【ベネスエラでの米軍事作戦】偽映像が多数拡散 AIディープフェイクの検証法は

【ベネスエラでの米軍事作戦】偽映像が多数拡散 AIディープフェイクの検証法は

アメリカがベネズエラで実施した軍事作戦をめぐり、「現地の状況」とされる多数の画像や動画が拡散しています。その中にはAIで作ったディープフェイクや過去の関係のない映像も多く含まれます。

日本ファクトチェックセンター(JFC)や他の機関の検証記事をまとめました。最後に、ディープフェイクの検証手法の解説記事も掲載しています。個人でも実践できる方法なので、参考にしてください。

JFCの検証記事

アメリカ空軍がベネズエラへの軍事作戦に出動する動画? 作戦前から存在する動画

アメリカ空軍がベネズエラへの軍事作戦に出動する動画? 作戦前から存在する動画【ファクトチェック】
アメリカのトランプ政権によるベネズエラでの軍事作戦をめぐり、アメリカ空軍が出動する動画と主張する投稿が拡散しましたが誤りです。動画は、ベネズエラへの軍事作戦より前に撮影されたものです。 検証対象 拡散した投稿 2026年1月3日、「BREAKING: Initial reports indicate that the US Marine Corps has launched an amphibious assault operation north of Caracas. Further details are still emerging.(速報:初期の報告によると、米海兵隊がカラカス北部で水陸両用強襲作戦を開始。詳細は徐々に明らかに)」という動画つき投稿が拡散した。 動画には、暗闇の中、複数のヘリが飛び立つ様子が写っている。 検証する理由 1月5日現在、この投稿は5100件以上リポストされ、表示回数は224万回を超える。投稿について「Damn I’m jealous if true」「ベネスエラへの進軍が始まった」というコメントの一方で「

ベネズエラの人々がトランプ大統領に感謝する動画? AI生成の特徴

ベネズエラの人々がトランプ大統領に感謝する動画? AI生成の特徴【ファクトチェック】
アメリカのトランプ政権によるベネズエラでの軍事作戦をめぐり、ベネズエラの人々が感謝していると主張する動画が拡散しましたが、AIで生成されたものです。背景の人物の描写が崩れ、国旗の模様が不自然など、AI生成の特徴を多く含んでいます。 検証対象 拡散した投稿 2026年1月3日、英文で「Venezuelans are crying on their knees thanking Trump and America for freeing them from Nicolas Maduro(ベネズエラ国民は、ニコラス・マドゥーロから解放してくれたトランプ大統領とアメリカに感謝し、ひざまずいて泣いている)」という動画つき投稿が拡散した。 動画には「the people cry for their freedom(自由に涙する人々)」「thanks to the united states for freeing us(私たちを解放してくれたアメリカに感謝)」などの字幕と共に、群衆が騒ぐ様子が収められている。

米国によるマドゥーロ大統領拘束を喜ぶ民衆? 2024年大統領選の動画

米国によるマドゥーロ大統領拘束を喜ぶ民衆? 2024年大統領選の動画【ファクトチェック】
米トランプ政権が2026年1月3日にベネズエラで軍事作戦を実施し、マドゥーロ大統領を拘束したことをめぐり、ベネズエラの民衆が大統領の失脚を祝っている様子だという動画が拡散しましたが、誤りです。拡散した動画は2024年に撮影されたものです。 検証対象 拡散した言説 2026年1月4日、「数百万人のベネズエラ人が、カラカスや他の主要都市の通りを埋め尽くし、共産主義独裁者ニコラス・マドゥロの失脚を祝った」という文言付きの動画がXで拡散した。 検証する理由 22026年1月6日現在、投稿は2800回以上リポストされ、表示は225万回を超える。 投稿には「2024年の映像だ」という指摘もあるが「完全なる敗北」「イラクの後も、こういうバカげた話を見たよな。で、その後どうなった?」など真に受けたコメントが多数ある。 米国のベネズエラへの軍事作戦をめぐっては、過去の映像や生成AIによる映像などが多数拡散しており、注意喚起のためにも検証する。 検証過程 動画は2024年大統領選挙時のもの Googleレンズで検索すると、ほぼ同じ時間に同じ場所で撮影した動

