福井・石田嵩人氏「日本は単一民族国家」?  本人が訂正【ファクトチェック】

福井・石田嵩人氏「日本は単一民族国家」?  本人が訂正【ファクトチェック】

福井県知事選で初当選した石田嵩人氏が「日本は単一民族国家」と発言する動画が拡散しましたが、誤りです。日本政府はアイヌ民族を先住民族と認めています。国連人種差別撤廃委員会は沖縄の人々を先住民族と勧告し、様々な出自の在留外国人も増えています。石田氏自身も指摘を受けて訂正しています。

検証対象

拡散した投稿

2026年1月12日、福井県知事選に立候補していた石田氏が選挙期間中に「私は移民政策には反対です。理由はまず、日本は単一民族国家です」と語る動画を投稿し、拡散した。

検証する理由

1月27日現在、この投稿は1500件以上リポストされ、表示回数は189万回を超える。投稿について「移民云々以前に少数民族を無視するな」「無茶苦茶ウソつくやん」「日本は単一民族国家ではない」という指摘が多数ついている。

「日本は単一民族」という主張はこれまでにも繰り返し拡散している。知事選に当選した候補者の発言でもあるため、本人が訂正済みだが改めて検証する。

検証過程

「北海道の先住民族であるアイヌの人々」

単一民族国家とは、1つの民族で構成される国家のことだ。だが、日本には政府も公認する先住民族として、北海道のアイヌ民族がいる。

2019年に成立した「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現させるための施策の推進に関する法律(アイヌ施策推進法)」は、第1条で「北海道の先住民族であるアイヌの人々」と記している(e-Gov 法令検索.“アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律”)。

内閣官房アイヌ総合政策室サイトの「アイヌ政策の概要」には「アイヌの人々は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族です」と書かれている。

沖縄に関する国連委員会の勧告

日本政府は公的に認めていないが、国際機関から勧告された例もある。

国連人種差別撤廃委員会は2018年、琉球の人々について「琉球の人々を先住民族として認識するよう、その立場を見直し、その権利を保護する措置を強化することを勧告する」と日本に勧告している(外務省.”人種差別撤廃委員会 日本の第10回・第11回定期報告に関する総括所見”)。

一方で、日本政府が先住民族として認識しているのはアイヌ民族だけだ。委員会勧告に対しては、沖縄県内の複数の地方議会から先住民族の認定に反対する意見書も出ている(石垣市.”国連の「沖縄県民は先住民族」とする勧告の撤回を求める意見書”、高砂市.”国連各委員会の「沖縄県民は先住民族」勧告の撤回を求める意見書”)。

増える在留外国人

先住民族だけでなく、長期で在留する外国人も増えている。

2025年6月時点で、永住者や技能実習、留学などの在留資格を持つ中長期在留者は約368万人。戦後の条約発効によって日本国籍を離脱した在日韓国・朝鮮・台湾の人々とその子孫にあたる特別永住者は約27万人で合計395万人を超え、過去最高を更新した(出入国在留管理庁.”令和7年6月末現在における在留外国人数について”)。

石田氏が撤回、過去にも政治家の撤回例

石田氏は1月26日、「完全単一民族ではないのでその発言については訂正したい」と述べ、訂正した(NHK.”福井県知事当選の石田氏 “単一民族国家”発言「訂正したい」”)。

「日本は単一民族」という発言は政治家によって繰り返され、その都度、訂正や撤回に至っている。

2008年には、当時の国土交通相だった中山成彬氏が「日本は単一民族」と発言し、会見で撤回している(国土交通省.”中山大臣会見要旨(2008年9月26日(金) 10:51 ~ 11:21)”)。

2020年には、当時の財務相だった麻生太郎氏が「2千年の長きにわたって一つの言葉、一つの民族、一つの王朝が続いているなんていう国はここしかない」と発言し、「誤解が生じる発言ということなら、言い方に気を付け訂正せないかん」と撤回している(産経新聞.”「一つの民族」発言を訂正 麻生氏”)。

判定

日本政府は法律でアイヌ民族を「先住民族」と明記し、そのほかにも多様な出自の人々が生活している。また、発言した石田氏が撤回している。よって「日本は単一民族国家」は誤りと判定した。

出典・参考

時事通信.”福井知事に石田氏初当選 最年少35歳、分裂選制す:時事ドットコム”.https://www.jiji.com/jc/article?k=2026012500445&g=pol ,(閲覧日2026年1月27日)

e-Gov 法令検索.“アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律”.https://laws.e-gov.go.jp/law/431AC0000000016 ,(閲覧日2026年1月27日)

外務省.”一般 2018年8月30日 原文:英語 人種差別撤廃委員会 日”.https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000406782.pdf ,(閲覧日2026年1月27日)

石垣市.”国連の「沖縄県民は先住民族」とする勧告の撤回を求める意見書”.https://www.city.ishigaki.okinawa.jp/material/files/group/33/428_5k_g11_K.pdf ,(閲覧日2026年1月27日)

高砂市.”国連各委員会の「沖縄県民は先住民族」勧告の撤回を求める意見書”.https://www.city.takasago.lg.jp/material/files/group/54/20190625-105935.pdf ,(閲覧日2026年1月27日)

出入国在留管理庁.”令和7年6月末現在における在留外国人数について”.https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00057.html ,(閲覧日2026年1月27日)

NHK.”福井県知事当選の石田氏 “単一民族国家”発言「訂正したい」”.https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015036161000 ,(閲覧日2026年1月27日)

国土交通省.”中山大臣会見要旨(2008年9月26日(金) 10:51 ~ 11:21)”.https://www.mlit.go.jp/kaiken/kaiken08/daijin080926.html ,(閲覧日2026年1月27日)

産経新聞.”「一つの民族」発言を訂正 麻生氏”.https://www.sankei.com/article/20200114-GHURJKENKBPYFEXMXBDTLMWXVM/ ,(閲覧日2026年1月27日)

検証:木山竣策
編集:古田大輔


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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