バイデン元大統領が死去? エイプリルフールネタが日本語で拡散【ファクトチェック】

バイデン元大統領が死去? エイプリルフールネタが日本語で拡散【ファクトチェック】

米国のバイデン前大統領が死去したという情報が拡散しましたが、誤りです。2026年4月3日時点でそのような情報や報道はありません。Xの投稿が自動で翻訳されるようになったことで、現地のエイプリルフール投稿が日本語で拡散しました。

検証対象

拡散した投稿

4月2日、「バイデン元大統領亡くなったのかよ、、、」という投稿が拡散した。投稿には「速報: 元アメリカ合衆国大統領ジョー・バイデンが83歳で死去」と書かれた投稿のスクリーンショットが添付されている。

検証する理由

4月3日現在、この投稿は360件以上リポストされ、表示回数は496万回を超える。投稿には「まあ年齢的にも仕方ないよね」「まさか、バイデン」というコメントの一方で「こういうのはダメだよ」という指摘もある。

検証過程

拡散した画像はエイプリルフール投稿

拡散している投稿の画像は、別の投稿者によるXの投稿をスクリーンショットしたものだ。画像に表示されている日時は、日本時間の4月2日午前3時になっている。

しかし、この元の投稿者は、直後のリプライ欄に「today's date Wednesday, April 1, 2026」と書かれたスクリーンショットをリプライに付け、エイプリルフールに向けた投稿であることを示唆している。

つまり、現地時間の4月1日に投稿された英語のジョークが日本語に翻訳され、時差の関係で日本では「4月2日の投稿」として表示された状態のまま、切り取られて拡散した形だ。

4月3日時点、アメリカの主要メディアや米政府の公式発表を確認しても、バイデン元大統領が亡くなったという情報や報道はない。

判定

拡散した投稿は、現地時間の4月1日のエイプリルフールに投稿されたものがXによって自動翻訳され、日本時間の2日に表示され拡散したものだ。英語で投稿をした元のアカウントはエイプリルフールのネタであることを示唆している。また、3日現在、バイデン元大統領が死去したという情報はない。よって誤りと判定した。

あとがき

Xの自動翻訳によって、外国語での投稿もより簡単に日本で拡散するようになりました。文脈が切り取られることもあります。前後の投稿や発信元の確認が必要です。

検証:木山竣策
編集:古田大輔


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

毎週、ファクトチェック情報をまとめて届けるニュースレター登録(無料)は、上のボタンから。また、QRコード(またはこのリンク)からLINEでJFCをフォローし、気になる情報を質問すると、AIが関連性の高いJFC記事をお届けします。詳しくはこちら

もっと見る

高市首相が長崎に原爆を投下したパイロットの墓に献花? 訪問先は無名戦士の墓【ファクトチェック】

高市首相が長崎に原爆を投下したパイロットの墓に献花? 訪問先は無名戦士の墓【ファクトチェック】

高市早苗首相が長崎に原爆を投下したパイロットの墓に献花したと主張する動画付きの投稿が拡散しましたが、誤りです。動画は、2026年3月20日、日米首脳会談で訪米した高市首相が、ワシントン郊外のアーリントン国立墓地で無名戦士の墓に献花した様子を映したものです。拡散した投稿が言及した、長崎に原爆を投下したパイロットはマサチューセッツ国立墓地に埋葬されています。 検証対象 拡散した言説 2026年3月25日、「日本の高市首相が長崎に原爆を投下したパイロットの墓に献花した。おぞましい恥辱だ」などと主張する動画付きの投稿が拡散した。4月2日現在、このアカウントは凍結されている。 検証する理由 3月30日現在、投稿は2000回以上リポストされ、表示は210万件を超える。 日本語でも拡散しており、影響が大きいため検証する(例1、2)。 検証過程 添付動画の内容は 拡散した動画は47秒。3月20日(日本時間21日)、高市首相がワシントン郊外のアーリントン国立墓地を訪れて献花をする動画の隅に、戦闘機から爆弾が投下される別の映像を重ねている。 兵士の掛け声や

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
「ムスリムを入国させると池袋の店員刺殺事件のようなことが起きる」? ポケモンセンター刺殺事件で容疑者がムスリムという情報はない【ファクトチェック】