ベネズエラの人々が拘束されたマドゥーロ大統領の銅像を撤去する動画? 軍事作戦前の別の映像

ベネズエラの人々が拘束されたマドゥーロ大統領の銅像を撤去する動画? 軍事作戦前の別の映像【ファクトチェック】
アメリカのトランプ政権によるベネズエラでの軍事作戦をめぐり、ベネズエラの人々が拘束されたマドゥーロ大統領の銅像を撤去したと主張する動画が拡散しましたが、誤りです。動画は2024年7月にインターネット上に投稿された、今回の作戦とは無関係のものです。 検証対象 拡散した投稿 2026年1月4日、「ベネズエラ市民がニコラス・マドゥロがようやく拘束された今、独裁政権の像を撤去しています! 国民が国を取り戻しています!」という動画つき投稿が拡散した。 動画には、群衆が銅像を倒し歓喜する様子が映っている。 検証する理由 1月6日現在、この投稿は3200件以上リポストされ、表示回数は38万回を超える。投稿について「独裁政権が倒れるとまずこれが起こるよね」「良かったね😸トランプさんのおかげだね🫡」というコメントの一方で「これは2024年の選挙後の映像」という指摘もある。 検証過程 1月3日、アメリカのトランプ大統領は、ベネズエラに対して大規模な攻撃をし、マドゥーロ大統領を妻とともに拘束、国外へ移送したと発表した(NHK.”“ベネズエラに大規模攻撃 大統領

その他の検証記事

【ベネズエラ大統領拘束】誤情報・要注意情報7件まとめ:リトマス

【ベネズエラ大統領拘束】誤情報・要注意情報7件まとめ | リトマス みんなとつくる ファクトチェック専門メディア
アメリカがベネズエラ大統領を拘束2026年1月3日、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、ベネズエラの首都カラカスに軍事攻撃を行い、同国のニコラス・マドゥロ大統領を拘束した(参照)。マドゥロ氏はその後アメリカに移送され、収監された(参照)。この件に関する誤った情報や誤解を招く情報のうち、日本で特に拡…

ベネズエラ関連の偽画像などSNS投稿相次ぐ “拡散せず注意を”:NHK

ディープフェイクを見分けるには

ファクトチェッカーが実践している生成AIによるディープフェイクの見分け方

ファクトチェッカーが実践している生成AIによるディープフェイクの見分け方【解説】
事件や災害など大きなニュースが報じられるたびに、生成AIで作った「ディープフェイク」が拡散するようになりました。 一見、本物のように見えますが、見分けるコツがあります。日本ファクトチェックセンターが実際に使っている検証手法を解説します。 1.透かしやロゴや投稿者の確認 最も簡単な手法は、AIで生成したことを示す「透かし」や「ラベル」がついていないかを確認することです。 OpenAIのSoraやGoogleのGeminiなどの生成AIツールで動画を作ると「透かし(ウォーターマーク)」が入ります。また、YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォームでは、投稿者がラベルをつけることもあります。 上記の画像の赤丸や黄色線で示しているのが、透かしやラベルです。動画を見たら、まず、これらがないかを確認しましょう。あれば、生成AIです。 また、投稿者のアカウントを見ると「AIアーティスト」などと自己紹介していたり、他にも多数のAI画像を投稿している例もあります。 2.描写の破綻 実際には透かしやラベルがないディープフェイクも多数存在します。そういった場

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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2019年の首里城火災は火災報知器が切られて全焼? 募金62億円はどこへ? 原因は「不明」 寄付金は正殿の資材などへ【ファクトチェック】

2019年の首里城火災は火災報知器が切られて全焼? 募金62億円はどこへ? 原因は「不明」 寄付金は正殿の資材などへ【ファクトチェック】

2019年の首里城火災を巡り、「なぜか夜間の火災報知器が切られて出火・全焼」「建設費用は全額政府支出。募金62億円はどこへ?」などという情報が拡散しましたが、誤りです。再発防止検討委員会の報告書によると「報知器が切られた」という事実は確認されておらず、火災原因は不明です。また、内閣府は正殿の総工事費約120億円の中には、沖縄県に集まった寄付金も含まれていると説明しています。沖縄県は寄付金約62億円のうち約42億円を2025年度末までに正殿の資材調達や人材育成などに充てたと話し、今後も使途を公開しながら活用するとしています。 検証対象 拡散した投稿 2026年9月8日、「なぜか夜間の火災報知器が切られて出火、全焼」「沖縄県は首里城復元工事の募金を開始。2026年7月現在 約62億円。首里城復元の建設費用は全額政府支出。62億円はどこへ?」などと主張する投稿がXで拡散した。 検証する理由 この投稿は4700件以上リポストされ、表示回数は60万回を超えている。「政府が負担したのに62億円はどうするつもりでしょう?」「首里城再建募金 約62億円はどこに⁉️」

