主成分に添加物がたくさん含まれているK2シロップは赤ちゃんに不要? ビタミンKの摂取は必要【ファクトチェック】

主成分に添加物がたくさん含まれているK2シロップは赤ちゃんに不要? ビタミンKの摂取は必要【ファクトチェック】

主成分に添加物がたくさん含まれているK2シロップは赤ちゃんには不要、という情報が拡散しましたが、誤りです。K2シロップは、新生児にビタミンKを与えるために必要です。また、使用されている添加物は全てPMDA(医薬品医療機器総合機構)で安全性が確認されています。

検証対象

2025年12月5日、「添加物がヤバ過ぎるんじゃないかと何かと話題のケイツーシロップ

一応赤ちゃんに(不要な)ビタミンKを与えるのが目的 その主成分『メナテトレノン』って実は…高齢者用の骨粗鬆症治療薬で👨‍🦲🧓これ自体ものすごい添加物が入ってる💦」という投稿が拡散した。

12月8日現在、この投稿は330件以上リポストされ、表示回数は44万回を超える。投稿について「何でこんなに添加物入るんですかね?」「そんなに要ります?」というコメントの一方で「必要だから飲ませてんだよ」という指摘もある。

検証過程

K2シロップとは

新生児はビタミンKの不足による出血症を起こしやすく、頭蓋内出血など致命的な事例もある。K2シロップは1mLあたりビタミンK2を2mg含むビタミンK不足の予防薬として普及した。生後3ヶ月になるまで週に1回、計13回飲む「3ヶ月法」が推奨されている。(日本小児科学会.”新生児と乳児のビタミンK欠乏性出血症発症予防に関する提言”)。

「K2シロップを服用しない方が良い」というような誤情報は過去にも拡散し、日本ファクトチェックセンター(JFC)で誤りと判定している。

JFC.”K2シロップは添加物が多く副作用が心配だから服用しないほうがいい?安全性は証明されている【ファクトチェック】

ビタミンKは不要?

拡散した投稿には「赤ちゃんに(不要な)ビタミンKを与える目的のK2シロップ」とある。

しかし、新生児や生後まもない乳児はビタミンKが不足しやすく、出血症を起こすおそれがある。特に肝臓や胆道の病気がある赤ちゃんは、頭の中で出血(頭蓋内出血)を起こす危険が高く、命やのちの発達に深刻な影響が出ることがある。そのため、K2シロップの摂取が推奨されている(日本小児科学会.”新生児と乳児のビタミンK欠乏性出血症発症予防に関する提言“)。

ネット上にはK2シロップの代わりにビタミンKが豊富な「海苔」を勧める投稿もある。日本ファクトチェックセンター(JFC)が2025年2月に、上記の検証をするために、新生児医療が専門の東京医療保健大学・楠田聡教授に取材したところ、以下の回答だった。

「ビタミンK2シロップは新生児のビタミンK欠乏症予防に使用する。新生児自身が自然食品から摂取することは不可能なので、母体が摂取することを前提とした言説だと思うが、母体が摂取しても、十分量のビタミンKが胎児に移行するとは限らないので、新生児にビタミンK欠乏症を発症する危険性がある。出生後の母乳からの移行も十分とは言えない」

新生児は自分で十分なビタミンKを摂ることができず、母親が食品で補おうとしても、胎児や母乳へ必要量が十分に移行するとは限らない。そのため、新生児はビタミンK欠乏症になる危険があり、予防としてK2シロップが必要となっている。

拡散した投稿は別の薬の注意書きを添付

拡散した投稿は、K2シロップの主成分である「メナテトレノン」について、高齢者用の骨粗鬆症治療薬で、ものすごい添加物が入ってると主張。一連の投稿に「『メナテトレノン』副作用の注意書 何を言ってるかよくわからない」として画像が添付されている。画像には「小児等への投与 小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)」と書かれている。

しかし、画像にある文言でGoogle検索すると、高齢者の骨粗しょう症の改善薬である「メナテトレノンカプセル15mg」の注意書きがみつかる。小児に対する安全性は確立していない、という注意書きは、メナテトレノンカプセルの注意書きで、K2シロップのものではない(NIPPON ZOKI.”骨粗鬆症治療用ビタミンK2剤 メナテトレノンカプセル15㎎”)

K2シロップの添加物は?

拡散した投稿は、添加物の影響に不安を抱いている。こちらについても、2025年2月のJFCの取材に楠田教授が以下のように答えている。

「一般に使用している薬剤には必ず添加物が含まれている。添加物は、薬剤の安定性を保つため等の目的に使用されており、使用されている添加物は全てPMDA(医薬品医療機器総合機構)で安全性が確認されている」

また、薬品や医療機器の安全性を監視・審査する独立行政法人・PMDAのK2シロップの審査報告書(2012年4月2日 審査報告書p2)には、赤ちゃんのビタミン K 欠乏性出血症の予防について「有効性及び安全性は確認されているものと判断する」と書かれている。

つまり、拡散した投稿は「添加物がヤバ過ぎる」とあるが、安全性が確認されている添加物であり、一般に使用されている薬剤には添加物が必ず含まれている。

判定

K2シロップは、新生児期のビタミンK摂取に必要だ。また、添加物は安全性が確保されたものを使用している。よって誤りと判定した。

出典・参考

日本小児科学会.”新生児と乳児のビタミンK欠乏性出血症発症予防に関する提言”.https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=134 ,(閲覧日2025年12月9日)

独立行政法人 医薬品医療機器総合機構.”審査報告書”.https://www.pmda.go.jp/drugs/2012/P201200060/300220000_21800AMX10431000_A100_1.pdf ,(閲覧日2025年12月8日)

日本小児科学会.”新生児と乳児のビタミンK欠乏性出血症発症予防に関する提言“.https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=134 ,(閲覧日2025年12月9日)

NIPPON ZOKI.”骨粗鬆症治療用ビタミンK2剤 メナテトレノンカプセル15㎎”.https://www.nippon-zoki.co.jp/mtassets/files/ma01_001.pdf ,(閲覧日2025年12月9日)

検証:木山竣策
編集:古田大輔


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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