情報の検証スキル競う「ユースファクトチェック選手権」に昨年上回る194人参加 5チームが世界大会へ

情報の検証スキル競う「ユースファクトチェック選手権」に昨年上回る194人参加 5チームが世界大会へ

中高生から大学生らを対象に、情報検証スキルを競うオンラインイベント「ユースファクトチェック選手権(英語名:GenAsia Challenge )2025」の国内大会が11月29日、開催されました。

日本ファクトチェックセンター(JFC)と学生スタートアップClassroom Adventureが共催し、全国から昨年を上回る75チーム194人が参加しました。

情報検証のスキルを実践的に学ぶ国際的イベント

選手権は日本、台湾、タイ、モンゴル、インドのファクトチェック団体が共同で企画した国際的な取り組みで、2024年に続き2回目。参加者はネット上の情報を効率的かつ正確に検証する技術を学び、それを実践する課題に挑戦しました。

日本では、まず11月22日にキックオフイベントとして、Classroom Adventureが提供する謎解きゲーム「レイのブログ」を通じて情報の検証スキルを学習。JFC編集長の古田大輔がファクトチェックにとどまらないクリティカルシンキングの重要性を解説しました。

検索やジオロケーションなど駆使して解答

11月29日に国内大会を実施。参加者はキックオフイベントで学んだ技術を使って、架空の記事の間違いを見つけたり、ジオロケーションや生成AIによる画像加工の特定など、5つの問題に挑みました。

架空の記事の中にある間違いを探す問題。文章の中で怪しい部分を見つける注意力と、関連する資料をネットから素早く探し、該当部分を見つける検索力が問われる。

生成AIで改変された画像を当てる問題。4枚の画像がどこで撮影されたかを見つける「ジオロケーション」や、実際の風景と比較して間違いを特定する能力が問われる。

優勝は同率で2チーム

上位5チームに入って12月13日にオンラインで実施される世界大会への進出を決めたのは以下の5チームです。

同率1位:YAYOーSAN(北海道大学 1名、札幌大谷大学 1名)
同率1位:TDU(東京大学2名、ミネルバ大学1名)
3位:BulletClub The Judgement(琉球大学 1名、北海道大学 1名)
4位:Daterui(東北大学 2名)
5位:ユニコーンフェニックスドラゴン(42Tokyo 3名)

大会参加者たちとの記念写真

参加者「唯一無二の学びの機会」「見分ける力を養える」

参加者へのアンケートでは「楽しみながら学べた」「また参加したい」という回答が相次ぎ、「ファクトチェックスキルを学ぶのに役立ちましたか」の質問には5点満点中平均で4.1点、「また参加してみたい」は4.7点でした。

感想を引用します。

「SNSのデマ情報や、AIによるフェイク画像に気をつけろと教えられることはあっても、実際のファクトチェックのスキルを教えられることはなかったので、唯一無二の学びの機会として貴重だと感じました」

「私の学校は結構生成AIを使って授業をしていたので、画像のCGとか、そういうのを見分けるのは面白かったと感じます。父や母はAI生成や人がデジタル技術を使って作ったものを見分けるのは出来ないと言っていたので、様々な人にこういう広げ方をしておくとこれからの時代に生きやすくなるのではないかと感じました」

「学校教育では、リテラシー教育は大体文章で書かれていて、本人たちに体験させることが出来ないのがデメリットだと思っています。こういう大会で、物を見分ける力を養えるのは本当に有難い体験だと思いました。また参加したいです」

「問題がバランスよく色々な方法で(Googleマップから探す、Googleレンズで画像検索するなど)問題を解けていったのがよかった」

「検索の仕方など、知らない方法を学ぶことができて勉強になりました。レイのブログも大会の問題も面白かったです。来年も参加します🔥」


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンから。また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報を質問すると、AIが関連性の高いJFC記事をお届けします。詳しくはこちら

もっと見る

中道・斉藤鉄夫氏「人間より他にもっと大事なものがある」と発言? 恣意的な切り貼り【ファクトチェック】

中道・斉藤鉄夫氏「人間より他にもっと大事なものがある」と発言? 恣意的な切り貼り【ファクトチェック】

中道改革連合の斉藤鉄夫・共同代表が「人間の幸せ以上、人間より他にもっと大事なものがある」と発言したかのような動画が拡散しましたが、誤りです。動画はニュース番組からの恣意的な切り貼りで、実際の斉藤氏の発言の趣旨は逆です。 検証対象 拡散した言説 2026年1月21日「中革連の斉藤鉄夫がヤバいこと言ってるぞwww」などの文言付きの動画がXで拡散した。 検証する理由 1月22日現在、投稿は5800回以上リポストされ、表示は89.5万件を超える。 投稿には「切り抜きに騙されないで下さいね!」という指摘もあるが、「こりゃ創価学会を超えるオカルトですわ」「なんで?中道は人間を幸せにするんじゃないの?」など、投稿を真に受けた反応が多いため、検証する。 検証過程 拡散した動画はニュース番組を編集したもの 拡散した動画は1分4秒。中道改革連合の共同代表に1月22日に就任した野田佳彦氏と斉藤鉄夫氏がニュース番組に出演し、インタビューを受けている。 動画の内容で、検証対象に関わる部分を書き起こすと、以下の通りだ。 司会:中道イメージ、どんなものを持てばいい

