2万票しか取っていない蓮舫氏が当選? 実際は33万票【#参院選ファクトチェック】

2025年の参議院選挙をめぐって、「立憲民主党の蓮舫氏が2万票しか取っていないが当選した」という情報が拡散しましたが、誤りです。比例代表で立候補した蓮舫氏は個人別で33万票獲得しています。
検証対象
7月22日、「25万票取った世良公則氏が落選で17万票のラ・サールが当選はおかしい。22万票取った平野雨龍氏が落選で2万票しか取っていない蓮舫が当選なのはもっとおかしい」「与党は勝手に選挙を操作するな」という投稿がThreadsで拡散した。
2025年7月25日現在、この投稿は500件以上シェアされ、7000件以上のいいねを獲得している。投稿について「真っ黒な独裁国家」「比例代表制度がおかしいのです」というコメントの一方で「蓮舫28万票取ってなかった?」という指摘もある。
検証過程
7月20日投開票の参議院選挙で、立憲民主党の蓮舫氏は比例代表で立候補し、当選した。
実際の得票数
参院選の投票結果は総務省サイトで確認できる。蓮舫氏は合計で33万9311票を獲得している。2万票ではない。比例代表の個人別得票数では全体の6位にあたる(総務省”2025年7月20日執行 参議院議員通常選挙 発表資料”)。
拡散した投稿にある他3人の立候補した選挙区と得票数、選挙結果は以下の通りだ。
無所属・世良公則氏 大阪選挙区 25万2914票 落選
社会民主党・ラサール石井氏 比例代表 20万7143票 当選
無所属・平野雨龍氏 東京選挙区 23万5411票 落選
蓮舫氏以外の候補は、誤差はあるものの蓮舫氏ほどの大きな違いはない。
選挙区選挙と比例代表選挙
参院選は選挙区選挙と比例代表選挙に分かれている。選挙区選挙は、都道府県ごとや合区ごとの選挙区に分けられ、投票用紙に候補者の名前を書く。一方、比例代表選挙は、投票用紙に政党・政治団体の名前か候補者の個人名、いずれかを書いて投票する(NHK"参議院選挙の仕組み 比例代表、特定枠、合区とは? 参院選2025”)。
拡散した投稿は、選挙区から立候補した候補者と比例代表から立候補した候補者の得票数を比較している。
しかし、選挙区と比例代表は投票方法や投票数が異なるため、得票数だけを比べても、選挙結果に不正があったなどということはできない。
判定
2025年の参議院選挙で蓮舫氏は約33万票獲得している。よって「2万票しか取っていない蓮舫が当選」は誤りと判定した。また、選挙区と比例代表の候補者の得票数を比較しても、不正選挙だという根拠にはならない。
出典・参考
総務省. “2025年7月20日執行 参議院議員通常選挙 発表資料”. https://www.soumu.go.jp/senkyo/27sansokuhou/index.html , (閲覧日 2025年7月25日).
NHK"参議院選挙の仕組み 比例代表、特定枠、合区とは? 参院選2025”.公開日 6月30日.https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/sangiin/2025/san-structure/ ,(閲覧日 2025年7月25日).
検証:木山竣策
編集:古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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