ドローンで撮影された静岡県の災害画像? AIディープフェイクの見分け方【ファクトチェック】

ドローンで撮影された静岡県の災害画像? AIディープフェイクの見分け方【ファクトチェック】

台風15号による記録的な大雨に見舞われた静岡県をドローンで撮影したとする画像がTwitter上で拡散しています。しかし、これはAIで作られた画像で、後から投稿者も偽画像だと認めています。AI作成の画像を見抜くポイントの解説とともに検証します。

検証対象

2022年9月26日、Twitterアカウント「くろん」(@kuron_nano)が静岡県の台風15号による被害について、多くの建物が水没している3枚の画像と共に、「ドローンで撮影された静岡県の水害。マジで悲惨すぎる…」と投稿した。

引用リツイートには「こんなに酷いんだ」「これスルーて、国葬の為にしてるとしか思えないじゃん!」などと本物の写真だと受け止めるコメントがついたが、同日夕方、投稿者自身が「AIで作った偽の画像だ」と認めた。

その後は「偽情報流すな」「ふつーに騙されてしまった!」「ぱっと見わからん」などのコメントもついた。BuzzFeedJapanのファクトチェック記事も「虚偽画像が拡散」と報じている。

検証過程

画像を検索してみる

Googleレンズで1枚目を検索すると、洪水の写真は出てくるが、今回の静岡の水害のものではなかった。検証ツールInVID ( https://www.invid-project.eu )で他の画像検索ツールを活用しても、静岡県内で街が同じような状況で水没している画像は無かった。

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画像の細部をチェックしてみる

Twitter上では投稿された画像について「水面に映る形が違う」「この線は何?」などと指摘する投稿もあった。

JFCでも画像の細部を拡大してチェックすると、不自然な描写が目立った。

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Twitter上では「車・電柱などが見当たらない」などという指摘があった。確かに、これだけ広範に撮影された写真で車や電柱などが写り込んでいないのは不自然だ。

静岡県の見解

静岡県危機情報課はJFCの電話取材に「集落や街の大半が水没するほどの浸水被害はなかった。浸水被害のあった場所も、現在はすでに水が引いている」と答えた。偽画像がSNSで拡散している事に関しては「県民の皆様には冷静に対応していただければと思います」とコメントした。

判定

これらの情報を総合し、検証対象のツイートの画像はAIで作成された偽画像で、静岡の災害画像であるというのは誤り。

あとがき

AI画像生成サイトを使ってみた

Twitterアカウントが使用を認めたAI画像生成サイト「Stable Diffusion」に、JFCが同じように「flood damage, Shizuoka」と入力してみたところ、以下のような画像をつくることができました。※偽画像です。

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細部を拡大してみると、水面の線がゆがんでいたり、電線が途中で途切れたりしているのが確認できます。画像検索ツールを使えば、同じような風景がまったく見当たらないことにも気づきます。

騙されないためには、出所不明の災害画像をすぐに信じない慎重さが必要です。自分で検証する時間はなくても、シェアして拡散することを思いとどまることはできます。

謝罪文の末尾の「ざまあwww」

最初の偽画像を投稿した約12時間後、このTwitterアカウントは「誠に申し訳ございませんでした」と謝罪する文面画像を投稿しました。「偽情報を発信してしまい、申し訳ありませんでした。また、実際に被害を受けて苦しんでいる静岡の方々にも申し訳ないことをしました。謝罪いたします」と書いています。

しかし、画像をクリックすると下の方には「騙されて拡散した人、『明らかにおかしい』と言って騙されていないフリをしている人、ばーか!wwざまあwwwwwwwwwww」という文面がついており、謝罪になっていません。

検証:金子祥子
編集:藤森かもめ、古田大輔


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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