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
国民民主党・小竹凱氏がタンクトップ姿で街宣する画像? AIで生成【ファクトチェック】

国民民主党・小竹凱氏がタンクトップ姿で街宣する画像? AIで生成【ファクトチェック】

国民民主党の小竹凱氏がタンクトップ姿で街頭演説する姿が拡散しましたが、画像はAI生成です。画像の右下にはGoogleのAI「Gemini」で生成されたことを示す透かしがあります。 検証対象 拡散した投稿 2026年1月20日、「寒いのに元気だな」という文言とともに、国民民主党の小竹氏がタンクトップ姿で街頭に立つ画像つき投稿が拡散した。 検証する理由 1月22日時点でこの投稿は140件以上リポストされ、表示回数は54万回を超える。投稿について「さすがにやばい」「国民民主ほんとに良識のない人間が増えたよね」というコメントの一方で「頼む!!生成AI使うときは『生成AI』とかタグつけてくれ!!」という指摘もある。 検証過程 拡散した投稿は、1月20日に投稿された小竹氏の投稿を引用している。石川県金沢市の西念交差点で街頭演説をしたという内容だ。 添付された画像の3枚目は、背景左上の旗や右側に写る車の位置などが完全に一致している。表情や手の角度なども一致する。 しかし、拡散した画像の右下には、ひし形のようなマーク(黄色丸)がある。これはGoogleのA

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)
北海道〜東北でM5.2〜6.0の地震に注意? 日時や場所を特定した予知は不可能【ファクトチェック】

北海道〜東北でM5.2〜6.0の地震に注意? 日時や場所を特定した予知は不可能【ファクトチェック】

具体的な地名や震度を挙げて「地震に注意」などと投稿するアカウントが存在しますが、科学的に信頼性のある地震予報ではありません。専門家によると、日付や場所を正確に特定する地震予知は、現代の科学では不可能です。 検証対象 検証する投稿 2026年1月7日、東北から北海道にかけて赤枠で囲った画像とともに「マグニチュード5.2〜6.0の地震に注意」という投稿が拡散した。 検証する理由 1月14日現在、この投稿は400件以上リポストされ、表示回数は57万回を超える。投稿について「また近いうち揺れるのかい」「またかよ」というコメントの一方で「この手の投稿でおおズバリ当たったなというのを見たことがない」という指摘もある。 投稿したアカウントは「地震予知」を繰り返しており、こういった情報に影響を受けているコメントも散見される。 検証過程 ピンポイントの地震予知は「できません」 JFCは過去にも日時や場所を特定する地震予知について検証し、誤りと判定している。2025年12月には、東京大学地震研究所/情報学環・学際情報学府の酒井慎一教授による解説記事も公開して

By 木山竣策(Shunsaku Kiyama)
中道改革連合のロゴが中国の中革連にそっくり? 新党発表後に作られた偽ロゴ【ファクトチェック】

中道改革連合のロゴが中国の中革連にそっくり? 新党発表後に作られた偽ロゴ【ファクトチェック】

2026年1月16日に立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」のロゴについて、「中国の中革連とほぼ同じ」などという主張が拡散しましたが、誤りです。拡散した「中国の中革連のロゴ」は、新党がロゴを発表した16日より後に作られたものと見られます。新党は「中道改革連合とは一切関係ありません」「悪意ある改変や虚偽の示唆については厳正に対応する」などと注意を呼び掛けています。 検証対象 拡散した言説 2026年1月21日、「ホントにそっくり」という文言付きの画像がXで拡散した。 右の画像が新党・中道改革連合のロゴだ。左側には赤地に黄色で「中革連」と書かれた色と星のデザインが中国の国旗に似たロゴが並べられている。左右のロゴは中心の円形のデザインが似ている。 検証する理由 2026年1月21日現在、投稿は2万回以上リポストされ、表示は652万件を超える。 戸田市議の河合ゆうすけ氏による、「中国の中革連とほぼ同じロゴなのはなぜ?」という文言付きの同様の画像投稿もあり、影響範囲が大きいため、検証する。 検証過程 ネタ元は掲示板サイトのパロディ画像

By 根津 綾子(Ayako Nezu)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は1月24日(土)午後2時~3時30分で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0124.peatix.com 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような知識

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験

JFCファクトチェッカー認定試験

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)