日本は我々のものだと主張するデモの動画? パレスチナの平和を求めるデモ【ファクトチェック】

パレスチナ国旗を掲げて人が路上に寝転がる動画が「日本は我々のものだと主張する人々」かのように拡散しましたが、誤りです。動画はパレスチナの平和を求めるデモで「日本は我々のものだ」とは主張していません。
検証対象
2025年5月6日、「これから日本のあちこちで増えるぞー『日本は我々のものだ!』って主張してくる外国人がどんどん入ってきてるよね」という動画付き投稿が拡散した。

動画にはパレスチナの国旗と共に大勢が路上で横になる様子が写っている。
2025年5月9日現在、この投稿は4300件以上リポストされ、表示回数は180万回を超える。投稿について「やばすぎ」「恐ろしい」というコメントの一方で「そういう意図で国旗掲げてるわけじゃない」という指摘もある。
検証過程
動画の撮影場所は銀座
動画にはティファニーや100円ショップSeria、PLAZAの看板などが写っている。
GoogleマップでSeriaとPLAZAが入っている商業施設で、向かいにティファニーがある場所を検索すると、銀座の商業施設「Exit Melsa」が見つかる。動画は銀座で撮影されたものだ。
動画に「STOP THE GAZA GENOCIDE」
動画の2秒時点に写っているプラカードにはパレスチナの国旗と共に「FREE」と書かれている。また、4秒時点に左下の男性が抱えているプラカードには「STOP THE GAZA GENOCIDE(ガザの虐殺を止めて)」と書かれている。
これらから動画に映っている人々は、パレスチナの自由やガザでの虐殺停止を求めていることがわかる。
銀座で開かれた「ダイイン活動」
Xで「銀座 パレスチナ」と検索すると、5月4日に「銀座ホコ天をパレスチナでか旗で埋め尽くすぞwalking action」という活動の投稿が複数ヒットする(例1、例2、例3)。
活動が実施された銀座のこの地区は祝日は歩行者天国となって自動車の通行が規制される。
中東メディア「Al Jazeera」も、Xで「日本の親パレスチナ活動家グループが、イスラエルのガザ戦争に反対して東京の銀座でダイイン活動をした」と取り上げている(Al Jazeera)。
ダイイン活動とは、抗議者が死者に扮し寝転がる抗議活動の1つだ。拡散した動画に写っている人物たちは、銀座の歩行者天国でイスラエルのガザ戦争に反対しダイイン活動をしている。日本は我々のものだと主張したデモではない。
判定
動画は5月4日に銀座で撮影されたもので、活動の内容は「ガザの虐殺をやめて」と訴えるものだ。よって誤りと判定する。
検証:木山竣策
編集:古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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