「初詣に行くことは差別につながる」というニュース? AIで作成【ファクトチェック】
「ムスリムによる日本への侵略もついにここまで来たか」という文言とともに、「#初詣に行くことは差別につながる」「初詣に行くことは、絶対ダメです」というテロップが入ったニュース番組風の画像がXで拡散しましたが、AIで生成されたものです。画像にはOpenAIのツールで生成されたことを示すSynthID(電子透かし)が含まれています。
検証対象
拡散した投稿
2026年5月22日、「ムスリムによる日本への侵略もついにここまで来たか」「日本人全員で声をあげないと自分達の文化が根こそぎ消されるよ」という投稿が画像とともにXで拡散した。

画像には外国人風の男性と共に「#初詣に行くことは差別につながる」「神社に初詣に行くと行かれない人が出てくる。可哀そうだ。差別だ」「初詣に行くことは、絶対ダメです。一人ひとりの配慮が、誰も傷つけない社会をつくります」などと書かれている。
この投稿は、6月10日時点で非公開にされた。
検証する理由
この投稿は1600件リポストされ、表示回数は111万回を超えている。「意味が全く理解できない」「単純に日本を潰しに来ただけだろう」というコメントの一方で「これは AI 画像です」という指摘もあるため検証する。
検証過程
OpenAIの検証ツールで「AI生成」
OpenAIは、画像がAIで生成されているかどうかを確認できる検証ツールを公開している。今回拡散した画像をアップロードしたところ「OpenAI由来のSynthIDウォーターマークが検出されました」と表示された。
SynthIDはGoogleが開発したAI生成コンテンツの検出技術だ。画像や動画、音声、テキストにAIが生成したことを示す電子透かし(ウォーターマーク)を目に見えない形で埋め込む仕組みで、専用ツールを使えば検出できる。
2026年5月、OpenAIはChatGPT・Codex・OpenAI APIで生成したすべての画像にSynthIDを埋め込むと発表していた(OpenAI.”より安全で透明性の高い AI エコシステムに向けて、コンテンツ来歴の取り組みを前進”)。
判定
拡散した画像にはAIで生成されたことを示すSynthIDが含まれている。よって、生成AIによるものと判定した。
あとがき
生成AIの技術が向上し、本物の写真や映像と見分けがつかないような画像を簡単に作成できるようになっています。そのため、SynthIDのような電子透かし技術の活用がますます重要になっています。
ただし、ツールによって使い方が異なる点に注意が必要です。GoogleのGeminiはチャット画面に画像を貼り付けるだけでSynthIDがあるかどうかを判別してくれますが、2026年6月9日時点では、OpenAIが開発したChatGPTに画像を見せるだけでは検知できません。また、OpenAIのSynthIDを含む画像をGeminiに見せても判別できませんでした。
OpenAIのツールで生成された画像を確認するには、専用の検証ツール(openai.com/ja-JP/research/verify)にアクセスして画像をアップロードする必要があります。AIが生成した画像かどうかを確認する際は、それぞれのツールの使い方の違いを把握しておくことが大切です。
出典・参考
OpenAI.”より安全で透明性の高い AI エコシステムに向けて、コンテンツ来歴の取り組みを前進”.https://openai.com/ja-JP/index/advancing-content-provenance/ ,(閲覧日2026年6月10日)
検証:木山竣策
編集:藤森かもめ、古田大輔
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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