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「信長の南蛮鎧」とエチオピアの鎧を比較する研究論文がある? 論文の「著者」とされた人は執筆を否定【ファクトチェック】

歴史

「信長の南蛮鎧」とエチオピアの鎧を比較する研究論文がある? 論文の「著者」とされた人は執筆を否定【ファクトチェック】

織田信長が所有した南蛮胴とエチオピアの鎧を比較した学術論文が存在するという言説が拡散しましたが、誤りです。「CiNii Research」や「researchmap」などのデータベースに存在せず、論文の「著者」に名前の挙がった研究者は、当該論文の執筆を否定しています。生成AIが提示した架空の論文である可能性があります。 検証対象 検証対象は「『弥助 YASUKE』に関する資料調査報告」と題するブログ記事。記事では「信長の南蛮鎧」という項目で「『信長の南蛮鎧とエチオピア様式』(山田雄司著, 『歴史学研究』第86巻第1号, 2017年)」という研究論文を紹介している。 この記事の記述をめぐって2024年8月5日、「引用されてる『信長の南蛮鎧とエチオピア様式』(山田雄司著, 『歴史学研究』第86巻第1号, 2017年)なんて論文存在しないしな…。」と指摘する投稿があった。この投稿は8月13日までに、8万回以上の表示回数を獲得している。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、「『信長の南蛮鎧とエチオピア様式』(山田雄司著, 『歴史学研究』第8

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岸田首相が海外に脱出? 海外訪問の予定を地震後キャンセル【ファクトチェック】

政治

岸田首相が海外に脱出? 海外訪問の予定を地震後キャンセル【ファクトチェック】

2024年8月8日に日向灘で発生した最大震度6弱の地震後、「岸田文雄首相が海外脱出」という言説が拡散しましたが誤りです。岸田首相は9-12日の日程で外遊する予定でしたが、地震を受けて出国を取りやめました。 検証対象 2024年8月8日、日向灘での地震発生後、「【緊急速報】岸田首相が海外へ脱出」という言説が拡散した。 この投稿は2024年8月13日時点で4800件以上リポストされ、表示回数は530万件を超える。投稿について「身の危機を感じての避難か?」「迅速な対応」というコメントが付く一方で、「タイトルが煽ってる」という指摘もある。 検証過程 投稿はまとめサイト「ツイッター速報」による投稿だ。リンク先を確認すると、毎日新聞の「自民総裁選控える岸田首相 なぜ今、ユーラシア大陸の真ん中へ(8月8日午後2時12分)」という記事の引用で、タイトルを「引用元: ・【緊急速報】岸田首相、海外へ脱出 」に変更している。 日向灘で地震が発生したのは8月8日16時43分ごろだが、毎日新聞の記事が公開されたのは、その約2時間半前の8月8日14時12分だ。 記事によると、

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2024年8月14日に南海トラフ地震が発生? 6年前の根拠不明の投稿が拡散【ファクトチェック】

災害

2024年8月14日に南海トラフ地震が発生? 6年前の根拠不明の投稿が拡散【ファクトチェック】

2024年8月8日に宮崎県で最大震度6弱の地震が発生し、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されました。関連して「2024年8月14日に南海トラフはおこります」と具体的な日時を明記した投稿が拡散しましたが、根拠不明です。6年前の投稿が再拡散しました。気象庁は「日時と場所を特定した地震を予知する情報はデマと考えられます」と説明しています。 検証対象 2024年8月8日に発生した日向灘を震源とする地震を受けて「このタイミングで地震くると、6年前のこのツイート思い出す 南海トラフ、8月14日にくるのかな」という投稿がX(旧Twitter)で拡散した。 投稿は8月13日時点で2.4万件以上のリポストと3000万件以上のインプレッションを獲得している。 「なんの根拠もないけど、 こういうのって状況が揃うと本当に怖い」「8月14日に備えて水を備蓄してます🏋️念のためにしておくことはご時世的にも必要かなって思うので!」などのコメントの一方、「不安心理を煽るのは辞めましょう」「こんなデタラメなツイートしてる人の情報より 気象庁公式見て」などの指摘もある。