「ムスリムを入国させると池袋の店員刺殺事件のようなことが起きる」? ポケモンセンター刺殺事件で容疑者がムスリムという情報はない【ファクトチェック】

2026年3月26日、東京・池袋のポケモンセンターで、店員が男に刺されて死亡した事件を受けて、ムスリムを入国させると、このような事件が起きると主張する英語の投稿が拡散しましたが、根拠不明です。3月31日現在、事件の容疑者がムスリムだという報道はありません。 検証対象 拡散した言説 2026年3月31日、「地球上で文字通り最も安全な場所の一つ。文字通り子供のために作られた店だ。彼らはムスリムを国に入れる。これが起こることだ」という英語の投稿が、ポケモンセンターの事件に関連する動画とともにXで拡散した。 検証する理由 3月31日現在、投稿は900回以上リポストされ、表示は89.4万件を超える。 投稿には「愚かなレイシストによる愚かな意見」「これがムスリムとどう関係があるというのか」などの指摘もあるが、「これで高市はムスリムを国外退去する口実を与えられた」や「たとえ容疑者が日本人だったとしても、無制限の第三世界移民と結びついていることに変わりはない」など真に受けたコメントも多い。 海外では日本における外国人の犯罪や排斥に関わるような投稿が拡散することが

By 根津 綾子(Ayako Nezu)

ファクトチェック講座

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

JFCファクトチェック講師養成講座 申込はこちら

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、ファクトチェックやメディア情報リテラシーに関する講師養成講座を月に1度開催しています。講座はオンラインで90分間。修了者には認定バッジと教室や職場などで利用可能な教材を提供します。 次回の開講は4月25日(土)午前10時~11時30分で、お申し込みはこちら。 https://jfcyousei0425.peatix.com 受講条件はファクトチェッカー認定試験に合格していること。講師養成講座は1回の受講で修了となります。 受講生には教材を提供 デマや不確かな情報が蔓延する中で、自衛策が求められています。「気をつけて」というだけでは、対策になりません。最初から騙されたい人はいません。誰だって気をつけているのに、誤った情報を信じてしまうところに問題があります。 JFCが国際大学グロコムと協力して実施した「2万人調査」では実に51.5%の人が誤った情報を「正しい」と答えました。一般に思われているよりも、人は騙されやすいという事実は、様々な調査で裏打ちされています。 JFCではこれらの調査をもとに、具体的にどのような

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

理論から実践まで学べるJFCファクトチェック講座 20本の動画と記事を一挙紹介

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、YouTubeで学ぶ「JFCファクトチェック講座」を公開しました。誰でも無料で視聴可能で、広がる偽・誤情報に対して自分で実践できるファクトチェックやメディアリテラシーの知識を学ぶことができます。 理論編と実践編の中身 理論編では、偽・誤情報の日本での影響を調べた2万人調査の紹介や、間違った情報を信じてしまう背景にある人間のバイアス、大規模に拡散するSNSアルゴリズムなどを解説しています。 実践編では、画像や動画や生成AIなど、偽・誤情報をどのように検証したら良いかをJFCが検証してきた事例から具体的に学びます。 JFCファクトチェッカー認定試験を開始 2024年7月29日から、これらの内容について習熟度を確認するJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。誰でもいつでも受験可能です(2024年度中は受験料1000円、2025年度から2000円)。 合格者には様々な技能をデジタル証明するオープンバッジ・ネットワークを活用して、JFCファクトチェッカーの認定証を発行します。 JFCファクトチェッカー認定試験

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
JFCファクトチェッカー認定試験

JFCファクトチェッカー認定試験

日本ファクトチェックセンター(JFC)はJFCファクトチェッカー認定試験を開始します。YouTubeで公開しているファクトチェック講座から出題し、合格者に認定証を授与します。 拡散する偽・誤情報から身を守るために 偽・誤情報の拡散は増える一方で、皆さんが日常的に使用しているSNSや動画プラットフォームに蔓延しています。偽広告や偽サイトへのリンクなどによる詐欺被害も広がっています。 JFCが国際大学グロコムと実施した2万人を対象とする調査では、実際に拡散した偽・誤情報を51.5%の割合で「正しいと思う」と答え、「誤っている」と気づけたのは14.5%でした。 自分が目にする情報に大量に間違っているものがある。そして、誰もが持つバイアスによって、それが自分の感覚に近ければ「正しい」と受け取る傾向がある。インターネットはその傾向を増幅する。 だからこそ、ファクトチェックやメディアリテラシーに関する知識が誰にとっても必須です。 JFCファクトチェック講座と認定試験 JFCファクトチェック講座(YouTube, 記事)は、2万人調査を元に偽・誤情報の拡散経路や

By 日本ファクトチェックセンター(JFC)