台湾地震で過去動画や人工地震説などの偽情報が拡散【ファクトチェックまとめ】

台湾地震で過去動画や人工地震説などの偽情報が拡散【ファクトチェックまとめ】

台湾での最大震度6の地震をめぐり、発生直後から偽情報が大量に拡散しています。建物倒壊や津波などの過去動画、「原因は人工地震」など、大きな地震のたびに拡散します。

検証対象

2024年4月3日の台湾地震の直後から拡散した偽情報・誤情報をいくつか例示する。

1 ビルの倒壊映像?

4月3日、「ロシアのテレグラムでは『今回の地震は中国が救出作戦を開始し、島を再統一するチャンスである』と伝えた」という書き込みと共にビルが倒壊する映像が投稿され、表示数は98万件を超えた。

2 気象庁が「人工地震」とバラす?

4月4日、「人工地震は存在する事を気象庁がバラしちゃいました」という言説が拡散した。表示回数は119万件を超える。

3 沖縄からプライベートジェットで避難?

台湾地震の影響で、日本の沖縄本島から宮古島、八重山地方にも一時津波警報が発表された。警報発令を受けて、那覇空港の滑走路上の航空機の画像と共に「こんな時お偉いさん達はプライベートジェットで緊急避難か」という言説が投稿された。4月5日現在、この投稿は削除されている。

検証過程

ビルが倒壊する動画は2018年の映像

動画の一部を切り取りGoogle画像検索すると、2018年に台湾で発生した地震を伝える韓国のJTBC Newsの動画が見つかる。同じマンションが傾いた画像を日本経済新聞も報じている。2018年に撮影されたもので、今回の地震で撮影されたものではない。

気象庁のコメントは2016年に公開された映像

人工地震の投稿に添付されたURLは独立系ニュースメディアを名乗るNews Sharingの記事だ。2016年1月に公開された共同通信社のYoutube動画を引用している。北朝鮮の核実験で観測された日本の地震は「自然地震ではない」と気象庁がコメントしている。2016年の核実験で観測された地震に言及したものであり、今回の台湾地震とは無関係だ。

「人工地震だ」という言説は、大きな地震が発生するたびに拡散しており、日本ファクトチェックセンター(JFC)は、2023年1月「三重県南東沖で起きた地震は人工地震は誤り」、3月には「人工地震説『地震は人工的な兵器』は誤り。専門家による解説」という記事を配信している。

プライベートジェットではなく海上保安庁の機体

プライベートジェットとして投稿された画像をGoogle画像検索で検索すると、海上保安庁のFalcon 2000が表示される。拡散した画像の垂直尾翼を確認すると、海上保安庁のものと思われるマークがある。

海上保安庁ウェブサイト『海上保安庁の航空機』より

判定

検証した台湾地震に関する映像や人工地震だと主張する投稿は、いずれも過去の映像や関係のない画像を使ったもので誤り。

あとがき

大地震のたびに、人工地震や兵器によるものだといった言説が広がりますが、プレート型地震や直下型地震など、地震が起きるメカニズムを知っていれば、誤った情報の拡散を防ぐことができます(気象庁・地震発生のしくみ)。

災害時に驚くような映像を見た時は、拡散する前に検索ツールなどで確認しましょう。JFCでは画像検索の手法を解説しています。ご利用ください。

検証:木山竣策
編集:古田大輔、宮本聖二、野上英文


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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