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地震をめぐる偽・誤情報/パリ五輪女子ボクシング/英国暴動など【今週のファクトチェック】

その他

地震をめぐる偽・誤情報/パリ五輪女子ボクシング/英国暴動など【今週のファクトチェック】

8月8日に日向灘を震源とする最大震度6弱を観測する地震が発生。地震直後から、人工地震によるものだ、前日に地震雲が発生したという言説から関係のない被害の画像などが拡散しました。パリオリンピックでは、優勝した女子ボクシング選手をめぐる誤った情報をもとにさまざまな言説が出ました。英国では女児3人が刺殺される事件で拡散した偽情報が、暴動を煽ることにつながりました。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 JFCのファクトチェック記事 英国のイスラム系住民が路上で武器? 女児3人刺殺事件で拡散 英国で女児3人が刺殺される事件が発生し、犯人は移民だと憎悪を煽る偽誤情報が大量に拡散しました。日本でも「英国に住むイスラム系住民が路上で武器を見せる」という文言とともにナイフを持った群衆の動画が拡散し、イスラム系の暴力性を指摘する投稿が相次ぎましたが、ミスリードで不正確です。これは結婚祝いで装飾用のナイフ

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日向灘を震源とする地震被害の様子?同じ画像が地震8日前にも拡散【ファクトチェック】

災害

日向灘を震源とする地震被害の様子?同じ画像が地震8日前にも拡散【ファクトチェック】

2024年8月8日に発生した日向灘を震源とする地震に関連して、地震被害を写したとみられる画像が拡散しましたが、誤りです。拡散した画像は、地震発生の8日前にも投稿されていました。 検証対象 2024年8月8日午後4時42分ごろ、日向灘を震源とする地震があり、宮崎県日南市では最大震度6弱を観測した。 この地震に関連して、「とにかく今は被害が心配されます」などのコメントと共に、両脇のビルが大きく崩れ、道路をふさいだ画像が拡散した。この投稿は翌9日にアカウントごと削除されたが、別の投稿でスクリーンショットを確認することができる。 検証過程 日本ファクトチェックセンター(JFC)が拡散した画像をGoogleで画像検索したところ、完全一致する画像があった。拡散した画像の投稿者が、今回の地震発生の8日前にも投稿していたものだ。 この画像については、NHKが「生成AIで作られたとみられる被害状況の偽画像」と報じている。 街並みや、瓦礫の材質や量と周辺の建物の壊れ方を比べると不自然さがある。 判定 2024年8月8日の日向灘を震源とする地震を受けて拡散した画像

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日向灘を震源とする地震前日に地震雲? 雲は地震とは関係のない気象現象【ファクトチェック】

災害

日向灘を震源とする地震前日に地震雲? 雲は地震とは関係のない気象現象【ファクトチェック】

2024年8月8日に発生した日向灘を震源とする地震に関連し、地震発生前日に投稿された「これは地震雲かもね」という投稿が拡散しましたが誤りです。雲と地震は関係ありません。 検証対象 2024年8月8日、日向灘を震源とする地震の発生を受け、「大分県付近の人、暫く地震に気をつけよう これは地震雲かもね」という8月7日に投稿された画像つき投稿が拡散した。画像には数本の細い雲が写っている。 この投稿は2024年8月8日時点で表示回数2500万件を超える。「地震雲だ」「予言」というコメントが付き拡散する一方で、「飛行機雲」という指摘もある。 検証過程 気象研究所主任研究官の荒木氏「飛行機雲です」 気象庁気象研究所主任研究官の荒木健太郎氏は、拡散した投稿を「飛行機雲です」と引用リポストで指摘している。 荒木氏は、気象庁気象研究室の「台風・災害気象研究部」というウェブサイトでも地震雲について「雲は地震の前兆にはなりません」「世間一般で地震雲として騒がれている雲は、実は日常的によくある雲で、全て気象学で説明できる雲です」と解説している。 気象庁「全く別の現象」

