参政・神谷代表「外国人は相続税を取られない」? 国内にある財産は課税対象【#参院選ファクトチェック】

参政・神谷代表「外国人は相続税を取られない」? 国内にある財産は課税対象【#参院選ファクトチェック】

参政党の神谷宗幣代表がフジテレビで「外国人は相続税を取られない」と発言しましたが、不正確です。日本人と同じように、国内にある財産は相続税の課税対象になります。神谷代表は「法律上は取れるようになっていても捕捉できないことがある。限られた時間でそこまで説明できなかった」とフジテレビの後日の取材に答えています。

検証対象

7月6日放送のフジテレビ「日曜報道 THE PRIME」で、参政党の神谷代表が「日本に住んでいなければ我々は相続税取りようがない。日本人は不動産を持っていたら必ず相続税でたくさん税金払わないといけないけれども、海外の人たちは払わなくていい」と発言した。

同様の言説は、SNSでも拡散している。

7月15日現在、この投稿は9100件以上リポストされ、表示回数は136万回を超える。投稿について「相続税は日本人差別税に感じる」「日本人より優遇されるのはおかしい」というコメントがついている。

検証過程

外国人は相続税を払わなくて良い?

国税庁サイトを確認すると「相続などで財産を取得した時に外国に居住していて日本に住所がない人は、取得した財産のうち日本国内にある財産だけが相続税の課税対象になります」とある。

また、日本国籍を持たない人であっても、被相続人が「外国籍でない」「日本に住んでいる」などの条件に当てはまる場合は、国内外で取得した財産のどちらも相続税の課税対象になるという(国税庁"No.4138 相続人が外国に居住しているとき”)。

国税庁「国籍住所にかかわらず、国内の財産であれば課税対象」

日本ファクトチェックセンター(JFC)は国税庁に取材した。「日本に居住されていない方であっても、国籍住所に関わらず国内の財産であれば課税対象となる」という。

また、徴収ができていないという実態はあるのかという質問には「様々な国内財産にかかる情報をあらゆる機会などを使って収集しながら税務調査などを含めた適切な対応に努めている」と回答した。

財務省「一定の公平性は担保されている」

外国人の不動産購入に関わる税金の問題については、神谷代表が2025年3月13日に参院財政金融委員会で財務省に対して、日本人にとって不利ではないかなどと質問をしている。財務省の青木主税局長は以下のように答えている。

「国内の不動産について申しますと、外国人が相続する場合には日本の相続税が、外国人が売買する場合には日本の所得税が課税される仕組みとなっておりまして、一定の公平性は担保されているものと考えております」(国会議事録”第217回国会 参議院 財政金融委員会 第2号 2025年3月13日”)

番組を放送したフジテレビも検証

神谷氏の発言は、「日曜報道 THE PRIME」を放送したフジテレビも「事実に反するのではないかとの指摘が出た」ことを踏まえて、ファクトチェックをしている。フジテレビは参政党に発言内容に関して取材し、以下の回答を得ている。

「神谷代表の発言は、オーストラリアや中国など相続税のない国の居住者が日本国内の不動産を取得した場合、相続発生時に日本の税務当局が十分に把握・執行できない実態を問題視したものです」

また、7月11日のBSフジ「プライムニュース」に出演した神谷氏はこう説明している。

「法律上は取れるようになっているんだけれども、でも、実際に外国にいらっしゃった場合、捕捉ができないということなんです。だから、法律上は取らないといけないし、ちゃんと取るルールはあるんだけれども、それがちゃんと追えていないということなんです。ですから、もう少しなんか買うときに税を余分にかけるとか、しっかりと何らかの捕捉できるシステムを作るとかですね。そういった整備が必要だということを言いたくて言ったんですけど、限られた時間だったので、ちょっとそこまで説明できなかったということです」

これらの回答を踏まえたうえで、フジテレビは以下のように結論づけている。

「時間的制約がある中ではあったが、『相続税の取りようがない』『海外の人たちは払わなくていい』という部分は、少なくとも、中国などの外国人は日本の相続税を払わなくていい、あるいは払わせることが全くできないとの誤解を広げかねない発言だったと言える」(以上、FNNプライムオンライン“【参院選ファクトチェック】参政・神谷代表の外国人相続税に関する発言は“誤解を広げかねず”)。

判定

日本に居住していない場合でも、国内の財産であれば国籍住所に関わらず相続税の課税対象となる。神谷代表は後日、「法律上は取れるようになっていても捕捉できないことがある。限られた時間でそこまで説明できなかった」と話す一方、国税庁は「あらゆる機会などを使って収集、利用しながら税務調査などを含めた適切な対応に努めている」と説明している。これらを総合的に見て、不正確と判定した。

出典・参考

国税庁. “No.4138 相続人が外国に居住しているとき”. 2024年3月31日改訂. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4138.htm , (閲覧日 2025年7月15日).

国会議事録”第217回国会 参議院 財政金融委員会 第2号 2025年3月13日”https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=121714370X00220250313&current=9 ,(閲覧日 2025年7月15日).

FNNプライムオンライン. “【参院選ファクトチェック】参政・神谷代表の外国人相続税に関する発言は“誤解を広げかねず””. FNNプライムオンライン. https://www.fnn.jp/articles/-/900739 , (閲覧日 2025年7月15日).

検証:木山竣策
編集:古田大輔


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