市民運動家・菱山南帆子氏が共産・立憲民主批判? 偽アカウントのなりすましに注意

市民運動家・菱山南帆子氏が共産・立憲民主批判? 偽アカウントのなりすましに注意

市民運動家・菱山南帆子氏の名前を騙って「共産党は候補おろせ56すぞ」「連続落選爺72歳立憲有田ももっと謙虚に感謝しろ」などと投稿するアカウントが出現しましたが、なりすましです。

検証対象

2024年10月9日、菱山氏本人のX(旧Twitter)への投稿に、菱山氏と同じアイコンを使用したアカウントが「共産党は候補おろせ56すぞ」「連続落選爺72歳立憲有田ももっと謙虚に感謝しろ」とリプライ形式で投稿した。

2024年10月10日現在、投稿の表示回数は9.3万回を超える。投稿には「え。これなりすましなのか」といったコメントがついている。

検証過程

IDやフォロワー数に注目

なりすましと本人のアカウントを比較すると、アイコンは同じだが、ヘッダーやプロフィール欄が異なる。偽アカウントのIDはアルファベットと数字の羅列だ。

アカウント名には「共産党は候補おろせ56すぞ」「連続落選爺72歳立憲有田ももっと謙虚に感謝しろ」といった文言が追加されている。また、フォロワー数も少なく、Xの登録日は2024年10月となっており、作成して間もないアカウントということが分かる。

菱山氏「全く関係がない」

日本ファクトチェックセンター(JFC)が菱山氏本人に確認をとったところ、「全く関係がないなりすましアカウントでXにはすでに通報している」と回答を得た。

あとがき

選挙期間中は著名人を騙り、政党や候補者を貶めるようなウソの主張などを投稿するなりすましアカウントに注意が必要です。JFCは、その他選挙期間に拡散しがちな偽情報や誤情報についてまとめています。

選挙で拡散する偽・誤情報、AIの影響は? 標的は候補者だけでなく民主主義【解説】
石破茂首相は2024年10月に解散総選挙を実施すると宣言しました。選挙は偽・誤情報の標的になります。2024年は世界中で国政選挙が実施され、生成AIによる混乱も指摘されてきました。実際にどのようなデマや噂が拡散するのでしょうか。国内外の状況について解説します。 選挙で拡散しがちな偽・誤情報の種類 選挙で拡散する偽・誤情報には世界的に共通する傾向がある。以下の表に日本で実際に拡散し、日本ファクトチェックセンター(JFC)で検証をしたものを中心に分類した。 拡散する時期を「投開票日前」「投開票日」「選挙後」に、標的となる対象を「政党・候補者」「選挙制度」「メディア」に分けた。標的と時期ごとに、これまでにJFCが実際に検証した情報をまとめている。 政党・候補者に関する偽・誤情報 候補者や政党を貶めたり、持ち上げたりする偽・誤情報が拡散する理由の一つは、自分が支持する陣営を有利にしたいという明確な意図だ。間違った情報を意図的に流して政治的な利益を得ようとする「故意犯」と言える。 ただ、これだけが拡散の理由ではない。 自分が嫌いな候補にとって不利な情報であれ

検証:木山竣策
編集:宮本聖二、古田大輔

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンから。また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報を質問すると、AIが関連性の高いJFC記事をお届けします。詳しくはこちら

ファクトチェックやメディア情報リテラシーについて学びたい方は、こちらの無料講座をご覧ください。ファクトチェッカー認定試験や講師養成講座も提供しています。

理論から実践まで学べるJFCファクチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験
JFCファクトチェック講師養成講座を開講 お申し込みはこちら
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックや関連するメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を開始します。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 開講は10月26日で、お申し込みはこちら。1回の受講で修了となり、今後の開講予定はウェブサイトやニュースレターなどで公開します。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような知識と行動が偽・誤情報対策として有効かを分析し、誰でも無料で視聴できる「ファクトチェック講座」を2024年7月に公開しまし

もっと見る

米大統領選挙後も続く偽・誤情報、日本にも波及【今週のファクトチェック】

米大統領選挙後も続く偽・誤情報、日本にも波及【今週のファクトチェック】

トランプ氏が勝利したアメリカ大統領選が終わっても、アメリカの政治やトランプ氏に関わる偽・誤情報の拡散は続いています。そして、それらはアメリカ国内だけではなく、日本を含む他国にも広がっています。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 JFCからのニュース JFCファクトチェック講師養成講座 11月の申込はこちら 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は11月30日で、お申し込みはこちら。 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 JFCファクトチェック講師養成講座 11月の申込はこちら日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファ