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気象庁が人工地震の存在を暴露?  北朝鮮の核実験時の動画が再拡散【ファクトチェック】

災害

気象庁が人工地震の存在を暴露? 北朝鮮の核実験時の動画が再拡散【ファクトチェック】

2024年8月8日に宮崎県で最大震度6弱の地震が発生し、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が初めて発表されました。これに関して「気象庁が人工地震の存在を暴露」との言説が拡散しましたが、誤りです。添付された動画は、気象庁が2016年1月、北朝鮮の核実験に伴う地震について会見した動画で、今回の地震とは関係ありません。 検証対象 2024年8月8日午後4時43分、宮崎県沖を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、最大震度6弱を観測した(気象庁)。この地震で気象庁は2017年の運用開始以来初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。 地震発生後、X(旧Twitter)で「気象庁が人工地震の存在を暴露」という言説が多数投稿され、拡散した(例1、例2、例3、例4)。「気象庁発表より また人工地震でしたね?」と今回の地震と関連づけるコメントもある。 検証過程 記者会見は2016年1月6日のもの 日本ファクトチェックセンター(JFC)が、拡散した動画の元動画を検索すると、共同通信公式YouTubeが2016年1月6日に配信した動画「『

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「日本人は川口市から出ていけ」と掲げる外国人の画像? 細部に生成AIや合成などの特徴【ファクトチェック】

音声・映像

「日本人は川口市から出ていけ」と掲げる外国人の画像? 細部に生成AIや合成などの特徴【ファクトチェック】

「日本人は川口市から出ていけ」と書いた看板を掲げる外国人の画像が拡散しましたが、誤りです。画像には生成AIを用いた特徴があり、実際には無い合成された画像です。 検証対象 2024年8月7日、「なにこれ お前らが出ていけや」というコメント付きの画像が拡散した。画像では、外国人風の男性が「日本人は川口市から出ていけ」とプラカードを掲げ、背景には「おかしのまちおか 川口店」「松屋」などの看板が見える。 投稿は2024年8月8日時点で600件超リポストされ、表示回数は6万件を超える。投稿について「遂にこの事態」「全員捕まえてください」というコメントがある一方で、「手の込んだ合成画像」という指摘もある。 検証過程 指にAI生成画像の特徴 画像を確認すると、中央に写る男性の右手が小指から人差し指までで5本あるように見える。「日本人は川口市から出ていけ!」と書かれたボードを持った人の指も小指が非常に長い。 指などの細部の描写が苦手なのは生成AIによる画像の特徴だ。 看板の画像は「貼り付け」 次に看板を見てみる。生成AIで画像を作ると、看板の文字の描写が崩

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中国の三峡ダムが決壊? 水量調整の放流【ファクトチェック】

国際

中国の三峡ダムが決壊? 水量調整の放流【ファクトチェック】

中国の三峡ダムが決壊したという言説が拡散しましたが誤りです。拡散した動画は大雨による水量調整の放流で、決壊を示す情報はありません。 検証対象 2024年7月18日、「中国の三峡の11ヶ所のダムが全部決壊したようです、1975年以来の大洪水が発生してる」という言説が拡散した。 投稿は2024年8月2日時点で2500件以上リポストされ、表示回数は420万回を超える。投稿について「やはりそうなりましたか」「かなり被害が出そう」というコメントの一方で「決壊の報告はありません」という指摘もある。 「三峡ダムが決壊」という情報はSNSで複数拡散され、動画つきの言説も拡散している。動画にはダムから水が勢いよく放出される様子や、水につかった車や濁流が街を流れる様子が映っている。 日本語の字幕には「容赦ない豪雨により、複数の州で広範囲にわたる洪水が発生」「7月12日現在、34の河川が警戒水域を超えた」と書かれている。 検証過程 三峡ダムとは 中国の三峡ダムは世界三大河川の一つ長江上流にある。洪水対策を主な目的として建設された。総貯水容量は393億立法m(黒部ダム

