外国人犯罪が急増している? 【#参院選ファクトチェック】(訂正あり)

外国人犯罪が急増している? 【#参院選ファクトチェック】(訂正あり)

外国人受け入れが参院選の争点の一つとなる中で「外国人犯罪が急増している」という投稿が拡散しています。外国人の検挙件数は2005年から減少傾向が続き、新型コロナウイルスの影響が一段落した2022年の入国再開の頃から来日外国人の増加とともに検挙件数も増え、新型コロナ前の水準を超えて、2010〜11年と同水準となっています。当初の検証記事では「ミスリードで不正確」とした判定を撤回します。訂正箇所や理由は後述します。

検証対象

参院選で外国人受け入れが争点の一つとなる中で「外国人犯罪が急増」「外国人の凶悪犯罪が増えた」などの投稿が複数のプラットフォームで拡散している(例1,2,3)。

検証過程

外国人犯罪は減少傾向から増加

法務省が公開している犯罪白書の最新版(令和6年版)の第4編第9章「外国人による犯罪・非行」に外国人の犯罪に関するデータがまとまっている。

第2節「犯罪の動向」によると、来日外国人(永住者など除く)による刑法犯の検挙件数は2005年3万3037件をピークに減少傾向が続き、2022年に8548件とピークの3割を切った。

一方で、2023年は1492件増えて1万40件(前年比17.5%増)だった(法務省”令和6年度 犯罪白書”)。

(以下、追記1)
検証記事を公開した段階での犯罪白書の最新版は令和6年版で、2024年のデータを含む令和7年版は2025年12月19日に公表された(令和7年版犯罪白書)。しかし、2024年の来日外国人の刑法犯検挙件数については、検証記事より前の4月3日に警察庁組織犯罪対策部”令和6年における組織犯罪の情勢”が公開していた。

このデータで見ると、来日外国人の刑法犯検挙件数1万3405件は2019年の9148件よりも多く、2010〜11年と同水準となる。

(追記1ここまで)

外国人自体の増加

外国人による犯罪が一転して増加した背景の一つが、外国人自体の増加だ。外国人の新規入国者は新型コロナウイルスの感染拡大防止のために2020年は前年比87.4%減の358万人、2021年は同95.8%減の15万人と激減していた。

2022年3月以降は水際対策の段階的緩和で回復し、2022年は前年の22.6倍、2023年はさらに6.9倍の2375万人とコロナ前の8割の水準まで回復した。在留外国人も2023年は341万人(前年比10.9%増)の過去最多だった(いずれも法務省”令和6年度 犯罪白書第4編第9章「外国人による犯罪・非行」 ”)。

2023年の外国人刑法犯が増えているのは事実だが、来日も含めて外国人数の回復と増加とあわせて、検挙件数としては新型コロナ前の水準に戻った形だ。

(以下、追記2)
令和7年版犯罪白書によると、2024年の外国人新規入国者は前年度1.4倍の3401万人で過去最多になっている。

一方で、検挙件数は前述のように、新型コロナ前の水準を超えて、2010〜11年と同水準だ。このため、当初の検証記事の判定「外国人数が減っていたコロナ期と比較して『外国人犯罪が急増』というのは、ミスリードで不正確」は成り立たない。
(追記2ここまで)

参政党議員発言を沖縄タイムスが検証

外国人の犯罪については、沖縄タイムスが参政党の吉川里奈衆院議員の「外国人の重要犯罪増」という街頭演説での発言をファクトチェックし、「ミスリード」と判定している。

重要犯罪(殺人、強盗、放火、不同意性交、略取誘拐・人身売買、不同意わいせつ)に関する外国人の検挙数は2024年に754件で、10年間で75%増えているが、在留外国人の増加率とほぼ等しいことなどを判定の理由に挙げている。(沖縄タイムス”「外国人の重要犯罪増」はミスリード 「不起訴率が右肩上がり」は誤り 参政党・吉川里奈衆院議員の街頭演説【ファクトチェック】”)

判定

2025年7月15日付の記事では、以下のように判定した。

「『外国人犯罪が急増している』はミスリードで不正確。2023年は前年比で17.5%増えているのは事実だ。ただし、2005年から減少傾向が続く中で、新型コロナ後に訪日外国人が急回復し、在留外国人も過去最多を記録して、検挙件数としてはコロナ前の水準に戻った形だ。」

しかし、検証記事を公開した段階で、外国人犯罪の検挙件数について2024年分のデータが公開されていた。それによると、2024年は2023年からさらに33.5%増となり、検挙件数はコロナ前の水準を超えて、2010〜11年と同水準となる。このため、当初のミスリードで不正確という判定を撤回する。

訂正

検証のきっかけは、犯罪白書令和6年版の図表を添付し、「外国人犯罪が急増」と主張する投稿を複数確認したことでした。

そこで、令和6年版の犯罪白書の原典を確認し、コロナ期の外国人の急減と規制緩和期の急増や、検挙件数の「急増」がコロナ期前の水準と同じであることから、当初の判定は「ミスリードで不正確」としました。

この際、犯罪白書の最新版は令和6年版(当時)であることは確認しましたが、警察庁組織犯罪対策部が「令和6年における組織犯罪の情勢」という資料で外国人の最新の検挙数を公開していることに気が付きませんでした。このため、検証過程にその内容を追記(追記1と2)し、判定を撤回します。

外国人犯罪の件数については、改めて記事を公開します。

出典・参考

法務省”令和6年度 犯罪白書”https://www.moj.go.jp/housouken/housouken03_00134.html(閲覧日2025年7月14日)

沖縄タイムス. ”「外国人の重要犯罪増」はミスリード 「不起訴率が右肩上がり」は誤り 参政党・吉川里奈衆院議員の街頭演説【ファクトチェック】”2025年7月10日. https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1624023(閲覧日2025年7月14日)

警察庁組織犯罪対策部”令和6年における組織犯罪の情勢”https://www.npa.go.jp/news/release/2025/R6jyousei.pdf(閲覧日2026年1月19日)

法務省”令和7年版 犯罪白書” https://www.moj.go.jp/housouken/housouken03_00145.html (閲覧日2026年1月19日)

検証:古田大輔
編集:根津綾子


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