日本保守党・百田代表「これから2年で120万人超の外国人労働者を入れる」? 既に日本にいる外国人を含めた上限【#衆院選ファクトチェック】

日本保守党・百田代表「これから2年で120万人超の外国人労働者を入れる」? 既に日本にいる外国人を含めた上限【#衆院選ファクトチェック】

2026年2月8日投開票の衆院選で、日本保守党・百田尚樹代表が「これから2年間で120万人超、つまり1年間で60万人の外国人の労働者を入れる」という趣旨の発言を繰り返していますが、ミスリードで不正確です。「120万人超」という数字は、これから2年間で新たに受け入れる人数ではなく、現在、日本に滞在している外国人を含めた2028年度末までの受け入れ上限数です。

検証対象

拡散した言説

2026年1月27日、日本保守党・百田尚樹代表は、新橋での街頭演説で次のように述べた。

「昨年の12月に、移民を今後2年間で外国人労働者を123万人入れると(高市氏が)言うたんですよ。とんでもないことです。それまで日本には外国人労働者が毎年約30万人来ていた。ところが、この2年間で123万人入れるということは、一気に倍なんですよ。どうなってんねん。移民をゼロベースで考えるんじゃなかったのか高市さん」(TBS NEWS DIG “【第一声 全編】日本保守党・百田尚樹代表「もう一度、移民問題を真剣に考えるとなれば、必ず日本の未来は明るいです。ですから私たちは言います。移民はもういらんと」【衆議院選挙2026】”)

百田氏は、1月29日にも、自身のYouTubeチャンネルで同様の発言をしている(百田尚樹チャンネル”百田尚樹チャンネル生放送”2026年1月29日ライブ配信 6分34秒~)。

検証する理由

百田氏の主張に対し「在留者数の総計の受入れ見込数だ」などの指摘もあるが、「移民問題に関して百田さんに100%賛同する」「海外でまじでバズってます!!!!日本だけでなく海外の人も保守党の味方です!!」など、真に受けた反応も多い。

同様の発言を繰り返しており、選挙への影響もあるため、検証する。

検証過程

2028年度までの受け入れ上限「今いる人も含めて123万人」

政府は1月23日の閣議で、外国人労働者の在留資格「特定技能」と、技能実習に代わる新制度「育成就労」の分野別運用方針を決定。深刻な人手不足に対応するため、2028年度末までの5年間の受け入れ上限数を、計123万1900人に設定した(時事通信”外国人材、上限123万人 政府が運用方針決定”、日経新聞”外国人の育成就労、特定技能と合わせ上限123万人に 政府閣議決定”)。

百田氏が主張する「120万人」は、この「123万人」を指していると考えられる。

出入国在留管理庁は、ウェブサイトの育成就労制度に関するQ&Aで、次のように説明している。

Q「令和10年度末までの受入れ見込数は約123万人(特定技能外国人80万5700人・育成就労外国人42万6200人)とされていますが、現在の外国人在留者数に加えて受け入れる数なのでしょうか?」

A「この約123万人は、特定技能外国人・育成就労外国人の在留者数の総計の受入れ見込数であって、現在の在留者数に加えて受け入れる数ではありません」(出入国在留管理庁 ”育成就労制度Q&A”)

また、小野田紀美経済安保相は、1月28日、首相官邸の公式Xアカウントに動画を投稿。次のように反論している。

「人手不足対策としての特定技能・育成就労制度がありますが、これについては何よりもそれぞれの業界が生産性向上と国内人材確保の努力をしていただく必要があります。そうした努力などを厳密に精査した上で、厳格に受け入れ見込み数を設定することとし、従来より減少させることとしました。

なおこの見込み数は、直ちにその数が入ってくるというものではなく、今いる方も含めての数字であること、そしてこれはあくまで上限枠として設定しているものです。またこの見込み数の対象となる在留資格は、家族を呼び寄せることはできませんし、在留できる期間に上限があり、そのまま日本に永住するわけではないということも改めて申し上げておきたいと思います」
(首相官邸公式X 1月28日)

つまり、「今すでに日本にいる外国人も含めて、2028年度までに受け入れる人数の上限が123万人」だ。

現在の受け入れ人数は

育成就労とは、日本での3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成し、人材を確保する制度で、2027年4月1日に運用が開始される。

外国人労働者の受け入れでこれまで実施されてきた技能実習制度は「技能を学んで開発途上国に持ち帰ってもらう」という目的と実態の乖離や外国人の権利保護の難しさなどの課題が指摘されてきたため、技能実習制度を発展的に解消する形で設けられた(以上、出入国在留管理庁 ”育成就労制度Q&A”)。

特定技能と技能実習制度で日本に在留している外国人は2025年6月末現在で、技能実習44万9432人、特定技能33万6196人だ(出入国在留管理庁“令和7年6月末現在における在留外国人数について”)。

時事通信も、1月30日の記事で、百田代表が高市政権の外国人政策に関し、今後2年間で123万人の外国人労働者を受け入れると発信しているが、誤りだ、と報じている(時事通信”外国人労働者「2年で123万人」は誤り 保守・百田代表が発信【2026衆院選】”)。

判定

日本保守党の百田氏らは、「これから2年間で120万人超、つまり1年間で60万人の外国人の労働者を入れる」という発言をしたが、実際は「今すでに日本にいる外国人も含めて、2028年度までに受け入れる人数の上限が123万人」だ。よって、ミスリードで不正確と判定する。

出典・参考

TBS NEWS DIG “【第一声 全編】日本保守党・百田尚樹代表「もう一度、移民問題を真剣に考えるとなれば、必ず日本の未来は明るいです。ですから私たちは言います。移民はもういらんと」【衆議院選挙2026】”.
https://youtu.be/ICgCFI-zlVY?si=YTvMoREEottF6fE7,(閲覧日2026年2月3日).

百田尚樹チャンネル.”百田尚樹チャンネル生放送”.2026年1月29日.
https://www.youtube.com/live/lbPnnpd_-eA?si=UFexfw6HSIYj5M9v,(閲覧日2026年2月3日).

時事通信.”外国人材、上限123万人 政府が運用方針決定”.
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026012300523&g=pol#goog_rewarded,(閲覧日2026年2月3日).

日経新聞.”外国人の育成就労、特定技能と合わせ上限123万人に 政府閣議決定”.
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2307B0T20C26A1000000/,(閲覧日2026年2月3日).

出入国在留管理庁. ”育成就労制度Q&A”.
https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/ikusei_qa_00002.html,(閲覧日2026年2月3日).

首相官邸公式X. 1月28日.
https://x.com/kantei/status/2016462301545877593?s=20,(閲覧日2026年2月3日).

出入国在留管理庁.“令和7年6月末現在における在留外国人数について”.
https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00057.html,(閲覧日2026年2月3日).

時事通信.”外国人労働者「2年で123万人」は誤り 保守・百田代表が発信【2026衆院選】”.
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026013000887&g=pol,(閲覧日2026年2月3日).

検証:根津綾子
編集:古田大輔


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