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パリオリンピックをめぐる誤情報/JFCファクトチェッカー認定試験開始【今週のファクトチェック】

その他

パリオリンピックをめぐる誤情報/JFCファクトチェッカー認定試験開始【今週のファクトチェック】

JFCは、7月29日からファクトチェッカー認定試験を開始しました。パリオリンピックが開幕し、数多くの偽・誤情報が拡散しています。イギリスでは殺人事件をめぐって、SNSで流れる偽・誤情報が混乱を煽っています。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 JFCファクトチェック講座とファクトチェッカー認定試験 理論から実践まで学べるJFCファクチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介 日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論から実践まで学べるJFCファクチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開

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パリ五輪のトライアスロンはスイムなしで開催?匿名掲示板のスレッド名が拡散【ファクトチェック】

国際

パリ五輪のトライアスロンはスイムなしで開催?匿名掲示板のスレッド名が拡散【ファクトチェック】

2024年パリオリンピックで競技会場となっているセーヌ川の水質悪化問題に関連して、「パリオリンピックのトライアスロンが水泳無しで開催することを決定」との言説が拡散しましたが、誤りです。トライアスロン競技は男女ともに7月31日(現地時間)に開催され、選手たちは予定通りセーヌ川で泳ぎました。 検証対象 2024年7月31日、「【速報】パリオリンピックのトライアスロン、水泳無しで開催することを決定」との投稿がX(旧Twitter)で拡散した。2024年8月1日現在、69万回以上の閲覧回数と2100件以上のリポストを獲得している。 言説を投稿したアカウントは「ツイッター速報~BreakingNews」で、「水泳無し!?それトライアスロンじゃないじゃん」「あまりにもお粗末すぎる。サーフィンみたいに別のところでやればよかったのに!」などのコメントがある一方で、「スイム、スタートしましたよ?」と指摘する声もある。 検証過程 懸念されていた水質の悪化 セーヌ川は長年水質の悪化が懸念されていたが、浄水対策が進められ、トライアスロンと水泳の「オープンウォータースイミン

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JFCファクトチェッカー認定試験  教材と申し込みはこちら

その他

JFCファクトチェッカー認定試験  教材と申し込みはこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

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JFCファクトチェック講座/日本の農地取得、外国人が3分の2?/習主席が脳卒中?【今週のファクトチェック】

その他

JFCファクトチェック講座/日本の農地取得、外国人が3分の2?/習主席が脳卒中?【今週のファクトチェック】

JFCファクトチェック講座は、理論編10本、実践編10本全て公開しました。29日からファクトチェッカー認定試験も開始します。バイデン大統領が出馬を断念し、後継候補に指名される見通しが強まったハリス副大統領に関する偽・誤情報が拡散しています。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 JFCファクトチェック講座 7月8日にスタートしたJFCファクトチェック講座は理論編10本、実践編10本を27日までに公開しました。これらの内容に基づくJFCファクトチェッカー認定試験を29日に開始します。オープンバッジで資格を認証する他、ファクトチェッカーを招いてのイベントなどを予定しています。 また、学校や各種セミナーでファクトチェックやメディアリテラシーなどを教える講師の方々向けに、講師養成講座も始めます。こちらは受講者にJFCが作成した教材や教育プログラムを提供します。 偽動画をファクトチェック I

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最新の複数世論調査でトランプ前大統領がハリス副大統領を大幅リード? 拡散したのは予想サイトの数字【ファクトチェック】

