トランプ大統領が「行方不明の10兆円が日本の財務省に関係している」と暴露? そのような事実や発言はない【ファクトチェック】

トランプ大統領が「行方不明の10兆円が日本の財務省に関係している」と暴露? そのような事実や発言はない【ファクトチェック】

トランプ大統領が「行方不明の10兆円が日本の財務省に関係していると暴露した」という情報が拡散しましたが、誤りです。トランプ氏のSNSにも、ホワイトハウスの公式サイトにもそのような発信はなく、報道もありません。a

検証対象

「トランプ大統領が、行方不明の10兆円が日本の財務省に関係していると暴露した」などと主張するショート動画がFacebook、インスタグラム、TikTokなど複数のプラットフォームで拡散している(例1例2例3)。

この動画をもとにした投稿はXでもシェアされ、2025年5月9日現在、リポスト1万回以上、表示は563万回を超えている。

X投稿には「財務省マジで解体させられる」「逮捕間近っぽいな」などのコメントのほか「何でトランプさんがそんな事知ってるんだ!絶対ウソ」という指摘もある。

検証過程

拡散した動画の内容は

FacebookやXなどでも転載されて広く拡散した動画は、トランプ氏の写真などを組み合わせた映像に、テロップとナレーションが入っている。ナレーションは以下の通りだ。

「トランプ氏が驚きの暴露を行いました。それは行方不明の10兆円資金が日本の財務省に関係しているというものです。
この資金がどこに行ってしまったのか、トランプ氏は調査結果をもとに財務省による隠蔽、または不正利用の可能性を指摘しました。
この10兆円とは、国民から徴収された税金であり、本来は社会保障や公共サービスなどに使用されるべき資金です。
しかし、トランプ氏の暴露によると、この金額の一部が大企業や特定の政治家へ利益として流れていた疑惑が浮上しています。
この事実が明るみに出たことで、日本の財務省ははげしく動揺。国民からの強い怒りが広がり、SNSやメディアでも報道の隠蔽疑惑が議論されています。
これを受け、日本の政界にも波紋が広がり、財務省の改革や排除を求める声が強まっています。
この暴露は日本の政治や社会構造に大きな影響を与えることは間違いありません。国民の注目の中、日本は今、変革を迫られる時が来たのです。
トランプ氏の発言により浮き彫りになったのは、長年にわたり積み上げられてきた日本の行政内部の不透明性と腐敗です」

根拠不明の「行方不明の10兆円」

拡散した動画の「行方不明の10兆円」とは何を指すのか。

ナレーションは「この10兆円とは、国民から徴収された税金であり、本来は社会保障や公共サービスなどに使用されるべき資金」「この金額の一部が大企業や特定の政治家へ利益として流れていた疑惑が浮上」などとコメントしているが、詳細は不明だ。

コメント内容に該当する事態は、2025年5月9日現在、報道や政府の公式発表などで確認できない。

「トランプ 財務省 10兆円」でGoogle検索すると、ニュースタブにはトランプ関税や貿易収支に関するニュース(CNNロイター)、米政権の国債発行額(日経新聞)、日本の債務超過(NHK)に関する記事などが表示される。

いずれも「トランプ大統領が行方不明の10兆円が日本の財務省に関係していると暴露した」という情報とは無関係だ。

近年、ネットなどで「巨額の資金が消えた」などとして話題になった例はいくつかある。

2022年4月以降、新型コロナウィルス対策のための予備費12兆円の9割以上が使途不明であると報じられた(日経新聞TBS NEWS DIG)。

また、2025年4月7日の参議院決算委員会において、柳ヶ瀬裕文氏(日本維新の会)が「直近3年間の当初予算と決算が毎年10兆円近くずれている」「税収を10兆円少なく見積もっていた」「税収が足りない、さらなる増税が必要だ、税収が足りないから減税はできない、という誤った財政の運営につながっていく」などと述べた(動画6:36:01~6:37:33)。

だが、これらはいずれもトランプ大統領が指摘したわけでも、財務省による隠蔽や不正利用でもない。

米政府は日本の財務省についてコメントしているか

トランプ氏は、日本の財務省や「行方不明の10兆円」に関して発言しているのか。2025年5月9日現在、トランプ大統領のソーシャルメディアTruthSocialにもXにも該当する投稿はない。

ホワイトハウスの公式ページにも、該当する情報はない。

判定

トランプ大統領が「行方不明の10兆円が日本の財務省に関係していると暴露した」という言説は根拠不明だ。トランプ氏のSNSにも、ホワイトハウスの公式サイトにもそのような発信はなく、関連する報道もない。よって誤りと判定する。

検証:根津綾子
編集:古田大輔


判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。

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