伊東市長選挙は不正選挙だった? 画像は市議選、選挙不正の根拠なし【ファクトチェック】
2025年12月14日投開票の伊東市長選挙をめぐり、開票作業で不正があったと示唆する画像付きの投稿が拡散していますが、誤りです。根拠とされた画像はそもそも市長選ではなく市議選のもの。伊東市選挙委員会は開票作業について「不正はなかったと認識している」と話しています。
検証対象
検証する投稿
12月15日、「伊東市長選挙は不正選挙が行われていた?」という画像付き投稿が拡散した。画像には、票が積み上げられた画像と共に「TVで放送された卓上に積み上がっている票束の高さと選挙管理委員会から発表の票数差に不安を抱きました」と書かれている。

検証する理由
この投稿は戸田市議会議員の河合ゆうすけ氏によるもので、12月18日現在、290件以上リポストされ、表示回数は23万回を超える。
「あると思います」「不正しちゃってるね…」と同調するコメントがつく一方で「意に沿わない結果は何でも不正なのか」という指摘もある。
検証過程
伊東市長選と拡散した画像
伊東市長選挙は、学歴詐称疑惑で2度の不信任決議を受けた田久保真紀前市長の失職に伴い14日に投開票され、田久保氏を含む9人が立候補する中で、前市議の杉本憲也氏が初当選を果たした(伊東市.”令和7年12月14日執行 伊東市長選挙”)。
拡散した画像は、開票時に積み上げられた票と発表された票に差があると指摘している。
しかし、画像に写っている青木よしひろ氏、古川ゆうき氏、重岡ひで子氏の3人は、市長選に立候補していない。3人は10月19日投開票の伊東市議選に立候補していた。(伊東市.”令和7年10月19日執行 伊東市議会議員選挙 投開票結果”)。
画像は、市議選の開票作業と結果について、市選挙管理委員会に異議申し立てしたが棄却されたことに抗議する内容をまとめたもの。市長選とは関係がない。
選挙管理委「不正はなかったと認識」
日本ファクトチェックセンター(JFC)が、伊東市選管に問い合わせたところ、市長選について「開票作業の不正や選挙不正はなかったと認識している」と話した。
2025年12月18日現在、市長選の開票に関する不正を示す情報はない。
判定
拡散した投稿は、市議会議員選に関する画像を使って、市長選で不正があったかのように発信している。伊東市選管は市長選の開票作業や選挙に「不正はなかった」と話しており、市長選の開票に関して不正を示す情報もない。よって、誤りと判定する。
出典・参考
読売新聞.”伊東市長選、当選の杉本氏「職員・議会・市民と信頼関係築ける市長目指す」…田久保前市長は予定の会見場所に姿見せず”.https://www.yomiuri.co.jp/election/20251215-GYT1T00352/ ,(閲覧日2025年12月18日)
伊東市.”令和7年12月14日執行 伊東市長選挙”.https://www.city.ito.shizuoka.jp/material/files/group/30/R071214_shichousenkyo_touhyoukekka.pdf ,(閲覧日2025年12月18日)
伊東市.”令和7年10月19日執行 伊東市議会議員選挙 投開票結果”.https://www.city.ito.shizuoka.jp/material/files/group/30/R071019_shigi_kaihyoukekka_touraku.pdf ,(閲覧日2025年12月18日)
検証:木山竣策
編集:古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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