国際

最新の複数世論調査でトランプ前大統領がハリス副大統領を大幅リード? 拡散したのは予想サイトの数字【ファクトチェック】

「最新の複数世論調査でトランプ大統領がカマラ・ハリスを大幅リード」という言説が拡散しましたが誤りです。言説に表示された数字は世論調査の数字ではありません。2024年7月26日現在、最新の世論調査では、両氏の支持率は拮抗しています。 検証対象 2024年7月23日、「最新の複数世論調査でトランプ大統領がカマラ・ハリスを大幅リード/NHKは『僅差』と報道」という言説が拡散した。言説にはまとめサイト「トータルニュースワールド」のリンクが添付されている。 2024年7月26日現在、投稿は1700件以上リポストされ、表示回数は31万件を超える。投稿について「当たり前」「妥当」というコメントがある。 検証過程 数字は予測市場プラットフォームの数字 拡散した言説にはまとめサイト「トータルニュース」のリンクが添付され、「64% Trump」「36% Kamala」と書かれたサムネイルが表示されている。リンク先を確認すると、根拠として「PolyMarket」の数字を集計した一般ユーザーのX投稿を複数取り上げている。 Polymarket(ポリマーケット)は、仮想通

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習近平国家主席が脳卒中で倒れた? 椅子から転げ落ちたという画像が拡散【ファクトチェック】

国際

習近平国家主席が脳卒中で倒れた? 椅子から転げ落ちたという画像が拡散【ファクトチェック】

中国の習近平国家主席が「中国共産党の会議で椅子から転げ落ちた。脳卒中だ」などという言説が画像とともに拡散しましたが、根拠不明です。拡散した画像は2024年3月の全国人民代表大会のもので、その後も公務の様子がたびたび報じられています。2024年7月25日時点で習主席が重篤な状態だという信頼性のある情報はありません。 検証対象 2024年7月18日、「中国共産党の全体会議の写真に、習近平が突然、痛みに震えて椅子から転げ落ちる様子が写っている。 おそらく脳卒中だったのだろう」「衰弱の発作だったのかもしれない」という投稿が拡散した。 添付された画像にはドイツ語で、「習近平は脳卒中を患ったのか?」という題名の後に、「中国共産党本会議の写真には、習近平氏が突然痛みでけいれんし、椅子から転げ落ちる様子が映っている。おそらく脳卒中を起こしたのだろう」などと書かれている。3枚の画像には顔をしかめる習主席や、習主席の机を確認する女性が写っている。 2024年7月25日時点で1800件以上リポストされ、表示回数は117万回を超える。投稿について「どくさつ」「おそらく脳卒中」など

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JFCファクトチェック講座・実践編/トランプ前大統領銃撃事件をめぐる陰謀論【今週のファクトチェック】

その他

JFCファクトチェック講座・実践編/トランプ前大統領銃撃事件をめぐる陰謀論【今週のファクトチェック】

YouTubeで視聴できるJFCファクトチェック講座は、理論編に続いて実践編がスタートしました。アメリカのトランプ前大統領の銃撃事件は、直後から偽情報と陰謀論が拡散しています。 ✉️日本ファクトチェックセンター(JFC)がこの1週間に出した記事を中心に、その他のメディアも含めて、ファクトチェックや偽情報関連の情報をまとめました。同じ内容をニュースレターでも配信しています。登録はこちら。 JFCファクトチェック講座 7月8日にスタートしたJFCファクトチェック講座は理論編10本を公開しました。偽・誤情報の拡散の実態、背景にある人間のバイアス、それを強化するデジタルプラットフォームのアルゴリズムなどを解説してきました。 7月18日からは実践編。検証の具体的な技術や不可欠のツールの使い方などを紹介しています。 動画は毎日午後5時にアップし、翌日に概要をまとめた記事を配信します。最終回を公開後、これまでの内容に基づくファクトチェッカー認定試験を開始します。オープンバッジで資格を認証する他、ファクトチェッカーを紹介するイベントなどを予定しています。 また、学校や

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