署名400万人集めれば小池都知事をリコールできる?【ファクトチェック】

署名400万人集めれば小池都知事をリコールできる?【ファクトチェック】

「小池百合子リコール運動がはじまりました 署名が400万ほど集まればリコール可能だそうです」という画像が拡散しましたが、不正確です。東京都知事の場合リコール(解職請求)に必要な有権者の署名数は、約154万人(2024年6月現在)です。また、就任から1年以内の首長をリコールすることはできません。

検証対象

2024年7月9日、「小池百合子リコール運動が始まりました 署名が400万ほど集まればリコール可能だそうです」という投稿が拡散。この投稿は2024年7月19日現在、6500件以上のリポストと68万回以上の表示回数を獲得している。

検証過程

リコールとは

リコール(解職請求)とは、有権者が署名を集めて、自治体の長や議員の解職を求める制度だ。

首長・議員へのリコールの場合、選挙管理委員会への請求後、住民投票がある。住民投票の結果、過半数が賛同したときにリコールされた首長や議員は解職となる。

リコールに必要な署名数は?

リコールには、必要数以上の有権者の署名を集めるなどの要件がある。地方自治法81条では、都道府県知事や市町村長と言った「普通地方公共団体」の長は、有権者の3分の1以上の署名を選挙管理委員会に提出することで解職を請求(リコール)できると定められている。

しかし、有権者数が一定以上多くなると解職請求で必要な署名数は、異なる計算式で算出することになり、3分の1よりも少なくなる(地方自治法81条)。

東京都の場合は、有権者数が1153万3132人(「令和6年7月7日執行 東京都知事選挙における選挙人名簿登録者数について」(2024年6月19日公表)で、最低限必要な署名数は、80万人を超える数の1/8と40万の1/3と40万の1/6を足し合わせた数以上となる(総務省・「直接請求の仕組み」)。

仮に6月19日公表の有権者数で計算すると、次のようになり、

(11,533,132-800,000)×1/8 + 400,000×1/6 + 400,000×1/3 = 1,541,641.5

154万1642人以上の署名が必要となる。

「直接請求の仕組み」(総務省資料より)

リコールは就任1年以上経ってから

首長・議員のリコールは、その就任日(地方自治法では「就職の日」)または解職の投票日から1年以内はすることができない(地方自治法84条)。ただし、無投票当選した首長・議員の場合は1年以内でもリコールできる。

2024年7月7日投開票の都知事選で当選した小池氏の3期目の就任は、2024年7月31日だ。そのため小池氏(3期目)に対するリコールは、就任日の1年後である2025年7月30日までできない。

判定

首長のリコールは法律で定められている。東京都の場合、現在の有権者数から試算すると約154万人以上の有権者による署名が必要となり、「400万集まれば」という言説の根拠は明らかでない。投票を経た場合には就任日から1年以内はリコールできないという条件もある。よって、不正確(ミスリード)と判定する。

検証:リサーチチーム
編集:宮本聖二、野上英文、藤森かもめ


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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