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
トランプ氏の当選確実で「ワクチン禁止法」と「向精神薬禁止法」が成立? まとめサイトによるもの 【ファクトチェック】

トランプ氏の当選確実で「ワクチン禁止法」と「向精神薬禁止法」が成立? まとめサイトによるもの 【ファクトチェック】

米大統領選で、ドナルド・トランプ前大統領の当選が確実になったことに関連して、「ワクチン禁止法」と「向精神薬禁止法」が成立する見通しだという投稿が拡散しましたが、誤りです。拡散した投稿はまとめサイトのXアカウントで、見出しは掲示板サイトのスレッドタイトルを引用しているだけです。 検証対象 2024年11月7日、「米国、トランプ当選確実で『ワクチン禁止法』と『向精神薬禁止法』が成立する見通し」という投稿が拡散した。投稿にはまとめサイトのURLが添付されている。 2024年11月8日現在、この投稿は2800件以上リポストされ、表示回数は40万件を超える。投稿について「ロバート・ケネディJrさんに大いに期待」「精神疾患を抱えた自分にはちょっと辛すぎます」というコメントがつく一方で「現時点では誤解を招くもの」というコミュニティノートによる指摘もある。 検証過程 まとめサイトと添付記事の内容が不一致 検証対象のリンクは、まとめサイト「Tweeter Breaking News-ツイッ速!」の記事だ。掲示板サイト5ちゃんねるのスレッド「米国、トランプ当選確実で「

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
トランプ次期大統領が就任後の計画を発表? 過去の動画を改変【ファクトチェック】

トランプ次期大統領が就任後の計画を発表? 過去の動画を改変【ファクトチェック】

アメリカのトランプ次期大統領が2025年の就任後の計画「プロジェクト2025」として「サブウェイの豚ロースサンドイッチが5ドル」「マクドナルドのマックリブを一年中提供」などと発言したとする動画が拡散しましたが、誤りです。過去の動画を改変したものです。 検証対象 2024年11月7日、「ドナルド・トランプ大統領は2025年1月20日の就任直後のプロジェクト2025について次のように演説した」という英文とともに、動画付き言説が拡散した。 動画ではトランプ氏が「愛国者の皆さん、プロジェクト2025について少しお話ししたいと思います」「サブウェイの豚ロースサンドイッチは5ドルになります」「マクドナルドではマックリブが一年中提供されることになる」「今こそ、アメリカを再び偉大にする取り組みを始める時です」など英語で話している。 2024年11月8日現在、この投稿は560件以上リポストされ、表示回数は41万件を超える。投稿について「信じそうになった」「たとえそれが風刺であっても、あなたはフェイクニュースを広めています」というコメントが付いている。 検証過程 プロ

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
小中高生の自殺がはじめて500人超。原因1位は「親の貧困による生活苦」?【ファクトチェック】

小中高生の自殺がはじめて500人超。原因1位は「親の貧困による生活苦」?【ファクトチェック】

「小中高生の自殺者数が初の500人超え、原因1位は『親の貧困による生活苦』」という言説が拡散しましたが、誤りです。拡散した投稿はまとめサイトのXアカウントで、見出しは掲示板サイトのスレッドタイトルを引用しているだけです。厚生労働省は主な原因として「家庭問題」「学業不振」「友人関係」などを挙げています。 検証対象 2024年10月29日、「小中高生の自殺者数が初の500人超え、遺書に書かれた原因1位は「親の貧困による生活苦」😰」という投稿が拡散した。この投稿は10月30日現在、323万回以上の閲覧回数と9300件以上のリポストを獲得している。 投稿はまとめサイト「ツイッター速報〜BreakingNews」によるものだ。 検証過程 まとめサイトと添付記事の内容が不一致 検証対象の投稿に添付されたリンクはまとめサイト「Tweeter Breaking News-ツイッ速!」の記事だ。引用元はテレビ朝日の記事と毎日新聞の記事、そして、掲示板サイト5ちゃんねるのスレッド「小中高生の自殺者数が初の500人超え、遺書に書かれた原因1位は『親の貧困による生活苦』

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)