総合的な対策でネットをより安全に「セーファーインターネットデー」

総合的な対策でネットをより安全に「セーファーインターネットデー」

2月11日は「セーファーインターネットデー(Safer Internet Day:SID)」。「より良いインターネットを共に」をスローガンに世界中でインターネットの安全に関する活動を一斉に実施し、安全なネット利用の普及・啓発に繋げる日です。

日本ファクトチェックセンター(JFC)が取り組むファクトチェックやメディアリテラシーの普及も、ネットをより安全に利用するための施策とも言えます。これまでの活動やこれからの計画を紹介します。

JFCの取り組み 検証と教育の2本柱

ファクトチェック記事の一覧

JFCでは2022年10月の設立からこれまでに600を超えるファクトチェックや解説記事などを公開してきました。こちらからご覧ください。

ファクトチェック - 日本ファクトチェックセンター (JFC)
ファクトチェックとは事実の検証です。JFCでは、検証対象・検証過程・判定を明示、読者も独自に確認できるように情報源を明らかにし、根拠へのリンクを貼っています(詳細は「ファクトチェック」の「ファクトチェックとは」「JFCファクトチェック指針」)。

YouTubeで学ぶ「ファクトチェック講座」

JFCは、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しています。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

講座で学んだ人向けの「ファクトチェッカー認定試験」

合格者には、そのスキルや知識に関するデジタル証明書「オープンバッジ」でファクトチェッカーの認定証を送ります。ファクトチェッカーを招待するイベントや特別セミナーなども企画します。

JFCファクトチェッカー認定試験 教材と申し込みはこちら
日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

教育者向けには「講師養成講座」

JFCは、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら
日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は2月15日(土)午後2時~3時半で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei20250215.peatix.com/view 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的に

研究や開発への協力、イベントも開催

JFCではファクトチェックの実践やメディアリテラシー教育の普及だけではなく、調和のとれた情報空間を作っていくための「情報インテグリティ調査」にも取り組んでいきます。これは、2024年に国際大学グローバル・コミュニケーション・センターと実施した2万人調査の成果を引き継いでいくものとなります。

AIを活用した偽情報対策ツールの開発や実装にも取り組んでいる他、昨年11〜12月には台湾、タイ、インドネシアのファクトチェック団体とともに「ユースファクトチェック選手権」を国際的に開催しました。今年も規模を拡大して実施予定です。新しい取り組みやイベントについては無料のニュースレターでお知らせしますので、この記事の下部よりご登録ください。

セーファーインターネットデーの国内イベント

JFCの運営母体であるセーファーインターネット協会(SIA)は2月12日、オンラインイベント「Safer Internet Day2025 JAPANフォーラム」を開催します。

国内で安心安全なインターネット利用を目指し、さまざまな取り組みを実施する企業、団体から担当者が登壇します。お申し込みはこちら。

Safer Internet Day 2025 | セーファーインターネット協会 Safer Internet Association(SIA)
一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)は、違法・有害情報の流通を防止するために、民間企業らによって設立された団体です。統計に基づいた施策の立案・実施、効果測定など、民間組織ならではのノウハウを活かし、とかく場当たり的・扇情的対策になりがちな分野において、効果的な対策を行ってまいります。

判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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伊東市長選挙は不正選挙だった? 画像は市議選、選挙不正の根拠なし【ファクトチェック】

伊東市長選挙は不正選挙だった? 画像は市議選、選挙不正の根拠なし【ファクトチェック】

2025年12月14日投開票の伊東市長選挙をめぐり、開票作業で不正があったと示唆する画像付きの投稿が拡散していますが、誤りです。根拠とされた画像はそもそも市長選ではなく市議選のもの。伊東市選挙委員会は開票作業について「不正はなかったと認識している」と話しています。 検証対象 検証する投稿 12月15日、「伊東市長選挙は不正選挙が行われていた?」という画像付き投稿が拡散した。画像には、票が積み上げられた画像と共に「TVで放送された卓上に積み上がっている票束の高さと選挙管理委員会から発表の票数差に不安を抱きました」と書かれている。 検証する理由 この投稿は戸田市議会議員の河合ゆうすけ氏によるもので、12月18日現在、290件以上リポストされ、表示回数は23万回を超える。 「あると思います」「不正しちゃってるね…」と同調するコメントがつく一方で「意に沿わない結果は何でも不正なのか」という指摘もある。 検証過程 伊東市長選と拡散した画像 伊東市長選挙は、学歴詐称疑惑で2度の不信任決議を受けた田久保真紀前市長の失職に伴い14日に投開票され、田久保氏

