んだもの」ではなく、「アルゴリズムが選んだもの」ばかりを見てしまう情報の偏りが発生します。これが「フィルターバブル」です。 フィルターバブルとは【JFC用語解説】フィルターバブルとは、フィルター(膜)がバブル(泡)のように周りをつつみ、そのフィルターを通ってきたコンテンツ(記事や動画など)ばかりを目にする状態を意味します。 ここでフィルターとなっているのが、YouTubeやXなどインターネットの情報プ

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
高市発言後に急増した日中めぐる偽情報 動画を改ざんして「琉球独立」煽る認知戦

高市発言後に急増した日中めぐる偽情報 動画を改ざんして「琉球独立」煽る認知戦

高市早苗首相の台湾有事に関する発言が中国政府の反発を招いて以降、日本をめぐる偽・誤情報が急増しました。動画を歪曲して琉球独立を煽る事例など「認知戦」が広がっています。 高市首相や日本にネガティブな偽・誤情報 高市発言と中国政府の抗議 2025年10月21日に就任した高市首相が、台湾情勢に関して「存立危機事態になり得る」との見解を国会で示したのは11月7日でした。 11月8日には中国の薛剣駐大阪総領事が「汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」とXに投稿。激しい言葉に、日本で批判が広がりました。中国政府としては、週が明けた11月10日月曜日、外務省定例記者会見で「内政干渉であり、『一つの中国』原則に反する」と強く抗議しました。 これに並行して、日本に関する偽・誤情報や悪意のある情報が増えていきました。 「琉球は日本の一部ではない」投稿が激増 一つは、沖縄をめぐる情報です。19世紀まで琉球王国として存在した沖縄をあえて「琉球」と呼び、「琉球は日本の一部ではない」「琉球は独立を望んでいる」というような投稿が増えています。 メルトウォーターのSNS

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
小野田紀美大臣が中国資金を全面凍結? 本人が否定【ファクトチェック】

小野田紀美大臣が中国資金を全面凍結? 本人が否定【ファクトチェック】

小野田紀美経済安全保障担当大臣が中国資金を凍結したという動画が拡散しましたが、誤りです。動画では「ニュースによると、朝日新聞によると」などと語られていますが、そのような情報や報道はありません。本人も「管轄外ですし、完全にデマ」と否定しています。 検証対象 2025年12月、Facebookのリールに「小野田紀美、中国資金を全面凍結、中国人64000口座と不動産18700件が完全封鎖」「実は日本政府は数ヶ月前から中国資本の動きをAIで監視していました。朝日新聞によれば、内閣府、警察庁、防衛省、金融庁までが一体となって動いていたそうです」と語る動画が拡散した。 この動画は4700件以上のいいねを獲得し、400件以上シェアされている。投稿について「こういう政治家を待ち望んでいました」「素晴らしい👍高市政権」というコメントがついている。 検証過程 日本が中国の口座を凍結した? 動画の内容は以下のようなものだ。 「小野田紀美、中国資金を全面凍結、中国人64000口座と不動産18700件が完全封鎖」」「北京困難、120期金停止12.8兆円消失940万人失業

By 木山竣策

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は12月20日(土)午後2時~3時30分で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei1220.peatix.com 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような知

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験

JFCファクトチェッカー認定試験

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)