今井絵理子議員が「(議員になって良かったのは)遊んでいてお金が入ること」と発言は誤り 書いたのはインスタグラムのユーザー【ファクトチェック】

今井絵理子議員が「(議員になって良かったのは)遊んでいてお金が入ること」と発言は誤り  書いたのはインスタグラムのユーザー【ファクトチェック】

自民党の今井絵理子参議院議員が、議員になって良かったことについて「遊んでいてお金が入ることかな」と発言したという言説がX(旧Twitter)で拡散しましたが、誤りです。今井氏のインスタグラムへのユーザーの書き込みです。

検証対象

週刊女性プライムの記事見出しを引用して今井絵里子参議院議員が、国会議員になって良かったこととして「遊んでいて金が入ることかな」と発言したとする言説が拡散した。

100万を超す閲覧があり、立憲民主党の原口一博衆議院議員が引用リポストしたことでさらに拡散した。

検証過程

こうした言説は、2023年10月の週刊女性プライムの記事の見出しが一つのきっかけになっている。

その記事の見出しは「遊んでいて金が入ることじゃないのかな」今井絵理子”議員になって良かったこと”回答がフランス研修の余波で炎上」だ。

この記事は、今井氏のインスタグラムの投稿動画を取り上げている。この動画の中で議員になって良かったことを聞かれた今井氏は「自分が訴えた政策が実現して、困ってる人に喜んでもらえる瞬間だ」と答えたとしている(現在今井氏のインスタグラムは閉鎖)。

記事は、インスタグラムでその今井氏の発言にユーザーから批判があり、その投稿の中には「議員になって良かったことって遊んでいて金が入ることじゃないかな」というものがあったと書いている。

週刊女性プライムは、今井氏本人の発言ではなく、この批判の投稿を見出しにとったものだ。

批判の背景として、エッフェル塔前での記念撮影がSNSで炎上した自民党女性局の議員らによるフランス研修に今井議員も参加していたことを記事は説明している。

判定

今井絵理子議員が「議員になって良かったのは遊んでいてお金が入ること」と発言は、誤り。今井氏はそのような発言はしていない。週刊誌の記事の見出しをもとに誤った投稿が拡散したもの。

検証:宮本聖二
編集:古田大輔、野上英文、藤森かもめ

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