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)
ユースファクトチェック選手権優勝の大学生チームが語る検証能力を鍛える鍵 「普段の生活でも使える能力ばかり」

ユースファクトチェック選手権優勝の大学生チームが語る検証能力を鍛える鍵 「普段の生活でも使える能力ばかり」

高校生や大学生ら若者世代を対象に情報検証スキルを競う「ユースファクトチェック選手権」。日本、台湾、タイ、インド、モンゴルの各国内大会を勝ち上がった計25チームによる世界大会が12月13日に開かれ、日本から参加したチームが優勝しました。 選手権はGoogleが運営していた前身の大会を引き継ぐ形で、アジアのファクトチェック団体が協力して昨年から開催。日本では日本ファクトチェックセンター(JFC)とメディア情報リテラシー教育に取り組む学生スタートアップ「Classroom Adventure」が共催しています。 75チーム194人が参加した国内大会を首位で勝ち抜き、世界大会では昨年上位を独占した台湾のチームを抑えて優勝したチーム「YAYO-SAN」の2人、札幌大谷大1年の渡辺魁哩さん(20)と北海道大2年の千葉蛍太さん(20)に検証スキルを鍛える秘訣と大会の感想を聞きました。 昨年大会の経験活かし、生成AIで「自主練」 昨年の大会に「軽いノリで参加した」という渡辺さんが、今度は本気でやってみようと誘ったのが、高校の同級生の千葉さんでした。 教育学を専攻する千葉

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
御堂筋線の看板から韓国語と中国語がなくなった? 繰り返し拡散する誤情報【ファクトチェック】

御堂筋線の看板から韓国語と中国語がなくなった? 繰り返し拡散する誤情報【ファクトチェック】

大阪の地下鉄御堂筋線の看板から韓国語と中国語がなくなったという情報が拡散しましたが誤りです。画像は梅田駅の看板ですが、もともと日本語と英語表記のみでした。繰り返し拡散する誤った情報です。 検証対象 拡散した投稿 2025年12月10日、「大阪梅田の御堂筋線 韓国語と簡体語(中国語)が無くなりスッキリ見やすくなりましたか?」という画像付き投稿が拡散した。 画像には「梅田・新大阪・江坂・箕面萱野方面」と日本語と英語で書かれた看板が写っている。 検証する理由 12月15日現在、この投稿は2400件以上リポストされ、表示回数は51万回を超える。投稿について「やったね大阪メトロ」「公明党の国交大臣いなくなったため」というコメントの一方で「これまでも2か国語表記だったことに注意が必要です」というコミュニティノートがついている。 検証過程 画像は御堂筋線のなんば駅上りホーム 拡散した投稿には「大阪うめだの御堂筋線」と書かれているが、画像は御堂筋線のなんば駅だ。看板の後ろにローソンと電車が写っており、御堂筋線のローソンを検索すると、大阪メトロ内のローソン

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)
沖縄の若者の半数以上が自分を「琉球人」だと考え、日本人だと思っていない? 根拠とされる調査が存在せず【ファクトチェック】

沖縄の若者の半数以上が自分を「琉球人」だと考え、日本人だと思っていない? 根拠とされる調査が存在せず【ファクトチェック】

18~35歳の沖縄県民の半数以上が自分は「琉球人」だと考え、日本人だと思っていないと主張する投稿がXで拡散しましたが、誤りです。根拠とされた「ロイター通信とNHKが2025年7月に実施した合同世論調査」は存在しません。 検証対象 拡散した言説 2025年12月2日、「【中国国際放送局】琉球は日本の固有の領土などではない、18~35歳の半数以上が自らを『琉球人』と自認し、日本人とは考えていない」という投稿がXで拡散した。 検証する理由 12月15日現在、投稿は166回リポストされ、表示は15.1万件を超える。 投稿には「琉球人なんて沖縄県民から聞いたこともない」「沖縄に長らく住んでいたが、自らを琉球人だと言う人に会った事は一度もない。完全に作り話」などの指摘もあるが、「中国に行ってそんな説明をデニーがやってんのかな」「中国国際放送局wあ〜あんたらの中ではそうなんでしょうね」など、投稿を真に受けた反応も多い。 検証過程 投稿はまとめサイト 参照元はCGTNの記事 検証対象の投稿には、まとめサイト「エックス速報」の記事へのリンクがある。そのタイ

By 根津 綾子(Ayako Nezu)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

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日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は12月20日(土)午後2時~3時30分で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei1220.peatix.com 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような知

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験

JFCファクトチェッカー認定試験

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)