「NATO各国首脳がウクライナの政策に失望している」とBBCが報道?【ファクトチェック】

「NATO各国首脳がウクライナの政策に失望している」とBBCが報道?【ファクトチェック】

NATOがウクライナの政策に不満を抱いているというBBCニュースを装った映像が拡散しましたが、誤りです。ニュースの引用元とされた欧州の調査報道機関べリングキャットの創設者が「偽物だ」と否定しています。

検証対象

2024年5月14日、ロシア発のSNSテレグラムに、BBCのロゴとタイトルをつけたニュース映像が拡散した。動画は1分45秒で、NATO各国とウクライナの間で戦闘への動員などを巡って意見が対立していると主張している。ニュースソースは「ベリングキャット」としている。

テレグラムで拡散した動画 全編にBBCのロゴがついている

動画のキャプションにはロシア語で「NATOがウクライナの戦闘動員に不満を抱いている」と書かれ、13万6000を超える閲覧と1600以上のいいねを獲得している。

検証過程

検証対象の動画がテレグラムに投稿された翌日の5月15日、べリングキャットの創設者エリオット・ヒギンズ氏が、自身の公式Xで、拡散した動画は偽物だと投稿した。「BBCとべリングキャットの偽動画が、またテレグラムで拡散している。2023年11月以降、これで少なくとも7本目だ」と指摘している。

ヒギンズ氏の投稿

誤・偽情報や映像などを検証する「BBC Verify」のShayan Sardarizadeh記者も自身のXで「100%偽物だ」と投稿。この偽動画について「ウクライナに関する親クレムリン偽情報を広めるためにBBCとべリングキャットを利用した偽動画のリストに新たに加わった」とも書いている。

BBC・サルダリザデ記者の投稿

判定

ベリングキャットをソースにNATOとウクライナの分断が進んでいるという内容のBBCニュースは、誤り。べリングキャットもBBC Verifyの記者も偽動画だと説明している。

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、これまでにもBBCニュースを装ったウクライナを貶める内容の映像を検証している。

「(動画)ウクライナがハマスに武器を渡したとBBCが報道」は誤り【ファクトチェック】
「BBCが『アメリカやNATOがウクライナに渡した武器がハマスに渡り、イスラエルに対して使われている』と報じた」とする動画が拡散しましたが、誤りです。BBCのロゴを悪用した偽動画です。 検証対象 2023年10月10日、西側諸国がウクライナへ渡した武器が、ハマスに渡って、イスラエルに対する攻撃に使われているという内容の投稿が拡散した。添付された動画にはBBCのロゴが使われており、一見BBCのニュースのように見える。 動画は通信アプリ「テレグラム」からX(Twitter)など他のプラットフォームにも広がった。長さ1分15秒の動画は、戦闘の様子や2023年9月に解任されたウクライナの オレクシー・レズニコフ前国防相のインタビュー映像などで構成され、次のような英語字幕がついている。 (以下、字幕の内容) べリングキャットのジャーナリストは、ウクライナの夏の反転攻勢の失敗とハマスのイスラエルの攻撃は関連していると結論づけた。 秘密のデータを分析すると、ハマスの武装勢力が使用する武器の大半をウクライナが提供していたことがわかった。パレスチナ人は、ウクライナ国防省

あとがき

2024年6月6日から始まる欧州議会選挙に向けて、ヨーロッパ各国ではロシアによる情報操作など、偽情報の拡散に警戒感を強めています。

また、EUは5月8日、偽情報と外国による影響工作へ警戒を呼びかけるニュースを出し、その対策のための啓発ビデオを公開しています。30秒間の映像では「ネット上の情報を吟味して」「複数の情報源をチェックして信頼性の高いものを信用して」などと呼びかけています。

JFCでは、情報への向き合い方やリテラシーについて解説、講座を掲載しています。参考にしてください。

JFC YouTube講座のご案内
日本ファクトチェックセンター(JFC)はファクトチェックの理論と実践を動画で学ぶYouTube講座を開始します。国際大学グローバルコミュニケーションセンター(GLOCOM)と協力して実施した調査をもとに偽情報対策として有効なリテラシーや技術などを具体的に解説します。 本講座の開講は2024年7月から。まずはこちらのプレビュー動画をどうぞ。 第0章【なぜ騙される?】フェイクニュース時代を生き抜く知識と技術を学ぶ 講座へのお問い合わせ YouTube動画の視聴は申し込みが要らず、無料です。8月に開講予定の教育者向けの講師養成講座へのお問い合わせやセミナーなどへの講師派遣などのご希望はこちらからお寄せください。 お問い合わせ ContactJFCはファクトチェックやメディアリテラシー普及に取り組む非営利組織です。日本ファクトチェックセンター (JFC)古田大輔(Daisuke Furuta)

