「岸田首相、被災者に『そもそも保険共済に入ってない国民が悪い』」は誤り 「保険・共済への加入も重要」との発言を歪曲【ファクトチェック】

「岸田首相、被災者に『そもそも保険共済に入ってない国民が悪い』」は誤り 「保険・共済への加入も重要」との発言を歪曲【ファクトチェック】

「岸田首相、被災者に『そもそも保険共済に入ってない国民が悪い』」との投稿が拡散しましたが、誤りです。保険・共済に加入することの重要性を述べた発言を歪曲して投稿しています。

検証対象

2024年3月6日、「岸田首相、被災者に対し『そもそも保険共済に入ってない国民が悪い』近藤和也議員『総理、被災された方に保険だとか、共済だとか、酷な言葉ですよ、正直言って。今更どうしようも出来ないですから...』」との投稿が拡散した。

この投稿は2024年3月19日時点で1100回リポストされ、表示回数は720万回に達している。返信欄には「呆れる。の一言「ちゃんと保険に入ってたら次の日から普通の生活出来るんか?」との声の一方、「岸田さんがこの台詞を言ったのは本当なのだろうか?リンクがたどれない」「この記事信用してないから他のもあったらURL貼ってくれ」との指摘もある。

検証過程

この投稿にはNewsSharingのまとめ記事のURLが貼られている。まとめ記事を確認すると、引用したX(旧Twitter)の投稿から、2024年1月24日の衆議院予算委員会(1:19〜1:21)での岸田首相の発言を指していると分かる。

能登半島地震の被災者生活再建支援について問われた岸田首相の答弁は以下の通りだ。

「災害が多い地域において、保険とか共済、こういった制度への加入も重要であるという観点、さらには被災者生活再建支援金は災害による財産の損失を補填するというものではなく、被災者を側面的に支援するという性格のお金であるということ、さらには過去の災害とのバランス・公平性の観点からどういう方策を用意するべきなのか、今検討を進めているところです」。

答弁に「そもそも保険共済に入ってない国民が悪い」という趣旨の発言はない。保険や共済制度の重要性を指摘しているに止まっており、拡散した言説は岸田首相の発言を歪曲している。

判定

「そもそも保険共済に入ってない国民が悪い」という岸田首相の発言はない。よって、誤り。

検証:住友千花
編集:宮本聖二、古田大輔、藤森かもめ

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