国会議員の所得税は負担率0.18%で2010円? 3日分の給与明細【ファクトチェック】

国会議員の所得税は負担率0.18%で2010円? 3日分の給与明細【ファクトチェック】

「国会議員の所得税は2010円」という情報が拡散しましたが、誤りです。根拠とされているのは、NHK党の立花孝志党首が、2019年にYouTubeで公開した国会議員の給与明細とするものです。7月分給与明細に「所得税2010円」とありますが、これは3日分の金額だと立花氏自身が説明しています。

検証対象

2025年3月14日、「国会議員の給料明細証拠流出で全部バレる」「国会議員は⁈ なんと所得税2010円【国会議員負担率0.18%】となる」という情報がXで拡散した。

2025年5月にはThreadsでも「国会議員の給与明細が税金2,010円」という投稿が拡散した。

2025年5月29日現在、Threadsの投稿は1万件のいいねを獲得している。投稿について「議員?税金払わないんですか?」「本気でこの国、狂ってる」というコメントがついている。

検証過程

Xで拡散した投稿には「本当かよって思って調べたわ。で、立花孝志氏が公開していたの。観たら驚きの所得税2010円のみ」と書かれている。

「立花孝志 国会議員 給与明細」でGoogle検索すると、2019年8月に政治団体「NHKから国民を守る党」(NHK党)党首で前参議院議員の立花孝志氏が自身のYouTubeアカウントに投稿した動画「国会議員の給料明細公開&国会議員YouTuberの広告収入公開」が見つかる。

立花氏は2019年7月21日投開票の参院選で初当選した(同年10月に辞職)。動画の中で、立花氏は「(7月)29日から参院議員として働かせていただいているんですが、7月の歳費は日割りなのでしょうね。12万5225円ということで、3日でもらえる給料がこれです」と述べて、「2019年7月分支払明細書」と書かれた書類を紹介している。

書類には歳費12万5225円、文書通信交通滞在費100万円、支給合計額112万5225円、所得税2010円などと書かれている。

(立花氏のYouTubeより)

立花氏は動画の中で、2019年8月の支払い明細も公開している。その明細には歳費(注:国会議員の給与)129万4000円、文書通信交通滞在費50万円、所得税23万2860円と書かれている。

国会議員の歳費は、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律(歳費法)において定められている。議員は任期開始日から月額129万4000円を歳費として受け取る。これが課税対象だ。国政に関する調査研究や広報などの議員活動のため、調査研究広報滞在費として月額100万円も支給されるが、課税対象外となる。

拡散した「所得税2010円」は、国会議員として3日間だけ働いた2019年7月分の所得税額だ。8月分として公開した資料の所得税額は23万2860円となっている。

参議院広報課によると、立花氏が参院議員を辞職後の2022年に歳費法が改正され、文書通信交通滞在費の名称は調査研究広報滞在費に改められ、月のうち数日間しか議員で無かった場合は日割計算によって支給することになった。しかし、国会議員は歳費しか税金がかからないルールは変更がない。

国税庁にも問い合わせたが、個人単位の税金については答えられないとの回答だった。

判定

国会議員の所得税2010円は、拡散元が引用した立花氏のYouTubeで、立花氏自身が「3日間でもらった歳費」と説明した金額に対する所得税額だ。立花氏の8月分の歳費には約23万円の所得税が課されている。よって誤りと判定する。

出典・参考

国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律(歳費法). e-gov. https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000080. 閲覧日2025年5月29日

国会議員の給料明細公開&国会議員YouTuberの広告収入公開. YouTubeチャンネル「立花孝志」. 2019年8月12日. https://www.youtube.com/watch?v=vechTzUjnHc. 閲覧日2025年5月29日

検証:木山竣策
編集:古田大輔、藤森かもめ


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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