検証:宮本聖二
編集:藤森かもめ


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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「マイナポータルに不審なアクセス」という偽メールに注意 警視庁「『オンライン確認画面へ』という部分は押さないで」

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警視庁を名乗り、「マイナポータル関連アカウントに第三者による不審なアクセスが記録された」と嘘の説明をして、リンクへ誘導する偽メールが出回っています。警視庁は公式Xで、メール内のリンクを押さないようにと注意を呼びかけています。 SNSで「不審なメールが届いた」との報告が相次ぐ 2026年7月ごろから「警視庁サイバーセキュリティ対策本部」を名乗るメールが届いたという投稿がX(旧Twitter)上で複数確認できる(例1、例2、例3)。 偽メールの件名は「【警視庁】マイナポータル:不審なアクセスの確認」。本文には「警視庁サイバーセキュリティ対策本部」「通知番号:MN-2026-●●●」「マイナポータル関連アカウントに、第三者による不審なアクセスが記録されました」「お客様のメールアドレスと一致しています」と記している。 そのうえで「2026年8月2日(日)23:59までに、ご本人操作かどうかご確認ください」などと「オンライン確認画面へ」というリンクをクリックするよう誘導している。 本文には、警視庁の住所(東京都千代田区霞が関2-1-1)も書かれている。 しかし、

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地震のたびに拡散する偽・誤情報の類型/JFC記事・動画や関連記事【今週のファクトチェック】

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熊本地震に関わる偽・誤情報の拡散は地震発生直後から救助、復旧などの段階に分けて、変化しています。日本ファクトチェックセンターが能登半島地震の際に出した記事(JFC「災害時に広がる偽情報5つの類型」)も参考にしてみてください。近年はこれらに加えてAI生成によるディープフェイクも目立ちます。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 今週のお知らせ JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は8月23日(日)午後4時~5時30分で、お申し込みはこちら。 日本ファクトチェックセンター(JFC) ファクトチェック講師養成講座 8月23日(日)開催分日本フ

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「熱中症の頭痛にはロキソニンよりカロナール」? どちらも推奨していない【ファクトチェック】

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熱中症を疑う頭痛があった時には、発熱や痛みを抑える薬「ロキソニン」ではなく、「カロナール」を飲んだ方がましだと主張する投稿が拡散しましたが、誤りです。日本救急医学会の医師は「熱中症ではロキソニン、カロナールのいずれの解熱薬も治療として推奨されていません」「熱中症が疑われる場合には、自己判断で解熱薬を服用するのではなく、まず適切な応急処置を行うことが望まれます」と説明しています。 検証対象 拡散した言説 2026年7月、「熱中症疑いの頭痛には、ロキソニンよりカロナールの方がマシ」という趣旨の投稿がSNSで拡散した。 検証する理由 ほかにも、「軽い熱中症っぽくてカロナール飲んどいた」「熱中症の時の頭痛はロキソニン系じゃなくてカロナール系を飲んでね」などという投稿が多数見つかる。健康に害を与える恐れがあるため、検証する。 検証過程 カロナールとロキソニン 医薬品の承認や審査をする独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の一般人向けくすり情報サイト「PMDAおくすりサーチ」で検索すると、カロナールの効果は以下の通りだ。 ・解熱鎮痛剤と呼ばれ

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2026年7月28日に発生した熊本地震について、義援金詐欺の事例が出ています。日本赤十字社は同社を騙って義援金を募る「なりすましメール」の報告が寄せられていると注意喚起し、「メールのURLをクリックしないなど、ご注意ください」と呼びかけています。 日本赤十字社「なりすましメール」に注意喚起 7月30日、日本赤十字社は公式のウェブサイトとXアカウントで、同社を騙って熊本地震義援金募集を呼びかける「なりすましメール」が複数の人に送られていると注意を呼びかけた。 ウェブサイトの7月30日付の「【ご注意ください】日本赤十字社をかたった「熊本地震義援金募集メール」について」という記事は、日本赤十字社のロゴや活動写真画像を使った「なりすましメール」が送信されている。また、同社で把握している「なりすましメール」は、@icloud.comのメールアドレス宛に送信されているようだ、と書いている。 同社のX投稿は、なりすましメールに「熊本地震義援金募集」と書かれているとも伝えている(日本赤十字社 X投稿 7月30日)。 日本赤十字社は「当社からこのようなメールを送信すること

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JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

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理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

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日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や騙されない人の行動

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