ユニクロが中国から269か所の工場を撤退させる? 多数が稼働、撤退の発表や報道なし【ファクトチェック】

ユニクロが中国から269か所の工場を撤退させるという情報がスレッズで拡散しましたが、根拠不明です。ユニクロを運営するファーストリテイリングは取引工場をウェブサイトで公開しており、中国で多数が稼働しています。撤退などの発表や報道はありません。
検証対象
2025年5月6日、「ユニクロが中国から269の工場を撤退させる」という投稿がThreadsで拡散した。

2025年5月8日現在、この投稿は480件以上リポストされ、いいね数は2.3万件を超える。投稿について「中国から工場撤退は良い話」「柳井さん見直しました」というコメントの一方で「ソースはどこ?」という指摘もある。
検証過程
2025年3月現在の中国工場数は364か所
ファーストリテイリングは、生産パートナーである工場リストを公開している( FAST RETAILINGファーストリテイリング「サプライチェーンの透明化と生産パートナーリスト」)。
2025年3月現在、中国にある縫製、一部工程外注先、素材、副素材の工場を全て数えると364か所だ。そのうち、縫製工場は全部で206か所となっている(ファーストリテイリング「縫製工場・一部工程外注先工場リスト 2025年」)。
2019年の資料に縫製工場は128か所とあることから、中国の工場は増えていることがわかる(ファーストリテイリング「主要縫製工場リスト 2019年」)。
柳井正会長「脱・中国はダメ」
ユニクロを運営する株式会社ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は2024年11月、日本経済新聞の取材に対して「中国の重要性は変わらない」と話し、衣料品の製造・販売の重要拠点である中国への投資を継続すると答えている。
企業の間で脱・中国も広がる中、柳井氏は「ダメですよ、それ」と異論を唱えている(日本経済新聞「『脱・中国はダメ』ファストリ柳井正氏が語る真意と覚悟」)。
また2025年5月現在、ユニクロの中国撤退や工場削減などの発表や報道はない。
判定
ユニクロは取引工場をウェブサイトで公開している。また、工場撤退などの発表や報道がないことから根拠不明と判定した。
検証:木山竣策
編集:古田大輔、藤森かもめ
判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。
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