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)
フランスでムスリムが暴動をおこして高校生を焼き殺した? 教育の改善を要求するデモで拡散時点で死者の報道は無い【ファクトチェック】

フランスでムスリムが暴動をおこして高校生を焼き殺した? 教育の改善を要求するデモで拡散時点で死者の報道は無い【ファクトチェック】

2026年9月以降、フランス各地で高校生らによる教育環境の改善を求める抗議行動が広がっています。その中で「ムスリムが暴動をおこし、高校生らを建物に閉じ込めて焼き殺し始めた」という投稿が拡散しましたが、根拠不明です。抗議行動の激化や、治安部隊との衝突、負傷者や拘束者が出ていることは事実ですが、10月14日現在、日本ファクトチェックセンターが確認できた範囲で、当局の発表や主要な報道に、ムスリムが高校生らを焼き殺したという情報や、死者が出たという情報はありません。 検証対象 拡散した言説 2026年10月6日、「ムスリムのフランス暴動は、とうとう高校生や職員を中に閉じ込めたまま生中継の中で焼き殺し始めた」という投稿がXで拡散した。 検証する理由 10月14日現在、投稿は1万回以上リポストされ、表示は67万件を超える。 投稿には「『高校生が施設改善を求めデモ』って報道してましたね」などの指摘もあるが、「それでも、高市は移民を利用して、民を殺す」「日本でもフランス同様に内戦が起こる!!」など真に受けた反応が多いため検証する。 検証過程 BFMTVの実

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
毎年拡散するインフルエンザ誤情報/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

毎年拡散するインフルエンザ誤情報/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

あるニュースが注目を集めると、それにまつわる偽・誤情報が必ず拡散します。地震、台風、インフルエンザもその一つです。季節の話題のように、毎年、流行のタイミングで、手口が似通った偽情報が拡散する。プレバンキング記事で予習をしておくと良いでしょう。 今週のファクトチェックまとめです。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 今週のお知らせ JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は10月24日(土)午後4時~5時30分で、お申し込みはこちら。 日本ファクトチェックセンター(JFC) ファクトチェック講師養成講座 10月24日(土)開催分日本ファク

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)
日高村がバングラデシュ人を1000人受け入れる? 村は否定【ファクトチェック】

日高村がバングラデシュ人を1000人受け入れる? 村は否定【ファクトチェック】

高知県日高村が「バングラデシュ人1000人を受け入れる」という投稿が拡散しましたが、誤りです。日高村は「特定の国籍の方を対象とした集団的な移住事業や計画は行っていない」と公式に否定しています。民間の交流団体の会長は「1000人」と話していますが、村の施策とは無関係です。 検証対象 拡散した言説 2026年10月1日、「高知県の日高村という人口4577人の村で、バングラデシュ人1000人受け入れるみたいだが…」という投稿がXで拡散した。 検証する理由 この投稿は9000件以上リポストされ、表示回数は839万回を超えている。「地元の人達は知ってるの?」「5人に1人がバングラデシュ人になってしまう!」というコメントがあるため検証する。 検証過程 出入国在留管理庁のウェブサイトによると、2025年末現在、高知県に住むバングラデシュ人は107人だ(出入国在留管理庁”令和7年末現在における在留外国人数について”)。 「1000人受け入れ」は村の計画ではなく民間団体の発言 「バングラデシュ人を1000人受け入れ」はどこからの情報か。Meltwaterで

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は10月24日(土)午後4時~5時30分で、お申し込みはこちら。 日本ファクトチェックセンター(JFC) ファクトチェック講師養成講座 10月24日(日)開催分日本ファクトチェックセンター(JFC)による講師養成講座です。 講師養成講座(オンラインで90分)を受講いただいた後、修了課題を提出された方には、教室や職場などで利用可能な教材の提... powered by Peatix : More than a ticket.Peatix 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤っ

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験

JFCファクトチェッカー認定試験

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や騙されない人の行動

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)